さてGWも終わり、新しい夏が近づいてきました。
壮大な絵巻に触れて、エネルギーを取り込みましょう。
待ちかねた展覧会が始まります!
粘土板に楔型文字で記されたこの物語は、古代メソポタミアの
遺跡から発掘されました。以来、世界中で研究され、聖書や世界
各地の神話の元となった「世界最古の物語」としてセンセーションを
巻き起こします。
主人公は神と人間の間に生まれ、それぞれの強さと弱さを
相持った男、ギルガメシュ。生まれながらの王、おのれの強さ
と美貌に奢りきった暴君として、彼は登場します。
民衆は彼を恐れ、神に懇願し、その傲慢をうちのめし、諫める
ための怪物エンキドゥを、ギルガメシュの前に登場させます。
しかしこの二人は立場を超えた無二の親友となり、一緒に旅へ。
行く先々で壮絶な戦いに出会いながらも、二人はそれぞれに
「愛」を知り、同時に「裏切り」や自己の弱さによる
「喪失」も知り、いつかは必ず来る「死」に怯えるのです。
めくるめく物語世界に引き込まれながら、私は気づきました。
何千年経とうと、文明がどう変わろうと、人間の喜怒哀楽、
恐れ、希望などの感情は少しも変わっていないのだと。
画家が激しく心惹かれ、自分自身でギルガメシュの物語りを
絵と文章で綴り続けたのも、そういうところに惹かれた
からではないか、と私は勝手に想像します。
そしてリーフレットに自分なりの文章を書かせていただきました。
小さくて読めないかもしれませんが、会場でお手に取って
いただけたら幸いです。
坂下昿吉展概要。
2025年5月27日(火)~6月7日(土)
12:00~18:00(最終日16時まで)
6月2日は休館。
横浜市中区日本大通り14 旧三井物産ビル1階
GALERIE PARIS