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中国、元安誘導の危険な道 通貨政策の転換が裏目に

2016年01月08日 11時54分00秒 | 保管記事

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  記事の紹介です。

 

中国、元安誘導の危険な道 通貨政策の転換が裏目に

      By Lingling Wei and Anjani Trivedi 
 
       2016 1811:54 JST   原文 (英語)

 

 
 国際通貨基金(IMF)が昨年11月30日に、準備通貨である「特別引き出し権(SDR)」の構成通貨に中国の人民元を組み入れる決定を下したとき、中国人民銀行(中央銀行)当局者は得意満面だった。ある当局者は「任務を達成した感じだ」と語った。

  IMFはこれによって元をドルや円、ポンドと同等の立場に置き、世界第2の経済大国の通貨にふさわしい地位を与えた。中国の念願はかなった。ただ、ウォール・ストリート・ジャーナルが中国政府当局者や人民銀顧問ら十数人に行ったインタビューによれば、中国当局者は元が準備通貨に組み入れられたことで、政策の優先順位を元高誘導から景気てこ入れにシフトできるようになったと受け止めた。

  政府当局者や人民銀顧問によれば、中国当局は輸出競争力の強化のため、徐々に元安に誘導する危険な道に足を踏み入れた。その戦略が内包する巨大なリスクは、今週になって一気に表面化した。7日にはその勢いは増し、株式から商品に至るまで世界中の市場を動揺させた。

  人民銀の元安誘導は投資家による人民元の大量売りを誘発し、人民銀は事実上、元安のスピードをめぐる市場との大々的な戦いに引き込まれることになった。7日の上海外為市場では、元の対ドル相場が5年ぶりの安値水準に落ち込み、人民銀は元安阻止のため元買いの市場介入に乗り出さざるを得なくなった。

  投資家は人民銀の対応について、2通りに解釈した。1つは、中国経済が大方の予想よりも急ピッチに鈍化している兆候というもの。もう1つは政府指導部が事態にうまく対応できていない印という受け止めで、政府が昨夏に急落した株式市場のてこ入れに失敗して以降、くすぶっていた市場の不安が再燃した。

  7日の上海株式市場は寄り付きから急落を演じ、相場が急変した場合に取引を停止する「サーキットブレーカー」が発動された。開始から30分足らずで、この日の取引は打ち切られた。サーキットブレーカー制による取引打ち切りは、導入初日の4日に続き2回目だった。証券監督管理委員会は同日遅くに、同制度を暫定的に停止すると発表した。

  7日の上海外為市場の取引は、人民銀の次の動きが不透明なことから、超閑散となった。人民銀は同日発表した声明で、「一部の投機家が人民元を弄んで利益を得ようとしている」と批判し、「こうした取引は中国経済の実体とは何の関係もない」と訴えた。その上で、「人民銀は元を妥当な均衡水準で安定を保てる能力を持っている」と強調し、市場に広がる不安を和らげようとした。

 

  
10元の記念硬貨を見せる中国の銀行員  Photo:  Zuma Press 

 しかし、追い詰められたような人民銀の声明のトーンは、市場をコントロールしようというゲームでは当局に勝ち目がなく、高く付くことを示唆している。人民銀は、8月中旬に予想外の元切り下げを実施して以降、一段の元安阻止のため元買い介入を続け、外貨準備は急減している。7日に公表された昨年12月末時点の外準は33300億ドルで、前月末比で1080億ドルと過去最大の減少に見舞われた。減少幅は、アナリストの予想を5倍近く上回った。

  元IMF中国担当責任者で米コーネル大学教授のエスワー・プラサド氏は、「中国は、市場自由化に対して及び腰の姿勢をとり、市場や経済に対する政府の高圧的なコントロールを断ち切れないことの代償を支払っている」との認識を示した。さらに、市場安定と信頼の回復のために中国が取れる唯一のオプションは、市場改革への明確な約束であると述べた

  中国政府は昨夏、株式・為替市場が当局の予想以上に悪化して以降、経済自由化に対し一時停止ボタンを押し、資金の国外流出を抑える措置を講じてきた。最近では、人民銀は一部外国銀行に対し中国での為替取引を中止させ、外国人投資家が元売りを実施するのを難しくさせた。国営の華創証券の経済調査部幹部は、「為替取引のコストが増大するのは、元の国際化という目標に反する」とし、「元の国際化は為替安定の必要性のため後回しにされている」と述べた。

  人民銀の顧問らによれば、人民銀は人民元のIMF準備通貨入りを昨11月末に果たすと、元高への動機付けがなくなり、今年下半期に小反発させることを視野に入れつつ、当面は、徐々に下落誘導すること目論んでいた。今年下半期には中国が20カ国・地域(G20)首脳会議を主催することになっており、その際に中国の経済力を誇示したいという計算が働いた。

  だがその戦略はリスクをはらんでいる。中でも、市場で元安予想が続いている状態を反転させるのは難しい。一方人民銀は、過度の元安は望んでいない。というのも、資本流出が加速し、中国企業のドル建て債務の返済が困難になるからだ。中国政府統計によれば、同国の対外債務は昨年9月時点で1兆5300億ドルだった。そのうち3分の2は1年以内に償還期限を迎える見込み。金融データ会社ディーロジックによれば、主要な対外債務の保有企業は不動産会社で、債務残高は600億ドル超に達するという。
http://jp.wsj.com/articles/SB11055450168849313420504581465132327310802

  記事の紹介終わりです。

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