とんとんからしのあるがまま

ゆっくりと、のんびりと、ゆる〜いシニアの日々を綴ります。

おとうと(俳句)

2021-06-26 | 日記

六年前のちょうど今頃、弟は強制的に退院させられたのだった 

(詳しいことは書きたくありません)、それからは、病状はどっと

悪くなって、悪化の一途をたどりました

家に帰るときは、歩いて帰りましたが、また、病院に戻る時は

寝台車でした

 

家に帰ったその日に弟は、寂しそうにこう言いました

「奇跡がおこらんかなぁ・・・」

私は、鬼の心になっていたので

「奇跡は自分で起こすもんよ・・・」と。

なんと、冷たい言い方でしょう・・・

もっと心に寄り添ってあげれば良かったと後悔しています。・・・

 

それからも壮絶な闘病は続き、一ヶ月後に亡くなりました・・・・・

胃癌でした。二月に発覚して七月に永遠の眠りにつきました・・・

あっという間でした・・・なんの用意もできなくて・・・

ただ、毎日、痛みと抗癌剤との闘いで、みてる方も辛かったです・・・

私は気が狂れたみたいに、千羽鶴ばかり折っていました・・・

 

痛みから解放されて、弟は楽になったと思います・・・

それだけは良かったけれど、

弟を亡くした悲しみは癒えることがありません・・・

丁度、その頃に夏井いつき先生選者の

俳句投稿サイトに、出会っていたので、

俳句は人生の杖」という言葉に励まされて

俳句を考えることによって日々の辛さを乗り越えられたのだと思います

辛い時こそ俳句をというのが先生の持論です・・・

そう言えば、映画「Hokusai」でも、辛い時こそ絵を描くんだと

北斎が言っていたことを、思い出しました・・・

 

「おとうと」12句・・・・・とんとんからし

 

花種や会う約束のために蒔く(4月)

折鶴の飛び立つるごと花冷る(4月)

治るまで鶴折り尽くす春の月(4月)

桔梗と分かち合う死の朝かな(8月)

桔梗やまた会ふだらふ姉弟で(8月)

秋のてふ柩の端に休みけり(9月)

秋蝶は淋しかりけり石の上(9月)

秋蝶や葬儀の列へ紛れたる(9月)

あきるまで栗むいているさみしさに(10月)

たましひを貰ひてさみし雪うさぎ(1月)

やまももを描くさみしい色散らし(7月)

鱧白く椀へ咲きたる一周忌(7月)

 

追記:

老鶯や噴門に腫瘍の写真(三年後)

癌細胞増えるばかりや鱗雲(三年後)

 

 

                     ※5番目の句以外全て人選を頂きました

      選者:夏井いつき

            庭のムラサキシキブが咲きました

 

今日の巻き巻きタイトル

「命は受け継がれる・・・」

 

今日の晩御飯

きつね蕎麦、アジフライ、天麩羅(生椎茸、南瓜、竹輪、印元)

山形のさくらんぼ🍒

 

今日の一枚

            「生野菜生活その9」