富士フィルム(株)様より防振双眼鏡TS-X1440(メーカー使用表)をお借りして1か月が過ぎた。この間に苫小牧-大洗、竹芝-八丈島、下田-伊豆諸島北部の各航路、陸上のフィールドで使用したので感想をまとめてみた。フィールドで長時間観察することを考えると本機の大きさ・重さはマイナス要因だが、それを上回るだけの防振機能を実感できた。
外観
第一印象は“大きくて重い!” 一般的な双眼鏡に比べ大きくて厚みのある形状で、人によっては手に余ると感じるかも知れない。重量は本体1300g+単三電池4本分。首から下げるストラップが付属しているが、長時間使うなら首への負担が少ないハーネスタイプにするのも良いだろう。なお、本体は窒素ガスを充てんした気密防水構造(カタログ情報で水深1mに5分)になっているので、海水の飛沫を浴びても水で洗い流すことが可能。
操作
左手側に2つのスイッチがある。電源ボタンを押して、防振ボタンを押すと、防振機能が作動した状態になる(自動でオフにはならない)。長時間の航路観察では基本的に防振スイッチを入れた状態にしていた。ピントリングは右手側にあるので、操作に馴れが必要。
バッテリーは単三電池4本。10時間以上つけっぱなしで観察しても大丈夫だったが、どれだけ持つかは未検証。電池の交換は、本体下面ツマミを回すと蓋が開くようになっている。
ツマミを回すとカバーが外れる
単三電池を装填した状態
防振機能
メーカーカタログに「世界最高±6°の防振性能」と記されるだけあって、とにかくよく止まる。海上の波やうねり、船のエンジンなど微細な振動だけでなく、体に風を受けている状態でも安定した視界が得られた。双眼鏡を持つ時に腋を締めて両手でしっかり構えなくても大丈夫。
百聞は一見に如かず、接眼レンズにデジカメを押し当てて撮影した動画をご覧あれ。片手で双眼鏡を持っているのでオフ状態ではブレブレだが、防振オンにすると微細なブレはほぼ止まる。
光学性能
14倍、対物レンズ40mmで、日中はもちろん薄暮時もさほど不便を感じることはなかった。大口径・ハイクラスの双眼鏡に比べると見え味は物足りないかも知れないが、この機種は防振性能に特化した双眼鏡と捉えるべきだろう。
以上です。悪条件下でストレスなく観察できるだけでなく、平穏時にオオミズナギドリの目がしっかり見えた時は結構感激だった。水平線ぎわの遠方にモヤモヤしていた影が、防振スイッチを入れたとたんはっきり鳥の姿に見えた時など、普段どれだけ手振れが邪魔していたかを痛感する。個人的な要望として、三脚や一脚に取り付けられるようにして欲しい。固定することでより一層安定した視界が得られ、観察者の疲労も軽減されると思う。
冬鳥観察の楽しみ方 in 千葉公園
カモやサギなど身近な野鳥を観察しながら、ゆっくり公園を散策します。
JR千葉駅から千葉公園まで徒歩10分、モノレールだと千葉公園駅を降りてすぐです。
2月6日(土)10:00~12:00
参加費無料
事前申し込みが必要です。電話で中央・稲毛緑地公園事務所(Tel.043-251-5103)まで。
ねむろバードランドフェスティバル
オンライン講 演 会 ~ 野鳥保護・野鳥と親しむの夕べ ~
◆1月30日(土)
講師:福田 佳弘 氏(知床海鳥研究会)
演題:「知床・野付・根室の海鳥の現状」
講師:箕輪 義隆 (科学イラストレーター)
演題:「絵描きの仕事部屋から、『新 海鳥ハンドブック』のはなし」
1月30~31日にオンライントークイベントがあります。31日に「絵描きの仕事部屋から、『新 海鳥ハンドブック』のはなし」と題して
お話しさせて頂く予定です。今年のバードランドフェスティバルは残念ながら屋外イベントがほとんど開催中止となってしまいました。
楽しいイベントにできればと思っています。詳細は以下のリンク先をご参照ください。視聴は無料です。
ねむろバードランドフェスティバル オンライン講演会サイトにリンク