いーちんたんハンドメイド版  

--日常の徒然、洋裁やアクセサリー作り、ハンドメイドのこまごま・・・。

北京内装奮闘記4、リビング

2015年11月02日 17時49分42秒 | 内装
この記事は、4年ほど前に



いーちんたん --北京ときどき歴史随筆
 北京内装奮闘記4、リビング



ですでに投稿している記事ですが、
ハンドメイドの本ブログのテーマにも合うかと思い、再掲載しているものです。




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水周り以外は、たとえ壁がすす黒いとか、

壁の下半分が緑色のペンキに塗られており、
80年代の田舎病院の廊下のようで、気持ちが荒(すさ)む、
と言った問題があっても、
そこはこちらも長年、異文化の中を放浪してきたつわものである。
「くさい物にフタ」するための「タペストリー」アイテム、
布カバーアイテムは、けっこう豊富に持ち歩いていて、
上からカバーをかけてしまえば、それなりに快適になる。



 

   
写真: ビフォーの図。ダサい船の額は、もちろん取り外して処分した。下のほうに見えるポスターを両面テープで貼った跡もしこしこと地道にこそぎ落とす。



ドアの奥に見えるのが、「80年代の田舎病院の廊下」のごとき緑の壁。




上からすべて白く塗った。
そのほかの白壁も汚れが激しかったので、
私が程さんの指導の元、ローラーで白く塗りなおした。
なぜ私が塗ったかといえば、程さんの日当は200元(約4000円)と決して安くもない。
このアパートの家賃が2800元しかしないことを思うと、
だらだらといつまでも時間をかけていると、ぼろぼろのアパートを借りる意義がなくなってしまうのである。



技術力、腕力の必要ない作業は、私がなるべく自力でこなし、
工事費を浮かせるとともに、いっしょに作業している間は程さんの話し相手になり、
機嫌よく、スピーディに仕事をこなしてほしい、という目的もある。
会社勤めしていない者の特権ではあるが。


  

   
写真: アフターの図。自前のじゅうたんを敷く。



「カバー」類は、私の趣味がエスニック調、アジアの少数民族調なので、
大抵は和風の端切れで作ったパッチワークか、大学バックパッカー時代に
インド、バリ、チベットなどからせっせせっせと背負って持ち帰って来た
ファブリックの数々、それに後から布を足して加工したものどもである。
幸い、レンガ造りの家というのは、ドリルでがんがんと壁に穴を開けても
いらなくなれば、釘を引っこ抜いてまた漆喰で埋め込んだら、



ほとんど目立たなくなるため、
壁に釘を打つな、と神経質にいう大家はあまりいない。
いわんや、私が借りようとする、標準アパートよりさらにボロいアパートは、である。




   
 ビフォー図




  




  
 
   
アフター図
   

すでに大量の家具を買い込んでいるため、
賃貸といえば、基本的に家具つき、家電製品つきが常識の中国では、
ひどく困るのである。



私は中国風のアンティーク家具が好きなのだが
高度成長期真っ盛りの中国は、東京オリンピック前後の日本の庶民と同じく、
どちらかというと西洋風な家具にあこがれる。



最高到達地点は、ロココ調、うにゅりと曲線が優美な猫足の家具、
白い生成りの塗装に金色の縁取り、イタリア直輸入、
(そういう意味では、韓国ドラマの金持ち家庭のセットは、
趣味にぴったり。あれが、目指す最終地点だと思う)
そこまでの経済力がなくても、せいぜいがIkeaどまりである。



どんなに高級なアパートを借りても自分の趣味に合った家具はほとんどなく、
ましてや中途半端に庶民的な値段のアパートについている家具は、
合成板、スチールパイプの文化住宅系のものしかない。
しかも困ったことに、家具は要らないから運びだしてくれ、というと、
ほとんどの場合、交渉決裂となる。
家具の置き場がないし、次の店子のためにまた運び入れないといけないので、
大抵の大家は、ひどく嫌がる。




こうして毎回選ぶアパートは、内装ぼろぼろ、
家具もぼろぼろすぎて大家が処分に同意してくれるか、
家具がほとんどない代わりに、
家電製品もほとんどない物件となってしまうのである。




今回の物件も家電製品が一切なかったのは、ひどく痛かった。
洗濯機、換気扇、ガス湯沸かし器、クーラーにいたるまですべて買いなおした。
(冷蔵庫だけは、最初から持参。前のアパートについていた冷蔵庫が、
80年代ものか、というくらいクラシックな代物、しかもどろどろだったので、
掃除する気にさえならず、お引取り願ったため。テレビはなしですごしている)




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