社労士☆トライ!トライ!

社労士試験にトライしている皆さん。社労士として船出をしたばかりの皆さん。ちょっとだけ先輩からの応援メッセージです。

5月も終わりでーす。

2011-05-31 09:01:21 | 労働者災害補償保険法
本日5月31日です。社労士試験の受験申し込みは、本日まででーす
今年の試験は、電力供給の関係で、試験の開始時間が早くなり、選択と択一が逆になりましたので十分にご注意ください。

労災の改正「業務上の疾病」を中心にして、ポイント整理をしています
ところで、今回の「業務上の疾病」の範囲についての改正内容ですが・・・実はすでに過去に出題されているんです・・・・・そうです平成20年の選択問題です
では、なぜ今回「改正」として扱われているのでしょうか???・・・・
平成20年出題の段階では、労働基準法施行規則別表における・・旧⑨(改正で⑪になりました)・・・「その他業務に起因することの明らかな疾病」に該当するものとして通達(H13.12.12基発1063/H11.9.14基発544)で示された認定基準が、そのまま出題されたんです。つまり、もろに通達からの出題だった訳です
今回の改正で、この通達がなくなっちゃったわけではありません・・施行規則改正により具体的に⑧⑨で例示疾病として追加されたのですが、この⑧⑨の疾病に該当するかどうかの判断基準は、今まで通り上記の通達によりますってことはー、ますます出題可能性が高まったと考えることができますね
ここで、平成20年の選択式の過去問の復習をしておきましょう!!
A:相当因果関係:業務災害は疾病が分類列挙されてるので、この列挙以外の疾病では、労災認定されないの???・・ってことで、業務と「相当因果関係」が認められれば、「その他業務に起因することが明らかな疾病」に該当するとして「業務上の疾病」と扱われる・・・・という点からの出題でしたちなみにこの列挙以外の疾病について認定されるか?については、択一でも数回出題されていますよ
B:脳血管疾患及び虚血性疾患等(負傷に起因するものを除く):これが今回の改正による⑧に該当します
・・今回の⑧では、「長時間にわたる長時間の業務」という時間外労働の過重による負荷を明確に意識しています
ちなみに時間外認定基準については、発症日を起点とした1か月単位の連続した期間で見ます
発症前1か月~6か月にわたり、おおむね45時間を超える時間外労動発症前1か月間におおむね100時間を超える時間外労働又は発症前2か月間~6か月間に1か月当たりおおむね80時間を超える時間外労働・・・・これらの基準をもって「長時間」の労働として評価しています
D:心理的負荷:続きの問題文章は「精神障害等」となりますので・・・これが今回の改正による⑨に該当します改正⑨では「人の生命にかかわる事故への遭遇その他心理的に過度の負担を与える事象を伴う業務・・・」と表現しています
さてCとEですが・・・C:認定基準:は「脳血管疾患及び虚血性疾患等」にかかる言葉ですね。ここでの認定基準は、長時間労働でしたね・・・上記しましたように労働時間は「数字」で表わすことができますので「基準」という言葉を用います
それに対してE:判断指針:は「心理的負荷による精神障害等」にかかる言葉です・・精神疾患は個々の要因によるものが影響しますので、数字的な基準を明示することが困難ですしたがって「判断指針」と表現されているのでしょう

社労士にとっては、実務上はすでに通達により示されていた事項ですので、現実には「改正」としての意識はないと思います。しかし通達でしめされていたものを、今回の⑧⑨の具体的列挙としてわざわざ示したということは、これは「重点課題」であると考えられるでしょう
時間外労働の管理・労働環境等、社労士としてもう一度顧問先のチェックが求められている・・・と思うのですが労働災害は、未然に防ぐことが重要ですね。

あすからしばらく、予定が立て込んでいますのでたぶんUPはになると思いますので、今日はがんばってたくさん書きました

再々しつこいですが、「業務上疾病」とそれと比較する形で(ひかっける様に)「通勤による疾病」は、本当に毎年出題されている超要チェック事項です。しっかり丁寧に学習することをおススメします

次回以降も、法改正事項を中心に、学習上のポイントを整理していいきまーす
では、ちょっとあすからお休みをいただきます。

大雨の日曜日でした

2011-05-30 08:01:06 | 労働者災害補償保険法
台風が5月に2度も上陸するのは、かなり珍しいことのようですが・・・東京でも、強い雨が降りました。午後から外出しましたが、大きめの傘をさしていたにも関わらず、全身濡れて帰宅しました。
地震・台風と自然の力は、はかり知れませんね
今日は、前回の改正事項を踏まえて・・・・出題頻度がめちゃめちゃ高い「業務上の疾病」と「通勤による疾病」のポイントを整理したいと思いまーす。必ずしっかり学習してください。

「業務上の疾病」は【労働基準法施行規則】により分類されていることを、覚えていますか
でも「通勤による疾病」は【労働者災害補償保険法施行規則】に定めがあります。
この違いは、大変重要なのでーす
労災保険における「業務災害」に対する労災の補償は、【労働基準法】による使用者の災害補償責任が根拠になっています・・したがって疾病の認定基準においても、【労働基準法施行規則】が適用されます
それに対して「通勤災害」は労働基準法にその根拠はなく、【労働者災害補償保険法】オリジナルの規定です。したがって疾病の認定基準も、労働基準法の施行規則を適用することはできませんので、自分の法律である【労働者災害補償保険法施行規則】を適用します。。。。。この施行規則の適用の違いは過去に出題されていますね以上の部分は、業務災害・通勤災害をチェックしていくうえで、重要なベースになります
「業務上の疾病」については、前回のUPで、認定基準を改正を中心にお話ししましたが、①~⑪で、具体的に列挙されていました。しかし「通勤による疾病」って具体的にあげられませんね・・・「業務上疾病」の①と同じ様に・・・通勤で負った怪我がもとで疾病になった場合を想定した≪通勤による負傷に起因する疾病≫と、あとは、個々に疾病と通勤の因果関係により判断するしかないので≪その他通勤に起因することが明らかな疾病≫・・・「業務上疾病」の⑪と同様・・・として具体的な疾病名は告示されていません。
この疾病の、「具体的列挙」の有無についても、過去に出題されていますね
過去の出題傾向の一つとして、「業務上」「通勤」の比較は、狙われ所です。給付についても労働基準法の災害補償責任を意識して(打切補償とみなされる傷病補償年金など)、両者の差異をちゃんと意識して復習しておきましょう

この認定基準に関連は、超頻出事項ですので、次回もこのお話を続けて掲載させていただきます。ではまた

早くも梅雨入り!

2011-05-28 08:08:46 | 法改正
昨日、関東甲信越も梅雨入りしました・・・早く梅雨入りしたからって、早く梅雨が明けるわけではないらしいです

法改正予告通り労災です今日と次回の範囲は、めちゃめちゃ要チェックですよ。
2010年5月施行で「業務上の疾病の具体的判断」の範囲が見直しになりました
この「業務上の疾病」と「通勤による疾病」については、平成12年以降、毎年出題される超頻出事項です。選択でも択一でも出題されていますので、過去問は絶対チェックです。。。。労災は全体に出題が偏っている傾向がありますので、この範囲のみならず、過去問のチェックは絶対必須です。

今日は、「業務上の疾病」の改正内容について具体的にお話していきます。次回はこの改正と併せて「通勤による疾病」との比較等、超頻出事項について、出題ポイントを押さえていきたいと思っています

「業務上の疾病」の範囲は、【労働基準法施行規則】の別表に示されています
改正前は①~⑨でしたが、改正により今まで≪⑨その他業務に起因することが明らかな疾病≫に含めていた「脳・心臓疾患」と「心理的負荷による精神障害」を具体的に列挙し、①~⑪になりました
長くなりますが、①~⑪まで掲載しますね
①業務上の負傷に起因する疾病
②物理的因子による(省略しますが、紫外線・赤外線・レーザー光線にされされる業務による疾病など1~13の具体例が挙げられています)疾病
③身体に過度の負担のかかる作業態様に起因する(これも省略しますが、重量物や削岩機等による作業による疾病が1~5の具体例が挙げられています)疾病
④化学物質等による(これも省略しますが、今回の改正で具体的列挙が1~9(改正前は8)になりました)疾病
⑤粉塵を飛散する場所における業務によるじん肺症等、じん肺法および施行規則等で規定することにより挙げられている疾病
⑥細菌・ウイルス等の病原体(これも省略しますが、1~5の列挙があります・・・看護の業務や研究者をイメージしてください)による疾病
⑦がん原性物質もしくはがん原性因子又はがん原性工程における業務における(これも1~18の列挙がありますが、安全衛生法でおなじみのベンゼン・ベンジジン・石綿などにされされる業務です)疾病
ここまでは、改正前と同じ項目です⑧⑨は改正追加になったところです。
⑧長時間にわたる長時間の業務(これについては、次回に詳細を・・・)その他の血管病変等を著しく増悪させる業務による脳出血、くも膜下出血、脳梗塞、高血圧性脳症、心筋梗塞、狭心症、心停止(心臓性突然死を含む)もしくは解離性大動脈瘤又はこれらの疾病に付随する疾病
⑨人の生命にかかわる事故への遭遇その他心理的に過度の負担を与える事象を伴う業務による精神および行動の障害又はこれに付随する疾病
残りの⑩⑪は改正前の⑧⑨と同じですが・・・・
⑩前各号に掲げるもののほか、厚生労働大臣の指定する疾病
⑪その他業務に起因することの明らかな疾病

ちなみに疾病は「災害性疾病」と「職業性疾病」に分類できます。上記の①は業務上のけががもとで病気になったものですから、「災害性疾病」ですね
②以降は「職業性疾病」になりますが、②~⑨および⑩は具体的にその疾病が列挙されていますが、これは被災した労働者がわざわざ業務に起因する疾病だと立証しなくても、○○の仕事(職業)に従事している人が、△△の疾病にかかった場合は、立証しなくても、業務上の「職業性疾病」として認定できるようになっていますだから、わざわざ疾病が列挙されているんですう

改正そのものは、業務上の疾病の範囲に、「過重負荷による脳・心臓疾患」と「心理的負荷による精神障害」が加わっただけなのですが、ここが見直されたってことは、このあたりから必ず?出題されるってことが、予測できまーーーす

ってことで次回は、このあたりのポイントを、まとめたいと思いまーす
じめじめしていますが素敵な週末をお過ごしください。




外国人技能実習制度??

2011-05-27 07:10:08 | 法改正
『出入国管理及び難民認定法』・・・公的文書の引用等を含め『入管法』と呼ばれていますが・・・出入国管理制度つまり、日本国への入国・帰国、日本国からの出国、外国人の日本国在留に関する許可要件や手続、在留資格制度、入国管理局の役割、不法入国や不法在留に関する罰則等&難民条約及び難民議定書に基づく難民認定制度等を定めたものです
行政書士の皆さんには、おなじみの法律だと思いますが、社労士には業務外の法律ですね・・・・しかし、社労士としては、外国人労働者を受け入れている会社さんの、労務管理等を行う可能性を考えると概要は知っておいたほうがいいかなーと思われる法律の一つです

さて、この法律『入管法』に絡んだ、労働基準法第9条関連の通達が平成22年7月1日施行で、だされています
2010年7月の『入管法』改正により、在留資格(27種類に分類されてまーす)【技能実習】について整備されましたことに関連した、通達です。労基法上の通達ですから、ちょっと確認していおきましょうね

簡単にお話しすると、改正前は、入国1年目は在留資格【研修生】として『入管法』上報酬を受ける活動が禁止され、その研修を終了した後に、雇用契約の下で、在留資格【特定活動】として技能実習が行われる「研修・技能実習制度」でした
まず問題となったのは【研修生】のあつかいです。【研修生】は働くことのできない在留資格で、報酬が支払われませんし、「労働者」には該当しません。つまり労働基準法の保護の対象になりません・・・・これを悪用して、「研修」を名目に時間外で労働時間の制限なく働かせたり等のトラブルが多くみられるようになりました。また技能実習に対しても、法的地位が不明瞭で、賃金不払いや最低賃金に関するトラブルが多発しました
そこで、『入管法』を改正し、新たな「技能実習制度」を構築しました。技能実習を1号(1年以内)と2号(1号期間を含めて3年以内)に分け、入国1年目から(ただし入国後の初期講習中1~2カ月は除きます)、労働基準法関係法令が適用されることになりました
今まで長々説明しましたが・・・・実は社労士としては、ここがポイントです。
「『入管法』による外国人の技能実習生は、入国1年目から労働者として、労働基準法も労災も適用されます
試験には出ないと思いますが、【技能実習】と出てきたら、適用。。。。雇用保険も基本的には健康保険等社会保険も適用ですよ!!【研修】と読み間違えをしないようにしてね
もうひとつ、この技能実習制度は、開発途上国への技能・技術・知識を母国へ持ち帰ってもらうことが目的です。農業関係の技能実習生の受入れも進んでいます。ここで問題になるのが、個人経営の(5人未満)農業は、労災の適用については、「暫定任意適用事業」なので適用していない場合が多いんですよね
そこで法務省令(厚生労働省令ではありませーーん)で、「労災保険の暫定任意適用事業所であっても、技能実習生を受け入れる場合には、保険関係の成立又はこれに類する措置を、講じる必要がある」と言ってます
注意したいのは、これは「適用の必要がある」と言っているだけで、「強制的に適用される」って訳ではありませんね。。。。農業の特別加入により「強制適用」になるって言うのと、ごちゃまぜにしないようにしてくださいね

長くなりましたが、実は本日の内容は、そんなに重要ではありません。万が一を考えて、ざっくりと一読して、ポイントだけ確認して、知識の貯蔵庫の隅っこにしまってしまってOK

でも、同じ労災がらみでも、次回は、超重要超頻出の労災改正を取り上げますので、必ず忘れずにチェックをしてくださいね

時間にゆとりが・・・ほしい!!

2011-05-26 11:53:35 | 法改正
毎日・・・それなりに多種多様の予定が入っていて、今月のカレンダーには、予定がビッしり書き込まれていますもう少しゆとりをもって、毎日を過ごしたいのですが・・・・

さて、予告通り、「法改正」シリーズです
基本的な目的は、社労士試験対策ですが、合格者および現社労士の皆さんも、是非是非参考にしてくださいませ
2010年4月10日以降2011年4月8日までの法改正事項が、対象範囲ですが・・・・民主党政権の混迷と3月の震災の影響でしょうか・・・・当初?予測されていた法改正が行われなかったと思われます
したがって、量としては、少なめです。でもだからこそ、しっかり押さえるべきところは、本気で押さえておかないと・・・・・です。
また、昨年の労働基準法のやばいと思われていた改正事項が、出題されませんでした、加えて、今年はほとんど改正がありませんので、択一・選択の両方で、くれぐれも「昨年の改正」に注意を怠らないようにしてくださいませ。

3月11日の震災の影響による「計画停電」と「休業手当」に関して、3月15日に通達が出されています
「計画停電の時間帯における事業場に電力が供給されないことを理由とする休業については、原則として労働基準法26条の使用者の責めに帰すべき事由による休業には該当しない」としました。
計画停電が予定されていたので、休業にしたら、停電が行われなかったこんなことが実際にはたくさん起こりました・・・実際には、個々の事例により判断をされますので、具体的にこの通達の適用を問う問題の出題はちょっとあり得ないと思いますが【休業手当】そのものは、頻出重要事項ですから、この際しっかりと見直すことをおすすめします

では、また次回をお楽しみに

判例のまとめ

2011-05-20 00:55:24 | 労働判例
だいぶ暑くなってきました・・・・
今日は、夜の新幹線で大阪です。たとえ1泊でも、帰阪の回数を増やす方針で動いているのですが・・・・なかなか日程が取れません
さて、今日は判例のまとめをしまーす
ユニオンおよび国が最高裁に上告していたこの裁判は
Gさんは財団との関係において、労働組合法上の労働者に当たると解すべきこと。
財団がGさんに不合格措置をとったこと&団体交渉を拒否したことが、不当労働行為に該当するか否かは、原審に差し戻す。。。。。となりました

この事件の争点は、何といっても「労働組合法上の労働者性の判断基準」にあります
【労働基準法】上の労働者は、職場における労働条件の最低基準を定めることを目的としており、労働者を労働契約の当事者として、保護の対象者を確定するための概念です。
【労働契約法】の労働者は、労働契約の当事者として、労働契約の法的ルールが適用される対象を確定するための概念です。
基本的には、労働者の判断基準は【労働基準法】と【労働契約法】とは同じと考えていいでしょう
それに対して【労働組合法】は、労働三権の具体的な保障として、労働者と使用者との間の団体交渉が保障されるべきものを確定するための概念です。
これまで記載していきた、労働委員会の命令・裁判所の判決から、「労働組合法上の労働者の判断要素」は以下の通りです。参考までに・・・・
①労務供給者が会社の事業活動に不可欠な労働力を恒常的に提供するものとして、会社の事業組織に組み込まれていると言えるかの判断
②個々の業務の依頼を労務供給者が拒否できないかを判断する
③契約の締結の態様から、労働条件を会社が一方的に決めているかを判断する
④労務供給者が、労務の提供にあたり時間的、場所的に一定の拘束を受けているかを判断する
⑤労務供給者が、会社の指揮監督の下に労務の提供を行っているかの判断
⑥労務供給者の報酬が労務供給に対する対価又はそれに類するものと言えるかを判断する
⑦労務供給者が、自らの計算と危険負担に基づいて事業経営を行う事業主とみられるかの判断
⑧労務供給者が会社にどの程度専属しているかの判断

これらの情報については、http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000017yod.html
厚生労働省の「労使関係法研究会審議会資料」に詳しく掲載されていますので興味のある方は、アクセスしてみてください

ではでは、次回・・・来週から法改正を中心に、久々に社労士直結の情報提供を考えていまーすお楽しみに

気持の余裕?

2011-05-16 07:30:24 | 労働判例
5月・6月は何かと予定が多く、ちょっと注意を怠ると・・・例えば、手帳には予定を書き込んだのに、カレンダーにはチェックを忘れてて、カレンダー見ながら予定を確定し、手帳に書き込もうとしたら・・・すでに予定が書き込まれていたりしてなんてね
こんなに日程が立て込むのは、例年は4月のイベントが、今年は5月GW明けに移動していることもあってこのバタバタ感が、気持の余裕をなくしているのでしょうねだから、ミスがでるのかなーーーー。ちょっとパーっと発散しないと、まずいかもです。
さてさて「新国立劇場運営財団事件」は最高裁へ判決が出たのは平成23年=今年の4月12日でした
判決の主文は「原判決を棄却し、本件を東京高等裁判所に差し戻す」でした
この事件では、東京地裁・東京高裁のいずれでも、労働者性を否定する判決が出されていました。しかし、最高裁では、労働者性を認定したうえで、東京高裁に不当労働行為がなかったかどうかについて、差し戻し審理を命じたということです
「差し戻し」とは、高裁でもう一度審理し直しなさいということですね。
「差し戻し」について、ちょっと説明を加えておきますね。今回の事件は、2審までの判決を最高裁が覆したわけですが、最高裁は「法律の解釈」に関わる場合に開かれるのを基本としています
最高裁は司法機関の最上級です。たくさん審理されている判決が全てに「判決の導き方がおかしくないかな?」と最高裁が考えたとしても、最高裁がいちいち審理するのは大変ですそこで、高裁に差し戻す=「その判決での解釈はちょっと違うんじゃないの?」「その事実をそのように判断するのは違うのでは?」などと言う、まー無言の圧力と考えてください。
これによって高裁は「あれ?違ったかな?もう一度考えてみよー」と更に慎重に審理し直すことになります

次回は・・・いつになるのかな???・・・は、この最高裁の判決について、まとめをして、この判例は、終わりにしたいと思っています

梅雨&夏の対策

2011-05-10 20:48:55 | 労働判例
気温が高くて、ムシムシします・・まるで、今日は梅雨時のようです。でもあすは、3月下旬の気温に戻ると予報されていますが・・・・
しかし、梅雨期から夏へと、気温が上がってくると私の苦手な季節の到来です
今年は特に電力の問題がありますので・・・・今から対策を考えなければと思っています

さて、事件は高裁に進みました
東京高裁の判決は、平成21年3月25日に、「集団的舞台芸能性」という点を強調する判断を加えて、基本的には1審の東京地裁の判断を維持し、Gさんの労働者性を否定するかたちとなりました

この後、最高裁に上告されましたので・・・・係争はまだ続きます。

労働者派遣法の改正とも絡まって「個人請負労働者」の問題は、ますます増加していくと思われます。次回の最高裁の判決編をお楽しみに

なかなか定期的にUPができませんが・・・そろそろ受験対策企画を考えたいと思っています
5月の後半・・できるかぎり5月中には「法改正」シリーズを始めたいと思っています
受験生だけでなく、すっかり社労士の知識から遠ざかってしまっている方、現役の社労士の皆さんの参考にしていただけるようにがんばりますので・・・・・しばらくお待ちください

では、また

GWはいかがお過ごしでしたか?

2011-05-09 11:09:30 | 労働判例
ご無沙汰です
GWのほとんどを、大阪で過ごしてきました
大阪は・・・特に大阪駅を中心に・・・活気にあふれていました

めちゃめちゃ間が空いてしまいましたが・・・「新国立劇場運営財団事件」の続きです
書いている私自身が、どこまで書いたか忘れてしまうほど・・・・ですから、ちょっと復習
中央労働委員会の結論は、Gさんと財団との間には、契約メンバーとして、労働契約ないしこれに類似する関係にあり、Gさんは財団との関係でも団体交渉により保護されるべき労働者であり、財団は使用者たる地位を有すると解するのが相当としていましたこれは申し立てが棄却されたことになり・・・両者とも中央労働委員会の再審査申立棄却命令取消しを求めて、東京地裁に訴えたという流れですね。
東京地裁の判決は、平成20年7月31日に行われました
判決の要旨を、簡単にまとめると「契約メンバーは基本契約を締結するでけでは、個別公演出演義務を負っていないうえ、個別公演出演契約を締結しない限り、個別公演業務遂行の日時・場所・方法等の監督は及ばず、基本契約を締結してだけでは報酬の支払いはなく、予定された公演以外の出演を事実上絵だっても求められることはないなど指揮命令、支配監督関係は希薄である」として【契約メンバーが財団との間で基本契約を締結したことによって、労務ないし業務の処分について財団から、指揮命令・支配監督を受ける関係になっているとは認められず、Gは労働組合法上の労働者に当たるということはできない】とされました
1審である東京地裁は、団体交渉申入れ拒否に対する財団の不当労働行為性を認めた中央労働委員会の命令を、取消したことになります。
でも、不合格措置についての不当労働行為性を否定した中央労働委員会のの命令は、正当とされたことになります

これに対して、ユニオンおよび国は、控訴しましたので今度は東京高裁へ進みます

ポイントは、中央労働委員の労働組合法上の労働者性を認めた命令が、裁判(1審)で覆されたことにありまーす

では次回は、高裁判決です