『カリフォルニア・ガール』
T・ジェファーソン・パーカー (著), 七搦 理美子 (翻訳)
MWA(アメリカ探偵作家クラブ)賞2005年度最優秀長編賞受賞作
なんつーか、、物凄く濃くてミッチリした濃縮果汁100%って感じだった。
登場人物の一人ひとりに生い立ちがあり性格があり、思想、性癖、職業、感情、生活がある。
そのそれぞれ人々とある殺人事件との複雑な係わりを、丹念にしかし . . . 本文を読む
『父の肖像』 辻井 喬
辻井喬はご存知のように元セゾングループ会長堤清二のペンネームで、
父親は伝説の事業家であり衆議院議長をも務めた堤康次郎である。
本書は小説の形をとっており細部の創作はあるのだろうが、清二から見た康次郎の史実であり、
康次郎に興味のない読者には甚だ面白くない物語かも知れないが、
康次郎を尊敬する偉大な男の一人として認める私としては、
知っている事がほとんどで . . . 本文を読む
『となり町戦争』三崎 亜記
三崎亜記は郷土の作家であり、先日の直木賞でも候補に上がっていたので興味を持って読んだ。
物語は、何故か隣の町と戦争状態になったある町と、
そこの住民であり戦争に不信感を持ちながらもある女性と偽装結婚し、
隣町に移住して諜報活動をする事になった主人公の
戦争終結までの顛末とほろ苦い恋愛感情を描いている。
まず思ったのは、文章の軽さ、
、、これは三 . . . 本文を読む
『そんなバカな!―遺伝子と神について』
竹内 久美子 (著)
実は余り期待していなかった。
ところが、、、以外に、、面白かった。
この本は人間、、というか生物を、遺伝子を通して考えるとどうなるのか?を
色々な事例を挙げて考えていくというもの。
竹内によると、生物は、
「利己的遺伝子」なる遺伝子により、
ただ遺伝子のコピーを造り増殖させる為にのみ生きる「遺伝子の乗り物」で . . . 本文を読む
『われら』ザミャーチン
挫折すますた。(涙)
5日間かけて半分しか読めませんでした。
どうやら共産主義国の近未来を描いたもののようだとは思いましたが、
全文、詩のような、比喩と皮肉と夢のような文章で、
人は番号で呼ばれ、セックスの相手までも国家管理され、
愛や嫉妬などの人の心を持つ事は病気であるかのような社会、、
に対する風刺小説、、、だと思います。
難しかった、、
共産主義 . . . 本文を読む