ロスジェネの発言

-Weblog of 三四郎日記

【ドイツ総選挙】ドイツでは争点も明確

2005-08-24 18:43:03 | 衆議院議員選挙2005
************************************
ドイツ/社会保障削減に反対/左翼党 2大政党に対抗 支持訴え/総選挙まで1カ月(livedoor--『しんぶん赤旗』)

 ドイツ連邦議会(下院)総選挙は九月十八日の投票まで一カ月に迫りました。社会的公正の実現を掲げる左翼党の支持率が10%台に伸び、二大政党に対抗して第三位になっています。与党、社会民主党(SPD)と最大野党、キリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)がともに進める社会保障・福祉の削減に反対する同党の主張が共感を呼んでいます。(片岡正明)

 左翼党は旧東独部に地盤を持つ民主的社会主義党(PDS)が改称したもの。旧西独部中心の左翼政党「労働と社会的公正のための選挙代案」(WASG)を含めた統一選挙名簿で選挙戦に臨んでいます。

 SPDと90年連合・緑の党が連立したシュレーダー政権による社会改革政策「アジェンダ二〇一〇」と労働市場を改革する「ハルツ改革」に対する各党の姿勢が、今回の選挙で最大の焦点となっています。

 二つの政策は、シュレーダー首相が二期目の政権についた二〇〇三年に、経済のグローバル化(地球規模化)と高齢化社会のなかで社会福祉国家を維持することを目標に打ち出したもの。二年間の実施をへて、失業保険給付期間の短縮や失業援助金削減など、国民に痛みを強いる面が浮き彫りになってきました。

 選挙戦のなかで社民党は「アジェンダ二〇一〇」堅持を主張、経済活性化を理由に企業税の税率を25%から19%に引き下げることをうたいながらも、高額所得者の所得税率引き上げや高齢者の失業保険給付期間の延長など一部手直しを掲げています。

 CDU・CSUは、付加価値税の16%から18%への税率引き上げを主張。さらに企業負担軽減を狙って社会保険料の引き下げを発表しています。また企業での労働者の権利である共同決定権の廃止や解雇規制緩和を要求する動きもあります。

 これに対し左翼党は、シュレーダー政権の失業保険・失業援助金「改悪」の撤回、月額最低賃金の千四百ユーロへの引き上げや最低年金月八百ユーロの政策を打ち出しています。また、おもに資産家を対象にした財産税導入や高額所得者への最高税率を42%から50%に引き上げることや軍事費削減をアピールしています。

 外交政策で社民党はイラク戦争反対と派兵不参加を再確認、イランの核開発問題でもシュレーダー首相が十三日、米国の軍事的脅迫に警告するなど国連を中心とした安保政策を展開しています。CDU・CSUは、シュレーダー政権が米国との関係を損なったと批判し、テロとのたたかいや国際紛争の解決で対米関係の重視を公約しています。

 これに対し、左翼党は、イラク戦争・占領反対とともにアフガニスタンやコソボからのドイツ軍撤退を要求。米国の核兵器のドイツからの撤去を求めて政策の違いを際だたせています。

 左翼党の支持基盤は、昨年来、労組やPDSが行っている「アジェンダ二〇一〇」への抗議運動「月曜デモ」の全国への広まりにあります。PDSが旧東独の政権党社会主義統一党(SED)の後継政党であることへのためらいを超えて支持を伸ばしています。社民党の労働政策への反発を強めながら「政権は失いたくない」としてきた労働組合の幹部の間でも空気が変化。ドイツ労働組合総同盟(DGB)のゾンマー議長は、「左翼党も選択肢の一つ」と発言しています。

 「インフラテストディマップ」の世論調査によると、左翼党は六月三十日の世論調査以来、全国支持率で10%台で第三勢力を維持。旧東独部の支持率では七月十四日以来30%台を確保、五週連続で第一党となっています。

2005年08月18日12時35分

************************************

この記事を『赤旗』で読んだとき、ドイツでは「争点」が常に明確なのだと思った。日本の選挙では「争点」がいつも曖昧にされるのに・・・。

小泉首相の「郵政民営化選挙」という手法も、争点ボカシの手法の一つだろう。しかし、国民の関心が「マニフェスト」(選挙公約、日本共産党の場合は”野党”公約)に向かえば、日本でも選挙の様相が変わってくるのではないかと思う。

ドイツの場合、スッキリハッキリしているのは、保守政党であるキリスト教民主・社会同盟(CDU/CSU)が「付加価値税(消費税)の16%から18%への税率引き上げ」を明確に主張していることだ。このようなことは日本ではあり得ない。自民党ですら、マニフェストには将来の消費税率の引き上げについては言及がない。実際は、消費税の税率引き上げ不可避という政策を持っているのにも関わらず。

それに対する左翼党の対案も割と明確なもので、数字もしっかりと示されている。今回のドイツの総選挙では、左翼党が大きく議席をのばすのはほぼ間違いない。ドイツの選挙制度は小選挙区比例代表併用制であるが、仮に旧東独部の小選挙区で左翼党が圧勝することが出来れば(前回の総選挙ではPDS=左翼党の比例代表の獲得議席は5%足切り規定のため、ゼロ)、ドイツの「二大政党制」も崩壊するのではないかという期待も持てる。

日本の左翼党に当たる政党は、紛れもなく日本共産党であろうが、ドイツのように幅広い「左派」が協力しあえない日本の現状を悲しく思う。
------------------------------

ドイツの「左翼党」もがんばってるんだな~と思ったら、クリック!⇒

最新の画像もっと見る