ロスジェネの発言

-Weblog of 三四郎日記

共産主義

2005-01-04 23:47:50 | 左翼/共産党
今ヨーロッパを妖怪が歩きまわっている―共産主義という妖怪が。...権力を握っている政敵から共産主義だとそしられなかった野党がどこにあるか、いっそう進歩的な反対派に対して、また反動的な政敵にたいしても、共産主義の焼き印を押して非難を投げ返さなかった野党がどこにあるか?
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現代ほど「共産主義」という言葉が、この『共産党宣言』が示しているような意味と同じようなイメージで捉えられている時代はないのではないか。小林よしのりの『新ゴー宣』なんかを読んでるとそう感じる。

アメリカが敵としていた「共産主義」のイメージってのは、「独裁」「反民主主義」「統制経済(計画経済)」、場合によっては「テロリスト」を意味していたが、今はそれが反米のイスラム・テロリズムにすり替わった。

最近の選挙で公明党が日本共産党を「奴らは共産主義者だ!」と罵ったのは、冷戦期の「共産主義」のイメージを有権者に想起させることを狙った作戦だった。共産党も共産党で、「当たり前じゃん。だって共産党だもん」って言えばよかったのに、「公明党が謀略を仕掛けてきた」と訳の分からんいいわけをしだして有権者を失望させてしまった。

歴史的に見ると、「共産主義」ってのは別に特殊で危険な思想なわけではなく、フツーのことを言っているにすぎなかったりする。(冷戦期のソ連・中国は除くけど)。

当たり前のことを言うと「お前は共産主義者か!」と言われることはよくあったことで、例えば第二次大戦の時にチャップリンが「ナチを倒せ!」「民主主義のもとに団結せよ!」というような映画(『独裁者』)を作ったら、観客から「共産主義者め!」「ソ連へ帰れ!」などと罵声を浴びせられたりしている。ドイツでではなくて、アメリカでの話しである。(映画『チャーリー』でみた。)

「福祉国家」「公的資本」「環境保護」「児童福祉」「労働者の権利」などという「思想」は18-19世紀くらいまでは「共産主義」的なものとされていた(現代では「常識」)。それを、反動支配層(官僚・貴族など封建的支配層)が「共産主義」というレッテルを貼って攻撃したのである。それを告発したのが26・7才の時のマルクスの『共産党宣言』だった。

「共産党」っていう党名は、「当然の権利を主張したら共産主義者呼ばわりさる。だったら初めから共産党って名乗ってやれ!」という開き直りの党名でもあるのだ。
「共産党」だからダメってのは、偏見と無知による差別でカッコ悪い。
特に石原慎太郎。


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