並木たより

写真付き日記

「英語教育強化に異議あり」に異議あり

2016-09-08 16:41:00 | 所感
本日の朝日新聞朝刊の「異議あり」欄に施光恒(せてるひさ)九大准教授の「英語強化は民主主義の危機」なる論説が掲載された。
貴重な少数意見で、時代の風潮に逆らった勇気ある発言と敬意を表するが、英語教育推進論の小生にはまさに「異議あり」である。

明治の初め、郷里の村上市で初代岩船小学校校長となった曾祖父が遭遇したであろう東京語(標準語)化反対運動を髣髴とさせる。
古き良き時代(?)の郷土文化第一主義、方言保存運動も1950年代にはじまるNHKテレビ全国放送によって、一掃されてしまった。
それを本気で惜しみ、努力して時代を逆戻りさせようとする人は、今日、日本の「有権者」では、おそらく一人も居ないに違いない。

要はウチとソトの感覚ではないかと思う。曾祖父の時代、郷里の村上市や岩船郡の人々にとって「東京」はソトの世界であった。
今日、わが郷里で、東京を「ソト」と思う人は皆無と思う。そして、わが息子や甥御にとって、今やNYが「ウチ」となりつつある。
(甥御はNYに家を持ち、その娘達はNY育ちである。息子までが「ブロードウェイを歩いていると大勢の人に会釈される」と豪語する)
台湾国籍のあった蓮舫女史を同朋と思うか、外国人と見做すかの差であると思う。我が家内の姪にはフランス国籍の子ども達が居り、我が親友の孫達は米国籍である。

これからのグローバル化時代に自立した市民として活躍して欲しいと思う若き同胞たちに期待するのは「地球市民」としての自覚と実力である。
異常気象や化石エネルギー資源枯渇といった、人類文明そのものの危機的時代に、ローカルでドメスティックなエスニック嗜好でグローバル化に逆らって見るのはいかがなものかと愚考する次第である。





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