並木たより

写真付き日記

医療難民の訴え(MT氏)

2006-11-22 20:09:13 | 日記・エッセイ・コラム

家内は一ヶ月ほど近くの病院に緊急一時入院をしています。その後はまた家でケアをする予定です。ただ妻の病状はかなり進行しておりまして、特に精神症状の悪化が顕著です。家で彼女を看取りたいのですが、ただ現在の在宅ケアは限界にきています。at riskの子供が非常にナーバスになっていて、家庭内で何が起こるか分からない危険性があります。そのため今は母親と子供との間に物理的距離を置く必要があります。

ただご承知のように、長期の療養を必要とする患者にとっては非常に不利な今の医療状況があります。はっきりいって入院したくても、受け入れてくれる病院がないんです。急性期の患者さんは別として、慢性の病気で長期の療養を必要とする患者さんは、国家の施策で診療報酬が激減されたために、かれらを主な対象としてきた病院は軒並み経営不振に陥って、6年後には長期療養型病院は消えてなくなるといわれています。国家施策である「施設から在宅へ」といううたい文句で、患者さんは毎日病院側から退院を半ば強制的に勧告されています。

しかし退院して在宅でケアを受けたくても、その受け皿が全く準備されていないのが現状です。政府はそういう人たちのために療養型の特別養護老人ホームを用意しているというけれど、それらのいわゆる「特老」に入所するためには、それこそ何千万という目が飛び出すような資金が必要でして、とても病人を抱えた普通の庶民の出せる金額ではありません。病気になったらどこにも居場所がない貧乏人に対して、今の自民党政府の医療政策は、「死ね」といっているのと同じであります。

家内が今一時的に入れてもらっている病院の院長さんが、冗談混じりにこの間、この私に、御自分の首を両手でしめながらこんなことをおっしゃいました。「私としてもつらいんですよ。うちの病院はどこも引き取り手のない患者さんをたくさん受け入れてきたのですが、このままの状態で患者さんにいられたら、院長の私のほうが首をくくらなければなりません。」

妻の場合、入院するためには普通の認知症の患者さん以上の難しいハードルを越えなくてはなりません。HDという神経難病に対応してくれる医療施設ないし病院が皆無であるだけではありません。精神病院からも、今までそのような患者を扱ったことがないから対応が出来ないといわれて拒否されてしまいます。そういう意味で私たちHD患者は究極の「医療難民」であります。

「弱さについて」つれづれに書き記しました。添付しました。お読みいただければ幸いです。

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(今日のお弁当) .

チキンカツ弁当 .

切り干し大根の煮物 .

カボチャサラダ 他2品 .

(以上、汐見台コミュニティ) .

(今日の夕食)

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