論語を現代語訳してみました。
子罕 第九
《原文》
子曰、主忠信、毋友不如己者。過則勿憚改。
《翻訳》
子 曰〔のたま〕わく、忠信〔ちゅうしん〕を主〔しゅ〕とし、己〔おのれ〕に如〔し〕かざる者を友とする毋〔なか〕れ。過〔あやま〕ちては則〔すなわ〕ち改〔あらた〕むるに憚〔はばか〕ること勿〔なか〕れ。
《現代語訳》
孔先生はまた、次のように仰られました。
〈弟子諸君よ、よいか。なにごとも、〉真〔まこと〕の心を軸とすることが大切であり、たとえ、立派なことをいう人であっても、そうした軸をもたない人を同門や弟子として扱ってはならない。
〈このことからも、〉もしも自分自身に、〈真の心が〉足りないと気付いたのであれば、すみやかに心を改め、学びをえるようにすることが大事であるぞ、と。
〈つづく〉
《雑感コーナー》 以上、ご覧いただき有難う御座います。
この語句は、原文・翻訳が学而第一『改むるに憚ること勿かれ』と同一内容となっていますが、子罕第十では若干内容を変え、現代語訳しています。というのも孔子は、学而第一で述べた内容というのは、あくまで子夏の質問に対して答えた内容となっています(私の語訳上)から、今回はそれ以外の若い弟子たちに対する内容として、語訳してみました。
また孔子はこの語句を、二たび述べていることから察するに、「真心を軸とする」ということの大切さを心掛けながらも、人として、師として、そして為政者として実践していたんだなと、改めて感じる次第です。
※ 関連ブログ 改むるに憚ること勿かれ
※ 孔先生とは、孔子のことで、名は孔丘〔こうきゅう〕といい、子は、先生という意味
※ 原文・翻訳の出典は、加地伸行大阪大学名誉教授の『論語 増補版 全訳註』より
※ 現代語訳は、同出典本と伊與田學先生の『論語 一日一言』を主として参考