矢野南小学校PTA

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●学校評価シンポジウムin広島

2007年01月30日 | 外部会議・行事
■日時 平成19年1月30日(火) 14:00~17:00
■会場 広島国際会議場
■対象 広島市立学校教職員、PTA関係者、学校協力者会議委員
■内容
 1 実践発表
 (1) 実践発表 広島市立可部中学校
 (2) 講  評 広島大学 長尾眞文教授
 2 シンポジウム
  ◎コーディネーター
    広島大学:国際開発協力センター教授 長尾眞文
  ○シンポジスト
    文部科学省主任視学官  伯井美徳
    広島市PTA協議会会長 尾公幸
    広島市教育委員会学校教育部指導担当部長 尾形完治
    広島市立基町小学校長 仏圓弘修
    広島市立久地南小学校長 米升美都枝
    広島市立幟町中学校長 光原達夫

【報告:保護者K】

 「学校評価システム」とは、教職員による「自己評価」と地域の方による「外部評価」によって、学校が教育活動や学校経営について継続的に改善を図るシステムです。学校は教育目標や目指す学校像を示した学校経営計画を作成し、それを実践、評価し、それを次に向けて改善します。
 これを、計画(PLAN)、実践(DO)、評価(CHECK)、改善(ACTION)のPDCAサイクルといいます。この、評価(CHECK)の部分で行われるのが学校評価です。私たちPTAは、実践した内容を学校から提示(公開)された内容に対してアンケートなどによって意見を伝えますが、これは学校側の自己評価になります。それに対して外部評価は学校協力者会議による評価です。
 今回は、この学校評価のしくみを学校の教育活動や改善にどう生かしたかについての実践発表と、学校評価によって学校はどのようにかわれるかをテーマにシンポジウムが行われました。


1 実践発表

 可部中学校では、「学力の向上」、「豊かな人間性の育成」、「まちぐるみによる教育の推進」の3つの領域において学校評価システムを活用した事例が報告されました。可部中では中間評価と最終評価をアンケートでまとめ数値(グラフ等)で示すことで成果と課題が明確になり、教職員一人ひとりの学校経営への参画意識が高まり組織として向かう方向や重点的に取り組むポイントが合わせやすくなったこと、評価の結果が次年度の計画策定の一つのステップになりつつあること、外部の評価により学校の取組みを客観的に行うことができるようになり、それを公表して保護者からの協力の内容が明らかになったことなどの成果があったということでした。ただし、評価の基礎データは教職員・生徒・保護者によるアンケートが主なもので、その他のデータの活用もしなければ客観性を高められないという課題も示されました。

2 シンポジウム

 シンポジウムでは、シンポジストの方から学校、PTA、教育委員会、文部科学省のそれぞれの立場から、学校での実践や学校評価に対する受け止め方が述べられました。

 小学校の校長先生からは、外部評価のメンバー(ここでは民生児童委員)から学校安全推進において適切なアドバイスをもらって組織化がうまくいったこと。それにより今まで「学校が悪い、どうなっているのか」という意見から「ここが気になる、どうしてだろう、我々ができることはないか」といった意見に変わってきたという事例の紹介がありました。また授業等にも積極的に建設的な前向きな意見をいただくことがありこれは教職員の励みにもなっていることもあるそうです。また別の小学校では一年間通してではなく、音楽発表会というイベントだけに絞って短期の評価を実施したところポイントが絞りやすくなり全教職員で目標を共有できたということもあったそうです。

 中学校では学校評価は学校の果たすべき役割を見直すために役立つという意見が述べられました。

 PTAからは、学校の目指すビジョンが何でどうなっているかがわかりどう学校を支援して行けばいいかわかるという感想が出されましたが、全国調査では保護者の2割程度しか学校評価について知らないという実態があることも示されました。PTAとして学校を評価する際には学校のことをよく知らないといけないのでそのためには校長先生、教頭先生のみならず他の先生とも日ごろのコミュニケーションが大切ではないかという意見でした。また、学校協力者会のメンバーである各団体長は、所属団体の意見をしっかり集約して評価しなくてはいけないともありました。

 教育委員会からは、学校評価をどう学校経営に生かしていくかが大切で、平成17年度から市立の全小中学校で実施しているこの評価については、評価項目の設定のしかたの検討、評価基準の妥当性を高めていくことが今後の課題であるとの説明でした。

 文部科学省からは、評価を目的でなく、マネージメントやコミュニケーション、サポートのツールとして活用し、実効性のあるシステムにする必要があるとのことでした。

 コーディネーターからは、可部中の報告にあったように教育の質の向上のために全教職員が学校経営に参画し研修を行うことは大切なことであり、地域からの評価が協働へつながりそれが広島でいうまちづくりにつながるのではないかというまとめがされました。

 シンポジウムの事例発表とシンポジウムを聞いて感じたことは、学校評価は、教育の質の向上、経営責任の明確化、「まちぐるみ」による教育の推進・充実が目的ですが、つまるところ「子どもたちのため」に行うものであるということです。
 私たち保護者が、学校からアンケートが来ても回答しなかったり、苦情だけ書いて回答したりしていたのでは、果たして子どもたちのために学校はよくなるだろうかと思いました。具体的に「こうしてはどうか」というような、前向きな建設的な意見を出し、それに対して学校が改善に生かすことです。
 また、そのためには先生と十分なコミュニケーションをとり、あらためて我が子を理解しすることが必要だと思います。
 出てきた課題についてPTAとして支援することがあれば共に取り組むことで学校は改善され、ひいては子どもたちにとって最良の環境の学校になることでしょう。
 このことは、学校と地域でも同じでしょう。全校的に2割程度の保護者しか知らない「学校評価」では、それこそ実効性のあるものとはならないので保護者も更に関心をもって学校にお目を向けていきたいものです。


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