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日本人の日序章 第16回■日本人抵抗組織は世界中の日本をたすけてくれる人びとの協力を得て各地でロケットを発射しょうとしていた。日本人の宇宙ステーションを作るために

2021年01月18日 | 日本人の日序章(1980年)
日本人の日 序章■ある財閥が世界の経済と政治状況における一国の役割を分析。その一人の男は その国が存在しないと仮定し、世界分析を行う。結果は、男の推論どおりである。その国の名は。
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日本人の日序章 第16回■日本人抵抗組織は世界中の日本をたすけてくれる人びとの協力を得て各地でロケットを発射しょうとしていた。日本人の宇宙ステーションを作るために
 

日本人の日序章 第16回

作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所

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■二〇五四年 十二月 アフリカ奥地 ビザゴス共和国 アコンカ

グワ山近く

 

酋長ワナガから角田は短剣を受けとる。

 「でも、酋長、これはあなたの種族に古くから伝わる王者の剣では

……」

 

 「いや、いいんじゃ、もう我々には狩るべき動物など、残ってはお

らん。地球連邦から受けとる年金だけで暮していける。それが我々

から勇者の血をぬきとってしまった。若い奴らも都市へ出ていって

しまい、もう本当の狩人などおらん。その血を感じるのはお前たち

日本人だけじゃ。ああ、そうじゃ、一つだけ頼みがある」

 

 酋長ワナガは思い出したように言った。

 「何でしょう。私か役に立つ事でしたら」

 

 6歳くらいの子供が、側にやってきた。

 「これは私の孫ソンガじゃ、一緒に連れていってくれんか」

 

 「でも、酋長、我々は……」

 「わかっている。だがこの地にいても死の運命からは逃がれられん

じゃろう。この子ソンガは、わしらアシュア族の狩人の血を受けつ

いでいる数少ない子供の一人だ。

 

あとの奴らは観光事業とかやらで、

家畜化されておる。このアシュア族、ビザゴスの国も、もう終りじゃろうて。な

あ、東の勇者よ。頼む。この子を連れていってくれ。王者の剣とと

もに」

 酋長ワナガの意志は強かった。

 

 「わかりました。酋長がそこまでおっしゃるのでしたら」

 角田はその子の肩をだいた。

 

 「いいかい。ソンガ君、我々は明日、星へ行く」

 「ああ、俺は。おじいの血をひいた最後のアシュア族のはハンターだ」

 

 ソンガは6歳とは思えない力強い声でいった。眼がキラキラと輝

いている。

 「地の上も、空の上もかわりはしない」

 そういって、ソンガは白い歯を見せた。

 

 「心強いよ、ソンガ」

 

 「角田、ありがとう。この孫ソンガに本当の戦いというものを、そ

して日本人の勇者の血を見せてやってくれ」

 「わかった。ワナガ、約束しよう」

 

 「いいか、ソンガ、角田達は、日本人の中でも選ばれた勇者なんじ

ゃ。昔、日本が滅びそうになった時、神の怒りの風が吹いて日本を

救ったという事実がある。角田達もそれなんじゃ。神の風なんじゃ」

 

 「ねえ、角田、あんたは一人で行くのかい」

 「いや、我々は、七人だ」

 

 「そうかい。風の七人かい」

 「たぶん、生き残れるのは数人だろう。あるいは全員死んでしまう

かもしれない。が我々が失敗すれば。多くの日本人が死ぬ事になる」

「角田、あんたが死んだら、俺が葬式をしてやるよ」ソンガが言っ

た。

 

「ありかたい。頼むぞ、ソンガ」

 角田は笑って答えた。

 

 アシュア村の近くの広場には、広大な映画のオープンセットが作

られていた。

 

 イスラエル製作の映画「アフリカのロケット」の撮影という事に

なっている。

 アフリカの魔術師たちの魔術でロケットを打ちあげるというスト

ーリーになっていた。

 

 事実、カタパルト形式で、成層圏まで小型のロケットを打ち上げ、

そこでロケットを数機組み上げ、宇宙ステーションまで行く予定な

のだ。

 

 地球の各地で、日本人に協力してくれる人達の助けを受けて、口

ケットが飛び立とうとしていた。

 

■二〇五四年 十二月 ゼウスステーション

 「オーガナイザーブキャナン。日本人共のロケット発射地点が7個

所と判明しました」

 

「やってくれるな、ジャップ共。さて、何機アルゴステーションま

で辿りつけるかだ」

 

オペレーターはブキャナンヘデータを渡した。

ブキャナンはそう言いながらデータを見る。

 

アコンカグワ 角田 博

アマソン。シティ 高野周三

インドネシア ポロブドール 朝賀 健

マダガスカル 船井光一

タイ奥地 塚本猛

南極 光明基地  村上千馬

南太平洋上 潜水艦「嶺」 花田万頭

 

 

「花田おんたい自ら出馬か」

 がブキャナンは一人の名に目をとめる。

 

「おい、間違いなく、アマゾン=シティから、ケン=アサガが出発

したんだな」

 

 ブキャナンは驚きの表情でオペレーターに問いつめた。

 ブキャナンの勢いに驚きながらオペレーターは答える。

 「はい、間違いありません」

 

 「くそっ、アサガめ、何を考えているんだ。せっかく。我々INSがリビ

アまで送り込んでテロリスト技術を覚えこましたというのに」

浅賀はブキャナンが、最初にひっっ変えたINSのスパイだった。

 

日本人の日序章 第16回

作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所

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