ぱーぱーぱーぱー言ってやがる について

ずっと楽しみにとっておいたらやっぱしすっごく楽しかった、
というのが続いていて、ビールはうまいし最高に嬉しい。


『古今亭菊乃丞　独演会』
日本橋三越劇場
なんと、ゲストはあの北村英治さんのクラリネット！！

藤沢周平から江戸の大衆文化が好きで、そういえばと思い立って鈴本に行ったら
赤べろべろの侍の話をした菊乃丞、という噺家がいてた。
アンテナしだいでひっかかるのだ。
古典だとかなんだとか、私にはまだそこいら辺はよくわからないけど
たぶんJAZZと同じで「くくり」、があるらしい。

江戸っこの話し言葉、みたいな”ひ”、が”し”、になっちゃうやつとか
（ちょっとそこのひと、がそこのしと、になるやつね）
なんだこのおまえさん、なんだかぱーぱーぱーぱー言ってやがらぁ
なんていう早口だとか
おっおつる、お前さんぴかぴかぴかぴかしかっちゃって（光っちゃって）きれぇになったもんだ
というこれまた早口の泣き文句、を聞くと不思議にくせになる。

とにかく話しぶりが面白くて、一回一緒に飲んでみたい。
なんつったら失礼なんだろうかなぁ・・・。


菊乃丞師匠の2番と、お仲入り後に北村先生のゆったりしたあたたかいクラリネットを少し。
ｉｔ’s been a longlong time、
DannyBOY、
さつきによせて
どれも人柄の出る”音”が、しかもあの歳で息が長ーくって素晴らしかった。


ちょっとおとしをお召しの紳士淑女が集まる会なのでチケットの取りかたなんかもまどろっこしいが
それがまた良くて
メールやフェイスブックで取り置きお願い、なんてチケットレス時代はもうすぐ終わるのだ。終われ。
2ヶ月も前に三越劇場から「６：３０までにお越しください」という手書き、の招待券が届いた。
大変に由緒ある劇場らしい。
柱の彫刻や天井のライトの造作が素晴らしくて、ここでビックバンドなんか聞けたらいいなぁと思う。

周りを見渡すとやっぱりおとしをお召しの方達がお着物、なんかをこの台風の最中に着こなしてたいへんに粋であり
菊乃丞師匠は薄翠の着流しから青縞の浴衣、最後の番組では羽織袴と
お色直しも余念がない。

私はというと、作法がわからないから堂々とビールを飲んでおかきを食べた。（場内飲食OKなんです）
笑い声と拍手は恥ずかしがらずにやった。

大変愉しんだので、むつかしい「くくり」のことや、こういうもんだというローカルルール、は
知らなくていい、ような気がしたのだ。