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源義経黄金伝説■第36回

2016年04月12日 | 源義経黄金伝説

源義経黄金伝説■第36回
作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所
Manga Agency山田企画事務所 ★you tube「マンガ家になる塾ー漫画の描き方 ★「マンガ家になる塾」★

意志として、鎮守府将軍、藤原秀郷の後裔、西行の血が、
頼朝を破れと命令していた。

御家人衆の興奮の中、大江広元は、まわりの武家とは異
なり、おそれをいだく。
もし、頼朝殿があの西行に負ける事があれば、源氏が
、この板東の、また、奥州においても、武門の誉れで
ないことを意味する。武門の王ではないのだ、とすれば
、大江広元が頼るべきは、いったい、誰を。
大江広元は密かに、北条家の面々の方をゆっくりと、盗み見た。

文覚は、せっかくの板東王国が滅ぶ事があれば、奥州平
泉が、日本を支配する事になれば、京都の寺の勧進を誰
をたよるのか。

仏教王国である奥州平泉に頼む事になるのか。いやはや、
とすれば、また、後白河法皇に依頼せざると。

あいや、滅相もない。ここは頼朝殿に一勝負挑ん
でいただけなければ、ここでの武家のメンツはたつまい。

それぞれの想いをよそに、準備はとどこおりなく整う。
盛装となった2人は、流鏑馬道の両端にいる。

「頼朝殿、この西行がこの勝負に勝てば、砂金の安全を。
西行を京都に帰らせ、黄金を、後白河法王に渡す。
これで頼朝殿の名前をあがりましょう。まして、頼朝
殿は仏教三昧の方と聞き及びます」

伊豆に流された後の、頼朝は、たしかに朝から晩まで、
仏教を唱和してきた。
「くどい、西行どの、はじめにご家人の面前にて、その
事告げておろうが、この鎌倉の勢力及び範囲であれば安
心あれかし」


「いあざ、いざ」
「そうれ、それ」

両者は、駆け抜けた。

一射は、鏑矢の羽音が西行の耳をそぎ、頬には擦過傷の血
がうっすらとにじむ。

「はずしたか」頼朝がくやむ。
馬の首をめぐらし、再び対戦に入る。
「いざや、2射を目にもの見せん」
西行は、顔をそらさなければ、つきたっていたかもしれ
ぬ。

お互いに矢をいるは一本、一射のみ、走り貫けるに、次の
矢をつがえる間はない。
ましてや、背面から射るは、作法にもとる。

二射目、、頼朝の矢は、西行の正面法衣をつき抜けていたが
。体は触れてはいない。

が、逆に西行二射目は、頼朝の防衣をつき抜けようとした。
が防具が、そのエネルギーを別の方向に逃げさせ、馬の鞍から
弾き飛ばしていた。

思わず、頼朝は馬から背面にころがる。
時が止まったように、観客のざわめきが、静寂に変わった。

続く2010改訂
作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所
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