ゆみなのteatime

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大統領の料理人

2013年09月15日 | Weblog
    「大統領の料理人

 2012年 フランス映画 95分
 監督・脚本 クリスチャン・ヴァンサン
  あまり馴染みのない監督だけど
  「恋愛小説ができるまで」という作品で
  脚本賞 新人監督賞を受賞している
   料理の得意な人で食通としても
   知られているらしい
 音楽:ガブリエル・ヤレド
   「イングリッシュ・ペイシェント」や
    アカデミー賞をとったガブリエル
    他の作品には「コールドマウンテン」
    やオータムインニューヨーク」など
 キャスト:カトリーヌ・フロ
    アラン・レネ監督の「アメリカの伯父さん」
    で映画デビュー 芝居畑から出た女優さん
    なので味のある人

 
 平日にも関わらず お客の入りは良かった



 久しぶりのフランス映画 
 ミッテラン大統領時代に大統領のランチを担当した
 ダニエル・デルプシュという実在の女性シェフを
 モデルにしている。
 彼女はフランスのぺりゴール地方出身で
 フランスの伝統的な家庭料理が得意
 フォアグラの農園を経営し
 トリュフなどの生産で三つ星シェフの
 ロブション等に認められ またその料理の腕を
 買われて 大統領のプライベートな食卓を
 任される事になる
 エリーゼ宮の誇り高い男性ばかりの厨房で
 苦労する彼女がいつしか大統領の心を
 癒す料理作りをしてゆく過程は面白い
 また 大統領が病気のために食事制限を
 しなければならなくったとき 彼女は
 潔くその職を離れ 単身 南極探検隊のコック
 として またもや女性一人の地の果てに
 身を投じるのも 同じ女性として
 その決断力と行動力に触発される

 実際のダニエル女史がどうやら映画公開時に
 来日したらしいが 写真を見ると
 快活で意志の強そうなけれど笑顔の素敵な
 女性に見える

 映画は主役のカトーリーヌ・フロがとてもいい
 田舎出身の料理人という事で 彼女のファッション
 はパリの洗練された雰囲気ではなく 
 地味で 家庭的で エプロンもシェフの制服
 ではなくて日本でいうなら 割烹着的なもの
 料理も飾りではなくその素材の味を大事に
 するという姿勢・・・

 料理の映画に共通していえる事は
 その映画の持つメッセージのひとつとして
 「美味しいものは人を幸せにする!」という事
 少し古い映画だけど
 「ヴァベットの晩餐会」を思い出した
 あれも確かフランス映画だったと思う
  パリの有名なレストランで腕をふるって
 いた女性シェフが革命でパリを逃れ
 名もない小さな村に逃れ過去を話さずに
 教会を運営する二人の姉妹のもとに身を寄せる
 ある日 宝くじが当たり 大金を手にした
 ヴァベットは その大金を全部はたいて
 村の人を招待 彼女の作った料理は
 人々を笑顔と至福の境地に誘う
 ・・・・・あれは名作だった。

 この映画のプログラムにはレシピが載って
 いるだろうと思って買ってみたら
 サーモンのファルシが載っていた
 サーモンとキャベツを交互にのせて
 蒸しあげていく料理だけど手間がかかる分
 美味しそうだ!

 プログラムにはエッセイストの平松洋子氏の
 寄稿もあった
 脱線するけれど 最近 彼女の本を読んだばかり
 「平松洋子の台所」 新潮社文庫 552円

 

 ちょっと白洲正子風の感覚に似ていて
 お鍋に対する彼女の美意識は面白い
 この秋の 読書プランに加えてみては?
コメント
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