On楽工房奮戦記byよっさん@アコギ

わたしの音楽活動、楽器、PA、読書についての勉強を綴ります。

秋らしくなってきた

2007年09月10日 | 読書
今週になって急に秋めいてきて気持ちの良い朝夕になりましたね。最近の話題と言えば阪神が強い強い・・・ってわけで結構TVに釘付けされているワタクシです。

秋になればやはり本を読みたくなってくる。まだ読書欲は旺盛とは言えませんが2冊ほど。

「竜宮」川上弘美 文春文庫
以前「神様」っていう本を読んでこの作者の作風に魅せられた。この作品も本当に不可思議な物語だ。荒唐無稽の一歩手前。しかし不思議な魅力がある。文学という手法をもって作り出せる世界のなんと広いことかと目眩さえしてくるような作品だ。「人間でないもの」が人間と交わって紡ぎ出す、完成されないものがたり。短編集でありながらひとつひとつは短編で終わり得ないような、そんな深い物語だ。

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女にはもてるのに人間界にはなじめなかった蛸、七世代前の先祖にひとめぼれする二百歳の女、曽孫の前に突如現れ、放浪の果てに自然神となった曽祖母、男の家から海へと帰る海馬―。人と、人にあらざる聖なる異類との交情を、説話的な要素と日常のリアリティを融合させて描いた玉手箱のごとき8つの幻想譚。
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「眠れるラプンツェル」山本 文緒 角川文庫
この作者も最近読み始めたんだが、とてもいいね。前作もそうだったんだがとてもリアリズム溢れる人間の悲しみ、寂寥感というものが読んでて切ない。この作品は長編で、マンションに囲われたネコのように出口を捜してもがく1人の専業主婦が主人公。彼女は隣家の住人と交わっていくことで自分の居場所の無さに気づいて壊れていくのだが最後はひとすじの希望みたいな物があって読み終わった後少し救われた気がした。それにしてもページをめくる手が止まらないほど引き込まれた作品だ。

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昨日も暇だった。明日もたぶん暇だろう。結婚6年目、専業主婦。子どもはいない。退屈でない暮らしなど、考えただけでゾッとする。多忙な夫は今夜も家に帰らない。この緩やかな生活に、猫と隣家の息子が飛び込んできてから、何かが崩れ始めた。封印したはずの衝動。少年との、二人だけの秘密。嘘は次第に周囲を巻き込んで―。マンション住まいの主婦の平凡な生活が一変する様を、ドラマティックに描いた傑作恋愛長編小説。
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いつも眠る前に寝床で本を読んでいて、読むペースは遅い。私は仕事柄、移動が車なのでなかなかじっくりまとめて読める時間が取れないのだが、特に阪神が強かったりギター練習に時間を取られると全然時間がない。でも秋になればなんとなく夜が長いような気がして、すこし手持ちぶさたになる季節の様な気がする。そんなときには長編小説をゆっくりと楽しみたい。

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