お盆休みももう終わりに近づきました。この夏は（毎年同じ事を言うなぁと思いつつ）本当に暑い暑い夏でしたので、皆さんすこし夏ばても解消できていますかね？
お盆休みは毎年のごとく嫁の実家へ家族で里帰りです。奈良市内なのですが向こうの親父さんと待ち合わせて梅田で食事をし、みつけた大きな本屋に寄ってから奈良まで帰りました。休みと言えばだいたいまとめ読みをするので今回も読んだ本をいくつかご紹介します。
１．蒲公英草紙／恩田 陸
娘に借りて読んだ本です。内容は遠野物語を題材にした、不思議な一族がもたらす物語。この作品は文体含め結構私の好きな雰囲気をもった小説なんですが、私は當野というのをあまりよく知らないので、ただ１つの伝奇小説として読み進めました。半村良のようなダークな伝奇性はありませんが、軽く読むにはいいかも。ただ私としてはもっと深～く深～く物語を掘り下げてほしかったところです。
２．押入のちよ／荻原浩
NHKブックレビューで紹介されていた本です。内容的にはホラ－タッチの物が大半を占める短編小説集なんですが、コワイだけの小説はほとんど無く、とても面白い本です。表題作はマンションに住み着いた幽霊の話しなんですが、怖いところと滅茶苦茶面白いところがあり、楽しめます。この表題作はもっともっと連作で進めて欲しいと思いますが。その他の作品もとても良くできています、途中でネタが分かってしまうものもありましたが、「介護の鬼」などはとても面白いですし、「殺意のレシピ」などは昔、筒井康隆の描いたような雰囲気のあるショートショートですね。
３．夜市／恒川 光太郎
朝日新聞などでもお薦めで載っていた日本ホラー大賞受賞の表題作を含む中編２編。この作品はホラーといっても結構感動的なラストをもつ傑作だと思います。作品の雰囲気は「千と千尋」をダークにしたような感じなんですが、導入部に無理が有るような気がしながらもぐいぐい引き込まれます。設定の不自然さは徐々に解消されていき（一部に無理はありますが目をつぶりましょう）、作品としてきっちり出来ているようです。またもうひとつの「風の古道」についても良くできている作品です。人間の目には見えない古代からの道に迷い込む主人公を書いています。こういうダークな小説としてはSFやキングにも見受けられますがひと味違う日本ならではの小説でしょうね。
４．まほろ駅前多田便利軒／三浦しをん
本年度直木賞受賞作。もうひとつの受賞作である「風に舞いあがるビニールシート／
森 絵都」も読んでみたいと思っています。この作品は便利屋さんとそこに転がり込む変人であり同級生の行天の２人のおかしくもしんみりした活躍を描く物語です。少女漫画っぽいイラストが気にくわないのですが内容は結構良い感じです。とても映像的な小説であり、出てくる人物が目に浮かぶようです。おそらくドラマ化か映画化される事と思いますが、ラストなんかもどっかのドラマに有ったような終わり方をしていますのでミエミエなんですけど、物語としては楽しく読める小説になっています。
５．失はれる物語／乙一
短編集の文庫本ですが、未読のものが所収されているので娘に借りて読みました。
「マリアの指」「ボクのかしこいパンツくん」の２編。前者はミステリータッチなのですが題材が電車に飛び込みすりつぶされた美貌の女性の指を捜す婚約者と、その指を保管する「僕」の物語です。自殺ではないという結論に達するまでのお話ですが所々にちりばめられた小さな事どもが最終的にその根拠となる、いわゆる謎解きミステリーであるわけですが小説自体が結構重くて、痛快な結論とは言えないですね。後者は本当の超ショートです。取りあげるに値しないです。初期の作品なのでしょうか？
さて最後になりましたが奈良の橿原MOVIXでパイレーツオブカリビアンを見てきました。この作品は大変話題になっていますが、あまり情報無しでいったもので、肩すかしを食らいました。実は来年公開の３と合わせて一つの物語になっているようです。この映画の中ではなんの完結性もありません。なんか無理矢理作ったような印象を受けましたので、映像的には○でもストーリー的には△てとこです。無理矢理、１作目の登場人物を出てこさせたような印象が否めません。
ＭＯＶＩＸは今流行のシネコンですが大変良い感じで、このような映画館が近くにある人が羨ましいです。ホールは大きくて座る所もおおく、音響的にもいい映画館でした（ドルビーデジタルでしたが７ｃｈきっちりバランスが取れていましたので聞いて的持ちが良かったです）。この夏はゲド戦記やＭＩ３など話題作が一杯ですが、こちらの方ではやってない「ハイジ」なども見てみたい映画です。
お盆休みは毎年のごとく嫁の実家へ家族で里帰りです。奈良市内なのですが向こうの親父さんと待ち合わせて梅田で食事をし、みつけた大きな本屋に寄ってから奈良まで帰りました。休みと言えばだいたいまとめ読みをするので今回も読んだ本をいくつかご紹介します。
１．蒲公英草紙／恩田 陸
娘に借りて読んだ本です。内容は遠野物語を題材にした、不思議な一族がもたらす物語。この作品は文体含め結構私の好きな雰囲気をもった小説なんですが、私は當野というのをあまりよく知らないので、ただ１つの伝奇小説として読み進めました。半村良のようなダークな伝奇性はありませんが、軽く読むにはいいかも。ただ私としてはもっと深～く深～く物語を掘り下げてほしかったところです。
２．押入のちよ／荻原浩
NHKブックレビューで紹介されていた本です。内容的にはホラ－タッチの物が大半を占める短編小説集なんですが、コワイだけの小説はほとんど無く、とても面白い本です。表題作はマンションに住み着いた幽霊の話しなんですが、怖いところと滅茶苦茶面白いところがあり、楽しめます。この表題作はもっともっと連作で進めて欲しいと思いますが。その他の作品もとても良くできています、途中でネタが分かってしまうものもありましたが、「介護の鬼」などはとても面白いですし、「殺意のレシピ」などは昔、筒井康隆の描いたような雰囲気のあるショートショートですね。
３．夜市／恒川 光太郎
朝日新聞などでもお薦めで載っていた日本ホラー大賞受賞の表題作を含む中編２編。この作品はホラーといっても結構感動的なラストをもつ傑作だと思います。作品の雰囲気は「千と千尋」をダークにしたような感じなんですが、導入部に無理が有るような気がしながらもぐいぐい引き込まれます。設定の不自然さは徐々に解消されていき（一部に無理はありますが目をつぶりましょう）、作品としてきっちり出来ているようです。またもうひとつの「風の古道」についても良くできている作品です。人間の目には見えない古代からの道に迷い込む主人公を書いています。こういうダークな小説としてはSFやキングにも見受けられますがひと味違う日本ならではの小説でしょうね。
４．まほろ駅前多田便利軒／三浦しをん
本年度直木賞受賞作。もうひとつの受賞作である「風に舞いあがるビニールシート／
森 絵都」も読んでみたいと思っています。この作品は便利屋さんとそこに転がり込む変人であり同級生の行天の２人のおかしくもしんみりした活躍を描く物語です。少女漫画っぽいイラストが気にくわないのですが内容は結構良い感じです。とても映像的な小説であり、出てくる人物が目に浮かぶようです。おそらくドラマ化か映画化される事と思いますが、ラストなんかもどっかのドラマに有ったような終わり方をしていますのでミエミエなんですけど、物語としては楽しく読める小説になっています。
５．失はれる物語／乙一
短編集の文庫本ですが、未読のものが所収されているので娘に借りて読みました。
「マリアの指」「ボクのかしこいパンツくん」の２編。前者はミステリータッチなのですが題材が電車に飛び込みすりつぶされた美貌の女性の指を捜す婚約者と、その指を保管する「僕」の物語です。自殺ではないという結論に達するまでのお話ですが所々にちりばめられた小さな事どもが最終的にその根拠となる、いわゆる謎解きミステリーであるわけですが小説自体が結構重くて、痛快な結論とは言えないですね。後者は本当の超ショートです。取りあげるに値しないです。初期の作品なのでしょうか？
さて最後になりましたが奈良の橿原MOVIXでパイレーツオブカリビアンを見てきました。この作品は大変話題になっていますが、あまり情報無しでいったもので、肩すかしを食らいました。実は来年公開の３と合わせて一つの物語になっているようです。この映画の中ではなんの完結性もありません。なんか無理矢理作ったような印象を受けましたので、映像的には○でもストーリー的には△てとこです。無理矢理、１作目の登場人物を出てこさせたような印象が否めません。
ＭＯＶＩＸは今流行のシネコンですが大変良い感じで、このような映画館が近くにある人が羨ましいです。ホールは大きくて座る所もおおく、音響的にもいい映画館でした（ドルビーデジタルでしたが７ｃｈきっちりバランスが取れていましたので聞いて的持ちが良かったです）。この夏はゲド戦記やＭＩ３など話題作が一杯ですが、こちらの方ではやってない「ハイジ」なども見てみたい映画です。
