アッテンボローさんから「共産党との大きな溝」というエントリーからのTBをもらいました。「いつまでもドイツのことにかまけていないでさっさと意見を言え!」とお叱りを受けたようなので、ぼちぼち僕の見解を書いていきたいと思います。
「カッシーニでの昼食」のともえさんからも
「私もブログのコメントなんかで社共共闘の必要性について、真剣に考えるようになってきました。・・・・社会党・共産党の得票率で公明に匹敵する勢力になりますから、第三極としてかなり注目を集めるだろうし、言ってることは正しいんだから爆発的に伸びることも考えられますよね・・・。
正直、60~70年の組合の分裂なんて、我々の世代からすれば全然しがらみがないし、それよりも目前の危機に対処するほうが重要だし。。。
先手を打って、共産党から次期選挙に向けて党首会談を申し込んだほうがいいんじゃないだろうかと思うんです。
と、ひとりで妄想してるんですが、小川さんはそのへんどう見てますか??なにか他に考えうる問題やら共闘後の不利益とか、あるんでしょうか?」
と9月17日のエントリーへコメントを寄せていただいているので、それについても返答していこうと思います。
まず、アッテンボローさんに一言だけ。
「だが考えて欲しい。民主党は寄り合い状態の党であり、憲法改悪論者もいる代わりに護憲論者も沢山含んでいるのだ。もし共産党が何らかの形で今回落選した民主党内の護憲派を支援していたら、前原ごときが党首に選ばれていただろうか。」(アッテンボローさん「共産党との大きな溝」)より。
との事ですが、ちょっとこれは無いんじゃないですか・・・、というのが正直なところです。「護憲論者を当選させるべき」というのであれば、公明党や自民党内の「ハト派」議員をも支援しなければならなくなります。そうでなければ「護憲」の選挙戦術としては一貫性を欠いたものになります。しかし、もし共産党がそんな選挙戦略をとったら、今回の選挙で有権者の支持を得ることが出来たでしょうか?そうは思えません。党中央がもし「小選挙区は自公民の護憲派に」などという選挙方針を取ったら、それこそ党支持者ばかりか一般の有権者の方からも「ご都合主義だ」との非難を受けることになりませんか?
それから、原口一博氏など「改憲論者」を支援した社民党への批判を一切せずに、共産党にだけ「左翼小児病」なる非難を投げかけるのは不公平ではありませんか?
私は、小選挙区で「民主大敗」となった原因は民主党自身の首尾一貫性のなさに求めるべきだと思います。民主党の誰が護憲派で誰が改憲派なのかも曖昧な状態です。曖昧な日本の民主党を小選挙区で「支援」するのは、逆に「護憲」の意思表示をするために比例で「日本共産党」と書いた有権者を裏切ることになるのではないですか?
私は共産党の全選挙区立候補の方針に賛成しているわけではありません。その辺を誤解しないでいただきたいのです。何か、共産党支持者というと党中央の「方針」にまったく無批判であるかのような「誤解」をされることがあるのですが、そのような誤解こそ日本の左翼陣営に「溝」を作るものであり、新保守主義・ネオ反動派を利するものになっていると思います。共産党を一方的にバカにしたり批判するだけではなく、お互いの歩み寄りが必要です。
続く・・・。
------------------------------
参考になったと思ったらクリック!⇒
「カッシーニでの昼食」のともえさんからも
「私もブログのコメントなんかで社共共闘の必要性について、真剣に考えるようになってきました。・・・・社会党・共産党の得票率で公明に匹敵する勢力になりますから、第三極としてかなり注目を集めるだろうし、言ってることは正しいんだから爆発的に伸びることも考えられますよね・・・。
正直、60~70年の組合の分裂なんて、我々の世代からすれば全然しがらみがないし、それよりも目前の危機に対処するほうが重要だし。。。
先手を打って、共産党から次期選挙に向けて党首会談を申し込んだほうがいいんじゃないだろうかと思うんです。
と、ひとりで妄想してるんですが、小川さんはそのへんどう見てますか??なにか他に考えうる問題やら共闘後の不利益とか、あるんでしょうか?」
と9月17日のエントリーへコメントを寄せていただいているので、それについても返答していこうと思います。
まず、アッテンボローさんに一言だけ。
「だが考えて欲しい。民主党は寄り合い状態の党であり、憲法改悪論者もいる代わりに護憲論者も沢山含んでいるのだ。もし共産党が何らかの形で今回落選した民主党内の護憲派を支援していたら、前原ごときが党首に選ばれていただろうか。」(アッテンボローさん「共産党との大きな溝」)より。
との事ですが、ちょっとこれは無いんじゃないですか・・・、というのが正直なところです。「護憲論者を当選させるべき」というのであれば、公明党や自民党内の「ハト派」議員をも支援しなければならなくなります。そうでなければ「護憲」の選挙戦術としては一貫性を欠いたものになります。しかし、もし共産党がそんな選挙戦略をとったら、今回の選挙で有権者の支持を得ることが出来たでしょうか?そうは思えません。党中央がもし「小選挙区は自公民の護憲派に」などという選挙方針を取ったら、それこそ党支持者ばかりか一般の有権者の方からも「ご都合主義だ」との非難を受けることになりませんか?
それから、原口一博氏など「改憲論者」を支援した社民党への批判を一切せずに、共産党にだけ「左翼小児病」なる非難を投げかけるのは不公平ではありませんか?
私は、小選挙区で「民主大敗」となった原因は民主党自身の首尾一貫性のなさに求めるべきだと思います。民主党の誰が護憲派で誰が改憲派なのかも曖昧な状態です。曖昧な日本の民主党を小選挙区で「支援」するのは、逆に「護憲」の意思表示をするために比例で「日本共産党」と書いた有権者を裏切ることになるのではないですか?
私は共産党の全選挙区立候補の方針に賛成しているわけではありません。その辺を誤解しないでいただきたいのです。何か、共産党支持者というと党中央の「方針」にまったく無批判であるかのような「誤解」をされることがあるのですが、そのような誤解こそ日本の左翼陣営に「溝」を作るものであり、新保守主義・ネオ反動派を利するものになっていると思います。共産党を一方的にバカにしたり批判するだけではなく、お互いの歩み寄りが必要です。
続く・・・。
------------------------------
参考になったと思ったらクリック!⇒
「保守陣営との共同」の内実については、全く存じませんで、勉強になります。
しかし、それだと単に共産党の支持者が拡がったというだけの話なのではないのでしょうか。「共産党を支持し、投票する」ような人を捕まえて、そういう人のどこらへんがどう「保守」と呼びうるのかというのが甚だ疑問であります。
要するに、そういうのって「共同」って言うのかよ、と。
あるいは、共産党の用語としては、「共同」というのは、共産党の影響化、あるいは傘下に入る事を指すのでしょうか?
また、その後の「整合性問題」、これは一体、なにを指して「整合性がない」という話になっているのか、さっぱり理解できません。
「自民党や公明党の中の護憲派」という存在を、仮定として提示したのは小川さんです。
私はそんな候補者がどこにどのような形で存在しているのか知りませんが、そんな奇特なもんがいるのであれば、ぜひとも通して、敵側の分岐を作り出していくべきであると考えます。
「自衛隊のイラク派遣差し止め訴訟」の箕輪登さんは、ついこの間まで自民党の防衛族です。
http://www.hg-law.jp/iraq/document/g_preparation_09.html
失礼ながら、ひょっとして、小川さん自身が「民主党は自民党や公明党よりもマシまものである」という前提にたたれているのではないのでしょうか。
国会の改正発議が国民投票で否決されるといのは改憲派にとってはもっとも避けたい事態です。民主党にやらせるも何も、国民投票でも行ける、という見込みが立たなければ発議自体を行わないと思われます。
ジ・エンド~!
あははは。
自滅~。
あなたの負け!
予言したとおりでしょ?
理由は自分で考えてね。
普通の頭を持ってる人なら分かると思うけど。
「策動」とは、具体的には国会での「発議」でしかありません。
それは、国民投票で打ち破る事が可能なのです。
それと、選挙戦術についての事実認識がそうなら、あの弁護論はいったいナンなんですかね?
おまけに戦術の「評価」についても答弁不能ですか?
「全」選挙区立候補戦略
という書き方をしたまでです。
>全小選挙区立候補戦術に対する評価
あなたにとやかく言われたくないですね。
あなたは、「社民党への提言」http://blog.goo.ne.jp/yojiro5/e/e875066c36f080f063c0b8911977dec0
というエントリーのコメント欄で
---
>なお、私の民主党に対する認識は、基本的にはその本質において「自民も民主も同じ」というものです。
>民主党も9条改憲勢力でしかありません。
>が、しかし、9条改憲策動が不可避なら、それは民主党にやらせるべきなのです。
>それらのこと(諸悪政の強行)により、民主党の正体が国民に完全に暴露され、国民は幻想を自らの政治経験で打ち払うのです。
>自民がやる悪政と民主がやる悪政では、その内容において同一でも日本政治の歴史的変革過程における意味が異なるのです。
>国民の認識を説得だけで変えよう、変えることが出来る、などと過信しないこと。認識(の変化)には実践(政治的・生活的経験)が不可欠なことを忘れる机上論議は観念論でしかありません。
---
などという事を言っておられますが、「護憲派の共闘」が問題になっているこの議論の場に
「9条改憲動が不可避なら、それは民主党にやらせるべき」
などという不真面目な議論をするあなたに茶々を入れられたくありません。
このブログでは、どんな立場にいる人も「人を罵倒しない」というルールで書き込んでもらっています。このルールを守れない方には書き込みをお断りさせていただいています。これ以上不真面目な書き込みをなさるようでしたら、「おっちゃん」さんの書き込みはこれ以降、例外なく削除させていただきます。ご了承下さい。
>という、「全」選挙区擁立戦略が自民党を利するという黒目さんの共産党への批判とが、どの様にして整合性を持つのかが理解できません。
1)相変わらずこんな事書いて反論したつもりになってるようですが、貴方の認識では共産党中央は全小選挙区立候補戦術を堅持していたの?それとも撤回したの?いったいどっちなのよ?
2)「私は共産党の全選挙区立候補の方針に賛成しているわけではありません。その辺を誤解しないでいただきたいのです。」なんて、堂々と書いてもいるくせに、いったいあなた自身の全小選挙区立候補戦術に対する評価もどんなものなんだか、賛成なのか反対なのか、さっぱり解かりませんね。ハムレットのご心境ですかい?(笑)
まっ、唯物論の認識論にとって「実践」の契機がいかに不可欠であるかさえ理解できないような素人さんじゃ、しょうがないか(笑)
これは、保守の人(有権者)にも共産党に投票してもらおう、ということ。
その成果の例
→共産党の反転攻勢(本ブログ2/12日エントリー)
http://blog.goo.ne.jp/yojiro5/e/d066eb81d59d0cf69e5290a33c729bc1
>地方選挙での選挙協力含めて実行していたではありませんか?
一例もないです。共産党が地方議会の選挙で自民党候補を支援するなどという方針をとったことはありません。これも誤解ですね。
ただし、「9条の会」など幅広い「統一戦線」(左翼用語をこの場合に用いるのはちょっとヘンですが)に自民党系の地方議員などが参加している地域もあるようです。「9条を守る」という一致点でのみ共同する良い例です。
黒目さんは
>自民党や公明党(そういう人が公明党の候補者として出ているかという問題がありますが)の護憲派反戦派を推すという事が「御都合主義だ」という話にどうしてなるのか、どうにも理解できません。
本欄でのコメントでおっしゃいます。が、このコメントと
>「各選挙区の得票を見ていくと、民主党と共産党の得票を足せば自民党を落とせるんじゃないのか?」
もちろん、民主党に投票する奴と共産党に投票する奴は政治的見解も利害関係も一致しないが、このような自民党の圧勝というのは、両方の利害に反するのではないのか?
( 「戦術的問題について」http://black.ap.teacup.com/despera/74.html)
という、「全」選挙区擁立戦略が自民党を利するという黒目さんの共産党への批判とが、どの様にして整合性を持つのかが理解できません。
>おっちゃん
あなたの負けです。
三四郎さんは論理の枠組みに恣意があるわ。
何よりも、共産党中央による全小選挙区立候補戦術の撤回と、その(撤回)方針の徹底度についての議論や評価を避けて批判に応じる事は不可能だて。
http://black.ap.teacup.com/despera/74.html
などにいくつか、私の考えを書きました。
もとより悪口雑言の輩ですので、多々失礼があるかと存じますが、「政治的立場の差異」がある事は前提として、生産的なやりとりができればと考えておる次第です。
さて、ひとつわからないのですが、
>「護憲論者を当選させるべき」というのであれば、
>公明党や自民党内の「ハト派」議員をも支援しなけ
>ればならなくなります。
と書かれております。
私は別に日本共産党の動きを詳細に追っているわけではないので曖昧なのですが、数年前に日本共産党は明確に「保守陣営との共同」(だったか?)という方向を打ち出し、地方選挙での選挙協力をも含めて実行していたではありませんか?
改憲論者の民主党が通るより、護憲派の自民党が通った方がよいのは自明の事であり、また、例えば九条の会の呼びかけ人の三木睦子さんは三木武夫の夫人であったのであり、梅原猛さんなどは保守系の人間であり、こういった地平では既に共同は進んでいる。
自民党や公明党(そういう人が公明党の候補者として出ているかという問題がありますが)の護憲派反戦派を推すという事が「御都合主義だ」という話にどうしてなるのか、どうにも理解できません。
また、選挙協力という事のイメージなのですが、例えば民主党前原党首が、日本共産党と会談して協力を打ち出す、などという事は、どう考えてもあり得ません。あり得るとすれば、日本共産党が、民主党の落としたい奴以外の選挙区の候補者を「勝手に降ろす」というような形しか、論理的にあり得ないのではないでしょうか。民主党内「相対的左派」の部分がどのように考えようと、弾が外から飛んできて、勝手に「右派」の候補に当たる、というような形。
そもそも民主党が、(あるいは社民党が)共産党に組織に手を突っ込まれる事など、喜んで受け入れるわけもないではありませんか。しかし、そういった共産党の動きによって、共産党が無視できない存在となる、具体的には「形だけでも護憲・反戦を主張しなければ、当選できない」という情勢が生まれる。
それは全体状況にとって、「良いこと」だと思うのですが、如何でしょう。