とろとろしたブログ

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リトビネンコ中佐暗殺は豪腕プーチンの陰謀か?!

2006年12月03日 | 米欧露関連
英国:露毒殺疑惑の死亡者、尿から大量の放射性物質・・・毎日新聞
 【ロンドン小松浩】元ロシア連邦保安庁(FSB)中佐アレクサンドル・リトビネンコ氏(43)が毒を盛られた疑いで死亡した事件で、英健康保護庁は24日、同氏の尿から大量の放射性物質ポロニウム210が発見されたと発表した。これが死亡につながった可能性が大きいとみられる。
 英警察当局は同日、ロンドン市内のリトビネンコ氏の自宅などを捜索。同氏がいつ、どこで、どういう形でポロニウム210を摂取したのか解明を急いでいる。
 一方、リトビネンコ氏が病床で残したプーチン批判の声明が24日、同氏の友人によって公開された。この中で同氏はプーチン大統領を「野蛮で冷酷」と非難。「あなたは私を黙らせることに成功したかもしれないが、それは代償を伴う。ミスター・プーチン、世界中の抗議の叫び声が、あなたの耳の中で生涯響き渡るだろう」と語った。
 英各紙は「プーチンはロシアを専制政治に逆戻りさせた」(デーリー・テレグラフ紙)と批判、旧ソ連国家保安委員会(KGB)の手口に似ているとして、ロシア当局が関与した「毒殺」の疑いが強いとみている。
 英国には富豪べレゾフスキー氏やチェチェン独立派の穏健グループ指導者ザカエフ氏ら、ロシアの反体制派が多く亡命している。ロシアは彼らの身柄引き渡しを求めてきたが、英政府は一貫して拒否。反体制派の身柄をめぐって両国関係が緊張する中で今回の「毒殺」疑惑が起きた。
 ブレア政権は捜査を見守る構えだが、プーチン政権下で民主主義が後退しているとの懸念は欧州各国に根強い。「毒殺」疑惑は、欧州側のこうした対露不信を、一層増幅させる可能性がある。
 これに対しロシアのプーチン大統領は24日、ヘルシンキでの記者会見でリトビネンコ氏の家族に「心から哀悼の念を示したい」と語ったが、大統領が関与したという見方については「全く根拠のない憶測だ」と述べた。 一方、死亡したリトビネンコ氏が体調急変前に会った元KGB将校のルゴボイ氏ら2人が同日、ロシアの民間ラジオ局「モスクワのこだま」のインタビューに応じ、事件への関与を否定した。2人は「1日にロンドン市内のホテルのバーでリトビネンコ氏と商談で会ったが、同氏は何も飲まなかった」と証言した。
 【ポロニウム】 α線を出す放射性物質。1898年にキューリー夫人が発見した。元素の中では人体に対して最も有毒といわれ、1ミリグラムのポロニウム210は、5グラムのラジウムとほぼ同じ放射線を出す。研究用のほか、核爆弾の起爆剤や原子力電池の原料として使われる。
毎日新聞 2006年11月25日 1時17分

 結構話題になっていたりするニュースです。ロシアの元中佐アレクサンドル・リトビネンコ氏が毒殺されたのでは?ということで一部新聞、メディアで話題になっています。話題の対象はこの毒殺で使用されたとされるポロニウム210という放射性物質です。こいつを人工的に生成するにはそれなりの原子炉が必要、つまり国家機関の後ろ盾が必要であるということです。そうなるとポロニウムで国家機関ってことはロシアじゃね?ってことでプーチン大統領の名前が挙がっている訳です。

 だが、ちょっと待って欲しい。そのように考えるのは早計ではないかと私は思う訳です。こういった謀略が渦巻いていそうな事件では歴史的にも考えて、犯人は自分以外の犯人を仕立て上げようとするのが定石です(ex満州事変)。そもそもFSB辺りが暗殺を計画するのであれば、わざわざ疑われる可能性のあるポロニウムを使用しようと考えること自体不自然な訳です。いやいや、きっとロシアはわざと使ったのだとか言い出す人もいるかもしれませんが、こういったことは疑われる範疇にすら入らないことが肝要であるのですね。

在モスクワ日本大使館に勤務していた佐藤優氏は以下のように述べています。

ロシア流“暗殺術”
 「この事件で誰が得をするか」ということが諜報の世界の文法だ。リトビネンコ氏を露見するような手法で、放射性物質を用いて暗殺することで、「ロシアはソ連と変わらぬ恐ろしい国だ」という印象が強まるだけで、プーチン政権は何の得もしない。それから、ロシアが本気になってリトビネンコ氏を始末してしまおうと考えたならば、中東か北アフリカあたりの観光地におびき寄せ、交通事故の形で処理してしまえばよい。事実、諜報業界での暗殺は現在も交通事故、自殺の形で処理されることが多い。薬物暗殺などという、確実に捜査に発展するような手法は避ける。

 この上で佐藤氏はチェチェン利権に絡むマフィアの仕業ではないかという大胆な自説を展開しています。とりあえず管理人やくもとしてはこの事件がどのような形で収束するのか、少し気になっていたりします。この事件のポイントとして私が思っていることは

1.プーチン大統領主導によるFSBが黒幕ならとてもお粗末な事件である。
2.チェチェン利権を背景とするチェチェン共和国カドイロフ首相や佐藤優氏が言うマフィアの仕業ならプーチン大統領はどのように動くか。
3.米帝の陰謀ニダ!と言い出す市民団体さんはいつ頃登場するのか。

の3つくらいのものです。

参考
女性記者射殺事件、チェチェン首相に疑いの目・・・朝日新聞
アンナを殺したのはプーチンだ!
びっくり! ポロニウム210はネットで買える


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3 コメント

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先ず私が思いましたのは・・・・ (tsubamerailstar)
2006-12-06 23:26:56
「ロシアの殺し屋、おそろしや」という小学時代の駄洒落だったりします。(爆)
閑話休題、騒動に巻き込まれた件の英国の報道等を見ていても何だかピンとこないところがあるんですよねぇ。全てが憶測の域という点では台湾も合衆国もまぁ、似たようなもんかもしれませんが、日本のマスゴミ諸氏は自分らがあまり咀嚼しないままに適当に外電をつまみ食いして報道するからめっちゃくちゃ。
この件は北京発外電よりはるかに酷いですねー。
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Unknown (やくも)
2006-12-06 23:45:41
>tsubamerailstarさん
>日本のマスゴミ諸氏は自分らがあまり咀嚼しないままに適当に外電をつまみ食いして

そうですね、そこでなにやらベクトルを間違えて「とくだね」とかではもはやプーチンの仕業が決定的であるかのような報道をしてました。

あと、どうでもいいんですがその前の女性ジャーナリストの事件について、米帝の仕業と豪語している言説を見つけました(笑)
http://list.jca.apc.org/public/aml/2006-October/009446.html
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陰謀の中の陰謀 (通りすがりん♀)
2014-04-28 13:06:37
初めまして(´^ω^`)
リトビネンコ氏の毒殺は、私が個人的に思ってることは、どうしてもロシアのプーチン政権の仕業だとは最初から思えませんでした。
なぜなら、わざわざ自ら自分達に批判を向けさせるような、オバカな真似を、あの策士のプーチン氏がするとは思えなかったのと、今まで政敵を脱税容疑での逮捕や女性スキャンダルの暴露などで葬ってきたプーチン氏のやり口とは違って、横暴過ぎたため違和感があったからです♪
敢えて、プーチン政権の仕業だと見せかけるための、陰謀だと思いました。
イギリス諜報機関MI6か、プーチン政権を良くないと思ってる組織の仕業の可能性の方が高いと思ってます。
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