行きたいと思ったこともないし、さほど興味を持ったこともなかった
……はずなのだが、いやいや、英国は我が人生に多大な影響を
及ぼしていたのだと、オリンピック開会式の歴史ショーを観て認識した。
英国が生んだファンタジーとして「ハリー・ポッター」や
「メリー・ポピンズ」が紹介されていたが、ほんとうにこの国は、
ファンタジーや冒険童話の傑作を数多く生み出している。
子供の頃、夢中になって読んだ「不思議の国のアリス」
「ガリバー旅行記」「十五少年漂流記」「宝島」「ロビンソン・
クルーソー」などもそうだ。
私の場合、さらに影響が大きかったのは中学生の頃に
読みまくったミステリー。
当時、日本には推理小説がなかった。
いや、あったのかもしれないが、さほど人気はなかった。
それ以前に探偵小説というジャンルがあり、江戸川乱歩や横溝正史
といった作家が活躍した。
でも私が子供だった頃は、もうそのブームも去っていたらしく
あまり名前を聞くこともなかった。
その点、早川書房から出ていたハヤカワミステリは、
装丁も本のサイズもタイトルも、新鮮で魅力的だった。
英国は昔からミステリー王国。
なにしろ(私が思う)世界でもっとも有名な探偵、犯罪者、
スパイは、いずれも英国人だ。
シャーロック・ホームズ、切り裂きジャック、ジェームス・ボンド。
(念のため、切り裂きジャックはいまだ正体不明だが実在した人物)
あの頃のハヤカワミステリも英国作家が主流だった。
コナン・ドイル、アガサ・クリスティー、エラリー・クィーン、
フィルポッツ、チェスタートン、A・A・ミルン、ドロシー・セイヤーズ……。
日本で国産推理小説がブームになったのは、私が大人になった頃。
哀しいことに自分が書くようになってからは、国内物であれ外国物であれ
推理小説を前ほど読まない。
楽しい趣味ではなくなってしまったからだ。
そして、青春のバックグラウンドミュージックはビートルズ。
ポール・マッカートニーの登場は嬉しかった。
しかも「ヘイ・ジュード」は1960年代の歌だもんね。
それが2012年のいまでも古びず、オリンピックの開会式を飾るとは!
まあそんなわけで、自分の世代は米国の影響が大きいと
思い込んでいた私は、いやいや英国の方が大きかったのかもと、
ここへきて認識をあらためることになった。
いずれにせよ、欧米に憧れて育った世代。
その分、日本にもアジアの他の国にもほとんど興味を
持たなかったことが、いまになって少々悔やまれるが……。
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冬桃

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