プーケット津波情報総合 (スマトラ沖地震)

Webや口コミで収集した情報のまとめです。「一覧」のカテゴリーに各種情報のまとめを置きました。

各記事の整理&保存 (12/29 02:20収集分)

2004-12-29 02:22:24 | 記事スクラップ
毎日新聞より
スマトラ地震:
被害の実態把握難航 通信手段途絶で

スマトラ沖大地震は26日の発生から連日、1万人単位で犠牲者数が増える未曽有の事態に発展している。それでも、被災国では通信事情、複雑な政治情勢などが原因で情報収集がはかどらず、被害の全体像はいまだに見えてこない。我が家を失うなどして路頭に迷う熱帯地域での避難民は数百万人。国際社会は、被害実態の把握も進まない中、伝染病のまん延など津波の「二次被害」拡大を食い止めるという試練に直面している。【コロンボ西尾英之、バンダアチェ (インドネシア・アチェ州) 岩崎日出雄、江口一】

インド本土から東に約1200キロのアンダマン・ニコバル諸島。死者3000人、3万人が不明との情報があるが、確認作業は困難を極めている。

同諸島は572の島々で構成され、01年の国勢調査では人口は36万6000人。住民がいるのは40島程度とされるが、通信施設も大きな被害を受けており、情報収集も思うように進んでいない。

27日に現地を視察した与党国民会議派のガンジー総裁は、同諸島の死者数を「500人」と記者団に語った。だが、最も大きな被害を受けたとされるカールニコバル島では、地元警察が「海岸沿いのすべての村が流されてしまった」とニューデリーのテレビ局の取材に語った。ロイター通信によると、地元当局者は28日、同島の住民約3万人のうち2割が死亡したとの見方を示した。またインド政府当局者は、諸島全体では少なくとも7000人が死亡した恐れがあると語った。

一方で別の地元当局者はメディアに「行方不明者は約3万人。内陸の森の中に逃げているのか、津波に流されたのか、実態は不明だ」と語り、被害が想像以上に広がっている可能性を指摘する。

同諸島は、今回の地震の震源域の中にある。震源域の中では、地震の直後に津波が来る。東京大地震研究所の都司嘉宣助教授は「地震から数分以内に高さ15~20メートルの津波が諸島を次々に襲ったのではないか」と推測する。実際に、カールニコバル島を「ビルよりはるかに高い波」が襲い、建物の8割が流されたとの報道がある。

同島にはインド空軍基地がある。本来、諸島での被害実態の調査、救援活動の拠点となるはずだったが、基地全体が津波にのまれ、兵士を含む基地の要員、家族ら約200人が行方不明となった。このためインド政府は、本土から海軍や空軍を諸島近辺に出動させ捜索活動を行っているが、被害全容はまだ把握しきれていない。

◇「武装勢力」が救援複雑化

スリランカでは、政府と対立する武装勢力の存在が被害の実態把握、救援活動をさらに複雑にしている。政府が発表する死者数は国軍は国軍が展開する政府支配地域だけの被害と見られる。

島の東北部は、少数派タミル人の武装組織「タミル・イーラム解放のトラ」 (LTTE) が実行支配している。LTTEの政治部門が運営するウェブサイトでは、「東北部で6000人以上が死亡」と伝え、独自に国際社会に緊急援助を要請した。

同国で時間とともに死者数が猛烈な勢いで増えていくのは、こうした政治問題に加え、外部から近づけなかった同国東海岸から南部にかけての地域にようやく救助や捜索の手が届き、壊れたり押し流されたりした家屋などの下敷きになった死者が多数発見され始めたためだ。

同日にはコロンボ南方の海岸線を走る列車が津波により転覆した現場で、初めて捜索隊が列車の内部の一部を捜索し約100体の遺体を発見。当局はこの転覆事故だけで乗っていた約1500人が死亡したとみている。

一方、ロイター通信によると、震源地に最も近いインドネシア・スマトラ島では、アチェ州だけで、2万5000人が死亡したとの見方も強まっている。州都バンダアチェは建物が崩壊し遺体が放置されるなど壊滅的な状況が次第に明らかになりつつあるが、全面停電による交通網と通信の寸断で、なお確実な被害状況が把握できていない。

アチェ州では、インドネシア政府が昨年5月、独立派武装組織「自由アチェ運動」 (GAM) 鎮圧のため軍事作戦を展開している。ロイター通信によると、28日現在、海外の緊急救助隊はアチェに入る正式な許可証を得ていない。

◇日本人被害者 個人旅行、対応苦慮…外務省

日本人の安否の確認もはかどっていない。被災地に何人の日本人がいたか正確に把握できないためだ。

外務省が公表している行方不明者の数字は、不明者と一緒にいた家族らの「確度の高い目撃情報」を基にしており、今後増える可能性もある。同省が頭を抱えているのは、個人旅行者の所在の確認だ。津波発生から3日間で外務省には2600件以上の問い合わせが殺到した。多くは個人旅行者の親族らからの電話。パックツアーだと訪問先は分かるが、個人旅行者は飛行機のチケットだけを購入するため、目的地の国内のどこを移動するかわからない。外務省幹部は「出国記録だけでは推計もできない。現場で足を使って情報収集するしかない」という。

プーケットで情報収集に当たる在タイ日本大使館職員によると、日本人の安否に関する最大の懸念材料はプーケット北隣パンガ県の被害が予想より深刻と見られることだ。有名リゾート「カオラック・ビーチ」の数キロにわたる砂浜が売り物。同大使館員によると、パンガ県は通信事情も悪く情報収集も難航しているが、「日本人が巻き込まれたのではないか」との未確認の目撃情報が10件近くあるという。

同ビーチには宿泊用のバンガローが並んでおり、客の多くが被害にあったと見られる。「パンガ県の情報が集まりだしたら邦人の被災者数も急増する可能性がある」と同大使館員は指摘する。【矢野純一、プーケット竹之内満】

■ことば (アンダマン・ニコバル諸島)  北のアンダマン諸島と南のニコバル諸島からなるインド洋の群島。古くからインドとミャンマーの交易ルート上にあり、18世紀ごろから英国の流刑地として本格的な植民が始まった。第二次大戦では日本の占領地だったが、現在はインド政府の直轄地。インド独立後、バングラデシュから多数の難民が流入し、さらに人口が増えた。行政庁舎の置かれた南アンダマン島のポートブレアは人口約10万人。群島の大部分は熱帯性の密林に覆われている。

毎日新聞 2004年12月29日 2時03分

各記事の整理&保存 (12/29 02:20収集分、救援関連)

2004-12-29 02:20:29 | 記事スクラップ
毎日新聞より
スマトラ地震:
救急・衛生、空前の危機

◇日本、3000万ドル緊急支援

日本政府は28日、インドネシア、スリランカ、モルディブの3カ国を中心に計3000万ドル (約31億円) の緊急無償資金協力を表明した。今後、短期的には国際機関の要請に応じ食料、水などの緊急物資を支援し、中長期的には2国間支援として地震や津波で破壊された社会資本整備にあたる方針だ。

小泉純一郎首相は同日、記者団に「できるだけの支援をするよう準備している。必要な支援をしなければならない」と強調した。

3000万ドルの資金援助は、米国の1500万ドルや欧州連合 (EU) の410万ドルなどを上回り、当面の支援額としては最高規模。日本の支援は従来、被災国の要請で動き出す「要請主義」で、後手に回りがちとの指摘があった。特に緊急無償資金の場合、具体的な使途の調整が必要で即断が難しい事情があるが、「アジアで起きた大災害であり、要請を待たず積極対応したい」 (町村信孝外相) と即断した。「各国が続々と資金援助を表明する中、乗り遅れてはいけない焦り」 (外務省幹部) もあった。

一方、海上自衛隊の護衛艦2隻と補給艦1隻の派遣も決めた。これは国際緊急援助隊法に基づくもの。救難救助を目的とする自衛隊の海外派遣は初めて。3隻はテロ対策特措法によるインド洋での活動を終えて帰国途中だったが、急きょ派遣が決まり、29日にタイ・プーケット島近海に到着する。搭載したヘリコプターで海上での捜索活動などを行う。

このほか、政府は29日、タイに国際緊急援助隊の捜索救助チーム約50人を派遣する。医療チームはすでにスリランカに派遣しており、モルディブ、タイ、インドネシアにも派遣する。支援ニーズの把握が課題だけに、インドネシアには調査チームを派遣、支援要請のないインドなどでは大使館員が状況把握に乗り出した。【前田英司】

◇日本NGOも救援開始

被災地の救援活動も始まった。国際医療援助団体「AMDA」 (本部・岡山市) は被災国や周辺に置く支部・事務所と連携し救援活動を進めている。このうち、調整員の諏原日出夫さん (58) は28日午前、インドネシア支部の医師6人とともにスマトラ島北部のアチェ州に到着、医療活動や被害情報の収集を始めた。このほか、スリランカ、インドなどでも、NGOなどと合流し、医療活動を実施する。

菅波茂AMDA代表 (58) は「被害の大きさも活動の範囲も、ともに経験したことがない規模。復興支援まで視野に入れ、全世界のネットワークを活用して救援活動に当たりたい」と話した。

京都市のNGO「日本国際民間協力会 (NICCO) 」は、スリランカに先遣した男性スタッフ1人が28日中にコロンボに到着する予定。29日には事務局長の折居徳正さん (36) が現地に向かい合流。30日からまず必要な支援品の現地調査を行ったうえで調達活動に入る。

コロンボと被災地が離れており、交通や通信が遮断されて詳細な状況はつかめていない。折居さんは「心配されるのは衛生環境。清浄な飲料水、トイレやシャワーなどの設備、下痢対策の医薬品といった物品が必要だと想定している。日本の小さな団体だが、現地のニーズに即した支援を行い、少しでも人々の役に立ちたい」と語った。【四谷寛、野上哲】

◇被害”第2の波”恐れ

犠牲者・行方不明者の収容、捜索に加え、国際社会にとって大きな挑戦となるのが、津波で家をなくした避難民やインフラが壊滅した被災地への復旧支援だ。避難民は被災国全体で数百万人に上ると推定され、アクセスが困難な遠隔地も多い。事態は、「先例のない多角的努力」 (国連のエグランド人道問題調整官) を迫っている。

すでに1万2000人を超える死者が確認された最大の被災国スリランカだけでも、避難民は100万人以上に及ぶ。急がれるのは救急医療、食料、安全な飲み水の確保など。特に、同国では飲料水を井戸水に頼っている地域が多く、冠水による被害は深刻だ。スリランカ政府は「浄水剤や井戸の洗浄装置が必要だ」と強く訴えている。

津波被害では、汚れた飲料水を媒介とするさまざまな伝染病で、犠牲者がさらに増える恐れが強い。放置遺体の腐敗は最大の感染源になりかねない。このため、スリランカ政府は手続きを省略して多数の遺体の埋葬を急ぐ構えだが、同国では12月でも最高気温が30度に達し、遺体の腐敗はすでに始まっている。

遺体処理問題では、各国から悲痛な声が届く。震源に近いインドネシア・スマトラ島のバンダアチェ郊外には1000体以上が放置されたままで、軍関係者が十分な収納袋がないと支援を要請。3600人以上が犠牲になったとされるインド南部タミルナド州でも、野ざらしにされた遺体の腐敗が始まっているという。

国際赤十字社・赤新月社連盟 (本部・ジュネーブ) は26日、伝染病予防対策で今後6カ月に50万人を支援するため、666万ドルが必要になると見積もり、各国に拠出を求めた。事務局幹部は「我々が直面する最も大きな健康への危機は、飲料水を媒介としたマラリア、下痢、そして呼吸器系伝染病だ」と語った。被災地の病院が倒壊したケースも多いという。

エグランド人道問題調整官は27日の記者会見で、津波による死傷者被害を「第1の波」とし、数百万人の飲み水が汚れたことから予想される伝染病まん延を「第2の波」と呼んだ。同調整官は、今回の地震・津波被害への対策に必要な支援額は史上最高の数十億ドルに上ると表明。被災地が広域に及ぶこともあり、今後数日以内に、数百の航空機が緊急援助物資の輸送に当たるだろう、との見通しを示した。

世界食糧計画 (WFP) はすでに、スリランカで50万人に2週間分の食料を供給するための活動を始めている。

毎日新聞 2004年12月29日 2時11分

旅行会社の対応・中国地方

2004-12-29 01:56:58 | 記事スクラップ
中国新聞地域ニュースより
無料でキャンセル スマトラ沖地震で旅行各社 '04/12/29

■窓口対応に追われる

二十六日に発生したスマトラ沖地震による津波被害を受けて、中国地方の旅行会社の窓口では二十八日、年末年始にアジア方面に向かう旅行客からの問い合わせやキャンセルなどの対応に追われた。

JTB広島支店 (広島市中区) は、被害の大きかったモルディブ、タイのプーケット島、マレーシアのランカウイ島、ペナン島の四地域について、二〇〇五年一月十一日までに出発するツアーや手配旅行のキャンセルに無料で応じている。

夕方までにキャンセルは二件。希望者にはハワイなど他地域のツアーを薦めている。被害はなかったインドネシアのバリ島やシンガポールについても「大丈夫だろうか」とツアーの予約客から電話が数件あった。

地場大手のひろでん中国新聞旅行 (同) も、モルディブ、プーケットなどの自社企画ツアーは年内出発分について無料でキャンセルに応じている。夕方までにキャンセルはなく、「被害地向けの広島発着便がなかったので助かっている」。

日本旅行福山支店 (福山市) も一月十一日出発までのプーケット、ペナンなどの主催旅行はキャンセル料を無料にした。モルディブ、スリランカ方面の旅行は同十一日まで中止した。

今日のあとがき

2004-12-29 00:58:53 | 雑記
今日もあちこちサイトを回って情報を探していましたが、いろんな情報が散在していることに改めて驚きました。各サイトから効率的に情報を収集できる体制が整っていると、いざというときに強いでしょう。

情報を集積するのがこのブログの役目なのですが、情報を見つけるたびに胸が痛みます。死亡のニュースはスクラップする気になれませんでした。

各記事の整理&保存 (12/29 00:55収集分、防災関連)

2004-12-29 00:57:46 | 記事スクラップ
読売オンラインより
タイ津波警報出さず、観光業への影響懸念…地元紙

【バンコク=平本秀樹】タイの英字紙「ネーション」は28日、タイ当局が、観光業への影響を懸念してインドネシア・スマトラ島沖の地震による津波警報を発令しなかったと報じた。

同紙によると、地震発生を受け、スパラーク気象庁長官を議長とする緊急会議が開かれたが、観光シーズンでホテルがほぼ満室であることが重視され、警報を出して客を避難させて何も起こらなければビジネスに影響が出るとして、警報発令を見送ったという。

また、気象庁関係者は同紙に対し、「2002年11月のスマトラ島沖地震の際にタイには影響がなかったから、今回も津波は起きないと考えた」と語っている。

こうした報道に対し、スパラーク長官は、観光業への影響を議題としたのは、「津波被害が出た後のことだ」と反論。また、タイでは300年以上も津波がなく、約900人の気象庁職員のうち、地震専門家は4人しかいないとして、「我々は最善を尽くした」と主張している。

(2004/12/28/23:39 読売新聞 無断転載禁止)

各記事の整理&保存 (12/28 22:45収集分、被災状況関連)

2004-12-28 22:48:12 | 記事スクラップ
毎日新聞より (画像あり)
インド洋津波:
小さなリゾートアイランド「ピピ島」をルポ

セ氏35度を超す猛暑の中、懸命に続く捜索。「全部の遺体を見つけ出すのに一体どのぐらいかかるか……」。地元の警察官は汗みどろになって作業を続けた--。プーケット島の南東約45キロにあるサンゴ礁に囲まれた「ピピ島」。28日、地元警察などの救助隊に同行した。小さなリゾートアイランドは主立った繁華街が津波にのまれ、バンガローなどが無残な姿をさらしていた。【宍戸護】

ピピ島は、二つの島からなり、人が多く住むドン島は南北約8キロ、東西約2.5キロ。救助隊は約10人で、プーケット島から船で約1時間半かけて到着した。

「免許証かパスポートを探せ」。午後1時ごろ、ドン島の繁華街にあるタイポムゲストハウス。おので木製ドアを破りながら、警官のトゥ・プラ・モーさん (44) は叫んだ。天井が落ちた1階部分から20代のタイ人女性の遺体が見つかった。激しい腐敗臭が鼻を突く。3人がかりで遺体を白い布に包み、外に運び出した。モーさんは、27日から生存者の確認と遺体捜索にあたっている。

ドン島の繁華街は、歩いて5分で横断できるほどの細長い土地にあり、約200メートルにわたって、数百の土産物店やバンガローが軒を連ねる。

木造のバンガローはめちゃめちゃに壊れ、がれきの山と化していた。平屋建ての土産物店の並びの白壁には、約1.5メートルの高さまで、泥流の跡が黒々と残っている。津波が街全体を覆いつくした様子がよく分かる。

モーさんを含め、救助隊員のオレンジ色のTシャツは汗でぐっしょり。がれきの間や海中から次々に遺体が見つかった。ヤシの木がなぎ倒された浜辺の近くには、白い布にくるまれた約50の遺体が並べられている。港に停泊中のタイ海軍の船には、既に30体ほどが運び込まれたという。

かばん店を経営するブンマ・サリムさん (45) は「低い津波が来た後、高さ十数メートルの波に襲われた」と話す。近くのホテルに逃げて無事だったが、店内は泥だらけで再開のめどは立たない。散らばった商品を手に、サリムさんは「これからどうしたらいいのか……」と表情をゆがめた。

毎日新聞 2004年12月28日 20時47分

NEWS EVEより (動画あり)
プーケット島、復旧作業はかどらず

プーケットやその周辺では、これまでに日本人2人の死亡が確認されていて、日本大使館では、そのほかの行方不明の日本人について、安否の確認に全力を挙げています。
日本大使館では、プーケット市内に日本人で被災した人たちのための支援の窓口を設置していて、知人が行方不明になった、パスポートや荷物を流された、などといった人たちの相談にあたっています。

一方、死亡したと見られる福岡市の会社員、柿木奈緒子さんの家族が、間もなくプーケットに到着し、身元の確認などを行う予定です。

ところで、プーケットでは本格的な復旧作業が始まっていますが、街のあちこちに津波で打ち上げられたり横倒しになった車が放置されたままになるなど、依然、作業は思うようにはかどっていません。

波打ち際から、およそ30メートルほど離れていますが、ホテルの中は、完全に池のようになっており、こんなところにあるはずのない車が水没しているのが見えます。

プーケットでも観光客が多いことで有名なパトンビーチからおよそ50メートルほど陸に上がったところでは、ビーチに駐車されていた車なのか、4台積み重なっているのがわかります。車が完全にひっくり返っています。また、近くのホテルには、車が中に押し寄せられていて、3台ほどホテルの中にあるのが見えます。

タイ政府のまとめによりますと、今回の津波によるタイでの死者は、これまでに1000人を超え、ケガ人は7500人以上に上っています。

行方不明者については現段階では、どれだけいるのかハッキリしたことはわからないとも言っていまして、今後さらに被害が増える可能性があると見ています。(28日18:38)

各記事の整理&保存 (12/28 22:45収集分)

2004-12-28 22:47:12 | 記事スクラップ
asahi.comより
死者約3万7千人、史上最悪規模 スマトラ沖地震・津波

スマトラ沖大地震とインド洋津波の死者は発生から3日目の28日、約3万7000人に達した。ロイター通信などの集計で、前日と比べて1.7倍も増えた。津波による災害では観測史上、最悪の規模となった。被災地では、水や食料の不足、伝染病などへの懸念が深刻化。国際機関や主要国などが支援物資の緊急輸送を始めたが、通信や交通網が寸断されたままで、救援は遅れている。

捜索が本格化して発見遺体が急増しており、新たにスリランカで7000人、インド3000人、インドネシア2000人などの報告があった。スリランカでは、商都コロンボから南部のガールに向かっていた列車が津波に流されて転覆し、乗客1500人が死んだことが明らかになった。タイではプーケット島周辺の観光地を中心に犠牲者数が2倍近く増えた。

死者総数は1883年、インドネシアのクラカトア火山噴火による津波で3万6000人が死亡した災害を上回り、最悪の事態となった。各国政府は今後も増えるとの見通しだ。

インドの主な被災地では、がれきの中から遺体を運び出す作業が28日も続いた。屋外に仮設した安置所に遺体が運ばれ、集団埋葬用の穴に埋めているという。遺体は暑さで腐敗が進みやすく、衛生環境は悪化するばかりだ。マラリア、腸チフス、下痢症など感染症の発生が懸念されている。

震源に近いインドネシア・スマトラ島のバンダアチェでは、水道や電気、電話が全面的にストップ。食料不足も深刻だ。住民は余震や津波の再発を恐れて避難する人も多く、疲労ぶりが目立つ。地元自治体などは数百人規模で散乱する遺体を埋葬しようとしているが、作業ははかどらない。腐敗が進み、伝染病の懸念が強まっている。現地を視察した同国のユドヨノ大統領は28日、「島の西部で道路が寸断し、住民が孤立状態に置かれている。正確な被害状況も分からない」と述べた。

国連によると、世界の20カ国以上が輸送機数百機を被災国に急派し、衛生分野などを中心にした緊急支援物資を供給する計画という。

(12/28 22:25)

現地の状況 (12/27)

2004-12-28 19:26:01 | 口コミ情報 (安否情報以外)
日本海外ツアーオペレーター協会より (ここのサイトには他の国や地域の情報もあります)

タイ/スマトラ島沖地震による影響について
渡航先速報
タイ王国
2004-12-27

インドネシア西部のスマトラ島沖で発生した地震、及び大規模津波の影響について、現地から入りました情報をお知らせいたします。

■ 被害の状況
今回の地震・津波による被害はかなりひどく、プーケットやパンガー、クラビー等、タイを代表するビーチリゾートを初めトラン、ラノンなど南タイはまだまだ混乱が続いている状態です。
プーケットのほぼ全てのビーチが被害を受けており、遊泳など出来る状態ではありません。

■ 現地ホテルの状況
ホテルに関してはロケーションにより明暗が分かれております。
プーケット島の「ヒルトンアルカディア」の様に全く被害がなく、通常通りに営業出来るところもあれば、「クラブアンダマン」の様に少しだけの被害で営業には差し支えのないホテルもあります。その一方、プールやロビー、ホテルの1階客室部分が津波の影響で使用出来ないホテルも出ています。
尚、津波の影響により、パトンビーチホテルの営業一時停止が決定いたしました。

ピピ島では島全体が壊滅的被害を受けておりますが、それ以上の被害を受けているのはプーケット空港から北に72km、車で約60分の場所に位置するカオラックという場所になります。

■ 道路の状況
海岸沿いでは閉鎖されている道路もありますが、それ以外の道路は通常通りで、市内の観光に関しては問題ありません。(島のツアー等、船を使うものは不可)
又、プーケット、クラビの空港は今現在、平常通り運行しているものの、スケジュールが乱れております。

■ その他
タイでは、今回の様な地震・津波による自然災害は初めての経験の様で、現地では拡大する被害報告が朝からテレビで流れ続けています。
今回の死亡者の中には、国王の第一王妃のご子息も含まれており(プーケットでダイビング中、津波にさらわれ死亡)、政府としては特に用がない限りタイ南部へは行かない様呼びかけています。
又、被害者・死亡者のほとんどが、海岸で遊泳中・日光浴中の外国人観光客だった模様です。

タイ南部の被害地域では、医者や看護婦、医療品が不足している状況です。又、車や飛行機で避難する人のための混雑が続き、平常に戻るにはまだ時間がかかる模様です。

現地のツアーに関しても、ガイド不足・車不足(不明になっているお客様を探すため)の状況から、通常通りの手配は難しい状況です。

尚、今回の地震・津波の影響はパタヤ、サムイ島などには一切出ておりません。

以上、取り急ぎ現在の状況をお知らせいたします。
又、新しい情報が入りましたらご報告いたします。


情報提供: エーペックスインターナショナル株式会社

ホテル・交通の状況

2004-12-28 19:09:42 | 口コミ情報 (安否情報以外)
ホテルタイランドより

【タイ南部津波被害に関しまして】

昨日の津波による被害につきまして、現状をご案内いたします。

地震の影響を受けた地域は、プーケット、クラビ、ピピ島、カオラック、パンガー、トラン付近のエリアとなります。南部でも反対に位置しますサムイ島、タオ島、中心部のバンコク、パタヤにつきましては現状問題ございません。

ホテルの状況は、ピピ島、カオラックが大きな被害を受けております。そちらに比べてプーケット、クラビは影響が少ないようで、ピピ島にご滞在中の方は、現在クラビへ移動されております。その為お客様との直接のご連絡は現状難しくなっております。

交通機関につきましては、プーケット空港、クラビ空港は閉鎖、ピピ島行きのフェリー等は運航できない状況です。

今後の復旧の見込みは、現状わかりかねる状況です。新たしい情報が入り次第ご報告させていただきますので、今しばらくお待ちくださいませ。

(サウス担当:Satoko)

各記事の整理&保存 (12/28 18:45収集分、防災関連)

2004-12-28 18:59:11 | 記事スクラップ
東京新聞より
津波の脅威 逃げるしか
破壊力は風波の1000倍にも

インドネシア・スマトラ島沖地震と津波の犠牲者の数は時間がたつにつれ、増える一方だ。「南国の楽園」での年末年始休暇は暗転し、日本人もツアー客ら数十人の安否が不明だ。そもそも津波の脅威など、誰が予想できたろう。現地からの情報を基に、あらためて津波の怖さと、警報システムも十分ではない海外での対処の仕方を探ってみた。

今回、津波の被害を受けたタイ・プーケット島のナイヤン・ビーチにある「パールビレッジホテル」では客室棟八棟のうち五棟の一階がすべて床上浸水した。

同ホテルの日本人女性研修生 (31) は「ホテル前のビーチの砂が全部押し寄せてきて、ビーチは崩壊している」と話す。多数あった「海の家」のような店はすべて消え、割れたガラスの破片やデッキチェアなどが散乱していて「手の付けようがない」 (同女性) 。ホテルの裏には、現地住民が住む一般住宅もあったが、家屋は押し流されたり、柱がむき出しになるなど無残な姿になっているという。

客の一人の茨城県の男性会社員 (57) は「二階の部屋にいたが、現地時間の二十六日午前九時半ごろ、震度2ぐらいの揺れが来た。何だか変な揺れだなと思っていて地震とは思わず、こんな時間になんで工事をやってるんだと思った」。しかし、午前十時ごろには一階に水があふれ始めた。「従業員に聞いたら津波が来ていると言いだした。なるべく上の階へ行こうと逃げたが、ホテルは何のアナウンスもしないし、情報がまったくなく不安だった」

同じくプーケットの「シェラトン・グランデ・ラグナ・プーケットホテル」でもレストランが津波にさらわれ、跡形もなくなってしまったという。現地の女性従業員は「とても大きな波だった。大人の男性三人分の高さはあったんじゃない? 見たことがない」と一気にまくし立てた。

■『被害の全容つかめない』

一方、インドネシア・スマトラ島の北スマトラ州メダンにある日本領事館総領事代理、宮川勝利氏は「日本の地震に比べると、ゆっくりとした横揺れだった。スマトラ島でもアチェ州など北部は電柱などが倒れ、通信事情が極めて悪い。携帯電話もつながらず、被害の全容がつかめない」。

そのアチェ州は現在、分離独立問題で非常事態宣言下だが、現地の天然ガスプロジェクトに携わる日本人職員は「非常事態宣言下で現地情報は伝えにくい」と前置きした上で「津波直前に潮が大きく引き、そこに残った魚を捕りにいった人々が津波にのみ込まれた。それと水上住宅が多く、両親が働きに行った後の時間帯だったため、子どもたちが犠牲になったようだ。漁船も埋め立て地に打ち上げられた。被害者は六百人とも千三百人とも」と語る。

こうした被害の大きさを受けて、国際的な医療支援の民間非営利団体 (NPO) 、「AMDA」 (岡山市) は急きょ、インドネシアとスリランカへのメンバー派遣を決めた。

スリランカでの活動歴もある富田彩香さんは「スリランカ東部のトリンコマリー地域に昨日、国際協力機構 (JICA) の職員とAMDAのスタッフが訪れたが、遺体の方が多く、治療より遺体収容の仕事のニーズの方が大きいほど、と報告があった。すさまじい状況だと思う」と話す。

「地震大国」と呼ばれる日本だが、それでも津波の脅威となると、そう浸透しているとは言い難い。

「夜中のことだったので波を見た人はいないだろう。地震後、三十分もすると引き潮になったという。少しばかりの引き潮でなく、何百メートルと潮がひいた。明治の三陸地震の経験者がいて『逃げろ』となった。明治の地震の体験者のいる地区とそうでない地区では被害がぜんぜん違った」

こう一九三三年の三陸地震 (死者・行方不明者三千十四人) の体験を話すのは津波研究家で、ノンフィクション作家の山下文男氏 (80) だ。山下氏の住む岩手県大船渡市は、かつて国内最大の津波被害を受けた。

波が引いた後、自宅に戻ると集落に二十八軒あった家はほとんどが流され、残ったのは、同氏の家を含めた三軒だけだった。

同市内の志田賢太郎氏 (76) は「とにかく怖かった」と振り返る。「家族が海を見て『大丈夫』と思っていたら三十分もしないうちにふすまなどが波と一緒にかぶさってきた。家は流されなかったがつぶれた」

同市は六〇年五月のチリ沖地震 (死者・行方不明者百四十二人) でも津波被害を受けた。志田氏は「地震の後、海面はタップンタップンと波打っていた。家が高台で見ていたが、波の高さは四メートルくらいあった。海からの水はゴーと音をたてて市街地に向かった」

九三年七月の北海道南西沖地震 (死者二百二人) でも、津波の被害は大きかった。「波の高さは最大で二十九メートル、学者によっては三十一メートルという人もいる」と話すのは北海道・奥尻町役場の木村孝義氏 (44) だ。

「早いところでは、地震の三分後に津波が襲っており、島の最北端では十一メートルあった。最大の被害を出したのは島南端の地区で、五分後には一二・三メートルの津波が襲った。車で逃げているうちに車内に浸水し、車の中に残ったわずかな空気で生き残った人もいる」

■広がる渡航『危険地の啓発に援助を』

津波の怖さについて、先の山下氏はこう話す。「第一にスピード、第二にそのエネルギー。自動車くらいの速さはあるし、破壊力は風波の千倍といわれる。台風などの風波は海の表面が動くだけだが、津波は水が体積を持って海ごと突っ走ってくる」。東北大学大学院工学研究科の今村文彦教授 (津波工学) は「突然で広域。逃げ場がない。津波が来るまで時間はあるが行動を起こせないと、すべて流されてしまう」と言う。

今村氏は、今回のスマトラ島沖地震による津波の被災地域について「警報システムなどの必要性がいわれながらも、二十四時間の監視が必要なために負担がかかると、各国が理解を示さなかった。しかし、リゾート地には多くの訪問客が入る。ハザードマップを作るなど旅行者に情報提供したり、避難訓練をするなど、特別な配慮が必要だ」と指摘する。

前出の山下氏は「警報も過信してはダメ。日本ですら、チリ沖地震や今年九月の紀伊半島沖の地震では気象庁の警報は遅れた。防潮堤にしても北海道南西沖地震では、四・五メートルの防潮堤があっても全滅した地区もある」と警告する。

日本人旅行者の行き先は広がるばかり。渡航先は津波などの対策が不十分な地域の方が多いはずだ。何らかの対処法はあるのか。

山下氏は「日本政府はインドネシアやフィリピンなど津波の危険のある地域については、啓発のシステムづくりに援助すべきだ」と前置きした上で、現実論としてこう語る。

「リゾート地では、防潮堤を造ったら観光地にはならないだろう。どこであれ、究極の津波対策は逃げること。それしかない」

東京新聞より
津波10メートル 想像してください
世界一の警報網、どう生かす

インドネシア・スマトラ島北部の沿岸で起きたマグニチュード (M) 9・0の地震は、大きな津波を起こして二万人を超す死者を出した。津波の観測や防災研究で世界の先頭を走る日本でも、場合によるとこれに近い被害が出る可能性がある。今回の津波をきっかけに「いま、ここで十メートルの波が押し寄せたら」と想像してみるのが、一人ひとりにできる防災対策の第一歩になる。  (科学部・永井理)

■最先端

日本の太平洋沿岸の南海トラフに沿った海域で東海・東南海・南海の三地震が同時発生すると、M8・7の巨大地震になると想定されている。今回の地震と近い規模だ。その場合、高知県や紀伊半島を十メートル前後の津波が襲い、その死者は最大九千百人に達すると政府は見積もっている。

今回の被災地域と違って、日本では津波の注意報や警報を出す仕組みが整っている。気象庁は警報を素早く出すため、日本近海で地震が起きた場合の約十万通りについて計算したデータベースを作っている。震源の位置とMの値を入力すると、どこにどんな高さの波が来るか、すぐにはじき出すことができる。

遠くで発生した地震の津波も、米国やロシアなどとつくる太平洋津波警報センター (PTWC) の情報網で警報を流す。気象庁・地震火山部管理課は「見逃すことはない」と自信をにじませる。

さらに進んだ方法も研究中だ。海底に水圧計を置いて発生直後の津波の高さを測り、より正確な警報を出す方式だ。現在は十勝沖から四国沖まで十二の観測点がある。

まだ警報発令の参考にする段階だが、海洋研究開発機構の平田賢治研究員は「津波を直接測るのが一番。水圧計の数では日本が世界一」と話す。

これら日本の技術を役立てようと、防災科学研究所ではアジア太平洋の津波情報ネットワークづくりを計画中だ。

同研究所の石田瑞穂研究主幹は「アジア地域には津波情報を出すネットワークが整っていないところが多い」と指摘する。ネットがあれば、震源地から遠く、避難までの時間的余裕があった、インドやスリランカなどでは被害がかなり防げたかもしれない。「日本が中心になってやるべき取り組みだ」と話す。

■警報後

東海・東南海・南海の三地震が同時に起きたとき、もし住民がまったく避難しなかったとすれば臨海地域の都市の被害は拡大し、死者は一万人を超す可能性があるともいわれる。

避難ゼロは現実的な仮定でないとはいえ、日本での津波への意識は必ずしも高くない。

九月五日に東南海地震の震源域に近い紀伊半島沖でM7級の地震が二度起きた。三重県尾鷲市と群馬大学との共同調査では、最初の地震で避難した同市の市民は一割だけだった。東南海地震で想定した通りの津波が来たとしたら、人口約二万四千人の尾鷲市だけで二千二百人余りが犠牲になっていたという。

気象庁の警報を受けて住民を避難させるのは自治体だ。だが、東大社会情報研究所の広井脩教授は「自治体の対応にばらつきが大きい」と指摘する。警報を待たず、独自のシステムで住民に避難を呼びかける岩手県釜石市のような自治体もあれば、警報が出ても避難勧告を出さない自治体も少なくないという。

タイのプーケット島では死者の多くが観光客という。夏場には、東海地震の影響を受ける海岸部だけで約十万人が訪れるとされる。普段、沿岸部に住んでいない観光客の避難も大きな問題だ。

津波防災工学が専門の今村文彦東北大教授は「意識のあるなしで被害は二けた違う」と話す。東南海・南海地震の被害想定を発表する際、政府の委員会の座長をつとめた土岐憲三立命館大教授は「十メートルの津波は信じ難いかもしれないが、ぜひ想像してみてほしい」と繰り返している。

■津波が発生した主な地震

1896年6月 マグニチュード (M) 8.5の明治三陸地震。死者約2万2000人

1933年3月 M8.1の昭和三陸地震。津波と合わせ死者・行方不明者3000人以上

60年5月 M9.5のチリ地震。死者5700人。日本に押し寄せた津波の死者・行方不明者約140人

83年5月 M7.7の日本海中部地震。津波と合わせ死者・不明者100人超

92年12月 インドネシアでM7.5の地震・津波。死者2500人

93年7月 M7.8の北海道南西沖地震。奥尻島に津波被害、地震と合わせて死者・不明者約230人

94年6月 インドネシアでM7.2の地震・津波。死者約250人

98年7月 パプアニューギニア北西部沖でM7.0。同島北部に津波が押し寄せ、少なくとも2100人死亡

2004年12月 インドネシア・スマトラ島沖でM9.0の大地震。津波と合わせスリランカ、インドや東南アジア各国で2万3000人以上死亡

津波被災体験談 (12/28 18:45収集分)

2004-12-28 18:57:19 | 記事スクラップ
神戸新聞より
黒い波「夢中で逃げた」 兵庫などの旅行者
2004/12/28

巨大な波にさらわれてしまったのか。インド洋大津波の被災地で消息を絶ったまま、二十七日夜になっても安否確認できない日本人旅行者ら。タイのプーケットでは子供たちの不明情報も。船が店に突っ込み、住民の暮らしは家ごと押し流された。「どす黒い波がどこまでも追い掛けてきた」と命からがら帰国した観光客。「生きていて」。焦りの色が濃くなる中、国内で無事を祈る家族の中には居たたまれずに泣きだす人もいた。

スマトラ沖地震の津波に遭った日本人旅行者数十人が二十七日午後、バンコク発の日航機やタイ航空機で関西空港に到着、当時の様子を生々しく語った。

「人々が逃げ惑い、車のクラクションがけたたましく鳴った」。興奮気味に話すのはダイビングのためタイ・プーケット島に滞在していた西宮市の高校教諭高瀬少輔さん (59) 。多くの人の叫び声で津波に気付いた。津波は砂浜を、道路を内陸側に押し寄せた。「これはまずい」と夢中で約三百メートル逃げたが、どんどん追い掛けてきたという。

プーケットの空港に向け海岸を走る車窓からは、車の上に車が折り重なり、船が店に突っ込むなどの惨状が広がっていたという。

「第一波は高さ一メートル、第二波が一・八メートルくらいだった」と話すのは芦屋市の無職岡本光雄さん (60) 。津波が襲った後の海岸には、パラソルやデッキチェア、バルブが開いたままのプロパンガスのボンベなどが散乱。住民や観光客はひざから下にけがをした人が多かったという。

東京都葛飾区の会社員 (52) は高速道をタクシーで空港に向かう途中に津波を目撃した。

「地面が揺れる感じで津波が迫った。海岸から数百メートル離れていたが、頭の中が真っ白になった」。海岸に立つ平屋の民家より高い波が押し寄せ、家がのみ込まれるのが見えたという。

滋賀県長浜市の会社員岩崎靖彦さん (42) は「すごい勢いで潮が沖に引いていくのが見えた」。高台のホテルの二階に滞在、タクシーなどが下から一斉に上ってくるので不思議に思ったという。一階には海水が侵入し、ロビーで「知人が流された」と泣き叫ぶ人がいた。

福井市の介護職の女性 (51) も「前夜に食事をしたビーチのレストランが影も形もなくなっていた。津波は十メートルくらいあったとガイドが言っていた」と話した。

毎日新聞より (画像あり)
インド洋津波:
水着のまま避難所に プーケット観光客ら

【プーケット (タイ南部) 竹之内満】津波襲来から3日目となる28日朝、タイ最大の被災地となったプーケット中心部の県関連庁舎に設けられた臨時救援センターでは、宿泊先を失った観光客らが不安げな表情で参集。タイ当局によると、この日だけで約3000人が利用し、同日中にも被災者用の臨時航空便がバンコクに向け運航する。

救援センターでは、安否連絡用に無料電話の開放や、空港へのバス運行などを実施。観光客の多くは欧米人で、被災時の水着姿のまま地べたに座り込み、うつろな表情でアナウンスに耳を傾けていた。

休暇でピピ島へダイビングに訪れたという、東京都昭島市の公認会計士、三沢浩さん (37) は、島のダイビング店が旅券など預けた所持品ごと流されたため、救援センターに海水パンツ、Tシャツ姿で訪れた。

「ちょうど潜っている最中、急に水が濁り始め、強力な水流にもまれた。幸い、海面に上がれたが、最初は何が起きたのか分からなかった」と三沢さん。「島に戻り、浜には死体が並んでいるし、家屋が破壊されているのを見て初めて津波と分かり、恐怖を覚えた」と言う。三沢さんは「ダイビングは2回目だが、とんでもない経験をしてしまった。ああ、歯ブラシを買わなくては」と話し、初めて安堵 (あんど) の表情を浮かべた。

センターには日本大使館員2人も詰め、ほぼ24時間態勢で相談にあたっている。旅券の発行は、約500メートル離れたプーケット日本人会事務所で行っており、職員は絶え間なく訪れる邦人への説明に追われた。邦人観光客には海外在住者も多く「居住国の査証 (ビザ) はどう入手するのか」といった不安を口にする人も。

すでに50人以上が訪れたが、職員の一人はその様子を「恐怖と、無事の喜びと、所持品を失って呆然 (ぼうぜん) と」と説明。それでも各訪問者に、波にのまれた邦人を目撃しなかったか、など確認しながら安否照会も続ける。職員は「プーケットだけで10人近く行方不明者がいる。他県も入れるとまだ増えるだろう」と、焦りの表情を見せた。

毎日新聞 2004年12月28日 11時33分

毎日新聞より
スマトラ地震:
紙一重の生と死 各地の被害は

◇「何も残っていない」 インドネシア・アチェ州

震源地に最も近いインドネシア・スマトラ島北部のアチェ州では、州都バンダアチェだけで3000人が死亡したと伝えられる。しかし、交通と通信網は途絶し、どれだけ被害が広がっているのか確認できない状況。住民たちは「まるで神が怒りを爆発させたようだ」と声を震わせるばかりだ。

バンダアチェでは、地震で数多くの建物が倒壊。さらに津波にも襲われ多くの木造家屋が押し流された。AFP通信によると、地元住民は「ヤシの木ほどの高さもある津波が押し寄せた。町の中心部も深さ3メートルの水につかり、海に近い地域は完全に洗い流され、何も残っていない」と惨状を地元ラジオに語った。

「きちんと埋葬したいがあまりにも死者が多すぎる」。医師の一人はAP通信に人的被害のすさまじさを語る。バンダアチェ市内には数多くの遺体が散乱。約500人の遺体が集められた市郊外では、行方のわからない家族を捜す人々の姿が。住民がイスラム教徒のこの町では、モスク (イスラム礼拝堂) が遺体安置所になっているという。

町は停電し電話も不通になり、孤立状態。医薬品や食料も底をつき始めている。

アチェ州ではインドネシア政府と独立派武装組織との間で紛争が続いており、同政府は国際援助機関やジャーナリストらのアチェ訪問を制限してきた。【バンダアチェ (インドネシア・アチェ州) 岩崎日出雄】

◇社員旅行の日本人、無事避難 タイ・プーケット

東京都のメンテナンス会社経営、苅部伸二さん (42) は、部下3人と社員旅行でプーケットを訪れ、パトン・ビーチ沿いの商店街で買い物中、周囲のただならぬ様子に気付いたという。「住民たちが血相を変えてこちらに向かって走って来た。タイ語は分からないが『逃げろ』と言っているように思えた」と話す。苅部さんらは、急いで乗り合いタクシーのトゥクトゥクを捕まえ、近くの小山に避難したという。

部下の1人は「一番先頭で逃げていたのが警察官だった」と言う。「しかし、欧米人も含め逃げてくる人が皆必死の形相だった。瞬時にこれはマズイと思った。無事でよかった」と胸をなで下ろした。

プーケット中心部では27日、県庁施設内に臨時の救援センターが設けられた。各国大使館も職員を配置、臨時の旅券発給業務を行うなど対応に追われている。タイ当局によると、避難者は2000人を超え、さらに山頂などで一夜を過ごした観光客約1000人がセンターに入る見込みという。

ピピ島にダイビングをしに来たという東京都昭島市の公認会計士、三沢浩さん (37) は、島のダイビング店が旅券など預けた所持品ごと流されたため、救援センターに海水パンツ、Tシャツ姿で相談に来た。

三沢さんは「海中に潜っている最中、急に水が濁り始めたと思ったら、強力な水の流れにもまれた。何が起きたか分からなかった」と話す。「島に戻ると浜には死体が並び、家屋が破壊されているのを見て初めて恐怖を覚えた」

千葉市の地方公務員、墨谷明人さん (46) と東京都江戸川区の中学校講師、倉島由貴絵さん (34) は、ピピ島に到着直後、津波に遭遇した。「海面に太い横一線の波が見えた。怖くなって荷物を船に残したまま、友人と手を取り合って山を目指した」。途中で転倒、右足の指を負傷した。そのまま山頂で一夜を明かした。墨谷さんは「早朝は寒かったが、欧米人などが助け合って毛布などを集めてくれた」という。【プーケット竹之内満】

◇「水が音を立てて押し寄せた」 スリランカ

「海が突然盛り上がり、泳いでいた子供の姿が見えなくなった。気が付いたら水が音を立てて押し寄せた」。子供2人が波にさらわれる現場を目撃した漁師が語った。

震源地から約1400キロの同国を津波の第1波が襲ったのは、スマトラ島沖での地震発生から約2時間後の26日午前9時 (日本時間同日正午) ごろ。漁師によると、悪天候時の高波は波が高く見えても海岸線から数メートル程度で勢いが弱まり引いていく。しかし、津波ははるかに内陸部まで入り込んできた。「まるで大きな川のように、海全体が押し寄せてくるようだった」という。

それから約3時間、津波は繰り返し押し寄せた。被害が大きかった同国東部から南部にかけての海岸線では、高さ約9メートルにも達したという。

海岸近くの道路を観光バスで走行中だったというオーストラリア人旅行者の男性は「水はバスの床よりも低かったが、スリップしたようにバスが蛇行して横転しそうになった」と話した。【コロンボ西尾英之】

◇犠牲者に女性や子供多く インド

「私はどうしたらいいの? どうして生き残ってしまったの?」。約2300人が死亡したと伝えられるインド南部タミルナド州。その小さな漁村で、途方に暮れる女性の様子をロイター通信が伝えた。小さな娘は津波にさらわれ行方不明。漁師の夫と息子は津波のあった日に漁に出たまま戻ってこない。

犠牲者には女性や子供が多い。「大人の男は木や壁にしがみつくことが出来た。だが、女性や子供たちはそんな力がなかったんだ」と漁師の1人は話す。この漁師は「漁に出る勇気がいつ戻ってくるかわからない」と、海への畏怖 (いふ) を語った。

一方、震源地のスマトラ島沖北方のベンガル湾に浮かぶインド領のアンダマン・ニコバル諸島でも海岸沿いの多くの集落が津波で壊滅、大きな被害が出ている模様だ。約500の島々からなる同諸島の警察当局者はインドのテレビ局に対し、「少なく見積もっても3000人が死亡した」と語った。いまだに連絡が取れない島がいくつかあるといい、同諸島の被害状況は明らかになっていない。【コロンボ西尾英之】

◇低い波で安心感 直後、濁流一気に 負傷の大学職員

津波に襲われてアキレスけんを切り、バンコク・プーケット病院の5階の個室に入院した東京都豊島区の私立大学職員、柳沢裕之さん (46) は27日午後10時ごろ、当時の様子を生々しく語った。

柳沢さんは26日午前10時ごろ、プーケット最大のリゾート地、パタンビーチで木製のパラソルつきチェアに腰掛けていた。周囲の人が「ロータイド (引き潮だ) 」と叫ぶ声が聞こえ、約50メートル先に浮かんでいたはずのブイが砂上に見えた。さらに数百メートル奥まで潮が引いたため、立ち上がると、遠く沖の方から茶色い低い波がサーッと押し寄せてきた。

「津波は大きな波のイメージがあったので安心していた」というが、低い波が腰の高さになり、ホテルに戻ろうと砂浜を渡り、道路まできたところで茶色い濁流にのまれ、足を取られた。左足に痛みが走り、アキレスけんが切れていた。

水上バイクに乗っていた英国人の老夫婦がホテルまで運んでくれ、応急処置を受けた。病院には救急車で午後3時前に運び込まれたが、生命の危険な人が優先のため、手術は27日午前7時まで待たされたという。2時間に及ぶ手術後に東京の両親に電話をし、父の武雄さん (77) に「迎えに行こうか」と声をかけられ、ほっとして涙が出てきたという。

22日から1人でプーケットを訪れ、28日に帰国予定だったという。柳沢さんは「全く揺れを感じなかったので、警戒のしようもなかった。ビーチが込んでくる1~2時間後だったら、もっと悲惨なことになっていただろう」と話した。【プーケット宍戸護】

毎日新聞 2004年12月28日 2時43分

SankeiWebより
小6、家族とはぐれ野宿 ピピ島、津波に襲われ「どこへ…」

【プーケット島 (タイ南部) =岩田智雄】大津波から一日たったプーケット島。各国大使館の詰め所が置かれた県庁事務所は、家族や友人が行方不明になったり、パスポートを流されたりした観光客でごった返した。

その列の中に愛知県岡崎市の小学六年、杉本遼平君 (12) がいた。Tシャツに短パン、草履という姿。家族とはぐれて、不安な野宿の夜を過ごしたという。

家族四人で旅行にきた遼平君は、ピピ島の海岸で遊んでいて津波に襲われた。

「早く逃げろ!」。父親の孝幸さん (41) の声で家族は島の中へ走り出した。しかし、弟の知槻君 (8つ) =小学二年=が転んだため孝幸さんが助けに戻り、二人の姿はそのまま消えた。母親の正美さん (41) も、「どこへ行ったかわからなくなってしまった」 (遼平君) 。

遼平君は津波にもまれながらもバンガローにつかまり、救助の船に助けられた。プーケット島へ渡ったあと、一人で安全な丘に登ってニュージーランド人のグループに保護され、やはり避難していた日本人女性に引き渡された。

二十七日、女性とともに日本大使館の駐在員に家族が行方不明になっていることを届け出たが、大使館によると、家族は病院の入院者リストにはなく、安否はわかっていない。

プーケット島の沖合にあるピピ島は、もっとも津波被害の激しかったところだ。当時、百人乗りの観光船でピピ島に向かっていた米国人男性 (47) によると、突然、海が二つに割れたようになり、船の右側が盛り上がった。続いて船が津波の上に持ち上げられ、三百メートル前方のピピ島のバンガローの二階が同じ高さに見えたという。数時間、海上で待機したあと、プーケット島へ引き返したが、途中転覆した小型ボートにつかまったり、海上に浮かんだりしているダイバー四、五人を救助した。

ピピ島で救助されたある日本人女性は、救助船でシンガポール在住の日本人の小学生男児に出会ったが、この子も両親と妹が波にのまれ行方不明になったという。男児は左足にけがをしていたが、「チャンギ空港まで送ってくれれば、一人で家に帰れます」と気丈に話していたという。

プーケット島では二波にわたって津波が襲来、ビーチ沿いのホテルや店舗を一瞬にしてガレキの山に変えた。

ギリシャから来たジアヌーリディスさん (37) は、海岸線から百メートル離れたホテルにいた。「ゴー」という音が聞こえて一、二分後、第一波が襲ってきたが部屋の外でとまった。しかし十分後、さらに強力な第二波が襲い、海水は一階の室内の天井にまで達した。「お金もパスポートも何もかも流されてしまった。プーケットへ来るのはこれで最後にする」と話した。

各記事の整理&保存 (12/28 18:45収集分、支援関連)

2004-12-28 18:55:16 | 記事スクラップ
asahi.comより
被災海域へ自衛艦3隻派遣 政府方針、31億円援助も

スマトラ沖地震と津波による被災を受け、政府は28日、自衛隊をタイ・プーケット島周辺に派遣する方針を固めた。現地での行方不明者の捜索や救助に当たる。タイ政府の要請を受けたもので同日中にも町村外相が国際緊急援助隊派遣法などに基づいて防衛庁に派遣を求める。また、外務省は総額3000万ドル (約31億円) の資金援助をする方針を固め、まずインドネシアなど3カ国にこのうちの計300万ドル (約3億円) を実施する。

防衛庁は同日、すでに現在、テロ対策特措法でインド洋に派遣され、日本に帰還中だった海上自衛隊の護衛艦や補給艦をプーケット島周辺に向かわせ、外務省からの正式な要請を待ち捜索・救難活動を実施する。

派遣されるのは、シンガポール周辺を航行中の海上自衛隊のイージス護衛艦「きりしま」と護衛艦「たかなみ」、補給艦「はまな」の計3隻。護衛艦に搭載されているヘリコプターにより、プーケット島周辺で捜索・救援活動を行う方向だ。

これに関連し大野防衛庁長官は同日の記者会見で「自衛隊は国際緊急援助活動に対応すべく待機している。捜索・救難活動や、医療・防疫にニーズが出てくるかと思う。直ちに出て行ける態勢を整えている」と語った。

外務省が実施を決めた無償資金協力はインドネシア150万ドル、スリランカ100万ドル、モルディブ50万ドル。医薬品など援助物資の購入に充てる。今後も被災国の要請を受け、随時実施する。

同省は28日に省内の緊急対策本部の本部長を鹿取克章領事局長から町村外相へ格上げし、初会合を開いた。テント、毛布、発電機などの援助物資を同日中にもモルディブ (970万円相当) 、スリランカ (1470万円相当) 、インドネシア (2600万円相当) へ供与することを確認した。 (12/28 15:20)

japan.internet.comより
スマトラ島沖地震、インターネットでも拡がる救援の輪

著者: Erin Joyce
▼2004年12月28日付の記事
■海外internet.com発の記事

26日に発生したインドネシアのスマトラ島沖地震に伴う巨大津波で、沿岸部に壊滅的な被害を受けた周辺各国に対し、世界各地の団体やコミュニティが、インターネットを通じて救援の手を差しのべている。米国赤十字などの各救援団体は、27日から寄付方法に関する情報をオンラインで公開し始めた。

また、Blog 作成者たちも地震関連のリンクをピックアップして状況をたどり、スリランカ、インド沿岸部、タイなどを襲った津波被害の深刻さについて、迅速に情報を拡げている。

米国地質調査部によれば、26日の地震はマグニチュード9.0を記録したという。この地震により、場所によっては10メートルにも達する津波が発生し、東南アジア沿岸部の広い地域が被害を受けた。国際赤十字は、27日時点で死者数を2万3000人と概算し、遺体が原因となる伝染病の蔓延にも警告を発している。

ニュース報道によれば、これまでのところ、死者の半数以上はスリランカに集中しているが、インドのアンダマン ニコバル諸島、マレーシア、バングラデシュ、さらにはアフリカ大陸のソマリアでも大規模な停電のほか、深刻な被害が出ているという。

インドの Blog 作成者グループは、支援方法などの情報を共有するコミュニティ Blog『The South-East Asia Earthquake and Tsunami』(東南アジアの地震と津波) を立ち上げた。

同サイトには、インド政府の救援基金を通じた寄付協力を訴える、同国首相 Manmohan Singh 氏の懇請も掲載している。Blog に掲載した Singh 首相の声明によれば、インドの死者数は数千人にのぼり、家屋の被害額も甚大だという。首相は全国民に善意の寄付を呼びかけている。

またイギリスの救援団体 Oxfam は、特にスリランカ救援のための寄付方法に関する情報を、Web サイトに掲載した。Oxfam によると、スリランカが今回の津波でもっとも大きな被害を受けた国の1つで、同団体は初期的な推定値として、スリランカの死者数は5000人、直接被害を受けた人数は20万人、家屋を喪失した人は100万人に達するとの数字を示し、直ちに対応を始めたと発表した。

なお個人レベルでは、普段は一般的なニュースに関する話題を取り上げない個々の Blog サイトでも、スマトラ島沖地震による被害の甚大さに反応し、情報を取り上げるほか、寄付の表明などを始めている。

情報が錯綜しているようです

2004-12-28 18:49:37 | サイト
JANJANより
今日のマスコミ 12月28日

●インドネシア・スマトラ島沖の地震による津波の被害情報が錯綜している。【国際赤十字は、死者は最大2万3700人と発表した】と『読売』が伝えれば、『朝日』は【総計はインドやインドネシアなどを中心に2万2000人を超えた】、『毎日』も【ロイター通信などが各国政府発表をまとめたところによると、同日夜までの死者は10カ国で計2万2000人以上となった】と報じている。

さらに『日経』は【各国政府などの情報を総合すると死者は2万4000人を超えたもようで】と伝え、『産経』は【28日未明までにインド洋周辺10カ国で2万2000人を超え】と報じている。

また日本人の安否情報も錯綜している。『産経』は【邦人数十人が不明】とし、『毎日』が【日本外務省によると、日本人観光客の行方不明者は少なくとも20人で】、『日経』も【日本外務省などによると、日本時間同日 (編注:27日) 夜時点で20人以上と連絡が取れていない】と伝えている。

『朝日』は【日本人では、タイのプーケット島周辺で8人が波にさらわれ、スリランカでも観光客ら12人が行方不明になっている】、『読売』は【本紙の調べでは、日本からタイ南部プーケット島などへのツアー旅行に参加していた邦人計16人の無事が確認されていないほか、在留邦人ら10数人が行方不明となったり連絡が取れなくなったりしている。また、スリランカ政府閣僚は、死亡した外国人観光客19人のうち8人が日本人だった述べた】と報じている。

経済ニュース

2004-12-28 18:37:15 | 記事スクラップ
REUTERSより
[情報BOX]スマトラ島沖地震、災害国への状況・企業や市場の反応など
2004年 12月 28日 火曜日 17:55 JST

[シンガポール 28日 ロイター] スマトラ島沖地震に伴う津波は、現時点でアジアで2万6000人以上の死者を出しただけでなく、域内外の企業、経済、市場にさまざまな影響を与えている。

以下は、その一例。 (カッコ内の日付は、GMTベースの報道時間)

<経済>

*国連緊急援助調整官室 (OCHA) のイゲランド室長、被害の規模が数十億ドルに上るとの見通し示す。 (12月28日)

*エコノミスト、国内総生産 (GDP) の6%を占めるタイの観光に長期的ダメージはないと予想。新型肺炎、重症急性呼吸器症候群 (SARS) や今年散発している南部の抗争より影響は軽微と見込む。 (12月27日)

*インド財務相、津波が同国財政に深刻な影響を与えない、との見方。その後、当局者が、津波関連の税金や復興目的で国債を追加発行するなどの計画はない、と表明。 (12月27日)

*インドネシア政府、財政赤字をコントロールすることに努力。財務省高官は、災害資金の手当ては管理可能と述べるが、影響の詳細には触れず。 (12月27日)

<ビジネス>

*東南アジアのリゾート、格安航空が最近運行を開始したところで津波災害に見舞われる。災害から復興するには最大で半年要する可能性も=OCBC銀行エコノミスト (12月28日)

*日本の損害保険会社の反応。ミレアホールディングス<8766.T>、あいおい損害保険<8761.T>、三井住友海上火災保険<8752.T>は、まだ顧客から関連の損害補償請求は来ていない、と表明。損害保険ジャパン<8755.T>は、影響を算定するのは時期尚早との見解。 (12月28日)

*独ミュンヘン再保険とスイスのチューリッヒ・ファイナンシャル、まだ被害コストを算定できない、と表明 (12月27日)

*仏リゾート大手クラブメッド、損害は保険によって補てんされるとの見通し示す。同社は、津波が襲ったモルジブとプーケットにリゾート施設を持つ。 (12月27日)

*欧州最大手の旅行会社TUI、津波による業績への大きな影響はない、との見通し示す。 (12月27日)


<商品/エネルギー>

*石油輸出国機構 (OPEC) 加盟国のインドネシア、日量100万バレルの石油生産と輸出に影響なし。 (12月26日)

*スマトラ島からの天然ゴム輸出、設備損傷で一部に遅れ。 (12月27日)

*世界最大のコメ輸出国タイ、穀物輸出に支障なし。出荷地の大半が、津波被害と関係ない北東部であるため。 (12月27日)

<マーケット>

*28日のバンコク株式市場。ロイヤル・ガーデン・リゾーツやラグーナ・リゾーツ・アンド・ホテルズが、施設が被害を受けたとのニュースでそれぞれ2.1%、1.0%下落。半面、復興需要期待でサイアム・セメントやサイアム・シティ・セメントが0.8%、1.7%それぞれ上昇。 (12月28日)

*アジア通貨。27日に0.25%前後下落したタイバーツとインドネシアルピアは、28日序盤では横ばい。インドルピーとスリランカルピーは、27日はほぼ変わらずで引ける。 (12月28日)

*27日の欧州株式市場、保険、観光株が売られる。 (12月27日)

※原文参照番号[nSP146255]