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宇宙から還りし王(ハーモナイザー01)第2回ラシュモア山はシアリー絶壁に守られ聖域だ。ネイサンの作品「山陵王」の小説が21世紀最大の小説と賛辞される。

2019年12月23日 |  宇宙から還りし王(山稜王改題)
UK宇宙から還りし王(ハーモナイザー01)
■新宇宙への門「タンホイザーゲイト」から帰還したネイサンは、ゼルシア国自然保護ラシュモア山で王国を建設。自から発する言葉で、人類を次の高みへと進化させようと。
この小説のURL : https://ncode.syosetu.com/n1598de/2/
 
宇宙から還りし王(ハーモナイザー01)第2回ラシュモア山はシアリー絶壁に守られ聖域だ。ネイサンの作品「山陵王」の小説が21世紀最大の小説と賛辞。
 

宇宙から還りし王(ハーモナイザー01)第2回

(1978年作品)

作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所

山田企画事務所 「マンガ家になる塾」

 

 このラシュモア山あたりの天候は、衛星からのカメラの眼を逃が

れるために、つねに雲に披われている。その雲をラシュモア山の住

民が造り出していると思われていた。

 

 エアポートから山裾まで、観光ジェットバスが出ていた。ケイン

はバスに乗り、ラシュモア山をのぞむ観光用ベランダハウスヘ着く。

 

 観先客がパラパラと展望台へ向かう。そのけんそうにまぎれて彼

は展望ベランダから他の人間に気づかれぬように、ラシュモアヘ続

く山道へ降りた。準備をしてから、ラシュモア山への山道を登り始め

る。ケインはリュックを用意していた。

 

 山道の前には絶壁が見えている。そのシアリー絶壁を越えなけれ

ばラシュモア山に辿り着けない。

 

いわねば、ラシュモア山はシアリー絶壁というバリアーに守られて

いる聖域なのだ。このシアリー絶壁を登るには人の力にたよるしか

他に方法はなかった。シアリー絶壁あたりは気流が悪く、うずまい

ていた。ヘリコプターは危険で近づくことはできない。

 

 ケインは、昔ながらの登山道具を使い、シアリー絶壁を登り始めた。

 この絶壁を登り切ることが山陵王に会うための試練の1つだった。

 

 山陵王とはネイサンの作品の1つのタイトルでもあった。

彼はこ

の「山陵王」の小説によって21世紀最大のノベリストとの賛辞を得

たのだ。

 

 ケインの体から汗が吹きでている。このシアリー絶壁の上はどう

なっているのか。

この上のラシュモア山の密林の内に何かあるのか

わかってはいなかった。

 

もうすでに地球ではあまり見られなくなった動植物も棲息しているともいう。

自然の宝庫とも呼ばれる。

21世紀の秘境、

そしてエルドラド。

 

 「シアリー絶壁」は21世紀の機械の侵入を拒否していた。それゆえ、

人々は自らの力でこの絶壁を登らなければならない。

 

 ケインは下界の方をかいま見た。観光ベランダから登り口に通じ

るところは墓地になっていて、各国の人々が埋葬されていた。皆こ

のシアリー絶壁を登ろうとして墜落したというわけだ。

 

 そんな努力をして手にいれた原稿、それはいわば「神の言葉」か

もしれない。ケインはそう考えた。

 

 各出版社とも、「山陵王」ネイサンの原稿をもらおうと決死隊を

準備していた。が彼の原稿を手に入れることができた出版社は少な

かった。                                

 

 彼の原稿をもらい出版すれば、世界的なベストセラーは約束され

ていた。彼の小説はそれを読む人々に新しい精神世界を切り開いて

いるのだ。

(続く)

■宇宙から還りし王(山稜王改題)

作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所

山田企画事務所 「マンガ家になる塾」



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