妄想ジャンキー。202x

あたし好きなもんは好きだし、強引に諦める術も知らない

『あまちゃん』16週、「プライドあるから、このままじゃ終われないから」

2015-07-26 12:51:57 | 朝ドラ
『あまちゃん』16週、『おらのママに歴史あり2』の感想まとめ。

アキユイの喧嘩と、ミズタク倒置法留守電と、若春子回とえーとえーと……

とにかく盛りだくさんです




有村さんがここまでブレイクするとは思わなかったなあ。
能年さんもがんばれー、応援してるぞう。





関連リンク

『あまちゃん』15週、ミズタク太巻アメ女GMT

『あまちゃん』14週、ブティック今野がユイちゃんを救う。

『あまちゃん』13週、じぇシュタルト崩壊(‘jjjjjjjjjjj’)

『あまちゃん』12週、そして東京へ。

『あまちゃん』9~11週、温かくて幸せな時間。





■「だってダサいじゃん」「ダサいなんて言うなよ!」






「だってダサいじゃん」
「ダサい?そんなの知ってるよ!ダサいくらいなんだよ!我慢しろよ!ダサいけど楽しいから、ユイちゃんと一緒だと楽しいがらやってんだべ!ここで過ごした思い出まで否定されたらおらやってらんねぇ!」

ユイちゃん、泣きそうな顔して言わないで。
これ以上がんばってきた自分を傷つけないで。
アキも泣かないで。ユイちゃんも、アキも北三陸で全力で歌って笑ってみんなのこと励まして前向きに変えてったたのは本当なんだから。
今は辛いかもしれないけど、あんたたちは必ずアイドルになる。必ずまたトンネルを抜ける日が来るから。

アキもユイちゃんも物語上のキャラクターなんだけれど、お互いの感情がぶつかり合うシーンにこみあげてくるものがある。

ダサくてもそのとき動けるか、で人生は変わるのかもしれないって思った本放送当時。
ちょうど仕事休んでたときだったから余計にしみたんだよな。
足立先生の介護ができなかったヨシエさんとできたヒロシの対比もそう、ダサいと言い切ったユイちゃんもとそのダサさを認めたアキ。
4人の対比が胸に迫る。



あってはならなかったはずのアキとユイの衝突。
春子さんに吐き出さずにはいられなかったユイちゃんと、それと比べてウニ小屋にこもって一人で立っているアキ、2人の姿が対照的。
故郷は話を聞いてくれる人がいる場所、東京は一人で歩いて行かなきゃいけない場所。

それにしても見入ってしまう納年さんと橋本さんの表情。




■勉さんがずっと磨き続けるもの。


 

明るい海女カフェから一転、スナック梨明日。
勉さんの磨く琥珀に魅せられるユイちゃん。

勉さんを通してユイちゃんの心が描かれていく。
勉さん、水口は原石を磨く人。
アキと水口、ユイと勉さんという対比構造に涙。

「ダサいじゃん」のときは目の力が失われていたユイちゃん。
数日後にアキが東京へ戻るとき、まっすぐ前を見据えてる。
アキの向こうにトンネルの光を見たのかもしれないし、自分で磨いた琥珀の光の中に何かを見つけたのかもしれない。




■足立家が一番幸せだったころ。




ユイちゃんもまた足立先生の頑張りに励まされていた1人。
そのユイちゃんと足立先生に励まされていたのがヒロシ。

そのヒロシがクローズアップされる瞬間。

 

ユイちゃんの話を聞いたアキに募る自責の念。
そんなアキに余計なことは一切言わないヒロシ。

辛そうなアキと、少し疲れてるような思い出して幸せに浸っているような、でもアキにかける言葉が見つからないヒロシ。
能年さんと小池さんの演技が見事にマッチしたかなと思います。




???「北三陸ガエルのヒロシでい!」
???「私はこの座り方でないと駄目なんです。一般的な座り方をするとヒロシ力は40%減です」




■「なぜ出ない。電話に君は」




「洪水警報」やら「倒置法」やら「留守電祭り」やらTLに飛び交うタグを見て、本放送当時を思い出した。
時間が経ってもここは本当に変わらないんだなあって。

しかし松田さんにぴったりはまったこのシーン。
ミズタクが松田さんになっていたのか、松田さんがミズタクになっていたのか。

そして始まる留守電メドレー。










ずぶん先輩やあんべちゃんに渡すあたり、アキの心情をつかんでいたんだと思う。
鈴鹿さんのかける言葉も今にして思えば優しい言葉に感じる。いや、ちゃんちゃらおかしいんだけどね。

そしてGMTの面々。
たった一言、何秒あるかないかくらいの中にそれぞれの「らしさ」が詰まってるよね。


喜屋武ちゃん沖縄楽しかったのねლ(╹◡╹ლ)







組合長と忠兵衛さん入り混じるテロップ芸のあと。
ミズタクの言葉。
「みんな君の帰りを待っている」と。

春子の「みんなに好かれたねや、太巻「君を必要とする人間はここにはいない」
アキにかけられた言葉は数多くあるけれど、ひとつひとつがつながってる。


ところでこのミズタク倒置法「なぜ出ない、電話に、君は」を文法的に解釈すると
「なぜVナイ、OにSは」ってなるから、これからこの手の文型はミズタク強調構文と呼ぶことにしますねლ(╹◡╹ლ)

活用例:竹元教授のミズタク倒置法



しっくりくるんだけど、ジワジワくるwww




■ユイちゃんの眉毛がどっかいっちゃったその理由




どうしたか聞きたいのは眉毛だけじゃないし眉毛あるけど、あえて「眉毛どうした?」って尋ねたミズタク。
「そこかよ!」と本放送当時は笑ったものの、再放送を見ていると『あえてここで眉毛に触れた』ことを考えます。

というのもすぐ後に春子さんがミズタクに話すのですが、

「要するにさ、今の自分を正当化するために過去の自分を否定するしかないのよ。
 ユイちゃんの眉毛がどっか行っちゃったのもきっとそうよ。
 芸能界に憧れてた過去の自分を否定しないと乗り越えられなかったのよ」


「眉毛がどっかいっちゃった」のも、ユイちゃんが過去の自分を否定して、その先へ乗り越えるため。
ユイちゃんの眉毛は物理的にはきちんとあるんだけれど、それが彼女の変化の象徴として描かれているのかも。



ただしここでふと思うのはあの日のこと。
乗り越えていくには誰かに八つ当たりでもして、過去の自分を否定していくしかない。
そうやってユイちゃんも春子さんも太巻も乗り越えてきた。
今を生きてきた。



でもあの日のあの震災は違った。誰かに八つ当たりも否定もできなかった
語りがキョンキョンに変わるその日の放送が近づいてるのがなんだかドキドキする。
『あまちゃん』の中の3月11日。
本放送を見ていたときのこと、全部が蘇ってくるんだろうな。忘れちゃいけなきゃんだろうな。





■アキとユイちゃん、2人の因縁



 

「アイドルも奈落もわがまま女優の付き人もユイちゃんのためと思わねえど我慢できねっていうか。
 ユイちゃんのせいにしねえとやってらんねっていうか。それなのに、冷めたとが言われて。ダサいとが言われて、何か目的を見失ったっていうか。
 あれれ?おら何のためにやってんだっけ?って考えちまったんだ。」


アキの東京編の思い出を振り返るシーンにはユイちゃん映して、「ユイちゃんのせいにしないとやってらんなかった」って言葉でアキを映してる。
離れていたけどどこかで絡み合っていたこの数ヶ月だったんだね。
いやそれにしてもつくづく能年ちゃんの表情、すごいなって思った。ほんとにアキになりきっていたか、あるいは能年ちゃん自身にも思い当たることがあったのか。

本音をぶつけ合って和解した2人。



アキは行く人、ユイちゃんは待つ人。
待つ人がいるから行ける、行ける人がいるから待っていられる。
アキとユイちゃんは一連たくお、もとい一蓮托生なのかもしれない。

こんな友達いたら多分人生もっと生きたいように生きれるのかもしれない、と本放送当時泣いたシーン。



「サインして」「あるんだ」

アキのそれと、ユイちゃんのそれは似てるようで違う。
違うようで似てる。
でも2人ともサインを描いてもらって、自分のことのように喜んで、明るい未来を想う表情は同じだなあって。



アキとユイの和解が、琥珀のミサンガに象徴される。
この琥珀は、ユイちゃんが勉さんにもらって磨いた琥珀かな。

アキが初めて東京へ経ったとき、アキからユイちゃんへ渡したのは東京行きの新幹線の切符だった。
このときユイちゃんからアキへ渡したのは北三陸の琥珀。


2人とも、よかった。ほんとによかった。明るいメロディーがしみる。
わかってたんだけど、安心してしまった。





■海と共に生きていく夏ばっぱ




夏ばっぱもまた待つ人。心の中で大漁旗を振って。

そして夏ばっぱとアキの対比。
「そこに海があるから潜る」夏ばっぱと、「潜りたいから潜る」アキ。似てるようで違う2人の潜る理由。

なんてことのないこの一言が、東日本震災で津波を経験した後の夏ばっぱの言動に繋がってるんだなって。
海のそばに生まれたから、何があっても、海と共に生きていく。
それが夏ばっぱなんだなって。








橋梁を渡るときに警笛がなり、これからまた始まる東京編への楽しみと不安をかきたてられます。
しかしアキが開いた春子からの手紙には思いがけない事実が書かれており、テレビのこちら側でも「?!」と驚いたものです。






■名前を奪われた天野春子、声を奪われた鈴鹿ひろ美、『潮騒のメモリー』の真実






物語の核心部分。
印象的な若春子のシーンのひとつ。

最終週での若春子と太巻を思い出しましたが、多分最終週にはこのシーンを思い出すんでしょう。




太巻に頼まれ、『潮騒のメモリー』を無邪気に歌ってる若春子。
その後彼女に起こる悲しいことを想像すらしないくらい、嬉しかったのかなと思います。

対して、母となり北三陸へ帰りまた笑顔で歌う今春子。
やはり嬉しかったのでしょう。

同じキョンキョンの歌声(出だしは有村ちゃんの声入ってるけど)なのに、違う歌のような、それでも同じ歌のような、混乱してくる不思議。
影武者春子の歌声が完全に16才の小泉今日子。
若く聴こえるように歌ってるのがスゴい。




「鈴鹿ひろ美の影武者としていくつかの歌番組に出た。出た?出てはいません。声だけです」

回想シーンと現在進行形で手紙を読んでいるアキが繋がったシーンですが、当時の若春子がアキに何か訴えかけてるみたいです。


太巻に頼まれ、それを正宗さんが目撃して、春子は鈴鹿ひろ美の影武者として「潮騒のメモリー」歌った。
そのときから天野春子は名前を奪われ、鈴鹿ひろ美は声を奪われました。


1週間の半分を使った長い回想シーン。
能年さんより有村さんのほうが多分出演時間は多いはず。

しかしこのときのふたりが丁寧に描かれたからこそ、鈴鹿ひろ美が声を取り戻した潮騒のメモリーに号泣したし、年末に天野春子が声を取り戻したときも号泣した。








■太巻の功罪




あのころの太巻の功罪。

当時の太巻はさ、詐欺師じゃあない。
ただやり方間違えちゃったってだけで、一生懸命なんだよね。
自分のことは勿論なんだけど、鈴鹿ひろ美と天野春子のふたりを守ろうとしていたのかもしれない。


彼がいなければ若春子の歌は広まらなかったし鈴鹿ひろ美も大女優にはなれなかったけれど、でも2人は声と名前を失う必要はなかったかもしれない。
紅白のこと思うとグッとくる古田さんの表情。

アキ、ユイだけじゃなくて若春子や若太巻を丁寧に描いたからストーリーがタテにもヨコにも拡がったんだなあってしみじみなう。

でも、社長になって、天野春子の娘・天野アキと再会して、あの当時を思い出して。
そして水口にかけた言葉。

「奈落にいた頃が一番面白かった」

1985年の太巻のことを考えさせられる一言。







■「天野春子」が壊れかけたとき




経歴に傷はつかない、でも心は傷ついてる。
春子も、太巻も、忘れてるけど鈴鹿ひろ美も。


その傷が何年か残って、やがて、みんなを変えていく「天野アキ」と出会うことで癒えていくんだろうな。
そうするとやはりアキは「変えて行く人」なのかもしれない。


「このまま1曲3万円で影武者をやってたら、永遠にデビューできない」
「今いくら売り出してもうちの事務所に圧力をかけられる。潰される!君はデビューできない!」






夢見て上京してきた20歳そこそこの女の子にこの状況は辛かろう……。


「だまされている。だけど当時のママには他に頼る人もなく、太巻さんを信じるしかなかったのです」



もしこのとき、ユイちゃんに今春子がいたように、若春子にも頼れる人がいたら。
夏ばっぱに相談できていたら。

夏ばっぱがあのとき笑顔で送り出していたら。
若春子が大漁旗に気づいていたら。
大吉が話しかけていなかったら。


そんなことを言いだしてもきりがないとはわかっているとはいえ、若春子の孤独の辛さが伝わってくる。

そんなギリギリの精神状態が続いた若春子。
「デビューはいつですか」と太巻に詰め寄る。
社長のデモテープを聴いた感想を聞くのだけれど…



若春子のアイデンティティが壊れた瞬間でもあり、かろうじて残ってたプライドの栓が外れた瞬間でもあり。



確か本放送のとき、甲斐さんは気付いてると踏んでたんだがな。






■「プライドあるから、このままじゃ終われないから」


「プライドなんてあるに決まってるじゃない。なかったらとっくにあきらめてます。
 プライドあるから、このままじゃ終われないから、今日まであんたの言うこと聞いてきたんです。バカにしないでよ!」








やはりここで繋がるのがユイちゃんのあばずれナポリタン回。
ぐれたユイに「あるんじゃん」と言い放った春子。
プライドはある、このままじゃ終われない。
でもどうしたらいいのかわからない。

この時に限らず若春子が時々ユイちゃんのようにも見える。
若春子が太巻に「いつですか」とこっそり聞いているシーンは、水口とユイちゃんが洞窟で会っていた頃と似てる。

そして週前半で描かれたユイちゃんの言葉。



誰のために歌うのか。
誰のために踊るのか。
誰のために生きるのか。

若春子とユイちゃんの違いは、頼れる人がいたかどうかってのもあるんだけど、「誰のために」の部分に気づいていたかどうかの点もあるのかもわからんなあ。






■アキとミズタク、春子と太巻。


「鈴鹿さんとママと太巻さんの過去をもっと深く知りてえ。知る必要がると思ったからです」



「おそろいだ!」の明るい表情から、この辛そうな表情。
鈴鹿ひろ美への気持ち、というより『潮騒のメモリー』を聴いて、歌う楽しさを知ったあのころの気持ちを持て余してる。
ユイちゃんのことも思い出しながら。

それでもどうしても不安がこみ上げるアキ。



「私ほんとうにデビューできるんでしょうか」と尋ねるアキ。
今度はこっちが若春子に見えるし、「絶対デビューできるから」と寝ぼけなまこに励ますミズタクもまた太巻に見える。






■ひきこまれる音楽


ここんとこずっと「暦の上ではディセンバー」だったのに、いっきに「潮騒のメモリー」に引き込まれるんだからすごい。
もっと言えば、音痴バージョンの「潮騒のメモリー」だからすごい。
それで来週には「地元に帰ろう」でしょう。


それらが一気に流れた2013紅白は、半年間を全部よみがえらせたから、一気にこみあげてきたんだろうなあ。









しかし1回15分で週6回。
15分で多いときは15ツイート。
ってことは1分に1度は「!!」ってなるシーンや演出、セリフ、演技があったってことだよね。

半年あったなんて、今考えたらすごいな( ◉◞౪◟◉)


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