プーケット津波情報総合 (スマトラ沖地震)

Webや口コミで収集した情報のまとめです。「一覧」のカテゴリーに各種情報のまとめを置きました。

各記事の整理&保存 (12/29 02:20収集分、救援関連)

2004-12-29 02:20:29 | 記事スクラップ
毎日新聞より
スマトラ地震:
救急・衛生、空前の危機

◇日本、3000万ドル緊急支援

日本政府は28日、インドネシア、スリランカ、モルディブの3カ国を中心に計3000万ドル (約31億円) の緊急無償資金協力を表明した。今後、短期的には国際機関の要請に応じ食料、水などの緊急物資を支援し、中長期的には2国間支援として地震や津波で破壊された社会資本整備にあたる方針だ。

小泉純一郎首相は同日、記者団に「できるだけの支援をするよう準備している。必要な支援をしなければならない」と強調した。

3000万ドルの資金援助は、米国の1500万ドルや欧州連合 (EU) の410万ドルなどを上回り、当面の支援額としては最高規模。日本の支援は従来、被災国の要請で動き出す「要請主義」で、後手に回りがちとの指摘があった。特に緊急無償資金の場合、具体的な使途の調整が必要で即断が難しい事情があるが、「アジアで起きた大災害であり、要請を待たず積極対応したい」 (町村信孝外相) と即断した。「各国が続々と資金援助を表明する中、乗り遅れてはいけない焦り」 (外務省幹部) もあった。

一方、海上自衛隊の護衛艦2隻と補給艦1隻の派遣も決めた。これは国際緊急援助隊法に基づくもの。救難救助を目的とする自衛隊の海外派遣は初めて。3隻はテロ対策特措法によるインド洋での活動を終えて帰国途中だったが、急きょ派遣が決まり、29日にタイ・プーケット島近海に到着する。搭載したヘリコプターで海上での捜索活動などを行う。

このほか、政府は29日、タイに国際緊急援助隊の捜索救助チーム約50人を派遣する。医療チームはすでにスリランカに派遣しており、モルディブ、タイ、インドネシアにも派遣する。支援ニーズの把握が課題だけに、インドネシアには調査チームを派遣、支援要請のないインドなどでは大使館員が状況把握に乗り出した。【前田英司】

◇日本NGOも救援開始

被災地の救援活動も始まった。国際医療援助団体「AMDA」 (本部・岡山市) は被災国や周辺に置く支部・事務所と連携し救援活動を進めている。このうち、調整員の諏原日出夫さん (58) は28日午前、インドネシア支部の医師6人とともにスマトラ島北部のアチェ州に到着、医療活動や被害情報の収集を始めた。このほか、スリランカ、インドなどでも、NGOなどと合流し、医療活動を実施する。

菅波茂AMDA代表 (58) は「被害の大きさも活動の範囲も、ともに経験したことがない規模。復興支援まで視野に入れ、全世界のネットワークを活用して救援活動に当たりたい」と話した。

京都市のNGO「日本国際民間協力会 (NICCO) 」は、スリランカに先遣した男性スタッフ1人が28日中にコロンボに到着する予定。29日には事務局長の折居徳正さん (36) が現地に向かい合流。30日からまず必要な支援品の現地調査を行ったうえで調達活動に入る。

コロンボと被災地が離れており、交通や通信が遮断されて詳細な状況はつかめていない。折居さんは「心配されるのは衛生環境。清浄な飲料水、トイレやシャワーなどの設備、下痢対策の医薬品といった物品が必要だと想定している。日本の小さな団体だが、現地のニーズに即した支援を行い、少しでも人々の役に立ちたい」と語った。【四谷寛、野上哲】

◇被害”第2の波”恐れ

犠牲者・行方不明者の収容、捜索に加え、国際社会にとって大きな挑戦となるのが、津波で家をなくした避難民やインフラが壊滅した被災地への復旧支援だ。避難民は被災国全体で数百万人に上ると推定され、アクセスが困難な遠隔地も多い。事態は、「先例のない多角的努力」 (国連のエグランド人道問題調整官) を迫っている。

すでに1万2000人を超える死者が確認された最大の被災国スリランカだけでも、避難民は100万人以上に及ぶ。急がれるのは救急医療、食料、安全な飲み水の確保など。特に、同国では飲料水を井戸水に頼っている地域が多く、冠水による被害は深刻だ。スリランカ政府は「浄水剤や井戸の洗浄装置が必要だ」と強く訴えている。

津波被害では、汚れた飲料水を媒介とするさまざまな伝染病で、犠牲者がさらに増える恐れが強い。放置遺体の腐敗は最大の感染源になりかねない。このため、スリランカ政府は手続きを省略して多数の遺体の埋葬を急ぐ構えだが、同国では12月でも最高気温が30度に達し、遺体の腐敗はすでに始まっている。

遺体処理問題では、各国から悲痛な声が届く。震源に近いインドネシア・スマトラ島のバンダアチェ郊外には1000体以上が放置されたままで、軍関係者が十分な収納袋がないと支援を要請。3600人以上が犠牲になったとされるインド南部タミルナド州でも、野ざらしにされた遺体の腐敗が始まっているという。

国際赤十字社・赤新月社連盟 (本部・ジュネーブ) は26日、伝染病予防対策で今後6カ月に50万人を支援するため、666万ドルが必要になると見積もり、各国に拠出を求めた。事務局幹部は「我々が直面する最も大きな健康への危機は、飲料水を媒介としたマラリア、下痢、そして呼吸器系伝染病だ」と語った。被災地の病院が倒壊したケースも多いという。

エグランド人道問題調整官は27日の記者会見で、津波による死傷者被害を「第1の波」とし、数百万人の飲み水が汚れたことから予想される伝染病まん延を「第2の波」と呼んだ。同調整官は、今回の地震・津波被害への対策に必要な支援額は史上最高の数十億ドルに上ると表明。被災地が広域に及ぶこともあり、今後数日以内に、数百の航空機が緊急援助物資の輸送に当たるだろう、との見通しを示した。

世界食糧計画 (WFP) はすでに、スリランカで50万人に2週間分の食料を供給するための活動を始めている。

毎日新聞 2004年12月29日 2時11分