経営再建中のカネボウ(東京都港区)旧経営陣による不正経理問題で、東京地検特捜部は29日午後、元社長・帆足隆(69)と元副社長・宮原卓(63)、経理担当だった元常務・嶋田賢三郎(59)の3容疑者を証券取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載)容疑で逮捕した。
また、証券取引等監視委員会と合同で、カネボウの監査を担当した中央青山監査法人(千代田区)や帆足容疑者らの自宅の捜索に着手した。
調べによると、帆足容疑者らは共謀し、カネボウが2002年3月期の連結決算で約744億円の債務超過だったにもかかわらず、約9億円の資産超過だったかのように有価証券報告書に虚偽を記載。03年3月期は約725億円の債務超過を、約5億円の資産超過のように粉飾して、関東財務局に提出した疑い。
粉飾工作は、同社のメーンバンクだった旧さくら銀行(現三井住友銀行)出身の宮原元副社長が部下に具体的な指示を出し、帆足元社長がそれを了承していた。
帆足元社長らはこれまでの任意の事情聴取に、粉飾への関与を認めている。
(2005年7月29日16時33分 読売新聞)