臨時議会がありました。つばき荘裁判で、市が控訴するのを認めて欲しいという内容でした。
これまでの経過の中で、控訴には反対でしたので、反対討論をしました。控訴に賛成の討論はどなたもなされていません。
反対討論案
議案第125号・126に反対の討論を行います。
松浦市は、平成20年に国民宿舎つばき荘老朽化のため、解体して新築することを決め、
設計業務委託業者選定を指名型プロポーザル方式と決められました。2社の応募があり、
2回の選定委員会の結果、 1社が選定されました。
原告はこの2回行われた選定審査委員会における市職員の違法な説明等により、公正か
つ適正な審査を受ける利益が害された等として、220万円の損害賠償請求として提訴し、
福岡地方裁判所第2民事部から平成26年1月29日に調停にかわる決定が出されました。
松浦市は、80万円の解決金の支払い義務があるとされましたが、松浦市の主張に沿つたも
のになっていない、裁判所の判断が間違っているとして、解決金80万円の支払いの決定を
不服として、2月27日に不服申し立てを行っていました。
松浦市は証人尋間の追加申請を行いましたが、6月16日に証人尋間は却下されました。
裁判所の判断が覆ることはなく、平成26年10月28日、判決が言い渡されました。
主文には、
1 被告は原告に対し、88万円及びこれに対する平成22年10月14日から支払済みま
で年5分の割合による金員を払え
2 原告のその余の請求を棄却する
3 訴訟費用はこれを5分し、その3を原告の負担とし、その余を被告の負担とする
4 この判決は、第一項に限り、仮に執行する事が出来る。 とされています。
この判決の理由として、裁判では原告、被告、双方が複数の主張をされていますが、次のことが事実認定されています。
① 国定公園で国民宿舎を建設する場合、自然公園法では.公園事業と許可の2つの方法
があることを被告職員は知っていた。
そして、被告職員は、設計者を選定する委員会で審査委員に対し、原告案が公園事
業で建設できる余地があったにもかかわらず、そのことは説明せず、許可の説明をし
て「原告案の施設は建設できない。」と伝えていることから、被告職員は、審査に影響す
る重要な事項について不正確な説明をした。と認定しています。
② 被告職員は、設計者を選定する委員会において審査委員に対し「長崎県職員に原
告案をもとに確認したところ、原告案の施設は、自然公園法上の許可が得られないも
のであることが判明した。」と述べ、更に、審査委員に対し原告案は実現しないから、
採点5項目の内3項目について評価はoが妥当と述べた。
③ その結果、審査委員会は、3項目を0′点として審査が行われた。と認定しています。
そして、平成25年7月23日に行われた証人尋間で、県職員2人は、いずれも、「原
告の提案の施設が自然公園法上の許可が得られない。」とは回答していないと証言。
また、裁判所は県職員2人の証言に対し、
同人らには虚偽の供述をする動機が見当たらないこと、
原告提案書にあるようなイメージ図だけでは許否の判断ができず、許可が得られない
とは述べてぃないとぃぅ供述内容に合理性があること、
県職員において原告提案書では許否の判断が出来ないといぅ点で同人らの供述が符号
しており、相互に信用性を補強し合ってぃることから、これらの供述は信用できると、認められるとしてぃます。
以上の事実認定により、重要事項について不正確かつ誤った説明をした被告職員の行為
は、違法であると認定して判決が下されています。
本来、法に訴えて判断を委ねる原告と被告がそれぞれ主張し、その判断を法に委ねる
のが裁判であります、裁判の決定に従うのが条理ではないでしょぅか。
市長は、控訴の目的として職員を守り、適正な行政運営を行なったことを証明すると為
としていますが、現状は、市民の行政への不信感は募るばかりです。このような状況で、
更に、控訴をするということは職員を窮地に追い込み、行政の信頼を完全に無くしてしまいます。
もともと原告は、お金の為に、この訴訟を提起したゎけではありません。目的は真相究
明であり、そして、このようなおかしな事態が三度と生じないよぅにするためです。
福岡地裁において明確に認定されたように、そして、県職員が福岡地裁で明確に証言し
たように、審査委員会で市職員が行った説明は虚偽であったのですから、いたずらに控訴
して裁判を長引かせて、弁護士費用等のさらなる支出をするのでなく、真摯に謝罪して今回の判決を受入れるべきです。
議員の皆さん、1月の調停にかわる決定の中でも、裁判所は、松浦市における適正な行
政の実現に向けた一層の努力を望む次第であると特筆されております。今回また、調停に
変わる決定のときと同じく新たな証拠や争点も無く控訴をされるということですが、松浦
市の「控訴は権利。」との理由だけの控訴にぜひ反対の立場に立たれることをお願ぃ申し上
げて、私の反対討論といたします。
(途中原稿に書いていない事も言いましたが、上がってしまっていて、良く思い出せません。)