家出の衝動に駆られる夏になってしまって私おとななのに
だからっておかあさんやおとうさんに叱られることもないし、
眠るまくらをちょっとその、変えたってだけで逃避行をしているわけではないのだ。
一週間のうち、自宅に居るのが2夜くらい、で
その間に風を入れて洗濯して牛乳を買う。
牛乳は牛もかわいそうなくらい賞味期限てやつがあるので、このごろカルピスにした。
ごはんは食べる気もおきないので食べずにいたが、新潟魚沼のお米が天才的に美味しかったので
久しぶりにおなか一杯、をごはん茶碗で味わった、9月の家出。
大地の芸術祭 2012 ▽
ECHIGO-TSUMARI
ART TRIENNALE
3年に一度というので家出にはもってこいの、アートの旅は
特に情報をあまりかまわずに兎に角その地へ行くだけ行った。
先々で見、聞き、じょんじょんにわかってくる全体が、私の頭の中でふくらんでいって、つまりは
120分の110分まではよくわからないけどお尻まで来てようやく繋がる映画、みたいに
そうかと開けてきた。
車をゆっくり動かして矢印見つけて曲り目をこらすと突然、窓枠とレースのカーテンが高台に立っていたり
お堂の前の芝生に陶器の花が無数、転がっていたり、くねくねのカーブが続く山道の途中途中に
冷凍庫に入った雪だるまが溶けかかっていたり、
空間のインスタレーションを続ける廃校になった小学校や施設、わかるものわからないもの
がそれこそ見切れないほど山とあったので
あるものを見ることにしてじっと眺めた。
首なしキリン、とアホづらのピンク大蛇。かまぼこ型は雪を自然に落とす策。
竹の楽器を民家の前でバシバシ叩く。マロちゃんもニセ遺跡の中で何かを眺めている。
曇天の予報すらも晴れ晴れと
強烈な日射しに煽られて金色になりかけている稲穂がどんなモダンアートよりも一番
美しかった。
里山や田んぼを借景、そこここに置かれている作品は食べられないのだ。残念だけど。
道にしゃがみこんで井戸端会議中のおばあちゃん達(しかも全員日傘)とか農作業中のじいさん、
家の横に置いてあるコンバインやトラクターに郵便配達のライダー、
くつに登ってやってくる蟻んこ、普通の線路だっていうのに作品に見えちゃってしょうがない。
ちょっとすみませんがお邪魔します、という具合に3日間、町を歩いた。
もう実がしっかりしてきている竿燈のごとき稲のじゅうたん。じいさん空中で農作業中。
魚沼産米の甘さが忘れれない・・・
また家出のお供させてねん!
暑くて暑くて、太陽が近いと甘い米になるんかなぁ
そしたらゆかとマロちゃんも甘くなったね