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ロボサムライ駆ける■第46回 早乙女モンドは、水野議長と会合し 近畿新平野の地下に空洞古代都市があり、落合レイモン、足毛布博士、徳川公もそこで捕縛と告げられ、救助に反乱ロボ群を率いる決意をする。

2019年09月13日 | ロボサムライ駆ける

RSロボサムライ駆ける■「霊戦争」後、機械と自然が調和、人間とロボットが共生。日本・東京島「徳川公国」のロボット侍、早乙女主水が 日本制服をたくらむゲルマン帝国ロセンデールの野望を挫く戦いの記録。

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ロボサムライ駆ける■第46回 早乙女モンドは、水野議長と会合し 近畿新平野の地下に空洞古代都市があり、落合レイモン、足毛布博士、徳川公もそこで捕縛と告げられ、救助に反乱ロボ群を率いる決意をする。

ロボサムライ駆ける■第46回

作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所

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■第六章 古代都市(1)

 

   (1)

 三日後、機械城の後はくすぶっていたが、早急に緊急工事がされている。

「主水殿、我々に、その剣技を貸してはくださらぬか」

 水野都市連合議長は、西日本都市議事堂議長室で、主水に対して膝を屈した。

 二人は、機械城から、助け出されたことに礼をいい、続けて本音をしゃべっていた。

 

 ともかくもこの事態を収拾しなければ、ならない。

 主水にとっても、ロセンデールから、落合レイモンをはじめ助け出さなければならない人がいるのだ。

 

 ここは、西日本都市連合とも手をむすんでおくのが、得策といえた。

「無論、主水殿、剣闘士としての身分は解消する。東京の自由なロボットととして活躍していただきたい」

 水野が汗を拭き拭き、付け加えた。

「斎藤殿、ありがとうござる、まずはどのような企てかお聞かせ下さい。話によりましたは、非力なこのロボットの私が力をお貸し致しましょう」

 少しばかりイヤミを言う主水である。

 

「落合レイモン殿。さらには貴殿の生みの親、足毛布博士も、閉じ込められておる場所を、つまり、ロセンデールの隠れ場所を、我々のロボ忍が発見しておる」

 斎藤が一気にしゃべり出した。

「何と。あなた方が落合レイモン様を拉致したとばかり思っていたのですが」

「いやいや、さようなこと、同じ日本人同志ではござらぬか」

「して、レイモン様は」

「ロセンデールの古代都市復活プロジェクトチームに使われておられる」

「はて、古代都市とは…」

 知らぬ言葉に主水は戸惑う。

 

「霊戦争のおり、日本の西日本エリアが大打撃を受けたのはご存じであろう」

「神の衛星ボルテックスから全日本軍がレーザー攻撃を受け、近畿地方ことごとく消滅。同時に、古来からある神社仏閣がことごとく消滅したと聞き及びます」

「それじゃ、それが近畿新平野の地下に埋もれておるのじゃ」

 

「消滅したのではなく」

「そうじゃ、ある一点に向かい、すべての霊力が集中した場所があるのだ」

「その場所は…」

「昔の記録にある…奈良、飛鳥のあたり。近畿新平野の地下に巨大な空洞があることが発見されている。その場所に古代都市があり、心柱、おはしらさまがある」

「先刻、貴公が黄金の大仏と戦った化野は、その都市へ通ずる入り口の一つなのだ」

 水野が付け加えた。

 

「斎藤殿がいわれるその古代都市の中に、落合レイモン様も足毛布博士も…」

 主水は戦うべき場所を二人から指示されているのだ。

「そうじゃ、そこにおられる。主水殿、西日本は及ばず、東日本エリアからも、かなりの霊能師が消えておることは、知っておられよう」

「つまりは、この古代都市を復活させるためのプロジェクトが進んでおるわけだ」

 斎藤がいった。

「しかし、なぜ、ロセンデールに『ライオン』の回航を許したのですか」

 主水は話を変えた。

「むむっ…」

「それは…」

 二人は言い淀んだ。

 

「外交的圧力という奴じゃ」

 斎藤は汗を拭き拭き答える。

「それでは、あの剣闘士大会も」

「むろん、ロセンデールが日本の戦闘力を調べるために行った。貴公も気がついていようが、あの『ライオン』船上に西日本エリアの主な都市の首長が招待され集まっておったろう」

「そうですな、彼らはいかがされました」

「ことごとくロセンデールに連れていかれた」

 

「連れていかれたですと」

「ロセンデールめが、誘拐しおったのじゃ。我々、西日本都市連合が逆らわぬように、安全処置としてな」

「我々が表立って、古代都市の復活を妨げようものなら、血祭りにあげるというのじゃ」

「何と、卑劣漢め」

 主水の顔も怒りで真っ赤になる。

「そこで我々は、貴公に頼らざるを得ない」

「この話は、徳川の主上にも」

「むろん。が、主水殿、悪い知らせじゃ」

 悪い予感が主水の胸に走った。

「何か、東京エリアの徳川公国に起こりましたか」

 

「徳川公もロセンデールのところじゃ」

「徳川公もですと。まさか…」

 しばし、主水は無言となる。

 徳川公がつかまっておられるのなら、主水としては、ぜひとも戦わざるをえない。

「致し方がありますまい。戦いましょう」

 主水は決意した。

 

「しかと頼んだ。日本の命運はつとに貴殿の両肩にかかっておる」

「戦力としては、西日本の反乱ロボットを使いましょう。彼らが反乱を起こしたことにすればよい」

「なるほど、我々政府は何の責任もないことになる」

 水野が考え込む。

「が、約束していただきたいことがあります」

 

「何じゃ」

「もし、この計画が成功した暁にはロボット奴隷制度を廃止していただきたい」

「そ、それは難しい問題じゃ」

 斎藤が呻く。

 

「我々の責任ではいかんともしがたい。政治体制の崩壊にも繋がりかねん」

 水野が続けた。

「と、いわれると、この日本がロセンデールに支配されること、さらには古代都市が復活することをお望みなのか」

 主水は二人を責め立てる。

 

「いや、そうではない。が、しかし…」

「しかし、どうだといわれる」

 水野はすこし考えていた。

「わかった。その問題を議会にかけることを誓おう」

「よろしい。その誓いを正式文書にしていただけるか」

 主水は念を押しておく。

「わかった」

「それが整い次第、私は出掛けましょう」

 

 ロボザムライ主水が部屋を立ち去った後、二人は話しあっていた。

「あやつが、この問題を解決すれば、どのようにでもなりましょう」

 斎藤は言った。

「そうじゃ。あやつを抹殺すればよい」

 水野がほくそ笑む。

「議長もお人が悪うございますなあ」

「貴公、我々は政治家でじゃぞ」

「ああ、そうでござりますな」

 二人の乾いた笑い声が続いた議長室に長く響いていた。

 

 が、ロボザムライの耳は、この話を聞き取っていた。

「ふふう、水野たち、後でほえずらかかせてやるわ」

 主水は独りごちた。まずは知恵と、山本一貫に連絡しようと考える主水だった。

(続く)

■ロボサムライ駆ける■

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