ロスジェネの発言

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【ドイツ総選挙】日本のテレビメディアの取り上げ方

2005-09-20 11:23:03 | 衆議院議員選挙2005
ドイツの総選挙、面白い結果が出ました。日本のメディアも今日になって大きく結果を取り上げています。日本の主要メディア、特にテレビはこの結果を誤って伝えているか、意図的に歪曲して取り上げています。例えば、日本のテレビニュースでは、「与党連合も野党連合も共に過半数を得られず、どの政党が政権を握るかは各政党間の連立協議によって大きく左右されることになります」とだけ報道され、なぜそうなったのかについてはまったく触れられていません。これは日本のメディアがバカだとか国際感覚がないからという理由でそうなったとは思えません。二大政党制が否定されたという選挙結果を伝えたくないからそう言う報道のしかたをするのです。テレビで「左翼党躍進」を伝えた局は皆無でした。「左翼党」の躍進を日本で報じられるのが、誰にとってマイナスなのでしょうか?それが誰であるかは明白です。

今日の、朝のテレビ番組では「特ダネ!」(フジテレビ)がドイツ総選挙を大きく取り上げていましたが、かなりドイツ事情が分かっていない報道の仕方をしていました。コメンテーターも、それから「国際情勢の専門家」もまるでとんちんかんな解説ぶりでした。まず、連立協議についての解説がとんちんかん。「左翼党」を「民主社会党」と呼称していた所はまあ置いておくとして、「キャスティングボートを握る民社党がどちらにつくのかが注目される」と笠井アナが解説したのには唖然としました。民主社会党(正しくは左翼党)がキリスト教民主・社会同盟側(CDU/CSU)につくことは絶対にあり得ません。これは、日本で自民党が日本共産党と連立を組むことがあり得ないのと同じくらい明白なことなのです。また、国際問題の専門家の言っていることにも唖然としました。「ドイツの社会民主党(SPD)は社会保障を重視する路線をとっているので、シュレーダー政権が続くことはドイツにとってマイナスだ」などという解説をしているのですが、これはおかしい。CDU/CSUもSPDも、日本でいうところの「構造改革」路線をとっているということは、ドイツ事情が分かっている人間にとっては常識です。さらに、番組のコメンテーターが、シュレーダー首相は「反米」路線をとっていると解説していますが、これは間違いです。シュレーダーは親米です。

せっかくドイツの総選挙で面白い結果が出たのに、アングロサクソン・モデルの信奉者たちが牛耳るテレビメディアにかかると、こうも事実が歪曲されるのかと残念に思いました。このブログでは、「ドイツと日本の総選挙を比較することで日本の『左翼統一戦線』について考える」ということを一週間前からやっているのですが、少し情報を分かりやすく整理する必要がありそうです。ドイツの選挙制度について僕自身も勉強不足なところがあったので、これについても今後整理していくつもりです。
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