盛装した少女が
笑みを浮かべながら
近寄ってくる
そのまわりに 秋晴れの陽光が
取り囲むように きらめく
幼馴染の結婚式で
スピーチをするという
振袖姿が よく似合う少女は
近寄り 私の腕を取って自撮りの態勢
チーズと言わされた笑顔
わたしの中で 猛烈な勢いで
いとおしさが 湧き上がってくるのを
押さえられない
戸惑いながら 幸せを知るひと時
少女は 陽射しをまとったまま
数分の後には 手を振って去った
私の午後は 否応なしに
少女への思いで ふくらんで
生きていることまで
賛歌したくなる
パンジー黄
花言葉 つつましい幸せ、故郷の喜び