鈴音100周年記念イベント「朗読とディナーの夕べ」が開催された。
「鈴音」は霧笛楼を擁する会社。
出演は「朗読三昧」というユニットを組む金田賢一さんと丸尾めぐみさん。
出し物のひとつが私の原作・脚本による「天使はブルースを歌う」。
もとになっているのは、この本。

15年前、初めて書いたノンフィクションだ。
横浜が生んだ人気グループサウンズ「ゴールデン・カップス」、
白塗りの老街娼として、劇画や小説や舞台にもにもなった「メリーさん」
そして、終戦直後の根岸外国人墓地にまつわる秘話という三本柱の内容。
ノンフィクションの取材は初めてだったが、当初はゴールデン・カップス
だったのに、次々と思いがけない「秘話」が現れ、ひとつの戦後横浜裏面史
へと繋がっていった。
じつにスリリングで、得難い体験であった。
担当編集者の協力も大きかったが、あの時の気力と情熱が
自分にもう一回甦ったら……と切に思わずにはいられない。
ありがたいことに、この本はロングセラーになった。
刊行から15年たったいまも、少しずつ、しぶとく売れ続けている。
取材と執筆が2年がかりだったので、関わり始めたのが17年前。
あの頃、ばらばらだったゴールデン・カップスは、その後、再結成し、
「ザ・ゴールデン・カップス ワンモア・タイム」という
ドキュメンタリー映画になった。
メリーさんも「ヨコハマ・メリー」というドキュメンタリー映画に
なって大ヒットした。
今年は浜高島屋で「ヨコハマ・グラフィティー」という
ゴールデン・カップスを中心に据えたイベントが開催され
大盛況だった。
そして根岸外国人墓地にまつわる秘話は、金田賢一さんと丸尾めぐみさんが
朗読と音楽というかたちで、語り継いでくださっている。
朗読のあとに霧笛楼のディナーコースが登場。
以前はフレンチが苦手だった私だが、最近は
このデザートまで完食!

朗読を終え、リラックスして、どうやら料理を
フェイスブックにアップしている様子の金田賢一さん。
「この『天使はブルースを歌う』は、すべて台詞で
なりたってるでしょ? しかも40分という長さ。
けっこう、難しいんですよ、朗読する側としては」
と言いながらも、一つの朗読の中で、4人の役を
大げさに声を変えたりもせず、むしろ淡々と演じ、
しっかり観客を感動させてくださった。

原作の「天使はブルースを歌う」は、この方を中心に
取材している。実質的な主役、エディ藩さん。
最近、ますますご活躍!
同い年の私達は、「あれから17年もたったんですねえ」と感慨にふけった。

エディさんの隣で、ちょっとかしこまって
食べている丸尾めぐみさん。
エディ藩作曲、山崎洋子作詩の「丘の上のエンジェル」を
それこそ天使のようなピアノと声で歌ってくださった。

来年の1月11日には浜の山手111番館で、
「金田賢一と丸尾めぐみの朗読コンサート」が開催される。
「天使はブルースを歌う」もメニューに入っている。
嬉しいなあ。また聴きに行かなくちゃ!

2015年1月11日(日) 開演 18:00
料金 3000円(茶菓付き)。
定員40名(先着順)。
お問い合わせと申し込み。
今年の12月11日(木)9:30分より
山手111番館へ電話または直接申し込み。
℡ 045-623-2957
山手111番館のサイト http://www2.yamate-seiyoukan.org/seiyoukan_details/yamate111/
「朗読三昧」のフェイスブック
https://www.facebook.com/roudokuzanmai?fref=ts