ロール
2006年11月2日
たかがロール、されどロール。
小太鼓のロールが出来なくて悩んでる人は多いのではないだろうか?
実は、ぼくもかつてそうだった。
打楽器を始めたのが16才間近の冬、
その時からず~っと長いことロールにコンプレックスを持ち続けていた。
ようやくそれなりに人前でもあまり恥意識を持たずにロールを演奏できるようになったのは大学3年の時だ。つまり20才の頃。ほぼ5年もかかったわけだ。
その間、苦節の5年間だった。
まず大学に合格するまでの二年チョイの間、当時習っていた先生から、いかなる場合でもクローズドロールは絶対にダメだと厳命された。
これにはマイった。
ウーム (; _ _ )/
ぼくだって時々はブラスなどで小太鼓を担当するときがある。そんな時でもクローズトロールは絶対にしてはいけないと厳命されていたし、ぼくは純情な高校生だったから、先生のことばは絶対だ。
指揮者からなんと言われようと、同僚から笑われようと、怒りを受けようと、とにかく全部オープンロールで通した。
というか、事情を話して出来るだけ小太鼓は担当しなくていいようにしてもらった。
その方が周りも気が楽だったろう。
へたくそなオープンロールってのはみっともない限りだ。バンドの恥をさらすわけにはいかない。
「山本にはスネアはやらすな!」ってことになった。
これは今から考えると幸いなことだったと思う。
小太鼓の基礎的なテクニックをちゃんと身につけるべき時に、基礎訓練に専念できたからだ。
高校のブラバンとはいえ、やってる曲は普通の曲だ。そこには色々な高度なテクニックも当然入ってくる。
基礎がゼンゼンできていない段階でそういう高度なテクニックを使って、というより、高度なテクニックなど使えないから、なんとかごまかして曲を仕上げるなんてことをやっていたら、
基礎作りなんて絶対に出来なかっただろう。
応用問題を解く前には、基礎的な公式の使いこなしに習熟しなければならない。
変化球を覚える前には、直球をしっかりマスターしなくてはならない。
応用力を身につけるためには基礎訓練を徹底的にすることだ。
これはスポーツでも音楽でも共通の原則だ。
ま、そんなわけで小太鼓の勉強を始めて二年ほど、オープンロールだけを練習して、晴れて京都芸大打楽器クラスに入学した。
当時の入試はクローズトロールをまったく使わなくても通過できたのだ。
今から思えば程度の低い話かもしれない。
で、大学に入ったらクローズトロールを教えてもらえると思ってたら、先生は何も教えてくれない。
クローズトロールをやってもいいですかと聞いても、返事してくださらない。すっと話しをそらされてしまう。
で、別に許可をもらったわけでもないけど、勝手にクローズトロールの練習を始めた。
それからは、鳴かず飛ばずの二年間だった。
o(;△;)o
なんせ、先生は一切何も教えてくれない。
レッスンとなるとすぐにカメラの話しだとかになってしまって、およそぼくの演奏についての話しにはまずならない。
クローズトロールの練習方法とかコツとか、「少しは教えてくれてもいいじゃないかぁ・・・・・!」と思ったが、一切それに関しては何もなしだった。
たまに試験などでぼくがヘンな演奏をするとカミナリが落ちたりはするが、およそアドヴァイスといえるようなものは年に一回か二回くらいしか言って下さらない。
自分で試行錯誤するしかなかった。
その二年間はアンサンブルとかオケで小太鼓のロールが出てくると、もう情けなくて、恥ずかしくて、逃げ出したい思いで演奏していた。
「どうしたらロールができるようになるんだろう?」って、夢でうなされるというか、小太鼓を人前で演奏することになると胃が痛くなるってことがずっと続いた。
それが、大学3年の夏休みを終えるころ、急に楽になった。ナントナク、楽になって、ロールがあまり恥ずかしくなくなった。
「ああ、けっこうそれなりにできるようになったやんか」と自分を余裕を持って眺めることができるようになった。
ま、ここまで来るには苦労もしたけど、キッカケのようなものもある。
今、ロールの習得に苦労している人の参考になればいいと思って、公開しよう。
一つは自分の音を録音して聴いたこと。
それもすぐ近くで録音したのではなく、数メートル以上離れて録音した。
すると、そんなにどうしようもないほどひどいロールではないなとわかった。
次に、いろんなプロの人の演奏を聴いて、世の中、すばらしいクローズトロールができる人はそんなに多くないということに気づいた。
すばらしい打楽器奏者、音楽家であっても、ロールはそんなにうまくないって人がけっこうたくさんおられるということがだんだんわかってきて、打楽器奏者としての能力とロールのうまいへたはある程度の相関関係しかないということがわかったわけだ。
つまり、少し気が楽になったってわけ。
最後の秘訣はあきらめずに練習を続けたってことだ。
だって、ここであきらめるってことは、演奏家になるのをあきらめるってことにつながるわけで、演奏家として生きていくなら、いつかはこの壁を乗り越えなくてはならないわけだ。
だったらチャレンジし続けるしかないではないか!

というわけで、いくら今がダメでも、将来は絶対できるようになると確信して、・・・・・というか、自分に言い聞かせて、イヤ、もっと言うなら自分を「洗脳」して練習し続けた。
というわけで、今ではそんなにコンプレックスを感じずにロールができるようになった。
決して完璧なロールコントロールを身につけたわけではない。
しかし、そんなに惨めな気持ちにはならずにロールの入った曲を演奏できるようになった。
バルトークの二台のピアノと打楽器のためのソナタという曲がある。
この曲の第2楽章は小太鼓の弱音ロールで始まる。
「ど」のつくソロだ。
こういうパッセージでも楽しみながら演奏できるようになった。
ルヤ!
だから、今ロールで悩んでる人も、
「あきらめないでっ!」って言いたい。
人生、長いんだ。いつかはできるようになるさ。
ぼくの尊敬する先輩が言ってたことがある。
「二つ打ちとかロールってのは、才能はいらない。
努力さえすれば例外なしに誰でもある程度できる。」
本当にそうだ。絶対ある程度はできるようになる。
そして、言えることがもう一つある。
ある程度できればそれでいい。
だって、
たかがロールではないか・・・・・。
「たかがロール、されどロール」なんだけど・・・・・。
というわけで、次回の更新時にはロール習得のためのぼくなりの練習方法とか少し書こうと思う。
いつになるかわからないけど。
更新しようって気は満々なんだけど、夜になると睡魔に負けてしまうんだ。
( ̄~ ̄;)
2006年11月2日
たかがロール、されどロール。
小太鼓のロールが出来なくて悩んでる人は多いのではないだろうか?
実は、ぼくもかつてそうだった。
打楽器を始めたのが16才間近の冬、
その時からず~っと長いことロールにコンプレックスを持ち続けていた。
ようやくそれなりに人前でもあまり恥意識を持たずにロールを演奏できるようになったのは大学3年の時だ。つまり20才の頃。ほぼ5年もかかったわけだ。
その間、苦節の5年間だった。
まず大学に合格するまでの二年チョイの間、当時習っていた先生から、いかなる場合でもクローズドロールは絶対にダメだと厳命された。
これにはマイった。
ウーム (; _ _ )/
ぼくだって時々はブラスなどで小太鼓を担当するときがある。そんな時でもクローズトロールは絶対にしてはいけないと厳命されていたし、ぼくは純情な高校生だったから、先生のことばは絶対だ。
指揮者からなんと言われようと、同僚から笑われようと、怒りを受けようと、とにかく全部オープンロールで通した。
というか、事情を話して出来るだけ小太鼓は担当しなくていいようにしてもらった。
その方が周りも気が楽だったろう。
へたくそなオープンロールってのはみっともない限りだ。バンドの恥をさらすわけにはいかない。
「山本にはスネアはやらすな!」ってことになった。
これは今から考えると幸いなことだったと思う。
小太鼓の基礎的なテクニックをちゃんと身につけるべき時に、基礎訓練に専念できたからだ。
高校のブラバンとはいえ、やってる曲は普通の曲だ。そこには色々な高度なテクニックも当然入ってくる。
基礎がゼンゼンできていない段階でそういう高度なテクニックを使って、というより、高度なテクニックなど使えないから、なんとかごまかして曲を仕上げるなんてことをやっていたら、
基礎作りなんて絶対に出来なかっただろう。
応用問題を解く前には、基礎的な公式の使いこなしに習熟しなければならない。
変化球を覚える前には、直球をしっかりマスターしなくてはならない。
応用力を身につけるためには基礎訓練を徹底的にすることだ。
これはスポーツでも音楽でも共通の原則だ。
ま、そんなわけで小太鼓の勉強を始めて二年ほど、オープンロールだけを練習して、晴れて京都芸大打楽器クラスに入学した。
当時の入試はクローズトロールをまったく使わなくても通過できたのだ。
今から思えば程度の低い話かもしれない。
で、大学に入ったらクローズトロールを教えてもらえると思ってたら、先生は何も教えてくれない。
クローズトロールをやってもいいですかと聞いても、返事してくださらない。すっと話しをそらされてしまう。
で、別に許可をもらったわけでもないけど、勝手にクローズトロールの練習を始めた。
それからは、鳴かず飛ばずの二年間だった。
o(;△;)o
なんせ、先生は一切何も教えてくれない。
レッスンとなるとすぐにカメラの話しだとかになってしまって、およそぼくの演奏についての話しにはまずならない。
クローズトロールの練習方法とかコツとか、「少しは教えてくれてもいいじゃないかぁ・・・・・!」と思ったが、一切それに関しては何もなしだった。
たまに試験などでぼくがヘンな演奏をするとカミナリが落ちたりはするが、およそアドヴァイスといえるようなものは年に一回か二回くらいしか言って下さらない。
自分で試行錯誤するしかなかった。
その二年間はアンサンブルとかオケで小太鼓のロールが出てくると、もう情けなくて、恥ずかしくて、逃げ出したい思いで演奏していた。
「どうしたらロールができるようになるんだろう?」って、夢でうなされるというか、小太鼓を人前で演奏することになると胃が痛くなるってことがずっと続いた。
それが、大学3年の夏休みを終えるころ、急に楽になった。ナントナク、楽になって、ロールがあまり恥ずかしくなくなった。
「ああ、けっこうそれなりにできるようになったやんか」と自分を余裕を持って眺めることができるようになった。
ま、ここまで来るには苦労もしたけど、キッカケのようなものもある。
今、ロールの習得に苦労している人の参考になればいいと思って、公開しよう。
一つは自分の音を録音して聴いたこと。
それもすぐ近くで録音したのではなく、数メートル以上離れて録音した。
すると、そんなにどうしようもないほどひどいロールではないなとわかった。
次に、いろんなプロの人の演奏を聴いて、世の中、すばらしいクローズトロールができる人はそんなに多くないということに気づいた。
すばらしい打楽器奏者、音楽家であっても、ロールはそんなにうまくないって人がけっこうたくさんおられるということがだんだんわかってきて、打楽器奏者としての能力とロールのうまいへたはある程度の相関関係しかないということがわかったわけだ。
つまり、少し気が楽になったってわけ。
最後の秘訣はあきらめずに練習を続けたってことだ。
だって、ここであきらめるってことは、演奏家になるのをあきらめるってことにつながるわけで、演奏家として生きていくなら、いつかはこの壁を乗り越えなくてはならないわけだ。
だったらチャレンジし続けるしかないではないか!

というわけで、いくら今がダメでも、将来は絶対できるようになると確信して、・・・・・というか、自分に言い聞かせて、イヤ、もっと言うなら自分を「洗脳」して練習し続けた。
というわけで、今ではそんなにコンプレックスを感じずにロールができるようになった。
決して完璧なロールコントロールを身につけたわけではない。
しかし、そんなに惨めな気持ちにはならずにロールの入った曲を演奏できるようになった。
バルトークの二台のピアノと打楽器のためのソナタという曲がある。
この曲の第2楽章は小太鼓の弱音ロールで始まる。
「ど」のつくソロだ。
こういうパッセージでも楽しみながら演奏できるようになった。

だから、今ロールで悩んでる人も、
「あきらめないでっ!」って言いたい。
人生、長いんだ。いつかはできるようになるさ。
ぼくの尊敬する先輩が言ってたことがある。
「二つ打ちとかロールってのは、才能はいらない。
努力さえすれば例外なしに誰でもある程度できる。」
本当にそうだ。絶対ある程度はできるようになる。
そして、言えることがもう一つある。
ある程度できればそれでいい。
だって、
たかがロールではないか・・・・・。
「たかがロール、されどロール」なんだけど・・・・・。
というわけで、次回の更新時にはロール習得のためのぼくなりの練習方法とか少し書こうと思う。
いつになるかわからないけど。
更新しようって気は満々なんだけど、夜になると睡魔に負けてしまうんだ。
( ̄~ ̄;)
