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WOWOWカンヌ国際映画祭ブログ

現地に飛んだスタッフが映画祭の様子を毎日レポート!

マイケル・ムーア監督の新作『シッコ』の世界初プレス試写上映!

2007年05月20日 | 現地レポート

本日朝8時30分、マイケル・ムーア監督の新作『シッコ』世界初プレス試写上映がありました!

世界中のジャーナリストから大注目されていた作品だけあり、朝早いのにグランド・シアター・リュミエールは満席。そして上映が終了してエンドロールになると。。。。やっぱり場内大拍手。
ムーア監督の作品は、必ず終わった後にアメリカ風にゆっくり力強いリズムで大拍手をしたくなるんですよね!この沸き上がる拍手の瞬間がたまらないって感じです。

今回の作品はアメリカの医療機関を指摘するドキュメンタリーです。
マイケル・ムーア監督は2004年に『華氏911』でパルムドールを獲得していますが、今回は特別招待作品として、コンペ対象外の部門でカンヌ入りしました。

高い保険を支払っていないと、医療も受けられないという、アメリカの医療システムの問題を立証していくのですが、実は、この作品の中でムーア監督はキューバに渡り撮影をしていることが不法行為に当たるとして、カンヌに入る10日前にブッシュ政権から調査の通達があったそう

ムーア監督:
『華氏911』の時とは状況が違う。今回の作品のせいで、僕は投獄されるかもしれないんだ。とても深刻な状況になっているんだ。しかも、カンヌに出発する10日前になってなぜブッシュ政権がこの映画に対しそのような処置を仕向けて来たのか僕には理解できない。ただ、ここまで来てカンヌで発表できないのは堪え難い事なので、その手紙をうけた後、急いで沢山のコピーを作り、とにかく不法にカンヌに持って入ったんだ。自由なデモクラシーの国のはずのアメリカだが、このように慎重にしなきゃいけないって現実は残念なことだ。

質問:カナダやイギリスの医療機関をまるで理想のように描いてますが、現実には問題や悪い部分がある。なぜ、このように理想化して紹介したのか。真実でないことを伝えて、逆にあなたの映画に対しての真実味が疑われるのでは?

ムーア監督:勿論、カナダとかのシステムが誰からの不満もなくうまく回ってるとは思っていない。でも、アメリカに比べたら、平均寿命がカナダの方が上だし、フランスやイギリスも同じく寿命が長い。それがこの映画のベースになった疑問点だ。
なぜ、アメリカ市民はこんなに寿命が短いのか。なぜ、こうなってるのか。他国に存在する素晴らしいものを取り入れる事が我々のするべき事だと思う。他国の悪い事を直すのは僕の役割だとは思っていない。それはその国の人がやるべき事なんだ。
アメリカが世界の正義の味方の顔をして、あちこちに理想を押し付けていることに、世界中の人が嫌気をさしてるはずだ。だから敢えて僕は他国の指摘をしたいとは思わない。

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「シッコ」

監督:マイケル・ムーア


レオ様を意外なところで発見!

2007年05月20日 | 現地レポート

レオナルド・ディカプリオが思わぬところから現れたので会場の周辺は騒然としました。


このレッドカーペットは、コーエン兄弟の作品「No Country For Old Men」で、レオは同じ時間に別会場で公式上映だったのですが、ビッグスターなので、レッドカーペットを歩いて入るコースだったらしくこの場所に姿を見せたようです。

ちなみに会場はこんなに人で溢れていました。




この映画「No Country For Old Men」のチケットを求める人もたくさん見受けられました。



レオ様がプロデュース&ナレーターを務めた『The 11th hour』の記者会見に潜入!

2007年05月20日 | 現地レポート

社会問題を扱ったドキュメンタリー映画の記者会見が行われました。
私達世代の王子様レオナルド・ディカプリオ様プロデュース&ナレーターをしているのです。
環境問題をテーマにしたドキュメンタリーなのですが、やはりレオが登場するという事もあり、記者会見場は満席

ちなみに、記者会見はまず最初に写真撮影から始まるので、毎回スチールカメラマンや記者達が先頭で軽い場所争い(?)をするのです。今日はコロンビア人ジャーナリストで記者会見場で見かける女の子の中で一番可愛い女の子とレオの正面位置を並んで確保!

彼女はローマでの映画祭でレオとツーショットで撮った写真をレオに見せて、『レオ~ねえ私の事覚えてる~?』とアプローチしてレオは『それどこだっけ?』なんて答えてました。(彼の目線がやや右を見てるのは、その写真を見ているからなのです!)


周囲の男声カメラマンは必死にレオを読んでるのに、あまり目線を貰えてなかったようで『女の子の声には反応するんだなあ!』と笑ってました。




記者会見では、とっても真剣に答えるレオでした。

質問:ゴアが撮った映画が、環境汚染問題の忠告だったのに比べ、この作品『The 11th hour』では、環境問題は悪化してパニック寸前であるという、最後のチャンスだという呼びかけですが。
レオ:通常の映画を作る時は、監督が神だけれど、このような現実を追う作品の場合、神が大地の決まりを作るんだ
だから、時間が経てば経つ程、危機感も進んで行くんだ。ドキュメンタリー映画は今までにも撮ってきたけど、環境問題に対し僕は専門家でもなく、たたの1市民として、悪化して行くエコシステムを目にして、映画など、できる方法論を使ってより多くの人の注意を引こうと試みるのは僕らのジェネレーションのテーマなんじゃないかと思う。


真剣な表情で記者達の質問に耳を傾けるレオ様

質問:
カンヌにはどうやって来たのですか?電車で?それとも大気汚染の強い飛行機で?
レオ:乗らなくちゃいけない場合には勿論飛行機に乗るよ。そんな質問をありがとう。

(そして別の質問に答えた後に)
レオ:悪いが、さっきの質問に戻りたいんだけど、いつもジャーナリストからそういった攻撃にあうけど、皆がやれる範囲で環境を守る行為をして行くしかないんじゃないかと思うんだ。だからって、全く汚染の多い現代社会の生活を全て変える事は無理なんだし。ゴアの時もそうだったけど、環境問題を守ろうとしている人を攻撃して、足を引っ張るのは間違いだと思うんだ。
攻撃したいなら大量汚染を生んだ石油会社とか、他に攻撃するに値する相手はいくらでもいると思うよ。


会見終了後、記者達にサイン攻めにあうレオ様


リュディヴィーヌ・サニエからカメラ目線!『LES CHANSONS D’AMOUR/愛の歌』記者会見

2007年05月19日 | 現地レポート

今年のカンヌ映画祭コンペにノミネートされた数少ないフランス映画『LES CHANSONS D’AMOUR/愛の歌』は今フランスで一番期待されている。

しかも最もカッコイイ若手監督のクリストフ・オノレ(Christophe Honore)監督作品。
もともと児童文学の小説家で、脚本家として映画界に入ったクリストフ・オノレ監督は、ヌーヴェルヴァーグの再来と評されていますが、そのあたりも記者会見でも触れていました。

左からリュディヴィーヌ・サニエ、クリストフ・オノレ

質問:
ジャック・ドゥミや、フランソワ・トリュフォーを連想させるシーンがいくつかありましたが?
クリストフ・オノレ監督:
小さい頃から、ヌーヴェルヴァーグの映画は大好きで、その中で育ってきました。だから、そのような指摘は否定しないし、光栄に思います。ルイ・ガレル(Louis Garrel)は、これまでにも僕の前作品『Ma mere』や『Dans Paris』にも出演していますが、彼は僕の作品にとって、ジャン=ピエール・レオがトリュフォーの作品で演じて来たアントワーヌ・ドワネルなんだ。

質問:
今回初めてコンペにノミネートされてのカンヌ入りですが、怖くない?
クリストフ・オノレ監督:
実はこの作品、昨年の11月に撮影が決定して、2月には撮り終えて、3月に編集して、出来上がってホヤホヤなところでノミネートされたんだ。だから、怖くなる暇もなく何もかもが淡々と過ぎて今日に至ってしまったよ!
それから、この作品は、僕が初めて皆に楽しんでもらいたいと思って作った映画なんだ。これまでの作品は、どこか、僕の部屋を覗かれてるような感覚になってしまっていたんだけどね!!

フランソワ・オゾンのミューズでもあり、10歳で映画デビューしたフランス映画界きっての若手女優リュディヴィーヌ・サニエ姫(Ludivine Sagnier)は今回クリストフ・オノレの作品でカンヌ入りして大御機嫌の様子。

ご機嫌なリュディヴィーヌ・サニエからカメラ目線


記者に悲劇のヒロインの役だったけど、との質問に、
リュディヴィーヌ・サニエ:
不幸な女を演じるのは得意よ!
と答え、場内爆笑!

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LES CHANSONS D’AMOUR/愛の歌

監督:クリストフ・オノレ
キャスト:ルイ・ガレル、リュディヴィーヌ・サニエ

この映画の試写レビューはこちら!


「ボーディング・ゲート」の記者会見

2007年05月19日 | 現地レポート

オリヴィエ・アサヤスの新作「ボーディング・ゲート」の記者会見に行ってきましたよ!

『カンヌ映画祭』にはいくつかのカテゴリーがあって、パルムドールを競うコンペティション部門の他に、『ある視点』部門、短編映画コンペティション部門、コンペ対象外『特別招待作品』部門などがあります。
ちなみに、あの、お馴染みのレッドカーペットを歩いて会場に入るきらびやかな公式上映は、コンペ作品と、特別招待作品、ビッグスターが出演している『ある視点』部門の作品のみなのです。

その他、同じ時期にカンヌでは周辺行事として、今年、松本人志監督がノミネートされた『監督週間』や、ガエル・ガルシア・ベルナルが2007年大使を務める『批評家週間』などの別枠のコンペティションも開催されていますが、こちらは本家の『カンヌ映画祭』とは違う主催者によって運営されている規模の小さな行事です。あのレッドカーペットを歩くといった華々しいものではないけれども、それぞれが理念を持って、作家性、芸術性、社会性等々のある優れた作品をノミネートしているので、若手の映画作家にとっては、世界的に認められた映画界に入る第一歩という、まさに本家『カンヌ映画祭コンペティション』への登竜門なのです。

実際に、多くのビッグネームになった映画監督や役者たちが、『監督週間』や『批評家週間』で発掘されているのですよ!

さて、今日は、本家カンヌ映画祭の特別招待作品としてカンヌ入りした、フランス人監督オリヴィエ・アサヤスの新作「ボーディング・ゲート」の記者会見風景をお伝えします!


「ボーディング・ゲート」

出席
Olivier Assayas オリヴィエ・アサヤス
Asia Argento アーシア・アルジェント
Kelly Lin ケリー・リン
Carl NG カール・ン

質問:
香港での撮影部分もありますが、なぜ香港で撮りたいとおもったのですか?
オリビエ・アサイヤス監督:
何度も通う機会があって、僕自身半分くらい香港市民のような感覚もあるので、必ずここで映画を撮りたいと思っていたんだ。ただ、よく欧米人が香港で撮影をするときに、欧米でのやり方を押し付けるように、欧米から撮影クルーをゴッソリと連れて行って撮るようなことは絶対したくなかった。
この街で撮影するのなら、この街のやり方で、この街のスタッフと撮影したいと思ってたので、香港でのパーツは本当に少人数で中国人スタッフ7~8人で、撮影してたんだ。
役者の選択については、アンダーグラウンドなストーリー柄、あまり欧米で顔が知られてる役者は嫌だった。ケリー・リンはジョニー・トーの作品で知っていたが、まだ欧米で知れ渡ってないので適役だったよ。カール・ンもそう。

オリヴィエ・アサヤス監督

質問:
(アーシア・アルジェントに)香港での撮影で大変だったのは?
アーシア・アルジェント:
あんな暑い場所に身を置いたのは初めてだったわ!それから、香港のスタッフは本当に凄く働く。イタリアだと、昼時間は必ずしっかり食事するし、撮影終了時間は決まった時間に必ず終わらせて、さっさと皆家族のとこへ帰っちゃうし。でも香港のスタッフたちは、撮影中は皆映画を中心に生きるのよ。皆が集中して作品を作ってる。そういうシステムは私にとってとても新しいことだったわ。

質問:
あなたの演じたヒロインは宿命の女ですが、どういう部分が好き?
アーシア・アルジェント:
とてもミステリアスな部分。観客は彼女のしていることが、なかなか理解できないし、マニプレートしているのか、マニプレートされてるのか、どちらなのかわからなくなる。でも彼女がとても、もろい女だって事はわかるわね。それでも、何かを決めていて、そしてそれを実行する芯の強さとか。

質問:
今回沢山の作品でカンヌにエントリーされてますね?
アーシア・アルジェント:
昨年撮影したほぼ全部の作品がカンヌ映画祭に招待されたのは、ものすごく嬉しいわ。でも、地に足をつけていたいと思ってるのよ。

左からアーシア・アルジェント、カール・ン

質問:
最近は全然イタリア映画に出演しないで、海外の映画で娼婦や殺し屋とかの役をこなしてるのはなぜ?
アーシア・アルジェント:
多くのイタリア女優がやってるような、ブルジョワでヒステリーな女を演じることに興味がないからよ。娼婦や中毒女のほうが私にあってるわ。

質問:
英語で演じるのは大変?
ケリー・リン:
家族とはいつも会話は英語なのだけど、やっぱりそれとこれとは違うわね。でも、オリヴィエはとっても綿密に説明してくれるし、特に、香港での映画現場では台本がないまま撮影する事がほとんどだから、台本を貰ったとき、うわー、台本だわーって感動しちゃったわ!アジアにも良く助けられたわ。彼女は私が仕事した中で一番素晴らしい女優よ!

質問に応じるケリー・リン

カール・ン:
香港の映画システムは、監督の権力が絶大で、監督さえ分かってればいい、というやり方になりがちなんだ。だから、台本なしに、現場で指示されるがままに演じないといけない事も頻繁。
演技に対して、すごく典型的なものを要求されて、自由の余地があまりない。別にどちらのやり方がいいかという事ではないけど、オリヴィエのように自由を与えてくれる監督との仕事はとても楽しいよ。
それから、僕がオリヴィエを尊敬するのは、多くの欧米の監督が東洋を描くとき、カンフーしてるとか、米ばっかカッ食らってるとか、英語が話せないとか、そういうのが多いけど、オリヴィエはそういうことをしないんだ。
僕は今まで何度も欧米の映画のキャスティングに呼ばれ、カンフーはできるか?と聞かれ挫折したか!オリヴィエの作品にはカンフーやってる中国人が描かれてなくて嬉しいよ。

オリヴィエ・アサヤス監督:
そう言われると、今度カンフーものの映画をやりたくなるなあ!

記者にサインをするオリヴィエ監督


カンヌ映画祭「Bee Movie」のイベントで衝撃サプライズが!

2007年05月19日 | 現地レポート

開催中のカンヌ映画祭で、DreamWorks Animationの新作「Bee Movie」のプロモーションが行われ、声優を務めるジェリー・サインフェルドとクリス・ロックが出席!

BEE。うーん、目立ちます。

イベントはまず、ジェリー・サインフェルド、クリス・ロック、そしてプロデューサーのジェフリー・カッツェンバーグがステージ上で解説してくれながらのメイキングフッテージ上映(45分前後)がありました贅沢でしょ?

その後ホテルカールトン前のビーチに移動。

で、ホテルカールトンの屋上をふと見上げると?はっ?

ミツバチのコスプレをしたサインフェルドがワイヤーに吊るされているではありませんかああ!!うあぁー!

そしてそれは、屋上からサインフェルドがワイヤーを伝って海岸まで降りてくるというサプライズイベントを意味していたのです!!ぎゃああ、こっ、怖ーい!!

ほんとびっくりのスタントだったんだけど、保険はいくらかけたんだろうって一瞬頭をよぎりましたよ。だって本当危ないんだもの。サインフェルドの奥さんが下で不安そうにみてたのだけど…見てる私たちの方は楽しませてもらいました。

冷静に見ると笑えます!

屋上から降りてきた蜜蜂サインフェルドは再びケーブルつなぎなおして上がっていって、そしてまた降りてきたり...けっこう本人も楽しんでるのでした。

着地成功!

イベントでは蜜蜂を脱いだジェリー・サインフェルド、


そして、クリス・ロックにも直撃
できました。

他に面白かったのが、蜜蜂色のカーペット(黒と黄色の縞)があったり、プレス用のパーティの場所も蜂のディスプレイだったり、何でも蜜蜂づくしでえらく可愛かったです。

何でも蜜蜂。


はい、これも!


何処から運んで来たのか?こんなのまで。


『殯(もがり)の森』の河瀬監督をつかまえた!

2007年05月18日 | 現地レポート


幼い息子さんを抱いて登場した河瀬さん。

今年のカンヌ映画祭のコンペで日本作品として唯一招待された
『殯(もがり)の森』の河瀬直美監督が、本日ジャパン・インターナショナル・コンテンツ・フェスティバルのレセプションで舞台挨拶&囲み取材をしました。

レセプション会場の看板


会場内で商談(?)する様子の河瀬さん


記者の囲み取材を受ける河瀬さん

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河瀬直美監督:
1997年に今村昌平監督の「うなぎ」がこのカンヌでパルムドール(最高賞)を受賞した
時、河瀬直美監督は『萌の朱雀』でカメラドール(新人監督賞)を史上最年少で受賞。
あれからちょうど10年。今年は認知症の男性の恋愛を描いた日仏合作の『殯(もがり)
の森』 で日本から唯一のコンペティション出品を果たし、再び世界から注目される。



素敵なブルーアイ,ジェイク・ギレンホール登場! 『ゾディアック』の記者会見模様

2007年05月18日 | 現地レポート

2007年カンヌ映画祭2日目。
本日の朝一番プレス試写と記者会見は、「ゾディアック」でスタート。

参加者:デヴィッド・フィンチャー監督、ジェイク・ギレンホール、マーク・ラファロ、クロエ・セヴィニ、プロデューサー4名


左からクロエ・セヴィニ、ジェイク・ギレンホール、デヴィッド・フィンチャー監督、マーク・ラファロ、プロデューサー4名(※写真拡大可)

満席の記者会見場にキャスト、監督、プロデューサー達が続々と現れ、会場内フラッシュが光る中、まるで何か届け物でもあって入って来たスタッフのような表情でジェイクが登場。え、今入って来たのは...あ、ジェイクじゃない!って見逃しそうなくらい、何気ない登場!
この作品の中でも彼の控えめな存在感が光っていたけれど、なるほど、ジェイクはそういう自然体な人なんだと納得する記者会見でした。
そして、彼の透き通るような美しいブルーアイも魅力的ですよー!

会見がスタートし、連続殺人事件を映画化する事についてなどの問答が続いたあと、
ジェイクが一言、
「皆、誰もがゾディアックの部分を持っているんだ!」
と発言したあと、自ら続けて
「あ、今のはジョークのつもりだったんだけど、すっごく外したね...」とフォローしていた!

笑顔で登場したジェイク・ギレンホール

質問:
この役を演じるにあたって、どのような姿勢で挑んだ?
ジェイク・ギレンホール:
デヴィッドに最初にこの役についての説明を受けたとき、映画のはじまりでは、君はまるでエキストラ扱いだと言われたんだ。ストーリーが展開するにつれ、存在が現れて来ると。その描き方にとっても興味が持てたんだ。


質問:
(監督に)ジェイクは今後最も期待できる若手の俳優だと思いますか?
デヴィッド・フィンチャー:
(笑)そうだね。もちろん、そうだと思うよ!

質問:
(ジェイクに)「ブロークバック・マウンテン」を演じた事で、あなたの役者としての扉がさらに開いたと思う?痛手にはならなかった?
ジェイク・ギレンホール:
うーん、あ、すみません、さっきの今後最も期待できる若手の俳優だってフレーズが頭にのこっちゃって...そうですね、「ブロークバック・マウンテン」を演じて痛いという想い出は、ないよ(場内爆笑)。いやいや、勿論、この映画は僕にとってとても沢山のドアを開く事に繋がったよ。

質問:
ロバート・ダウニー・Jrのような大俳優と競演するのはどんな感じ?
ジェイク・ギレンホール:
ロバートは沢山のアイデアを持っている人なんだ。とても役柄に対して真剣だし。一緒にいて、まるでジャズのセッションをしているようだった。

記者の質問に応じるジェイク・ギレンホール

質問:
自分たちが演じた実在する人物と実際に会ってみましたか?
マーク・ラファロ:
会う機会を与えてもらったよ。彼のところに訪れたら、君みたいなハリウッドのスターがなぜ僕のような凡人に会いにきたのかね?とまず言われて!
2日間ゆっくり彼と時間を共にして、沢山のことを学んだ。脚本を読んでイメージしていた人物像とは100パーセント違ってたんだ。彼と実際に会っていなかったら、きっと同じ演技はできなかっただろう。

記者の質問に応じるマーク・ラファロ

デヴィッド・フィンチャー:
ジェイクの演じたロバート・グレイスミスに脚本は送っていたんだ。ただ、脚本について彼に主導権を与える訳にはいかないので、あくまでも報告という形で、そしたら彼はそれを読んで言った。「なるほど、妻が僕から去った理由が分かったよ!」と。

挙手する記者を指名するデヴィッド・フィンチャー

ジェイク・ギレンホール:
脚本を読んだ段階で、デヴィッドにどうもこの人物の振る舞いで理解できない部分がある、と伝えたら、「ロバート本人に会えば全てが分かるよ」と言われてたんだ。連続殺人事件の解読にオブセッショナルに人生を捧げた人、という僕のイメージとは全然違う、とても優しい、シャイで、全くエゴのない人物だった。そしてとってもコミックな人なんだ!そして、デヴィッドが言い切っていた通り、僕はこの役を理解したんだ。

左からクロエ・セヴィニ、ジェイク・ギレンホール

質問:「セブン」のあと、もう二度と連続殺人ものの映画はやらないって思っていたよ
うですが?
デヴィッド・フィンチャー:
「二度とやらない」なんて言うと、こうなるものさ。でも「ゾディアック」はただ単に凶悪な連続殺人犯を追ったものではなく、ヒューマン劇だ。人物像の研究、といった映画だ。

会見終了後、記者にサイン攻めにあうジェイク。

WOWOWにて単独インタビュー放送予定!
「VIVA カンヌ映画祭 2007」
放送は、
6月3日(日) 午後 7:00~
再放送は、
6月5日(火) 午後 6:00~
お楽しみに!

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『ゾディアック』

© 2007 Warner Bros. Ent. and Paramount Pictures. All Rights Reserved.

監督:デヴィッド・フィンチャー
キャスト:ジェイク・ギレンホール、マーク・ラファロ、アンソニー・エドワーズ、ロバート・ダウニー・ジュニア、クロエ・セヴィニー

6月16日(土) 丸の内プラゼール他全国ロードショー


審査員メンバーの記者会見にも潜入!

2007年05月17日 | 現地レポート

また初日の今日は、審査員メンバーの記者会見が行われました。

では、その様子をちょっとだけお伝えしましょう。

今年の審査員メンバーはとても大人な感じの集まり


左から、今年の華マギー・チャン、審査委員長スティーヴン・フリアーズ

スティーヴン・フリアーズ:
僕らが幼い頃は、映画監督は見えない存在だった。今は監督が表舞台に立つ時代になっているが、今後一体どうなっていくのだろう!

マギー・チャン:
役者は監督のお陰でうまく描かれることもあるの。本当に素晴らしい役者かどうかを見極める事が大事だと思ってるわ。


左から、モーリタニアの監督アドラハマヌ・シッサコ、カナダの女優サラ・ポーリー、トルコの作家オルハン・パムク


左から、オーストラリアの女優のトニ・コレットとフランスの大俳優のミシェル・ピコリ


左から、ミシェル・ピコリ、ポルトガル人の女優(監督)マリア・デ・メディロス、イタリアの巨匠監督マルコ・ベロッキオ

ミシェル・ピコリ:
カンヌ60年間の歴史が世界の映画にとって意義有る事だったと証明することが今年の課題だ。
戦い続けようではないか!

審査員の意気込みを感じる記者会見でした。
果たしてどのような作品にパルムドールが渡るのでしょうか!!
乞う御期待!


「マイ・ブルーベリー・ナイツ」の会見模様

2007年05月17日 | 現地レポート


世界初プレス試写の直後、記者会見会場も大混雑!
またしても中に入れないジャーナリスト多数!
そんな中行われた
「マイ・ブルーベリー・ナイツ」の会見模様をお伝えします。
参加者はウォン・カーウァイ監督と、
メインキャストのノラ・ジョーンズ、そして ジュード・ロウ。


左からウォン・カーウァイ監督、ノラ・ジョーンズ、ジュード・ロウ

質問:
ウォン・カーウァイ監督はカンヌの馴染みの顔触れになりましたが、昨年審査委員長をつとめたばかりで、今年コンペ作品とともにカンヌで挑戦しようとした理由は?

ウォン・カーウァイ監督:
やはりカンヌ映画祭のコンペに出品できる、というのはとても光栄なことだし、しかもオープニング映画となるなんて、この映画にとっても最高のスタートとなる。
それから、何が嬉しかったって、僕は以前『2046』で公式上映にフィルムが間に合わなかったという前科者なんで、今回はオープニングという事で、絶対にミスのないように頑張ったんだ。映画祭事務局サイドも実際に僕が期日にフィルムを届けた事にかなり驚いていたようだけどね!(笑)

質問:
今までのあなたの作品に比べ、とても移動の多い作風で、ロードムービーにもなっているが、それはあなたにとっても挑戦だったのですか?


ウォン・カーウァイ監督:
今回僕にとっての一番の挑戦は全編英語でやることだったよ。
外国人が作ったエキゾチックな作品には絶対にしたくなかったから、その点をとても気をつけたよ。
常に周りのスタッフ達に、僕の感覚は間違ってないか確かめながら作ったんだ。
ある種、僕はアメリカに対する敬意をはらいたかった。と、同時に今後海外の人が中国を描く時にも、エキゾチックに走った間違ったことを描かないように敬意をはらって取り組んでもらいと願うね。
東洋と西洋では、物の考え方、捉え方が違うのは当然なことでもある。
たとえば、「キス」することの意味合いも、西洋人のそれと、中国人のそれとは違うんだ。
でも人種を超えて共有できるエモーションが存在すると信じている。

ウォン・カーウァイ監督

質問:
映画に出てみようと思った理由は?

ノラ・ジョーンズ:
自分から進んで映画に出ようとしたのではなく、ウォン・カーウァイ監督が私にアプローチをしたからよ。
彼の作品を見て、こんなに素晴らしい映画があるの!と感動していたので、ウォン・カーウァイ監督なら信頼できたわ。他の監督だったらきっとそうは思わなかったでしょう。


和やかに行われた記者会見の雰囲気

質問:
なぜノラ・ジョーンズを選んだのですか?


ウォン・カーウァイ監督:
本当の事を言うと、僕はまず彼女の声にインスピレーションをうけていたんだ。
彼女がどんな容姿をしているかを知る前に彼女の声を聞いて、想像してみた。
映画にとって声はとても大事なものだと思う。声の響きだけでストーリーを感じる事ができれば最高だ。

ノラ・ジョーンズ:
映画に出る事はすぐに承知したけど、後で配役を聞いてビックリ。大スターばかりだもの。
ジュードと最初に演じるシーンが、「私の彼はどこ?」と聞くシーンだったのだけど、もう緊張して声が裏返っちゃって!
そしたら、ウォンが私の肩を叩いて、「心配するな、初めてなのは君だけじゃない。僕だって英語の作品は初めて撮るんだ」って慰めてくれた!そして、ジュードもとても私を助けてくれたわ。

ウォン・カーウァイ監督:
ジュードは本当にこの作品に沢山のことを与えてくれた。
このキャストでなければ、この作品は存在しなかっただろう。
アメリカでは多くの場合、各自の役割分担が決まってて、それ以外の事はしない、というのがシステムだが、僕はそういうやり方では全くない。
映画を一本作るというのは、関わる人たち皆が一体になる必要がある。

ジュード・ロウ:
本当にこの作品はコラボレーションだった。
どのように最後に行き着くかを一緒に考えながら進めたんだ。
こうしたやり方は僕にとってとても新しい事だったが、役者は監督に合わせて仕事を進めるものだと思う。
やり方はいろいろあると思うが、大事な事は、皆が同じ意識でいる事だ。
ウォンの作風で興味深いのは「瞬間」についての映画を作る事だ。
ある瞬間に起きた事が、どれだけある人の人生に影響を与えて行くか、という事なんだ。


WOWOWにて単独インタビュー放送予定!
「VIVA カンヌ映画祭 2007」
放送は、
6月3日(日) 午後 7:00~
再放送は、
6月5日(火) 午後 6:00~
お楽しみに!


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■ マイ・ブルーベリー・ナイツ

監督:ウォン・カーウァイ
キャスト:ノラ・ジョーンズ、ジュード・ロウ、デヴィッド・ストラザーン、ナタリー・ポートマン、レイチェル・ワイズ

© Block2 PICTURE 2006

2008年東宝洋画系にて全国拡大ロードショー
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