第61回カンヌ映画祭オープニングを飾るブラジル人フェルナンド・メイレレス(Fernando Meirelles)監督の『ブラインドネス(Blindness)』の会見が行われました。
初日第一作目の会見ということもあり、そして、豪華キャストということもあり、記者会見場は早々と満席状態に!中に入れないジャーナリストが多発。フォトコールを終え、記者会見場に向かうキャストを狙う廊下もメディア殺到。
カナダ、日本、ブラジル合作映画という『ブラインドネス』。
インターナショナルな顔触れのキャストが記者会見場に登場。
ジュリアン・ムーア(Julienne Moore)、ガエル・ガルシア・ベルナル(Gael Garcia Bernal)、ダニー・グローバー(Danny Glover)という豪華キャストに並び、 木村佳乃(Yoshino Kimura)、伊勢谷友介(Yusuke Iseya)が参加。
木村佳乃さんは、白い可憐な着物姿!
会見は、共通語である英語で行われました。
木村佳乃さんも伊勢谷友介さんも、英語で質問に対応。
このような国際映画祭では、これはとっても大事なポイントなのですよね!
98年にノーベル賞を授賞した原作を映画化した作品で、謎の伝染病によって視力を失って行く人々のお話。
一番目に失明する日本人の男性役を演じた伊勢谷友介さんも、その妻で感染させられ視力を失う妻を演じた木村佳乃さんも,視力を失って行く人々の感覚を学ぶために、東京で病院に通い患者達と触れ合いをもったり、カナダでは監督のフェルナンドにアドバイスされ、目隠しをつけてトレーニングをしたそう。
伊勢谷友介:
目が見えないと、車の音や、沢山の音が聞こえてくる事を知った。素晴らしい体験だった。
質問:
英語で演じた事について
木村佳乃:
英語で演技をしたのは初めての事です。でも、やってみたら意外に巧く出来た気がします。
伊勢谷友介:
最初は緊張し、恐怖だったけど、徐々に快適さを感じた。なぜなら、日本語は感情を隠す言語で、英語は逆に表現をする言語だと思う。だから、場合によっては英語の方が感情表現が容易にできたりするんだ、ということを感じました。
質問:
実際に盲目になったらどうする?
この質問に困った木村佳乃さんに伊勢谷友介さんが助け舟を出し、
伊勢谷友介:
(収容所のリーダー的存在の訳を演じた)ジュリアンを探します。
監督はこの作品について、「人間はとても壊れ易い文明の中で生きているんだ。とても薄い氷のような」と語りました。
当然のように持っているものをなくす事で、人間がどんなに簡単に崩れて行くか、とても興味深いと思いました。そして、それをどう乗り越えるのか。
ガエル・ガルシア・ベルナル:
原作を読んでいたけど、まさかこの役で起用されるとは思いもしなかったが、リスクのある素晴らしいプレゼントだった!今まで演じた役の中でも一番印象的だったかもしれない。相手の目を見る事で、想像し理解をしているんだという事を知ったよ。目が見えないと声も変わるし、最初はどうやって演じていいか分からず、たぶんファーストテイクは凄く下手くそだったに違いない!この作品を演じた事は僕らにとって財産だと思うよ。
ダニー・グローバー:
僕はユニセフ大使をつとめて、いろんな世界を見させてもらって感じている世界観がこの作品に詰まってると感じた。
質問:
映画の持つテーマ性について。
ジュリアン・ムーア:
映画は文明を反映しているわ。現代社会には、沢山の悲劇、災害がある。だから、このようなテーマを語る事は当然の流れだと思う。
質問:
この作品でジュリアンがオスカーを狙うのでは?
フェルナンド・メイレレス:
カンヌでオープニングを飾る事だけで既にすごいプレッシャーだよ。
ジュリアン・ムーア:
カンヌ映画祭は監督を賞賛する映画祭。だから、ここでノミネートされることは作品にとって素晴らしい事だと思うわ。
キャストの選び方がとても魅力的な『ブラインドネス』。
人間は皆愚かなんだ、という視点が根本にあり、愚かさを認めた上にある肯定がとても興味深い作品です。
個人的には、ジュリアンの夫役を演じたマーク・ラファロ(Mark Ruffalo)にとっても惹かれた!
生身の人間って愚かなんだけど、でも、許されるべきなんだ…!!
そんな気持になりますねー。
この記者会見の模様は番組で!
■ブラインドネス
監督:フェルナンド・メイレレス
出演:ガエル・ガルシア・ベルナル、ジュリアン・ムーア、マーク・ラファロ、伊勢谷友介、木村佳乃
11月全国ロードショー
「速報!カンヌ映画祭2008」
6月1日(日)午後2:40(無料放送の日)ほか
「VIVAカンヌ映画祭2008」
6月8日(日)午前11:00ほか
詳しくは番組紹介にて
お楽しみに!