もしキリストにして生まれざりせばこの世はいかん。シーザー、アレキサンダーの輩（やから）はなお陸続として世に顕（あら）われしならん。君一人のために屍をその馬前にさらすの忠臣義士は出でしならん。
されども下民（かみん）のために剣をぬきしクロンウェル、ワシントンの如き武人は出でざりしならん。ルーテル、サボナローラの如きいわゆる社会的勇士（ソシアルヒーロー）は生まれざりしならん。
ホレス、ヴァージルのごとき宮廷に媚（こび）を呈する詩人は出でしならん。されども、ダンテ、ミルトンのごとき平民的詩人は出でざりしならん。
キリストの生まれざる世界は、貴族帝王の世界なり。人を崇（あが）めてこれを神として仰ぎ、一人の栄光を致さんがために万民の枯死する世界なり。キリストによりて、筆も剣も脳も腕も、貴族の用をなさずして平民の用をなすに至れリ。 （内村鑑三）
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久しぶりに家族でKGU教会に行く。長男は青年会員、長女は短大卒業生、それでPTA面（づら）をして付いて行った訳だ。
クリスマス・コンサートである。パイプオルガンとコーラス、そしてメッセージ。いづれも、肩の凝らない手作りの趣きがある。
この子たちが幼稚園にも上がらぬ頃、毎週ここに来て、K牧師の説教を傾聴していた時期がある。雨漏りのする木造平屋建ての礼拝堂で、日曜礼拝の出席者は２０人に満たなかった。
今日の参加者はおよそ200名。途中で補助椅子を追加する音がコンサートの邪魔になる程であった。子どもたちの成長と、往年の勇士たちの熟年化と、老境に入られたK牧師夫妻の姿と、あれやこれや思い合わせて隔世の感がある。
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神はこの世にくだりたまえり。ああ我も行きて彼に仕えん。彼は王宮においてあらず。彼はまた金冠を戴かず。彼は今なお襤褸（らんる）につつまれてあり。
億万の貧児はみな彼なり。余は余の黄金、乳香、没薬（もつやく）を彼に捧げん。痛き棘（いばら）の冠をかむり、貴族の強圧に泣く無辜（むこ）数千万の民はすべて彼なり。余は余の救い主にならいて、余の生命を彼らのために捨てん。
わが主イエスは天の宝座（みくら）を去って我らの間にくだりたまえり。彼の価値なき僕の一人なる余も、余の幸福なるホームを去って世の憐れなるものを救わん。
ああ余は何をもって神の降臨の佳節を祝せんか。歌をもってか、宝をもってか、いないな新しき決心をもってなり。彼の心をもって世の難事に臨むの決心をもってなり。彼に代わってこの罪の世と戦うの決心をもってなり。ナザレのイエスよ、今年今日、ふたたび余の心にくだりて、余のこの決心を堅くせよ。 (内村鑑三)
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YMCAのクリスマス祝会に出席する。
もしかすると日本最大のクリスマス会かも知れない。
２０００年前中東の片隅に起こった出来事が、２０００年後の今日、極東のこの国で、大勢の人々に記憶され記念されている。
このこと自体が奇跡である。（超自然的奇跡でなく、尋常的奇跡であるー内村鑑三ー）
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草の根ネット麦の会１２月例会。
会長以下全員で会報の発送作業を行う。
なれぬ手つきで、なれぬ仕事に時間を費やす。
ボランティアの真骨頂である。
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