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My ordinary days

ようこそいらっしゃいました!
ふと思い立ち第2のキャリアを始めてしまった、流されがちなひとの日々を綴るブログです

この夏の読書

2012-08-30 09:27:11 | 読書
あまり読めなかったなあ・・・

白輪剛史「動物の値段」 タイトルのまんま、動物商である著者が もし ある動物を手に入れたい場合の相場を案内してくれています。ワシントン条約や特定外来生物、絶滅危惧種についてのコラムもおもしろい。

恩田陸「不連続の世界」 塚崎多聞という音楽会社のプロデューサーが時と場所を移しながらちょっとした。でも不思議な謎を解いていくという、「トラベルミステリー」になるのですが、ひょうひょうとしているというかマイペースで和み系の主人公が 最後にこんな感じ~ っていうの、他の人の短編集でもあったなあ。こういう主人公嫌いではないですが
(思い出しだ 梓崎優「叫びと祈り」だ。主人公が最後に~)

東野治之「木簡が語る日本の古代」 図書館で借りてきた。もう15年以上前の版なので最近の木簡事情には触れられませんが、古代に書きつけられた木簡からまたは木簡の一部から垣間見える昔の人の生活などが興味深い。帳簿や荷札や勤務評定、伝達文としての木簡など奈良や平安の人々もまあ現代の人間とあまり変わらない人間なんだなあというのがよくわかる。


それから

いまブルーバックスの漫画版がでてるのね!次男くんが学校の図書館から借りてきた
「漫画で読む タイムマシンの話~超高速粒子とメタ相対論~」だって。タイムマシンはあり得ない。ってお話ですが このシリーズはおもしろそうなのでもっと借りてくるように指示(!?)

さらにそれから
氷室冴子 「クララ白書」 いまなぜコバルト文庫!? 大昔には面白くて何度も読み返した本ですが・・・図書館で堀晃を探している横で見つけたのでつい借りちゃった。


いくつか読みかけの本もありますが・・・二学期は二学期で忙しんだよなあー (悲

貴志祐介「悪の教典」

2012-08-20 20:43:56 | 読書
ええと 久しぶりの毒素
ではなくて読書感想文。 

映画化もされましたね~ ってもう封切りしたのかしていないのかも知りませんが

この方の作品はデビュー作の「十三番目の人格ーISOLA」と「黒い家」、両作品とも角川ホラー文庫で読みましたが
ホラー文庫ですから一応こわあいお話で、といっても んー、心理的に怖いというか壊れちゃっている人間の怖さであって ISOLAはちょっと幽体離脱的に怖いシーンがありますが
この「悪の教典」も、まあホラーというのか?サイコパスを描いていてばんばん人が、しかも先のある高校生が殺されていくことになるのでその追い詰められていく生徒たちの感じる怖さ、の部分も怖いかな?? 壊れている人間が優しげな顔をして近くにいるかもしれない、というところが一番のポイントでしょうね。

一息で上下巻を読んでしまいましたが(4時間半くらいか そうです夜通しです 大失敗)

一息、つまり先を知りたくて読んでいるのですからまーおもしろかった、です。え なんか微妙な・・・?


そうなんだよね・・・。

主人公のサイコパス天才で対人共感能力に欠けていて人を殺すのを躊躇しない、親殺しの最悪の人なのですがある理由により私立高校の英語の教師として働いていて、しかも生徒たちからの人気抜群だったりして・・・。でもって面倒なことがあると面倒な相手を殺しちゃえばいい というものすごい結論にあっという間に達してあっという間に実行して、という人生を送ってきて、上巻では人気のある有能な英語教師が実は・・・というところがじっくり描かれており下巻ではいろいろな偶然により人を一人殺す予定が、一クラスの生徒を皆殺しにすることを決めてそれを遂行していく姿が描かれていて。

天才にしてはなんというか 行き当たりばったり的、な感が否めません・・・や、しかし精神的に病んでいるから場当たり的でもなんとか論理的に説明をでっちあげる能力を駆使して強引にいけいけゴーゴー、となってしまうのか・・・

人気教師をなんかヘンだと感じる生徒たちももちろんいて、その生徒3人がその人気教師の敵といいますかそんな立位置になります。ここまで書けばなんとなく想像できてしまいそうなストーリー?

読んで!おもしろいから!!と人さまにいうのも言いずらく、そうだな~ 私としては 心理的な攻防戦がもうちょいあったらもう少しアレだったかな。展開が一方的すぎ&ラストは まあそうくるかなあと思われるようなラスト。でした。

とりあえずなんか読み物が読みたいなあー という時にはよいかもー 私はそんなにこわくなかったかな、前評判よりは・・・。

うん。

そんな感じー 久しぶりの読書カンソーおしまいー





感想文、感想文と言えば次男くんの苦手分野、ああ夏休みの課題の一つなのにぃどうするんだあー全く書けてないよお 選んだのは新潮文庫の夏休みに中学生に読ませたい文庫本30冊 から選んだ もうとっくに読んだことのある星新一「ボッコちゃん」。
作者本人が選んだショートショート集。
これについて1600字・・・書けるのかあ 何でもいいからとりあえず書いてオネガイ。
と、そろそろ子どもたちの夏休みの宿題の行方が気になってきたハハであった。


長男くんもレポート類4つくらいあるしなあー
長女ちゃんは文を書くのが苦にならないタイプなので(中身はともかく)感想文は安心なのでした。問題は塾の山のような・・・・・・・・・・・





平岩弓枝「聖徳太子の密使」

2012-05-24 10:13:53 | 読書
「智恵に優れた白猫、優しく機転の利く三毛猫、腕自慢の虎猫。個性あふれる三匹の猫と愛馬をお供に、聖徳太子の命を受け、太子の愛娘珠光(たまひかる)王女は、異国へと旅立った。一行の行く手に立ちはだかるのは、怪蛇、土蜘蛛、魔神、魔女、謎の仙人といった妖怪変化、魑魅魍魎。数多の危難を乗り越えて、遥か西の国に辿り着いた王女を待っていたのは……。血湧き肉躍る興奮と感動の冒険絵巻。


猫です、ネコ! 
冒険・・・としてはいろいろあってもお約束通りなんとかなってしまうので血沸き肉躍る冒険譚を求める人には物足りないかもしれませんが、
斑鳩宮で聖徳太子に飼われている3匹の猫、北斗、オリオン、スバルが後ろ足で立って衣服を着せてもらって王女を守るため聖徳太子から七星剣、天沼矛、銀の弓を与えられて もとは龍の化身、馬の青龍とともに天の鳥船に乗って西へ西へと旅立っていく・・・って、かわいすぎるでしょう~ 普段は人の格好顔は猫のまま、時々人とかかわるときには気を張って人の顔に変化させ、寝るときはもちろん丸くなって寝るのです・・・ははは
王子(珠光王女は旅をしているときは王子と称していた)が異国の言葉がわからない時には猫どうしで猫語で通訳・・・・ははははは♪

少し前に書かれた同作者による「西遊記」の倭国版みたいというか、まあそんなお話です。

まだまだ倭国は未熟な国家ゆえ、すぐれた外国からいろいろなことを学べねばならない、そこで太子は海神の血をひく愛娘を水の彼方の国々の文化を学ぶようにと大海原を旅させることを決めました。また、先だって夜半に現れた赤気について百済からきた天文博士がはかばかしい答えをだせなかったため、その赤気が倭国にとって吉兆であるのか凶兆なのか、そのことについても調べるという目的もあったのでした。

ねずみやとり、獅子、果ては猫神バストがでてくるし(さてどこの国まで旅したのでしょうか?) 年に一度行われる世界ネコ祭り?が今年はその国で催されて、世界中の猫が集まってくるのでそこで智慧物の猫から赤気の意味するところを知るという、
ああなんて猫は賢いのでしょう~ あーははははは^^

赤気、つまりオーロラのことなのですが
これは日本書紀、推古天皇の御代に「天有赤気、長一尺余、形似雉尾(天に赤気あり、長さ一尺余り、その形雉の尾に似たり)」という記録が残っているので当時本当に見えたらしいです。通常は極域で見られる現象ですが、太陽の活動が活発な時には日本でもちょっと見えることがあるらしく、北海道のどこかでオーロラの町かなんかあったような。
しかし聖徳太子がオーロラをみて驚いた、なんて考えるとちょっとおもしろいですね。

ネコ萌えー な人がほくほくと読むのに適した本でした





香月 日輪「妖怪アパートの幽雅な日常」

2012-05-19 17:29:45 | 読書
ジュブナイル、ヤングアダルト向け、のレーベルというか講談社のYA!ENTERTAMENTで読みました。講談社文庫で文庫化されてもいますね。次男くんが学校図書館から借りてきた本です。
簡単だからパパパット読めましたが、

ラノベ、ではないのでしょうかね もうここら辺の線引きがどうもわからなくなっていますが、タイトル通り妖怪がでてくるお話ですがファンタジー・・・うーむ、にしてはオトナが読んでもまっとうだ、と思われることが書いてあります。
おもしろかった。 何を借りてきたんだか~と興味本位につまらなかったら即読むの止めちゃうつもりで手に取ったのだけど、結局2巻続けて読んじゃった。しかし、一巻と四巻・・・順番に読まなくても平気だろうと踏みまさにその通り平気だったです。ははは

「共同浴場は地下洞窟にこんこんと湧く温泉、とてつもなくうまいご飯を作ってくれる「手首だけの」賄いさん―十三歳で両親を失った俺が高校進学と同時に入居したのは人呼んで“妖怪アパート”!次々と目の当たりにする非日常を前に、俺の今までの常識と知識は砕け散る。大人気シリーズ。」

とこんな話なのですが、なんだろうな緩急のあるストーリーというわけでもかわいいヒロインが大活躍ぅーなんていうのでもなく
高校生の主人公と大人(+妖怪・・・)がきちんと会話できているところが魅力、かな。設定はまあありえない思いっきりのファンタジーなのですが、まっとうなんです。悩める高校生を前にした人生の何百年かの?先輩たちの言葉が。

全10巻、らしい。他の巻は次男くんが借りてくるのを待ちます^^;

さらっと、でもしっかりと読書できる作品なので読み損しません。
☆☆☆☆

萩尾望都「なのはな」

2012-05-16 10:37:41 | 読書
あまりにも有名な漫画家のあまりにも有名な3.11以降の漫画。

本当に子供のころから読んでいますがいつになっても作風が古びれないというか いま このとき をこれだけ長く描いてこられるというのはものすごいことだと思います。

☆「 マンガのあなた SFのわたし 萩尾望都・対談集 1970年代編」
・・・・・ものすごく贅沢な対談集。対談相手が、
●第1章 手塚治虫   「SFマンガについて語ろう」
●第2章 水野英子   「私たちって変わり者かしら」
●第3章 石ノ森章太郎 「SFの話は延々尽きない」
●第4章 美内すずえ  「親愛なるモー様へ」
●第5章 寺山修司   「月で修学旅行の案内係」
●第6章 小松左京   「絵の理想型とは?」
●第7章 手塚治虫+松本零士 「マンガ、SF、アニメーション」
●第8章 羽海野チカ  「全部、萩尾作品から学びました」        ・・・・・・って、どう!?


☆「バルバラ異界」
・・・・・第27回(2006年 日本SF大賞受賞の、読ませる作品・・でもああ、ラスト、そんなあ! ・・悲しいようなよかったような 複雑に感情を動かされました。一気に読めるもののストーリーもあちこちに謎が隠されそれがあとから上手にリビール(すみませんいい日本語浮かばない)され 




そして表題の
☆「なのはな」と3冊続けて続けて読みましたが。
うそかまことか、この震災と原発の事故のことをいち早く漫画という形で世に問うたのが萩尾先生のこの作品、らしい。

「・・・・・フクシマの少女を主人公にした話題作「なのはな」と、放射性物質と人間との関係をシニカルに描いた3部作「プルート夫人」「雨の夜-ウラノス伯爵-」「サロメ20××」を立て続けに発表しました。今回はそれらに加え、特別描き下ろし「なのはな-幻想『銀河鉄道の夜』」を収録しました。
ということで、一年後である今年の3月に出版されたのが短編集「なのはな」です。

とんでもない異世界の話を紡ぐかと思えば、昔から身近な日本の家族のささいなけれどとても大切な物語を丁寧に描けるのも萩尾先生の魅力ですが、表題作と描き下ろし作品「なのはな-幻想『銀河鉄道の夜』」がそちら系なような、日常のすぐ隣にある不思議な世界のお話で、・・・

日常のすぐ隣にあった地震という天災をおもえば、その後の原発事故のことを考えてみれば どれがフィクションでどれがノンフィクションなのだかすらわからないのだけれども。


小さな物語から人は救われることもあるし その物語を必要としている人はこの世のたくさんいると思う。

救いを神様や宗教に求めるということもあるでしょうし 作家という同じ人間を通しての物語から力を得る ということもありだと思います。




物語のない宗教もないと思うけれど、まー教理とかいろんなややこしそうなもの抜きにして語られる物語の中にも真理は宿っている ときもありますから。

この本を読めば癒されるーなんて単純なことはないでしょうけれど、心を揺すぶられてなにかを感じることだけでもよいのでは。お薦めいたします。萩尾望都先生サマ作「なのはな」。