ひとりごと

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チキソグリス(GRP)への疑問(2)

2014-02-14 17:33:29 | Weblog

メーカーからの回答(代理店経由)を以下に記載
→「見かけ粘度とせん断速度の関係」、「ずり速度とずり応力の関係」
  についてのデータはなかったみたい。(もしくは社外秘?)

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【メーカーからの回答】

いつもお世話になり誠にありがとうございます。
お問い合わせいただいておりました件につきまして
メーカーより下記の通り返答がございましたのでご報告申し上げます。
一部ご依頼のデータが存在せず申し訳ございません。


1.関連テスト基準について
  チキソトロピー性を判断する一般的検査方法としては国際的にはASTM D217及びASTM D1831  が基準テストであり、JISにおいてはK2220 5.3及び5.11がそれに該当します。 
  尚、JIS K2220 5.15にて「見掛け粘度の計測法」の規定もありますが、これは一般的にはなされ
  ないテストでありまたテスト可能な機関が限定されておりテスト費用が非常に高く弊社ではこれ
  に基づくデーターは具備しておりません。


2.弊社の計測データー
  ①弊社の「グリースシリーズ、ガイドブック」、4頁を参照ください。
    表中の「粘性変化テスト」にて-4℃にて10,000回撹拌後にThixogreaseは変化値「+1」、
    即ち基準値290に対して変化率0.35%の軟化。
    同条件下での他種のグリース(欧米他社製品)の変化率は10-15倍もあります。
       また、D1831に基づくローリングテスト(加圧負荷稼働テスト)に於いてはThixogreaseは290
    の基準値に対して296、即ち変化率2.0%であるが他社のグリースは計測不可能な流体
    状になってしまっている。 (テスト後66℃に100時間放置後)

  ②今回の案件によりこれとは別のテストをThixogrease #2について行ったデーターは下記の
   通りです。 他種の他社グリースの計測はしていませんが変化率は下記のものより確実に
   遥かに大きいものと考えます。

     D217による計測値、280 (温度25℃にて)
    100,000回の撹拌後の変化は(温度25℃にて)299、即ち、変化率6.8%


3.考察と弊社見解

  ①グリースについて;
    弊社のThixogreaseの粘性安定性は温度に対してもWorked Penetration(加圧負荷後の
    粘性)に対しても他社グリースに比較して変化率が少ないことは周知の通りです。 
    それは成分構成によるところが大きいのですが、含有油性分の粘度指数が95~100と
    他社製グリースのベースオイルよりも優れていることによります。

  ②高速摺動に適したグリース;
    長年、「高速摺動には高粘度グリースを」、と言う従来の潤滑学会をはじめとする業界の
    見解に対して、弊社では逆の「高速摺動には低粘性グリースを」という持論としての見解
    を有しておりました。 それは某自動車メーカーでの高速機構部品でも確実に実証され
    同部品の潤滑には弊社の#2に代わり#1を使用し摩耗損傷問題は完全に解決して
    既に数年となります。

  ③本件事象に関して;
    未確認要素が多く断定的な見解は出せませんが、一般的に弊社のグリースの粘性安定
    性は温度に対しても負荷稼働に対しても他社製グリースよりも良い傾向を有します。
    通常、負荷稼働に対してグリースの粘性は下がります。 他社製グリースのその低減率
    はThxiogreaseよりも遥かに大きく、ひとつの可能性としてこの点が高速摺動に於いて
    逆にThxigreaseよりも良い潤滑効果を出している、と言うことは弊社の持論からは言える
    ことではあります。
    因って、高速摺動にはThxogrease #2ではなくThixogrease #1をお使いいただく事などで
    状況の確認テストなどを共同作業としてさせ頂きたく考えるところであります。

 以上、データーと共に弊社の見解を述べさせて頂きましたが事象の実態を諸観点より確認を
致しておりませんので実情に沿わない点があるかも知れませんが、一般論としての弊社の
見解でございます。

 (以上メーカーからの回答)
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…ということで高速摺動に於いてはチキソグリスより一般グリスの方が
優れるケースもあると理解出来る旨の回答であった。

まだ疑問事項があったので以下の質問を追加で実施。

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【質問内容】

高速摺動に於いて一般グリスの方が逆にチキソグリスよりも
良い潤滑効果を出しているという「メーカーの持論」について
可能であれば説明(もしくは資料)を頂けないでしょうか?

推定として…
・一般グリスだと高速摺動で攪拌され粘度低下により摺動面に
 入りやすくクサビ効果が生じやすく潤滑が良好となる。
 チキソグリスだと粘度低下が少ないので摺動面に流入しにくい
 ため潤滑膜が形成しにくい(潤滑膜が薄い)?

・一般グリスだと摺動箇所では油と増ちょう剤に分離し、その油分で
 潤滑を行うがチキソグリスでは油自体で粘度を構成しているため
 高速摺動では摺動面に潤滑成分が入りにくいのでは?

(以上質問内容(抜粋))
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そのあと軸受のグリス潤滑のメカニズムについて調べていると
ベアリングメーカー(N社)の高速摺動軸受のグリス潤滑の研究レポートを発見。

【レポート内の実験条件(一部)】
 軸受:6204
 回転数:10,000rpm
       →摺動面速度(概算)で、17.5m/sec(63.1km/h)

  (今回疑問を持つことになったブロアの軸受摺動面速度が15.3m/sec
   だからこれよりも1割強増の高速摺動条件にある。)

そのレポートではグリスが軸受転動体および遠心力で
③軸受の端に飛ばされ、そのグリスの増ちょう剤の毛細管現象で
油分が分離して②転動面付近~①転動面に流れて
その油分で潤滑するとの記載があり。

 
…この理論が正(だと思う)とすると、チキソグリスは油分の分離が少なく
攪拌時の粘度低下も少ない故に転動面の潤滑が一般グリスより劣るという
現象が高速回転軸受で発生することが想像できる。

上記の質問には翌日回答がありました。
次のブログで記載予定です。

 


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