
優しき歌Ⅱ(抜粋) -立原 道造-
あのやうに
あの雲が 赤く
光のなかで
死に絶えて行つた
私は 身を凭せてゐる
おまへは だまつて 脊を向けてゐる
ごらん かへりおくれた
鳥が一羽 低く飛んでゐる
(「II 落葉林で」より)
だが たつた一度も 言ひはしなかつた
《私は おまへを 愛してゐる と
《おまへは 私を 愛してゐるか と
はじめての薔薇が ひらくやうに
泣きやめた おまへの頬に 笑ひがうかんだとて
私の心を どこにおかう?
(「I 爽やかな五月に」より)
彼の詩の世界に
迷い込んで
長い年月が過ぎ行き
私の中で存分に
根を伸ばし 葉を増やし
新しい芽ばえも
みえたかもしれないのに
何一つ これぞという実を
手にした記憶がない
惑い 彷徨い
生きた足跡を残せるならばと
書き続けて
どこへ辿り着きたいのだろう
また独り言のように
胸の中で 小さな言霊が
息吹はじめると
いぶかしがることもなく
恥ずかしげもなく
自分の言葉に置き換えてしまう
私の詩は ひみつの Last Will
迷い込んで
長い年月が過ぎ行き
私の中で存分に
根を伸ばし 葉を増やし
新しい芽ばえも
みえたかもしれないのに
何一つ これぞという実を
手にした記憶がない
惑い 彷徨い
生きた足跡を残せるならばと
書き続けて
どこへ辿り着きたいのだろう
また独り言のように
胸の中で 小さな言霊が
息吹はじめると
いぶかしがることもなく
恥ずかしげもなく
自分の言葉に置き換えてしまう
私の詩は ひみつの Last Will

バイオレットレナ(初恋草)
花言葉 ひみつ