おざわようこの後遺症と伴走する日々のつぶやき-多剤併用大量処方された向精神薬の山から再生しつつあるひとの視座から-

大学時代の難治性うつ病診断から這い上がり、減薬に取り組み、元気になろうとしつつあるひと(硝子の??30代)のつぶやきです

人間はいかに偉大であるか、またいかに誤りに陥りやすいかを教えてくれる島から学ぶこと

2024-09-06 06:22:50 | 日記
未来の考古学者は、私たちが、賢明であったと同時に、なぜこれほど愚かであり得たのか、と不思議に思うのだろうか。

思うとしたら、それは、ちょうど、私たちが、イースター島(ラパヌイ)で生まれた文明から、人間が持つ輝かしい想像力をみる一方で、その文明が、状況を見抜けない人間の愚かさのために急速に崩壊した事実を想起することに、似ているのかもしれない。

約800年前、イースター島島に移住した数十人のポリネシア人たちは、外洋を海流に逆らって、約3200キロ以上航行した後、当時地球上で最も孤立し、先の見込みもない島のひとつに移住した。

このラパヌイ人は、独自に文字体系を編み出した、世界史上数少ない民族である。

他に例をみないのは、彼ら/彼女らが、「完全な孤立状態のなか」で、独自の文字体系という知的偉業を成し遂げたことである。

つまり、文字体系を編み出すのに一般的に必要とされる物品の交易に伴ったアイデアのやりとりもなく、独自の文字体系を編み出したのである。

また、それほど肥沃ではなかったこの小さな島が、効率の良い多産な土地に変わったことによって、急激な人口爆発が起き、数十人だった人口が、1万人を超えるようになった。

農作物が豊富になると、常に起きることだが、社会の階層化と人口過剰が進み、頂点に君臨する者の権力と威信を確立するために、建造物を造ることに励むようになる。

イースター島のような面積の場所にこれほど多くの巨大建造物が作られたことは、いまだかつてない。

イースター島にある1000体の石像は、驚くべき工学技術、芸術的想像力、職人の技能だけではなく、人間の貪欲さと虚栄心を示している。

石像が作られはじめた頃は、石像の高さは1メートル前後、重さは数トンほどで、荒削りなものであった。

それが、時間の経過とともに、次第に大きくなり、最大の功名心を表す新しい石像は、高さは12メートル、重さは80トンにも達した。

それぞれの石像は、石切り場から設置場所までの長距離を、人の力を最大限に利用する巧みな牽引技術を用いて、歩いて運ばなくてはならなかった。

イースター島に、石像は、人間の偉大さだけではなく、その分別と自制の欠如を絶えず思い起こさせるものとして、今も、立っている。

イースター島の悲劇は、時代と場所を問わず、これまでの世界文明に多く見られるパターンのひとつでもある。

そのパターンとは、栄華を極めたあと、決まって人口過剰、資源の枯渇、気候変動によって崩壊に向かうという、お馴染みのものである。

一般的に、歴史家やジャーナリストは、根本に隠れた原因を無視し、内戦や侵攻、そして政治的策略などの表面に表れた結果にばかり注目しがちである。

内戦や侵攻、そして政治的戦略といった表面に表れた結果は、よりドラマチックな物語を提供するのかもしれないが、人口や気候が運命を左右したという、本当の物語を見落とすことにつながる。

偉大な文明はどれも、繁殖とテクノロジーで成功をおさめたことが、結局、悲しい運命につながるという同じサイクルを辿ってきた。

私たちは、今、どうであろうか?

私たちは、自分たちの限界を押し広げ、環境の悪化、天然資源の減少、気候の変動という壁に直面している。

冒頭の問いに戻るならば、私たちの文明が、まず、早く現実を認識しなければ、未来の考古学者は、不思議に思いながらも、私たちの文明をイースター島と同じパターンに分類することになるであろう。

イースター島は、逃れることが出来ないように見える人間の運命を、完璧に示す例であり、象徴でもある。

しかし、まだ、私たちは、イースター島から学び、過ちを繰り返さないように出来るはずである。

エドマンド・バーグは、
「ほんの些細なことしか出来ないからと言って何もしなかった者ほど、大きな過ちを犯した者はいない」
と述べているが、私も同感である。

今後のシナリオは、
人類が団結するか、もしくはバラバラになるか、なのかもしれない。

しかし、人類の生物学的性質と社会構造は、いずれの結果にも適うことができる。

私たちを貪欲、競争、攻撃、近視眼的意思決定に駆り立てる性質のある遺伝子と社会制度もあるが、一方で、愛他心、共有、責任、理性的な意思決定を促すことの出来る遺伝子と社会構造もあるのだから。

年老いたときに、後に続く世代から、
「世界が滅茶苦茶になっていったなかで、そのとき、あなたは一体何をしていたのですか?」
と糾弾されるような未来は避けたいものである。

ここまで、読んで下さり、ありがとうございます。

寒暖差疲労に気をつけたいですね( ^_^)

今日も、頑張りすぎず、頑張りたいですね。

では、また、次回。


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