◎戦略の比較:レッド・オーシャンとブルー・オーシャン
○レッド・オーシャン戦略
・既存の市場空間で競争する
・競合他社を打ち負かす
・既存の需要を引き寄せる
・価値とコストのあいだにトレードオフの関係が生まれる
・差別化、低コスト、どちらかの戦略を選んで、企業活動すべてをそれにあわ
せる
○ブルー・オーシャン戦略
・競争のない市場空間を切り開く
・競争を無意味なものにする
・新しい需要を掘り起こす
・価値を高めながらコストを押し下げる
・差別化と低コストをともに追求し、その目的のためにすべての企業活動を推
進する
◎ブルー・オーシャン戦略の6原則
○算定の原則
①市場の境界を引き直す (↓探索リスク)
・代替材や代替サービスを提供する業界に注目する
・業界内のほかの戦略グループから学ぶ
・業界の買い手グループを定義しなおす
・業界の枠組みを超えて補完材や補完サービスを見渡す
・業界の機能志向と感性志向を切り替える
・将来を見通す(外部トレンドを形成する)
②細かい数字は忘れ、森を見る (↓プランニング・リスク)
○目を覚ます
・現在の戦略をチャート化して、競合他社のそれと比べる
・戦略を変えるべきかどうかを見極める
○自分の目で現実を探る
・みずから最前線に足を運んで、ブルー・オーシャンを創造するための6
つのパスを探る
・代替財や代替サービスの優れた点を見極める
・さまざまな競争要因について、廃止、追加、変更などの必要性を判断する
○ビジュアル・ストラテジーの見本市を開く
・ステップ2(自分の目で現実を探る)での洞察に基づいて、新しい戦略
キャンパスを描く
・既存顧客、他社の顧客、さらには潜在顧客から、新しい戦略へのフィー
ドバックを得る
・フィードバックを活かして、戦略案をさらに練り上げる
○新戦略をビジュアル化する
・新旧の戦略を1枚のチャートで表し、一目で比較できるようにする
・新しい戦略の実現に役立つプロジェクトや施策のみを推進する
③新たな需要を掘り起こす (↓規模のリスク)
・非顧客層は3つのグループに分けられる
①市場の縁にいるが、すぐに逃げ出すかもしれない層
→他業界に去った人の共通点を探してみる
②あえてこの市場の製品やサービスを利用しないと決めた層
→あえて使わずにいる共通の理由を探してみる
③市場から距離のある未開拓の層
・いずれか1つのグループだけに目を奪われるのではなく、3グループすべ
てを見渡すのが望ましい。あくまでも規模の最大化を目指すのがルール。
④正しい順序で戦略を考える (↓ビジネスリスクにまつわるリスク)
・ブルー・オーシャン戦略の策定手順
○買い手にとっての効用・・・この事業アイデアは比類ない効用をもたら
すだろうか?
※顧客経験の6つのステージ
購入…検索時間、購入場所、安心して取引
できる環境、すぐに購入できるか
納品…納品までの期間、簡単に梱包が解け
るか、配送の手配の有無、コストと
手間
使用…研修や専門家の支援の要否、保管の
容易さ、機能・特徴の優位性、余計
な機能・部品
併用…他の製品への依存の有無とそのコス
ト、時間、大きな骨折り、入手容易性
保守管理…外部委託の要否、保守や更改の
容易さ、保守管理コスト
廃業…廃材の有無、廃棄の容易性、環境や
法律の制約、廃棄コスト
※効用を生み出す6つのテコ
顧客の生産性、シンプルさ、利便性、リス
ク、楽しさや好ましいイメージ、環境への
優しさ
↓
○価 格・・・多くの人々によって手を伸ばしやすい価格か?
※顧客の密集する価格帯を見極める
同じ形態、形態は異なるが機能は同じ、形態・機能とも
異なるが目的は同じ
※顧客の密集する価格帯の範囲内で価格を決める
・高めの価格設定…法規制や特許によって強く保護され
ている。模倣が難しい。
・中くらいの価格設定…法規制や特許によってある程度
保護されている。
・低めの価格設定…法規制や特許による保護が弱い。模
倣しやすい。
↓
○コスト・・・価格競争力を保ったうえで利益の出る水準までコストを下
げられるか?
↓
○実現への手立て・・・このアイデアを実現する上での障害は何か?事前
に対策をとっているか?
↓
商用に耐えうるブルー・オーシャン・アイデア
○実行の原則
⑤組織面のハードルを乗り越える (↓組織面のリスク)
○4つのハードル
・大胆な変革の必要性を従業員に理解させるうえでの、意識のハードル
→業務の最も悲惨な一面を従業員に直視させる、憤懣やる方ない顧客の
声にじかに耳を傾ける
・企業にはつきものの経営資源のハードル
→重点領域に経営資源を振り向ける、非重点領域から経営資源を引き揚
げる、資源交換(部門間の余剰資源の交換)
・従業員がやる気を損なう士気のハードル
→「中心人物」(中心人物だけに働きかける)
「金魚鉢のマネジメント」(中心人物の行動がすべて見通せるように
する。公正なプロセスを根づかせる。)
「細分化」(あらゆる階層の人々が行動を起こせるように目標を具体
的なレベルで設定する)
・社内外からの変革への抵抗という政治的なハードル
→守護神(戦略変更による最大の受益者)に頼り
大敵(戦略変更により最大の損失を受ける層)を黙らせ
経営陣にアドバイザーになってもらう
⑥実行を見据えて戦略を立てる (↓マネジメント・リスク)
・公正なプロセスを用いると、最初から従業員を巻き込んで、実行を見据え
た戦略を立てられる。従業員たちは平等に扱われると感じて、自ら進んで
戦略の実行に力を尽くそうとする。
・公正なプロセスは関与(Engagement)、説明(Explana
tion)、明快な期待内容(clarity of Expectation)の
3つのEで支えられる。
◎新しい価値曲線を描くための4つのアクション
・取り除く
業界常識として製品やサービスに備わっている要素のうち、取り除くべきもの
は何か
(例)イエローテイル
ワインの専門用語や等級表示、熟成、マスマーケティング
(例)シルク・ドゥ・ソレイユ
花形パフォーマー、動物によるショー、館内でのグッズ販売、隣接する
いくつもの舞台での同時ショー
・減らす
業界標準と比べて思い切り減らすべき要素は何か
(例)イエローテイル
深みのある味わいや香り、品種、ぶどう園の格式
(例)シルク・ドゥ・ソレイユ
笑いとユーモア、危機やスリル
・増やす
業界標準と比べて大胆に増やすべき要素は何か
(例)イエローテイル
デイリーワイン並みの価格、小売店との連携
(例)シルク・ドゥ・ソレイユ
個性あふれる独自のテント
・付け加える
業界でこれまで提供されていない、今後付け加えるべき要素は何か
(例)イエローテイル
飲みやすさ、遊びやすさ、楽しさと冒険
(例)シルク・ドゥ・ソレイユ
テーマ性、洗練された環境、複数の演目、芸術性の高い音楽とダンス
◎優れたブルー・オーシャン戦略に共通する3つの特徴
①メリハリ
②高い独自性
③訴求力のあるキャッチフレーズ
◎ブルー・オーシャン戦略の模倣をはばむ障壁
・従来の理屈をもとに考えたのでは、バリュー・イノベーションは理解できない。
・ブルー・オーシャン戦略は、他社のブランド・イメージとは相容れない可能性
がある。
・自然独占によって、2社目の参入が成り立たない場合が少なくない。
・特許や法規制が模倣を防ぐ例がある。
・バリュー・イノベーションを実現した企業は、規模の拡大を通してコスト優位
性を築き、模倣者の参入意欲をくじく。
・ネットワークの外部性が模倣をはばむ。
・模倣を実践するには往々にして、業務オペレーション、社風、社内政治のあり
方などを大幅に改める必要がある。
・バリュー・イノベーションを成し遂げた企業は、ブランド人気が沸騰して顧客
から高いロイヤルティを得るため、他社は模倣しづらくなる。
○レッド・オーシャン戦略
・既存の市場空間で競争する
・競合他社を打ち負かす
・既存の需要を引き寄せる
・価値とコストのあいだにトレードオフの関係が生まれる
・差別化、低コスト、どちらかの戦略を選んで、企業活動すべてをそれにあわ
せる
○ブルー・オーシャン戦略
・競争のない市場空間を切り開く
・競争を無意味なものにする
・新しい需要を掘り起こす
・価値を高めながらコストを押し下げる
・差別化と低コストをともに追求し、その目的のためにすべての企業活動を推
進する
◎ブルー・オーシャン戦略の6原則
○算定の原則
①市場の境界を引き直す (↓探索リスク)
・代替材や代替サービスを提供する業界に注目する
・業界内のほかの戦略グループから学ぶ
・業界の買い手グループを定義しなおす
・業界の枠組みを超えて補完材や補完サービスを見渡す
・業界の機能志向と感性志向を切り替える
・将来を見通す(外部トレンドを形成する)
②細かい数字は忘れ、森を見る (↓プランニング・リスク)
○目を覚ます
・現在の戦略をチャート化して、競合他社のそれと比べる
・戦略を変えるべきかどうかを見極める
○自分の目で現実を探る
・みずから最前線に足を運んで、ブルー・オーシャンを創造するための6
つのパスを探る
・代替財や代替サービスの優れた点を見極める
・さまざまな競争要因について、廃止、追加、変更などの必要性を判断する
○ビジュアル・ストラテジーの見本市を開く
・ステップ2(自分の目で現実を探る)での洞察に基づいて、新しい戦略
キャンパスを描く
・既存顧客、他社の顧客、さらには潜在顧客から、新しい戦略へのフィー
ドバックを得る
・フィードバックを活かして、戦略案をさらに練り上げる
○新戦略をビジュアル化する
・新旧の戦略を1枚のチャートで表し、一目で比較できるようにする
・新しい戦略の実現に役立つプロジェクトや施策のみを推進する
③新たな需要を掘り起こす (↓規模のリスク)
・非顧客層は3つのグループに分けられる
①市場の縁にいるが、すぐに逃げ出すかもしれない層
→他業界に去った人の共通点を探してみる
②あえてこの市場の製品やサービスを利用しないと決めた層
→あえて使わずにいる共通の理由を探してみる
③市場から距離のある未開拓の層
・いずれか1つのグループだけに目を奪われるのではなく、3グループすべ
てを見渡すのが望ましい。あくまでも規模の最大化を目指すのがルール。
④正しい順序で戦略を考える (↓ビジネスリスクにまつわるリスク)
・ブルー・オーシャン戦略の策定手順
○買い手にとっての効用・・・この事業アイデアは比類ない効用をもたら
すだろうか?
※顧客経験の6つのステージ
購入…検索時間、購入場所、安心して取引
できる環境、すぐに購入できるか
納品…納品までの期間、簡単に梱包が解け
るか、配送の手配の有無、コストと
手間
使用…研修や専門家の支援の要否、保管の
容易さ、機能・特徴の優位性、余計
な機能・部品
併用…他の製品への依存の有無とそのコス
ト、時間、大きな骨折り、入手容易性
保守管理…外部委託の要否、保守や更改の
容易さ、保守管理コスト
廃業…廃材の有無、廃棄の容易性、環境や
法律の制約、廃棄コスト
※効用を生み出す6つのテコ
顧客の生産性、シンプルさ、利便性、リス
ク、楽しさや好ましいイメージ、環境への
優しさ
↓
○価 格・・・多くの人々によって手を伸ばしやすい価格か?
※顧客の密集する価格帯を見極める
同じ形態、形態は異なるが機能は同じ、形態・機能とも
異なるが目的は同じ
※顧客の密集する価格帯の範囲内で価格を決める
・高めの価格設定…法規制や特許によって強く保護され
ている。模倣が難しい。
・中くらいの価格設定…法規制や特許によってある程度
保護されている。
・低めの価格設定…法規制や特許による保護が弱い。模
倣しやすい。
↓
○コスト・・・価格競争力を保ったうえで利益の出る水準までコストを下
げられるか?
↓
○実現への手立て・・・このアイデアを実現する上での障害は何か?事前
に対策をとっているか?
↓
商用に耐えうるブルー・オーシャン・アイデア
○実行の原則
⑤組織面のハードルを乗り越える (↓組織面のリスク)
○4つのハードル
・大胆な変革の必要性を従業員に理解させるうえでの、意識のハードル
→業務の最も悲惨な一面を従業員に直視させる、憤懣やる方ない顧客の
声にじかに耳を傾ける
・企業にはつきものの経営資源のハードル
→重点領域に経営資源を振り向ける、非重点領域から経営資源を引き揚
げる、資源交換(部門間の余剰資源の交換)
・従業員がやる気を損なう士気のハードル
→「中心人物」(中心人物だけに働きかける)
「金魚鉢のマネジメント」(中心人物の行動がすべて見通せるように
する。公正なプロセスを根づかせる。)
「細分化」(あらゆる階層の人々が行動を起こせるように目標を具体
的なレベルで設定する)
・社内外からの変革への抵抗という政治的なハードル
→守護神(戦略変更による最大の受益者)に頼り
大敵(戦略変更により最大の損失を受ける層)を黙らせ
経営陣にアドバイザーになってもらう
⑥実行を見据えて戦略を立てる (↓マネジメント・リスク)
・公正なプロセスを用いると、最初から従業員を巻き込んで、実行を見据え
た戦略を立てられる。従業員たちは平等に扱われると感じて、自ら進んで
戦略の実行に力を尽くそうとする。
・公正なプロセスは関与(Engagement)、説明(Explana
tion)、明快な期待内容(clarity of Expectation)の
3つのEで支えられる。
◎新しい価値曲線を描くための4つのアクション
・取り除く
業界常識として製品やサービスに備わっている要素のうち、取り除くべきもの
は何か
(例)イエローテイル
ワインの専門用語や等級表示、熟成、マスマーケティング
(例)シルク・ドゥ・ソレイユ
花形パフォーマー、動物によるショー、館内でのグッズ販売、隣接する
いくつもの舞台での同時ショー
・減らす
業界標準と比べて思い切り減らすべき要素は何か
(例)イエローテイル
深みのある味わいや香り、品種、ぶどう園の格式
(例)シルク・ドゥ・ソレイユ
笑いとユーモア、危機やスリル
・増やす
業界標準と比べて大胆に増やすべき要素は何か
(例)イエローテイル
デイリーワイン並みの価格、小売店との連携
(例)シルク・ドゥ・ソレイユ
個性あふれる独自のテント
・付け加える
業界でこれまで提供されていない、今後付け加えるべき要素は何か
(例)イエローテイル
飲みやすさ、遊びやすさ、楽しさと冒険
(例)シルク・ドゥ・ソレイユ
テーマ性、洗練された環境、複数の演目、芸術性の高い音楽とダンス
◎優れたブルー・オーシャン戦略に共通する3つの特徴
①メリハリ
②高い独自性
③訴求力のあるキャッチフレーズ
◎ブルー・オーシャン戦略の模倣をはばむ障壁
・従来の理屈をもとに考えたのでは、バリュー・イノベーションは理解できない。
・ブルー・オーシャン戦略は、他社のブランド・イメージとは相容れない可能性
がある。
・自然独占によって、2社目の参入が成り立たない場合が少なくない。
・特許や法規制が模倣を防ぐ例がある。
・バリュー・イノベーションを実現した企業は、規模の拡大を通してコスト優位
性を築き、模倣者の参入意欲をくじく。
・ネットワークの外部性が模倣をはばむ。
・模倣を実践するには往々にして、業務オペレーション、社風、社内政治のあり
方などを大幅に改める必要がある。
・バリュー・イノベーションを成し遂げた企業は、ブランド人気が沸騰して顧客
から高いロイヤルティを得るため、他社は模倣しづらくなる。