goo blog サービス終了のお知らせ 

遊ちゃんと2人だけの夜

・・自分記録の独り綴り・・

がんの原因

2024-03-15 20:52:00 | 肺癌

野菜不足で「がんになる人」ほとんどいない真実 加えてストレスでがんになる人もほとんどいない

3/14(木) 12:02 Yahoo!ニュース  278
がん治療の進歩や生存率の向上などもあって、今やがんは「共存していく病」といえます(写真:mits/PIXTA)

 


日本人が一生のうちにがんと診断される確率は2人に1人。「国民病」と言われながら、その特徴や治療法、社会保障について詳しく知らない人がほとんどです。知らないどころか大きな誤解も多々あります。そこで、抗がん剤治療のパイオニアで、腫瘍内科医として、日々、患者の生活の質を支える医療を実践している勝俣範之氏が、がんと共存する生き方について解説します。
『あなたと家族を守る がんと診断されたら最初に読む本』から一部抜粋・再構成してお届けします。

 

■がんサバイバーは全国に500万人以上、がんは共存していく病気

 日本人の2人に1人が一生のうちにがんに罹患し、5人に1人ががんで亡くなっています。

 がんはそういう意味でも国民病と言われますが、情報が氾濫しすぎて正しい情報を得ることがかえって難しい時代です。

 まず、ステージ4のことを「末期がん」と思い込んでいる人がいますがそれは大きな誤解です。

 ステージ4とは、がんが遠隔転移している状態です。遠隔転移や、再発した場合は治療のための手術はできませんが、薬物療法の目覚ましい進化により、この20年間で5倍も長く生きられるようになっています。

 最近では、がんを経験した人を「がんサバイバー」と呼びますが、そうした方々が全国に500万人以上いると言われています。がん治療の進歩や生存率の向上などもあって、今やがんは「共存していく病」です。

 国としてもそうした方々を支える支援の施策をいろいろと打ち出していますから、がんとともに生きる人生は特別なものではなくなっているといえます。

 だから、がんと診断されても、慌てたり、諦めたりしないでいただきたいと思います。

 未だに誤解されているのが、医師から「がん」と確定診断されたときの「余命宣告」です。

 医師が告げる余命は当たらない確率のほうが断然高いというエビデンスがあります。

 国立がん研究センターで、進行したがん患者75名について医師が予測した余命が実際に的中したかどうかを調査した結果、予測確立は「一致」が33~36%でした。つまり3分の1程度しか当たらないのです。

 この程度の確率しかないのに余命宣告を行うことは大きな問題です。できれば医師による余命宣告は即刻やめてほしいと私は思っています。

 同様に「5年生存率」も、過去の数字からのデータでしかなく、患者さん1人ひとりのがんの状態によってまったくわかりませんので、あくまでも目安として受け止めていただきたいと思います。

■がんの要因の6割は、偶発的な要因による遺伝子の突然変異

 がんの疑いから病院に来られて、確定診断に至るまでに、さまざまな検査が必要です。だいたい2週間から1か月はかかると思います。

 それを経て主治医から告知を受けるのですが、その際に、いちばん多い質問は「なぜ、私はがんになったのでしょうか」というものです。

 みなさんは、がんの原因は何がいちばん多いと思いますか。生活習慣が悪かったからとか、がん家系だからと思っていませんか。
それも誤解です。

 がんができる最大の要因は「偶発的要因」、つまり偶然によるものです。

 これが原因の6割を占めます。

 偶然とは、簡単に言ってしまえば、遺伝子の異常、突然変異です。偶発的な何らかの原因によって遺伝子に異常が起こり、それが積み重なったりすることで、がんになる確率が高まります。この遺伝子の異常は加齢とともに蓄積されてくことが知られていますから、年齢を重ねるほど、偶然に、がんができてしまう確率が高くなっていきます。

 さきほどの、「なぜ私はがんになったのでしょうか」という質問の奥底にあるのは、「自分が悪いことをしたから、がんになったのではないか」という自分を責める気持ちですね。

 でも、タバコも吸わなければ、お酒も飲まない、食生活や運動も気をつけて、がん検診もマメに受けている、がんで亡くなった親族もいない、そういった方でもがんになる人はたくさんいます。がんは過去とはほとんど無関係なのです。

 がんに罹患し、周囲から過去の生活習慣のせいだろうと偏見の目で見られているように感じて、がんになったことを隠す人も少なくありません。

しかし、そうではないのです。偶然が6割です。

■野菜不足やストレスでがんになる人はほとんどいない

 残るがんの原因の3割のうちで、大きなものは感染と喫煙です。

 日本人のがんの原因の16.6%は感染が占めると推計されています。B型やC型の肝炎ウイルスによる肝がん、ヒトパピローマウイルス(HPV)による子宮頸がん、ヘリコバクター・ピロリ菌による胃がんなどがその大半を占めます。

 野菜不足をがんの原因に挙げる人がよくいますが、野菜を食べないからといって、それだけでがんになる人はほとんどいません。ストレスも、がんの原因になるという科学的根拠は一致した結果がなく、一部の研究のみ関連があるとしています。

 喫煙は、要因の15.2%です。タバコが原因で起こるがんはとても多く、肺がん、食道がん、口腔がん、咽頭がん、喉頭がん、胃がんなどがあります。今からでも禁煙すれば肺がんのリスクは下がるとされています。お酒も要因の6.2%で、多量に飲むと、肝臓がんを引き起こすリスクになるといえます。

■「がん家系」「遺伝」というのも誤解

 また世間でよく言われる「がん家系」という遺伝についても誤解が多いです。

 乳がんや卵巣がん、大腸がんの一部など、遺伝的要因で起こるがんは、あることはあるのですが、発生確率としてはとても少ないのが実情です。ですから、自分の親族にがんが多いからがん家系だとか、遺伝だとかは、一概に言えません。

 高齢化するほどがんが増えていくので、なんとなく親族にがんが多いと感じてしまうのかもしれません。

 私は「生活習慣病」という言葉をやめてほしいと思っています。もし、生活習慣について言うなら、「一部の生活習慣が原因となって発症する確率が高まるがんもある」というのが正しい表現です。

 タバコ以外の要因で、過去の生活習慣やストレスでがんになったと、ご自分を責めるようなことだけはやめてほしいと思います。

 がんになったのは、決してその方の生き方が悪かったからではないのです

 

勝俣 範之 :日本医科大学武蔵小杉病院腫瘍内科教授、部長、外来化学療法室室長

 

 

コメント

森永さん

2024-03-05 07:32:47 | 肺癌

森永さん、こんなに痩せたの? 

原発不明がん。

生きて欲しい。

 

3/5(火) 5:15 Yahoo!ニュース  52

 


オンライン取材に応じた経済アナリストの森永卓郎さん
 がんで闘病中の経済アナリスト森永卓郎氏(66)が本紙のオンライン取材に応じ、体調や今月刊行される著書について語った。

 森永氏は昨年12月に「膵臓(すいぞう)がん」のステージ4と診断を受け、その後、詳細な検査で「原発不明がん」とされた。現在はがん免疫治療薬「オプジーボ」による治療を受けている。

 「体調は小康状態。私の体の中でがん細胞と免疫細胞が合戦中なんです。決着は1カ月後ぐらい」とユーモアを交えて表現。声の張りやにこやかな表情はこれまでと変わらないが「昨年末は抗がん剤が合わなくて、全く動けなくなって“死ぬんだろうな”って思ったこともあります」と明かした。

 体調が悪化する中、「闘いながら死んでいこうという気持ち」で書き上げた新著「書いてはいけない――日本経済墜落の真相」(三五館シンシャ)が7日に刊行される。

 病床で「ICレコーダーに吹き込んだ原稿を息子が書き起こして」完成したという。「旧ジャニーズ事務所の性加害問題」「財務省の財政緊縮主義」「日本航空123便墜落事件」について取り上げた。

 「これまでメディアが沈黙してきた問題ばかり。死んでもいいと思わないと書けない内容です」と話した。

 

 

コメント

野菜スープのメモ

2024-01-13 23:11:51 | 肺癌

がん専門医に聞いた!がんリスクを減らす「抗がん食材」ベスト3
1/13(土) 21:01 Yahoo!ニュース  33

 


がん専門医に聞いた!がんリスクを減らす「抗がん食材」ベスト3
2人に1人ががんになる時代、がんは誰もが自分ごととして考えておくべき病気です。食生活においては、「この食品には発がん性物質が含まれているか」などが話題になることが多いですが、逆に、がんリスクを減らしてくれる「抗がん性」の食品はあるのでしょうか?がん専門医の佐藤典宏氏による著書『がんにも勝てる長生きスープ』(主婦と生活社)から、がんリスクを減らす「抗がん食材」について、少しだけお届けします。

 ◇  ◇  ◇

最新研究で「がんの予防に役立つ食材」が判明

世界では、がんに関するいろいろな研究が行われていて、特に近年では、食事とがんに関する研究が盛んです。そのため、がんの予防に役立つ食材が複数わかってきました。

例えば、次のようなものです。

・抗酸化作用のある「アブラナ科の野菜」
・抗炎症作用のある「脂ののった魚」
・血管新生阻害作用のある「大豆」や「にんにく」
・抗腫瘍作用のある「ヌルヌルの海藻類」

がんを一気に消してくれる夢のような食材はありませんが、がんに対して、さまざまな角度から効果を発揮する食材があるのです。それらの食材をバランスよく毎日の献立に取り入れると、がんのリスクが低下することは間違いありません。

今回は抗がん作用が認められた3種の厳選食材を紹介していきますので、ぜひ、意識して食生活に取り入れてみてください。

抗がん食材1:キャベツは抗がん野菜No1!

抗がん食材1:キャベツは抗がん野菜No1!
■アブラナ科の野菜にはスルフォラファンがたっぷり

キャベツや芽キャベツといったアブラナ科の野菜には、植物が有害なものから身を守るために作り出すファイトケミカルが豊富に含まれます。その一種であるスルフォラファンには強力な抗酸化作用があり、がんの増殖や転移を抑える働きがあります。
9万人の日本人を対象とした研究で、アブラナ科の野菜を最も多く食べたグループの男性は、最も少ないグループより、がんの死亡リスクが16%低く、全疾患の死亡率も男性で14%、女性で11%低下しました。
一年じゅうスーパーに並んでいて安価で調理もしやすいキャベツは最も身近な抗がん食材だと言えます。

抗がん食材2:ブロッコリーでがん細胞の増殖をブロック!

抗がん食材2:ブロッコリーでがん細胞の増殖をブロック!
■強力な抗酸化作用で肺がんや乳がんを予防

ブロッコリーは強い抗酸化作用を持つアブラナ科の野菜。特にブロッコリーの芽であるブロッコリースプラウトは、100gあたり1000~2000mgという断トツのスルフォラファンを含んでおり、最強の抗がん野菜として注目を集めています。
タバコを吸わない男性を対象とした研究では、アブラナ科野菜の摂取量が多い人ほど肺がんになりにくいという結果や、閉経前の女性はアブラナ科の摂取量が多いほど乳がんになりにくいという報告もあります。
スーパーで売っている小房にわかれた冷凍ブロッコリーを常備しておくのもおすすめです。

抗がん食材3:玉ねぎには抗腫瘍効果あり!

抗がん食材3:玉ねぎには抗腫瘍効果あり!
■がんや生活習慣病に効果があるケルセチンが豊富

玉ねぎをはじめとしたアリウム属の野菜は、抗がん作用抜群。ファイトケミカルの一種で、強力な抗酸化作用を持つケルセチンが豊富で、がんのほか、動脈硬化の予防、血糖値やコレステロール値の低下が期待できます。
また、ケルセチンを与えたマウスを使った膵臓がんの実験では、がん細胞の増殖が抑えられました。
さらに別の実験では、玉ねぎのオニオンA(ONA)という成分が卵巣がんに対して抗腫瘍効果を示したりと、いろいろなタイプのがんに効果が認められています。

抗がん食材を使ったおすすめレシピ

■ブロッコリーとキャベツがたっぷり!緑の和風ミネストローネ

抗がん食材を使ったおすすめレシピ
▼材料(2人分)
ブロッコリー・・・1/2 株
キャベツ・・・葉小1枚(60g)
塩・・・小さじ1/4
A
∟昆布だし・・・400ml
∟白だし(市販)・・・小さじ2
オリーブオイル・・・大さじ1
粉チーズ・粗びき黒こしょう・・・各少々

▼作り方
1.ブロッコリーは小さめの小房に分け、茎の部分も適量を厚めに皮をむいて1cm角に切る。キャベツはひと口大に切る。
2.鍋にオリーブオイル、1、塩を入れて中火で全体がしんなりするまで炒め、Aを加えて煮立ったら火を弱め5分ほど煮る。
3.器に盛り、チーズ、黒こしょうをふる。

▼ワンポイント
ブロッコリーの茎は皮が固いので、厚めにむいたほうが食べやすいです!

本文は『がんにも勝てる長生きスープ』(主婦と生活社)より一部抜粋・編集しています。

画像提供:Adobe Stock

著者メッセージ

2人に1人ががんになる時代。こんな疑問をもつ人も少なくありません。

「がんにならないためには、何を食べたらいいですか?」

ただ、残念ながら、多くの医者はこれらの質問に答えてくれません。医者は患者さんの治療や、自分の専門分野の研究で忙しく、がんと食べ物の関係について勉強する余裕がないのです。

あるいは、食べ物でがんが治ったりするわけがないと考える医者も多く、答えてくれないばかりか、「そんなことを気にする必要はありません」と、小言めいたことを言われる場合もあるでしょう。たしかに、「これを食べれば、がんが消える」といった怪しい情報を流している医者がいるのも事実なのですが、いまは、多くの人ががんのことを気にしています。

私も診察時に、「何を食べたらいいですか?」と聞かれることもあります。そういうときに、「わかりません」とか、「気にしなくて大丈夫ですよ」と返事をするのは、医者として無責任なのではと思っています。というのも、いま、少しずつわかってきているからです。

私は患者さんに聞かれたときや、自分のブログやユーチューブで食事に関する情報を発信するために、6~7年前からがんと食事の関係を積極的に調べるようになりました。

すると、以前にはあまりなかった食事に関する科学的なデータが近年になって急増していることがわかりました。これまでは、食事の研究にお金を出す企業は少なかったのですが、アメリカやヨーロッパを中心に食事が関係していると思われる大腸がんが増えているせいか、食事の研究にも研究費がつくようになっていたのです。

これなら役に立つ情報を発信できると考え、これまでに食事とがんに関する動画を100本以上、ユーチューブで配信しました。今回の本はそれをもとに作られた本です。
毎日続ければ確実にがんのリスクが下がり、健康長寿につながります。ぜひためしてください。

書籍紹介

『がんにも勝てる長生きスープ』(主婦と生活社)

『がんにも勝てる長生きスープ』(主婦と生活社)
「がん食事本」の決定版!
科学的根拠のある「抗がん食材」を使ったスープレシピ集です。

1000例以上のがん患者を治療した名医が、世界中の医学研究を調べてたどりついた食事術を大公開!

スープをすすめる理由は…
・野菜などのかさが減るので多くの量を食べられる
・栄養素を余すことなくとることができる
・作り置きできるので忙しい人でも続けやすい
・食欲のない人でものどを通りやすい

「抗がん食材」ベスト10と、それを2種類以上使ったスープレシピを68種類掲載。がんになるリスクを確実に減らす、たとえ、がんになっても長生きできるレシピ本です。
ぜひ毎日の食事に取り入れてください。

著者紹介

■佐藤 典宏(さとう のりひろ) 
がん専門医、医学博士、外科医(産業医科大学第1外科講師)。
福岡県生まれ。九州大学医学部卒。2001年から米国ジョンズ・ホプキンズ大学医学部に留学し、多くの研究論文を発表。1000例以上の外科手術を経験し、日本外科学会専門医・指導医、がん治療認定医の資格を取得。がんに関する情報を提供するため、YouTube「がん情報チャンネル・外科医 佐藤のりひろ」を開設、登録者12万人(2023年10月時点)。2023年4月、がん患者さんの悩みや質問に個別に答える「がん相談サロン」をスタート。

 

 

 

コメント

1人で乾杯

2024-01-13 11:25:44 | 肺癌

昨日は朝7過ぎに自宅を出て、

3時過ぎに帰宅。

行きは電車、

帰りはイトコ奥さん(癌仲間)が迎えに来てくれた。

 

あ、と思い出して、「お腹空いた!」

帰る途中で、初めて入った「はま寿司」。

スイーツやたこ焼きなど織り交ぜて食べたせい?

牡蠣フライのお寿司ってのも、不思議〜

どれも美味しいとは言えず💦

というか、味がわからないくらいの疲労?

でも、検診結果が「良かった」という安心感があり、

お腹いっぱいに食べた、というわけわかんない感覚。

ビール飲んでいいよ、と言われたけど、

飲んだら、すぐ寝そうなほどクタクタになっていたから、飲まず。

 

 

 

帰宅して、ゆーちゃんと娘・息子に結果報告し、

ゆーちゃんにおやつをあげ、

私は爆睡のお昼寝に突入。

昨日は朝4時に目が覚め、午前が長かった。

 

 

夜の10時近く。コンビニへ。

ふだん買わないポテチを買う。

冷蔵庫から生ハムやケーパー、冷凍ホタテなど取り出し、

ささっと皿に並べて、1人で乾杯の夜。

あ〜 とにかくホッとした。

すると、息子からLINE。

赤ちゃんのうちにまた会わせたいそうな。

軽くふわふわ酔って、幸せに眠りについた。

 

コメント

癌メモ

2023-12-30 08:10:19 | 肺癌

よく言われる話だ。

私ですら20年前くらいから、こういう意見は本やネットで読んでいた。

他にも、住んでいた家のすぐ近くの、

うちの母と同年齢の医師(内科医院)が、

こんなにはっきりではないけど、

そういう類の話を診察中の合間によく話していた。

たまに戦時中の、少年時代の体験まで話てくれたり。

もうちょっと離れた(徒歩6・7分)の内科医院の院長は、

母より10歳くらい上に見えた。いつも穏やかな顔していた。

その医師なんかは、健康診断の基準値をハハハと笑う人だった。

世田谷のあの辺りの医者達は、

どーんと構えていて信頼できる良い人が多かったなあ。

 

母の遠距離介護に疲れていた頃、

血圧が150〜160になっても、

まだ血圧の薬なんか要らない、

新幹線で2時間寝なさいと薬をくれた。

なんだか不意に、思い出した・・・

年末30日、今年の私の一文字は迷うことなく「癌」。

2024年はこうする、という目標はある。

 

 

 

町から病院がなくなったら死ぬ人が減った…医師・和田秀樹が指摘する「日本の高齢者医療」の深すぎる闇
12/30(土) 7:17 Yahoo!ニュース  3

健康で長生きするにはどうすればいいのか。医師の和田秀樹さんは「医者が無理やり病気をつくり、本来は治療しなくてもよい人を治療するケースが驚くほど多い。医者にかかることで、かえって寿命が短くなるおそれがある」という――。

 

【この記事の画像を見る】

 ※本稿は、和田秀樹『医者という病』(扶桑社新書)の一部を再編集したものです。

■日本の医療は、無駄な検査と投薬が多すぎる

 高齢者になると格段に処方される薬の量が増えますし、無駄な検査も増えてしまうので、医療費を増大させる要因になります。ただ、医者が正常値にこだわらず、「少しでも数値がその枠からはずれると、薬を使って数値を戻そうとする」という行為をしなければ、医療費が少しは軽減されるでしょう。

 日本の医療体制の崩壊を防ぐには、何とかしてこの「正常値信仰主義」を正して、無駄な検査や投薬を防ぐ必要があるのです。そのために大切なのは、血圧の高い人が薬をやめたらどうなるのか、逆に薬を飲み続けた人はどうなっているのかを、きちんと大規模調査することです。

 現状、日本の正常値にはまともなエビデンスがありません。それならば、ただの平均値±2標準偏差である正常値に頼らず、調査によって導きだしたエビデンスを元に、日本の医療のベースとなる治療方針を決めるべきではないでしょうか。

 その際には、ぜひ「成人の正常値」だけではなく、「高齢者の正常値」についても調査してもらいたいものです。

 私自身、もし許されるならば、健康状態を改善しつつも医療費を下げる研究などをしたいです。しかし、大学医学部の教授のように研究費がない上に、研究スタッフもいないので、自分では実施できません。現在、研究ができる立場にいる大学の教授は、非常に恵まれています。

■がん検診が広がっても、がんが「死因トップ」のまま

 ところが、彼らは自分たちはろくにこの手の研究をしない上に、この手の研究をする人を選挙で教授にさせません。研究者を名乗るのであれば、研究費稼ぎのための製薬会社にこびへつらうための研究ではなく、少しでも日本の医学に貢献する研究を進めてほしいものです。

 もしまともな研究をしないならば、もっと向学心のある若者に道を譲って、引退していただきたいです。

 各種検査の中で、「これは不要ではないか」と私が強く思うのは高齢者の「がん検診」です。

 日本人の死因の一位となるがんで死ぬ人が増えるほどに、マスコミなどを通じて「がんは怖い病気だから、がん検診を受けよう」と喧伝(けんでん)されがちです。しかし、世界中を見ても日本でがんの死者数が多く増え続けている理由の一つは、「がん検診のしすぎ」だと感じています。

 昨今の日本では、腫瘍マーカーなどの血液で簡単にできる検査をはじめ、がん検診が広く行われるようになりました。しかし、がん検診がどんどん普及しているのに、がん患者の数が増え、がんによる死亡者数も増えています。

 なぜこんな不思議な事態が起こっているのでしょうか?

 それは、検診で見つけなくてもよいがんを発見しては、無理やり治療するからこそ、がん患者やがん死者が増えているという大きな矛盾が存在するからです。

■高齢者にがん検診は必要ない

 そもそもがんは治療せずに放置していても、死の直前までは痛みなどを感じづらく、晩節を穏やかに過ごせるため、「最も幸せな病気」と言う医者もいるほどです。余命があと数年という患者さんのがんを見つけて、それを無理に治療してつらい思いをさせる必要はないと私は思います。

 また、どんなに対策していても、高齢者になるほどにがん患者の割合は増えていきます。そもそもがんという病気は、細胞の老化によって引き起こされる要素があります。私がかつて浴風会病院という高齢者専門の総合病院に勤務していた際、患者さんの遺族の許可を取り、毎年100例ほどの遺体の解剖が行われていました。

 解剖してみたところ、80代後半の方で、体の中にがんのない患者さんはほとんどいませんでした。それでも、がんが死因だった人は三分の一くらいで、残りの方はご自身ががんであることを知らずに亡くなっていきました。

 高齢者であれば、がんが体内に発生したとしても、無理やり早期発見をして、治療する必要はないともいえるのです。

■一番怖いのは「がんもどき」を無理やり治療する行為

 「病気は早期発見するほうが良い」と思われるかもしれませんが、検診によって恐ろしいのが、本来は治療しなくてもよい「がんもどき」を発見することです。「がんもどき」を最初に提唱したのは、近藤誠先生です。がんには、ほかの臓器への転移や浸潤(しんじゅん)する能力を持つ危険ながんと、これらの能力を持たない「がんもどき」の2種類があります。

 危険ながんの場合は、手術などで取り除いても再発を繰り返しますし、手術や抗がん剤治療などを行うことで体への負担が強くなり、死期が早まることもあります。

 しかし、がん検診で見つかる早期がんの大半は、「早期治療したほうが良いがん」ではなく、治療する必要のない「がんもどき」だというのが、近藤先生の考え方です。悪さをしない「がんもどき」は、転移はしないので、ご自身が症状を自覚するようになってから治療しても、決して遅くありません。

 「がんもどき」の代表的なものといえば、スキルス性以外の胃がんや前立腺がん、甲状腺がんなどです。これらのがんは、手術や抗がん剤、放射線などで治療しようと試みられがちですが、放置しても問題がないことも多いので、無理に治療してQOLを下げるほうが問題だと私は考えています。

 何が言いたいのかというと、がん検診を受けても、数種類のがんをのぞけば、大半のがんは見つけても助からないか、放置しても問題のないもののどちらかしかないということ。ですから、日本では数多のがん検診が行われているものの、がんの死亡者数がちっとも減らないのです。

■がんと一緒に生きる選択肢もある

 早期発見したとしても、深刻ながんの場合は、寿命を1、2年延ばすことはできても死を防ぐことは難しいのです。

 非常に残念なことですが、転移するタイプのがんは、10年ほどの年月をかけて、1センチほどの大きさへと成長していきます。その頃になってようやくがんを発見できるわけですが、すでにその時点で、がんは体中のいろいろな場所へと転移しています。

 つまり、がんの種類が悪ければ、早く見つけて治療してもうまくいかないですし、がんの種類が悪さをしないものであれば、治療をしなくても長生きできるのです。

 もちろん若い人ならば手術や治療に耐えられる力はあると思うので、早期発見によって治療する選択肢も悪くはないでしょう。ですが、ただでさえ体中の細胞ががん化しやすい上にその進行が遅い高齢者については、早期発見したせいで治療を行うことになり、抗がん剤や手術で体を壊したり、入院によって足腰が弱ったり、体力が大きく落ちてしまったり……との弊害が起こりがちです。

 私自身が見てきた多くの高齢者たちの中には、がん検診を受けず、自分ががんだと知らなかったがゆえに、最後まで人生を楽しみ、穏やかに亡くなった方々が大勢いらっしゃいます。

 どちらを選ぶかは価値観次第ではありますが、検診を通じて無理にがんを見つけて戦おうとするのではなく、もしかしたら体にいるかもしれないがんと一緒に生きるという人生を選ぶことも、一つの手段だと思います。

■過度な医療の介入は健康を損なう

 現在の日本の医療は、事前に病気を防ごうとする予防医療が中心です。ですが、そのやり方はあまり意味がないのではないかと、私は常々思っています。

 そう思う根拠の一つに、1974年から1989年にわたってフィンランドの保険局で行われた大規模な調査研究があります。この調査では、40歳から45歳の循環器系が弱い男性が約1200人参加し、健康管理をされたグループと何も介入しないグループとに分けて、その後15年間にわたって追跡調査を行いました。

 最初の5年間、健康管理が行われたグループは、4カ月ごとに健康診断を行った上で薬剤が処方され、アルコールや砂糖、塩分の管理など食生活に関する指導も行われました。何もしないグループでは、健康調査票への定期的な記入以外は、放置されたのです。

 その後、6年目から12年目については、健康管理は自己管理にしてもらい、15年後に両者の健康状態がどうなっているのかを検査しました。多くの方は、最初に健康管理されたグループのほうが、十五年目の健康状態は良いはずだ……と考えるのではないでしょうか。

 しかし、結果はその予想を大きく覆すもので、がんをはじめとする各種の病気の死亡率や自殺者数、心血管性系の病気の疾病率や死亡率などの数値は、きちんと健康管理が行われていたグループのほうが高かったのです。

 この結果を見て、「過度な医療の介入は健康を損なうのではないか」と感じる人は少なくないでしょう。

■欧米で集団検診が廃止になったワケ

 ただ、私が驚いたのは、このフィンランドの研究が発表された後の日本の医者たちの反応でした。本来ならば、多くの医療関係者たちがこの衝撃的な結果に対して真剣に向き合うべきだと思いますが、日本の多くの医者たちは「調査の仕方が間違っているのでは」といって検証もせず、バカにするだけ。

 医者たちが科学者である以上、調査で自分が納得のできない結果が出たのならば、きちんとその原因を精査すべきではないでしょうか? 調査の仕方が悪いというのであれば、それを修正した上で何がおかしかったのかを具体的に挙げるか、自分たちが同じ実験を行って、「このデータは間違っている」と指摘するべきです。

 科学的なデータには科学的な反論が必要です。ですが、日本の医者の大部分は、こうした作業を怠り、自分たちの常識と違うデータは、検証もせずに排除する。国立大学にしても私立大学にしても、彼らの研究には国からの補助金も出ています。当然ながら、補助金は国民の税金から成り立っているのですから、研究費をもらう以上は公共の利益に還元されるような研究をするべきです。

 ですが、彼らはこれまでの常識を覆す実験や調査結果に文句ばかり言って、自分たちでその結果を調査することはしません。これでは、日本の医学がいつまでたっても進歩しないのは当然です。だからこそ、日本は、アメリカよりも医学の進歩が10年(下手するとそれ以上)遅れてしまうのでしょう。

■集団検診が義務化されているのは、日本と韓国くらい

 また、そもそもの集団検査自体も、国際的には不要論がささやかれています。

 日本では、集団検診をして、血圧や血糖値、コレステロール値を見て、異常値があれば、検査データを正常にするために薬を出すやり方が主流です。ただ、世界的な研究で、集団検診は結果的には患者の寿命をあまり延ばさないということが近年わかってきました。

 欧米ではいち早くこの事実に気が付いたため、集団検診は廃止になっています。現在のように、日本のような集団検診が義務化されているのは、日本と韓国くらいです。

 2019年2月の日経新聞の報道によれば、OECDも日本の集団検診には見直しを求めているほどです。この事実について、もっと多くの日本人は知っておくべきではないかと私は思います。

■医療行為をしないほうが死ぬ人は減る

 日本でも、医者いらずのほうが、寿命が延びた例はあります。その有名な例として挙げられるのが、「夕張パラドックス」でしょう。

 2006年、北海道の夕張市が財政破綻し、市民病院が廃止になり、19床の診療所となったため、夕張市民たちが病院で医療行為を受ける回数が格段に減りました。病院に行けないのであれば死者数は増えるのでは……と思われるところですが、なんと夕張市では、がんで死ぬ人と心臓病で死ぬ人、脳卒中で死ぬ人の数がすべて減り、老衰で死ぬ人の数だけが増えたのです。

 この夕張市の事例は、医療行為をしないほうが死ぬ人は減るし、病気にならずに老衰で死ねるという疫学的な根拠になったといえます。

 コロナ禍でも、医療行為をしなかったゆえに死亡者数が減るという現象がありました。新型コロナウイルス感染症が日本にやってきた最初の年である2020年、実は日本全体の死者数が驚くほどに減りました。2020年は死亡数が約138万人で死亡数は11年ぶりに減少しました。

 本来、少子高齢化が進んでいますから、死者数は毎年増えるはずなのに、2020年は前年より死者数が約9000人も減ったのです。

■医者が無理やり病気を作り出しているのではないか

 多くの方は、コロナ禍には人がバタバタと亡くなっていったと思いがちですが、コロナが流行ったせいで医療機関に行かなくなった患者がものすごく増えました。何しろ熱があったらコロナだとみなされ、病院に拒絶されることが多かったのですから。

 その後、2021年と2022年は史上最大の死者数を更新しました。これは、以前と同じように医者の治療を受けていたら死んでいた人たちが、一年間寿命が延びた結果だと考えれば、医者に行かなければ一年くらい寿命が延びるという大きな推定根拠になったと思います。

 そして、もう一つの特徴は老衰が大幅に増えていることです。これも医者に行かないと、病気で死なないで自然に死ぬことができるということでしょう。

 医者が無理やり病気をつくった結果、本来は治療しなくてもよい人が治療する羽目に陥っているケースが驚くほど多いことが、これらの事例からよくわかるのではないでしょうか。

 

----------
和田 秀樹(わだ・ひでき)
精神科医
1960年、大阪市生まれ。精神科医。東京大学医学部卒。ルネクリニック東京院院長、一橋大学経済学部・東京医科歯科大学非常勤講師。2022年3月発売の『80歳の壁』が2022年トーハン・日販年間総合ベストセラー1位に。メルマガ 和田秀樹の「テレビでもラジオでも言えないわたしの本音」
----------

 

コメント