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デュエット(二重走)第1回1978年作品ー東西冷戦ーの時代 中小の下請け工場に勤める白神四郎(しらがみしろう)は、一年前から誰かに素行を調査されているようだった。

2020年12月01日 | 飛鳥京香 小説工房
デュエット(二重走)第1回■東西冷戦の時代。工員白神四郎の人生が悪夢の中へなだれ落ち落めたのは、 一年前からだ。
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デュエット(二重走)第1回1978年作品ー東西冷戦ーの時代 中小の下請け工場に勤める白神四郎(しらがみしろう)は、一年前から誰かに素行を調査されているようだった。
 

デュエット(二重走) 第1回

作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所

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●1978年作品ー東西冷戦ーソビエト連邦とアメリカ

合衆国が冷たい戦いを行っていたころの話です。

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 白神四郎しらがみしろうの人生か音をたてて悪夢の中へなだれ

落ち落めたのは、一年前からだ。

 四郎は小さな工場で働いている工員にすきなかった。

 両親は四郎の小さい頃に自動車事故で亡くなっていた。遠い親戚

に預けられた男は

よくある話だか、やがてその家を飛び出して働いた。苦労して定時

制の高校と大学へ通った。

 どん底の生活だった。この時期の日本では、ありがたい筝に、若い男が飢

死にする事はない。何とか小さな鋳造工場に働き口をみつけた。

 日々の生活にほとんど変化はなかった。やるせない日々が四郎の

一日だった。

 が、小さな変化かあらわれ始めた。そう、一年程前の事だ。

 

 四郎は誰かに付けられていた。はっきりとはしないが、四郎のそ

ういう種の能力は子供の頃から研ぎ澄まされていた。いわゆる超

能力だ。両親の故郷の和歌山のある地域にには多いといわれている。

 

 常に誰かから呼びかけられているような気もする。なにげなく後

をふりむくので同僚から大丈夫か、おまえ、働きすきじ々ないかと

いわれた。

 いろんな手を使って相手0様子を探ろうとするのだか、相手もプ

口だ。姿は見せない。

 それに付けている連中はチームらしく、毎日人間か変わっている

ようだ。

 小さな賃貸アパートから、抜けだした四郎は、これまた、やりきれ

ない通勤電車に乗りこんだ。今日も付けられていた。

 

男は四郎の少し列の後から乗り込み、国鉄山手線のつり皮につかまって、秘かに四郎を観察し

 ている。

 

 まるで研究者がその対象物を見るようだった。

 

  四郎の工場が車窓から見えた。降りる駅だった。男はいつものよ

うに、四郎を付けてくる。

 工場への道にさしかかっていた。普通ならもうそろそろ彼らは消

えてもいい頃なのだか、今日は、追跡者は足早に四郎の後にやっぱ

り近づいてきた。

 

 四郎は思わず走り出そうとした。がそれよりも早く、四郎の背に

冷たいものかあてられていた。

 

 「静かに。騒がなければ、危害は加えません」

 

デユエット(二重走)第1回始まり

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