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警察に相談していた鈴木さん ストーカー規制法改正5日後の悲劇
鈴木沙彩さん刺殺
鈴木沙彩さんの自宅(上から2軒目)周辺を調べる捜査員ら
=9日午前9時35分、東京都三鷹市で共同通信社ヘリから
Photo By 共同
殺害された高校3年鈴木沙彩さん(18)は事件直前、つきまといの被害を警察に相談していた。長崎県西海市などで相次いだストーカー殺人事件を教訓に、対策を強化した改正ストーカー規制法が3日に施行されたばかり。なぜ警察は相談を受けながら、少女の命を守れなかったのか――。周辺住民は「なんとか防げなかったのか」とやりきれない思いを口にした。事件から一夜明けた9日、現場となった鈴木さんの自宅周辺では立ち止まり手を合わせる女子高生の姿もあった。通勤途中の男性会社員(47)は「被害者が警察に相談していたというが、何とかできなかったのか」と無念さをにじませた。
鈴木さんが両親とともに警視庁三鷹署に相談に訪れたのは事件当日の午前。「つきまとわれている」という訴えに、同署は池永チャールストーマス容疑者に規制法に基づく警告を出すため、携帯電話に電話を3回かけた。だが容疑者は電話に出ず「三鷹署に連絡するように」と留守番電話を残した。これが結果として、被害者が警察に相談したことを容疑者へ伝える形になってしまった。
元神奈川県警本部刑事部刑事で犯罪ジャーナリストの小川泰平氏によると「警告は文書で出すもので、その前に双方の話を聞くという手順自体に問題はない」という。ただ「ストーカー加害者が、警察署からの着信番号に出るかは疑問だ。女性の携帯電話からかけて“とりあえず話を聞かせて”と接触してみるなど、方法はあったのではないか」と指摘した。
また、警察に相談した当日に事件は起きており、被害者の周辺警備を強化できなかったのかという疑問も残る。昨年、全国のストーカー被害相談は1万9920件。増加はしているものの、刑法犯罪全体の2%に満たない。小川氏によると「件数から見て、全国の警察署にストーカー対策専門の捜査員を置くのは難しい」というのが現状だ。
そして警察の危機意識の低さがあらためて露呈された。改正ストーカー規制法は被害者の住所地のほか、加害者の住所地やつきまといの現場を管轄する警察も警告を出せるようになった。4日に鈴木さんに相談を受けた担任教諭はすぐ、近くの杉並署に電話で相談。このとき、署の担当者は「うちでも三鷹署でも相談は受けられる」としたが、自宅を管轄している三鷹署を勧めた。
時計は午後5時を回っていた。担当者は「もう窓口が閉まる。土日は緊急でないと対応できない」と回答。一方で杉並署から三鷹署への連絡もなく、結果的に警察はすぐに動かなかった。
ストーカー犯罪に詳しい翻訳家の秋岡史さんは「警察に相談に行く時点で被害者は命の危険を感じ、崖っ縁にいる。何度も同じような事件が繰り返されているのに、いつ急展開するか分からないこの種の犯罪への危機感が、まだ警察に伝わっていない」と批判した。
◇ストーカー規制法の対象行為◇
▽つきまとい等
・つきまとい、待ち伏せ、押しかけ
・監視していると告げる行為
・面会、交際の要求
・乱暴な言動
・無言電話、連続した電話、ファクシミリ、電子メール
・汚物などの送付
・名誉を傷つける
・性的しゅう恥心の侵害(わいせつ画像の送付など)
※ストーカー行為は「つきまとい等」を繰り返し行うこと
2013年10月10日 06:00
http://www.sponichi.co.jp/society/news/2013/10/10/kiji/K20131010006781240.html
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警察の暗部 【わが郷】
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■ 2009年7月9日
「我が郷は足日木の垂水のほとり」 はじめました。
本稿はその保管用記事です。
■ 2010年3月2日 人気blogランキング(政治)にエントリーしました。 => ランキングを見る