YOSHIBO気まま風景スケッチ

イエメンプロジェクト(6ー3)イエメン行きフライト乗り継ぎトラブル③

           

     

           パスポートのゆくえ

 

サウジアラビア国内線でダハランからジェッダへ

ダハラン空港で延々と待つこと10時間、出発まであと2時間となった頃空港係員が荷物検査のためにやって来た。4個の手荷物の重量チェックで30kgオーバー。超過料金を要求されたが、出発地成田で支払い済と説明し納得させた。だが、バーレーンで買ったウィスキーは没収された。最終目的地のイエメンでは持ち込みOKと説明しても聞き入れてくれない。国内に入るわけでもなし乗り継ぎだけなのだが、サウジアラビアは世界一厳しい禁酒国。ここはあきらめるしかない。ウィスキーはイエメンでの唯一の楽しみなのに口惜しい。別の係員は「カスタム」といってちょっと気の毒そうな顔をする。

荷物検査が終わると乗用車で国内線出発ゲートへ連れていかれる。問題のパスポートは係員の手にある茶色の大きな封筒の中だ。次の乗り継ぎ地ジェッダで渡すという。私の名前を言い「間違いないな」と念をおす。

ダハラン空港での悪夢の12時間待ちが終わり、やっとの思いでジェッダ行きの機内に入る。パスポートが入った封筒はどうやら機内の乗務員に渡ったようだ。客席は現地人らしき人でほぼ埋まっている。サウジアラビア半島の東から西へ、不安をかかえたままジェッダへ向かう。機中は待ち疲れなどがあってか少しまどろむ。2時間少々でジェッダに到着した。

飛行機から下りると機内乗務員が、待機していたマイクロバスまで私を連れて行き、例の茶色の封筒を運転手に手渡した。マイクロバスの中は私一人だけだ。バスはパスポートコントロール室の前で止まる。ここで行き先目的地を聞かれたのち、トランジットの小さな待合室で待つよう指示される。

待っている私のところへ空港係員がやって来た。そして今度は搭乗券を取り上げ奥に消えていった。パスポートの他に搭乗券まで取り上げられ不安な気持ちが更に高まる。恐らくパスポートとの照合だろうと心を落ち着かせる。待つことしばし、係員がやって来た。そしてパスポートと搭乗券を返してよこす。すぐさま中を開いて確認、まぎれもなく自分のパスポートだ! よくぞ無事で帰ってきてくれた!

2階にある国際線出発待合室に移る。広々とした立派な待合室で別世界のようだ。とにかくパスポートと搭乗券が無事戻ったのだ。安堵感にひたりながら飲むコーヒーは格別だった。

やっとイエメンに到着

ジェッダを飛び立った機は紅海を南下、1時間半でイエメン・サナ空港に到着した。成田を発ってから実に3日間が過ぎていた。空港には現地事務所長とドライバーが私の入国ビザを持って迎えに来てくれていた。プラントサイトで待ちわびている4個の手荷物機材も一緒に到着。現地はどんなにか喜ぶだろう。イエメン政府とコンサルタントとの3者ミーティングにも辛うじて間に合うことになった。今回の過酷なまでの乗り継ぎトラブル。当時は若く、血気盛んな頃だったので乗り切れたが、今なら完全にギブアップだ。(イエメンプロジェクト(7)に続く)  (飛行ルート図はこちら)

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最新の画像もっと見る

最近の「仕事関係」カテゴリーもっと見る