駄馬にも乾杯を

ふつうに競馬好き。時々ドカン
説得力の無い記事をダダ書きw
それでも解る人には解るヒントも結構ありますぞ(笑)

【JRAストライキ】裏話?

2023-03-21 14:13:17 | その他の競馬話

そうか…な記事だな

というか、賞金の5%全部が担当厩務員に支給されてるのかと思ってた


 

【JRAストライキ】ジョッキーたちの大量引退にも〝改革〟は影響 浮かび上がった数々の問題点を現場記者が指摘

 2010年に21人もの騎手が引退したことを覚えているだろうか?

 調教師試験合格など理由はさまざまだが、注目すべきは、そのうちの11人が12月の引退だった点だ。年の瀬に調教助手へと転身した背景には、翌11年にスタートした厩舎制度改革があったという。そして、この改革が今回のストライキのそもそもの火種となっている。

 日本経済の減速に呼応するように馬主数、売り上げともに下降線を描く最中だった11年の3月に東日本大震災が発生…。競馬サークル全体がその持続的な成長に危機感を共有することになり、コスト=預託料の削減を目指すことになった。1厩舎(20馬房)あたりの従業員をそれまでの13人から12人に削減。新規の従業員は基本給(2割カット)が低く抑えらえ、勤続手当はなしに。新制度スタート前の騎手引退→転職ならば旧賃金体系での再スタートが可能だったゆえ、後ろ髪を引かれながらもムチを置いた方がいたと聞く。

 当時の情勢、かつすでに加入していた組合員(=旧賃金体系)はほぼ〝身を切らない〟ゆえ納得せざるを得なかった改革だが…。11年は2兆2935億7805万3600円(前年比94・5%)まで落ち込んだJRAの売り上げは翌12年から回復傾向に。その後は11年連続でプラスを達成し、ピークの97年(4兆6億6166万3100円)には及ばないものの22年は3兆2539億707万6200円にまで達した。

 16日に発表された令和4年事業年度決算においても純利益は前年比117・7%の837億8668万1276を叩き出すまでに。3273億6819万2850円(繰越利益剰余金の1/2の約418億円余を加えると約3692億円)にも上る国庫納付金があるならば…。組合員全体の中で比率(24%)を増してきた新賃金体系対象者(=同一労働・非同一賃金)の待遇改善を望む声が大きくなることも自然といえよう。

スト決行での競馬開催という異例のケース

 そんな状況下で労使関係の重層的な構造と組合内部での〝温度差〟が露見する形になったのが今回の「スト決行→競馬開催→スト解除」という異例の事態だ。ストライキは憲法で認められた労働者の権利。競馬開催を取り仕切るJRAが使用者ならば「開催スト」には正統性が認められる。〝周辺〟で生計を立てるマスコミや飲食業なども困るが、何より売り上げがゼロになる〝胴元〟が最も窮地に追い込まれるからだ。しかし、その意向が見え隠れはしてもJRAは労使交渉における当事者でない。厩務員・調教助手の雇用主はあくまで個人事業主である調教師。そして、調教師に預託料を払う馬主が実質的な使用者と見ることも可能だ。

 ところがである。2日間の競馬開催がなくなったところで、使用者側が受けるダメージはたかがしれている。デビュー前の2歳馬も含め現役馬は約9000頭。ただし18、19日のJRA所属の出走予定馬は1019頭と全体の11%ほど。すべての調教師、馬主が等しく損失をこうむることはなく、当週の出走予定がゼロなら影響もほぼゼロとなる。つまり、開催ストという形態の効果にはそもそも疑問符が付く。

 一方で、JRAが「職員も装鞍の手伝い等の補助的な役割は可能」(佐野健吉理事)というスタンスで、非組合員や補充員を動員して開催決行を後押ししたことは、主催者としては当然の成り行きともいえる。もちろん、調教師会側の〝スト破り〟とする見方も成立するが、まずスト破りという表現は労使関係の当事者ではないJRAに対しての批判としては正鵠を射ているといえない。そして、運輸業界ならば運転手なりパイロットが、その席に座ることを拒否すれば、貨客の輸送という業務の本筋は頓挫する。使用者が非組合員を動員して電車を動かし飛行機を飛ばせば、まさにスト破りとなる。しかし、部外者を大挙動員せずともスト破りが可能なのが競馬開催におけるストライキであり、むしろ今回の〝強行開催〟は競馬開催日というイベントに占める厩務員の役割が極めて限定的であることを証明してしまった。

拭えない温度差も

 そもそも対調教師会との労使交渉なのだから本来のストライキはその両者の関係性の中のみで行われるべきだ。スト解除前の土曜のトレセンにおいては通常通りに調教が行われたが本末転倒の感も。標準で10馬房20頭、最大で15馬房30頭もの世話、調教を一人の調教師でこなせるはずもないのだから、平日のトレセン作業の全面的な放棄こそが正しいストの姿といえる。もちろん動物愛護の観点からは是認できる手法ではない。しかし、競馬開催ストにおいても最も影響を受けるのは1975年、テンポイントの例(春闘により皐月賞が1週スライド)が示すように全関係者にとって共通の〝メシのタネ〟である一頭一頭の競走馬に他ならない。著名馬ならずとも、1週のズレが一生を左右する可能性を考慮すると開催ストの全面的な支持はためらわれてしまう。

 そして、スト解除が時間差(全馬労=17日発表、関東労、関西労、美駒労=18日発表)となった事実が組合内での温度差を白日の下にしてしまった。そもそも今回が「歴史上初めての4労組統一の春闘」をうたっていたことも、内情が一枚岩でなかったことを逆説的に証明する。

 温度差の第一の理由は進上金。定められた給料に加えて、賞金の5%が進上金として厩務員の収入となる。厩舎全体で進上金(賞金の5%)を分配する〝プール制〟を採用しなかった場合、仮に年度代表馬イクイノックスを担当していたとすれば、昨年度の額は7億4000万円×0・05となり、3700万円にも上る。プール制が広く浸透する現在においてはリーディング上位厩舎とそうでない厩舎の従業員では当然ながら年収格差が生じる。22年は関東馬=1416勝、関西馬=2042勝。〝西高東低〟の図式が続いているだけに、東西格差もあるといっても構わないだろう。そして、今回の要求の主眼である新・旧の賃金体系の格差も加味すれば、すべての組合員が同じモチベーションでストに臨めるはずもない。そこに生まれた間隙を突いたのが裏技的な今回の開催強行だった。

 一般的なサラリーマンと異なり労使関係が単純でないうえ、かつ〝モノ〟を売買・製造するのではなく生き物である馬が主役。時限的でも労働を放棄する〝ストライキ〟という声の上げ方はそもそも、競馬とはそぐわない面もある。最後のストライキ決行となった1999年4月3日の新聞紙面を振り返ると、〝ファン無視〟の見出しが各紙に躍っている。しかし、今回はネット、SNS等の反応を見るとスト決行に理解を示す向きも多かった。90年代は内部の声を発信する手段は極めて限定的だったが、現在は実情を公表→周囲を巻き込みながら空気感を醸成することも可能になってきた。すべてのファンにもストを支持してもらいたいなら、旧賃金体系・新賃金体系の詳細を公開し、現状の理解を深めてもらうことも必要だろう。

 誰もが望まないストライキという究極的手段に頼らない、ソフトな労働争議の在り方が最も求められる業界が競馬サークルなのかもしれない。先週末でこの問題は完結したわけではないだけに、引き続き、動向を見守っていきたい。

この記事についてブログを書く
« 高松宮記念情報=ナランフレ... | トップ | 先行)さつき賞出走可能馬 »
最新の画像もっと見る

その他の競馬話」カテゴリの最新記事