プーケット津波情報総合 (スマトラ沖地震)

Webや口コミで収集した情報のまとめです。「一覧」のカテゴリーに各種情報のまとめを置きました。

各記事の整理&保存 (12/30 18:40収集分、復興関連)

2004-12-30 18:40:22 | 記事スクラップ
ロイターより (画像あり)
海外の法医学専門家、身元確認作業でタイの被災地入り

2004年 12月 30日 木曜日 18:09 JST

[カオラック (タイ)  30日 ロイター] スマトラ島沖地震に伴う津波の被害を受けたタイでは30日、死者数と行方不明者数が増加するなか、海外の法医学専門家が遺体の身元確認作業に加わった。
ドイツやスイス、オランダ、オーストラリアなどの専門家チームが、被災したアンダマン海沿岸地域で活動を開始。またプーケット島では、スイスとオランダのチームが活動準備を整えており、ニュージーランドのチームも現地に向かっている。

今回の津波でタイでは、外国人観光客を中心に1975人が死亡したとされ、6043人の行方不明者のなかには、外国人観光客も多く含まれるとみられる。

地元警察当局は、北欧諸国やドイツからの旅行客に人気のカオラックで、3000人前後が死亡した可能性も指摘している。

カオラック警察は、地元沿岸のみで既に1800人以上の遺体を収容したことを明らかにしており、タイ国内の死者数はさらに大幅に増える見通し。

CNN.co.jpより
スマトラ沖地震、タイ観光産業の損失額は780億円と

2004.12.30
Web posted at: 18:15 JST

タイ・プーケット──スマトラ島沖地震による津波で、プーケットなど有数の観光リゾート地が大きな被害を受けたタイの旅行業界団体は、観光産業の損失額は約7億5000万ドル (約780億円) に達するとの試算を発表した。

タイを訪れる観光客は今年、新型肺炎SARSや鳥インフルエンザ発生の影響で観光収入が落ち込んだ前年から、20%増の約1200万人に達した。しかし、地震と津波の影響でこれまでに、120万人の観光客がタイへの旅行を取りやめたという。今後数カ月間で、計200万人がキャンセルする可能性があるという。

また、クンプルム観光スポーツ相は、リゾート地の失業者は20万人に達する可能性があると述べた。

被災地の視察を終えたタクシン首相は、観光資源だったタイ南部の生態系が、大きな被害を受けているのを確認、「早急なホテルの再建などを実施しても、観光客を呼び戻すには時間がかかるだろう」と述べた。

クンプルム観光スポーツ相によると、プーケット島にあるホテル200軒のうち、被害を受けたのは約40個所と指摘している。

津波被災体験談 (12/30 16:00収集分)

2004-12-30 16:10:00 | 記事スクラップ
nikkansports.comより
タイで子供、象の背中で津波免れる

英PA通信は29日、タイ・プーケットに滞在中の英国人観光客の話として、巨大津波が同地を襲った際、浜辺にいた子ども数人が象の背中に乗せられ、大波にのまれる難を免れたと報じた。

観光客の目撃談によると、象は子どもを遊ばせるために連れて来られたが、飼育係が機転を利かせて子どもたちを背中に乗せたという。

観光客はホテルにいて無事だったが、浜辺にある施設などは津波で完全に壊滅したという。 (共同)

[2004/12/30/11:37]

人民網日本語版より (画像あり)
中国人観光客、プーケットで津波の現場を撮影

タイ・プーケット島への旅行ツアーに参加した中国人観光客が、持っていたデジタル・ビデオカメラでスマトラ島沖地震による津波の様子を撮影していたことが分かった。

撮影したのは北京からの観光客・張磊さん。同島南西部の海岸で観光中に、津波が発生したという。

張さんによると、26日午前10時ごろ、グループで海岸を観光中、海に波が立ち始め、岸に押し寄せてきた。波のスピードは非常に速く、遠くから見たところ、最も高いところで約5メートルに達していたとみられる。

撮影されたビデオ映像には、沖から押し寄せる大きな波や、逃げる観光客、押し倒される樹木、築10年以上のホテルが波に飲まれて倒壊する様子など、現場のもようが映し出されている。

現場の状況はそれほど深刻ではなく、津波は約10分で引き、ツアー客は全員無事にホテルへ戻ったという。 (編集YH)

「人民網日本語版」2004年12月30日

西部日刊スポーツ新聞より
スーパーモデル命拾い、ヤシに8時間

チェコ出身のスーパーモデル、ペトラ・ネムコバ (25) がプーケット北部で津波に遭ったが、椰子の木につかまって8時間後に救出されていたことが29日わかった。複数のメディアが報じた。しかし、同行していた恋人の英国人写真家サイモン・アトレー氏 (33) は行方不明になっている。


ネムコバは10日間のクリスマス休暇をプーケット島で過ごす予定で、アトレー氏と浜辺の小屋に滞在していた。しかし、津波が小屋を直撃し、小屋が流されたという。ネムコバは「巨大な波で、私たち2人は小屋から放り出された」と話した。濁流の中で、水面上に出ていたヤシの木の先を見つけ、必死にしがみつき、救助を待った。一緒にいたアトレー氏は波に流されていったという。「みんな叫んでいて、子供たちの助けを呼ぶ声が聞こえた。数分後、それも聞こえなくなった」という。8時間の間、何体もの死体が近くを流れていった「生き残るために必死だった」という。

マネジャーによると、ネムコバは病院に収容され、命に別状はないが、骨盤を骨折、精神的なショックを受けているという。

ネムコバは、米誌スポーツイラストレイテッドの03年版水着特集の表紙を飾って、一気にブレークしたスーパーモデル。同誌の水着特集は全米で必ず売り切れる人気の特集。そのほか、ファッション誌エルや、ハーパーズバザーの表紙を飾ったほか、高級ブランド「カルティエ」とも契約。高級下着「ビクトリアシークレット」のモデルも務めた。

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2004-12-30 16:07:54 | 記事スクラップ
asahi.comより
プーケット島の津波最大15m 海洋研究開発機構が解析 (画像あり)

スマトラ沖大地震で発生したインド洋大津波の波高の推定分布が、海洋研究開発機構の解析でわかった。海岸での高さは、タイのプーケット島の北で最大15メートル、震源に近いスマトラ島西端では同20メートルに達した可能性がある。

長さ約1300キロの断層が平均7メートルずれた場合と、南半分だけずれた場合にわけて、発生後4時間で起こる最大波高をシミュレーションした。

同機構が、長さ約1300キロの断層が平均7メートルずれた場合と、南半分だけずれた場合にわけて、発生後4時間で起こる最大波高をシミュレーションした。

大きくずれた場合、プーケット島の北やインド領アンダマン・ニコバル諸島付近で最大15メートル、スリランカ北端で10メートル、インド南部東岸で8メートルの津波が起きたという計算結果がでた。半分の場合は、これより低かった。

いずれのケースでも、津波は東西に広がる傾向が強い一方、南北への広がりは比較的弱く、被害状況と一致している。

同機構の平田賢治研究員は「プーケット島付近で波が高かったのは、弓なりになった震源域の焦点に位置したからではないか」と話す。 (12/30 15:30)

神戸新聞より
研究員2人をタイへ派遣 アジア防災センター

2004/12/30
スマトラ沖地震を受け、国際防災拠点「アジア防災センター」 (神戸市中央区) は二十九日、津波被害の調査のため羽鳥友彦主任研究員 (37) と中村晃子研究員 (37) の二人を、三十日から来年一月二日までタイのプーケット島に派遣する、と発表した。

観光施設などで被害状況や防災体制を調査する予定で、中村研究員は「多国籍の人々が集まる観光地で、災害情報や避難の必要性をどうやって伝えるかなど、今後の災害への対応策も考えたい」と話している。

同センターは、別の研究員二人を既にスリランカへ派遣。被害が大きい他の国にも、研究員を随時派遣する方針という。

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2004-12-30 01:56:22 | 記事スクラップ
読売オンラインより
津波警報出ていれば…被害者から憤りの声

【プーケット島=飯田達人】「なぜタイ政府は津波警報を出してくれなかったのか」――。地震発生からタイ南西部を津波が襲うまで約2時間あったが、その間、海岸にいた観光客らに津波に関する情報は全く伝えられなかった。

タイ当局が観光への影響を懸念してあえて警報を出さなかったとの地元報道もあり、被害者らの怒りが高まっている。

福岡市内のアパレルメーカー社長でイタリア人のアルド・トレリさん (47) は、長男のルカ佑樹君 (14) と一緒に、日本人の妻恵子さん (43) と長女令亜 (れあ) さん (13) 、姉のグラッツィア・トレリさん (52) の行方を捜している。

アルドさんらは、パンガー県カオラックのホテルに滞在。26日午前、アルドさんはホテルのテレビで地震発生のニュースを見たが、その時には恵子さんと令亜さんはホテル前の海岸に向かっていた。アルドさんと佑樹君もホテルの中庭へ出た。「まさか数百キロも離れたカオラックに津波が来るとは思わなかった」とアルドさんは振り返る。

突然、水平線に白い波が見え、アルドさんと佑樹君は近づいてきた波にのみ込まれた。「日本ならすぐにテレビが津波の情報を流す。なぜ、こんな大きな地震なのに、津波の恐れがあるという注意さえなかったのか」。アルドさんは目に涙をためながら、何度も首を振った。

ピピ島の海岸で不明となった妻の田中由美さん (32) の行方を捜しているオーストラリア人、ダミアン・クルートさん (28) は、地震があったことを全く知らなかった。クルートさんは「津波の警告を出してくれたら、妻を含め多くの人が被害に遭わずに済んだのに」と悔しそうに語った。

パトンビーチ近くで4年前から飲食店を経営している石地宏さん (46) によると、地震発生時にはプーケット島でも震度1程度の弱い揺れが約1分間続いた。だが、近所の人はだれも地震に気付かず、地元のテレビも報道しなかったという。石地さんは「タイのニュースは今も『津波』ではなく、『洪水』と呼んでいる。地震がどういうものか知らない人が多い」と話す。

在バンコク日本大使館職員の1人は「タイでは地震がほとんどなく、津波の被害も聞いたことがない。国民も地震に備える意識はなく、タイの気象庁の対応も遅れたのではないか」と指摘している。

(2004/12/30/01:32 読売新聞 無断転載禁止)

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2004-12-30 01:55:14 | 記事スクラップ
読売オンラインより
タイ「遺体すべて火葬」方針、家族に動揺

「遺体に会えないかも知れない」「遺骨さえ帰らないのか」――。インド洋沿岸を襲った大津波から4日目となった29日、タイ政府は、プーケットやピピ島での身元不明の遺体について、外国人であっても、すべて現地で火葬にするとの方針を各国大使館に伝えた。

「遺体の傷みが激しく、2次的な疫病被害をくい止めるため」との理由だが、安否を気遣う家族には、やりきれない悲しみと動揺が広がった。

「火葬というのは、すごくショックです……」。タイ本土南部のリゾート地、カオラックで連絡が取れなくなった藤本仁さん (44) (東京都新宿区) の母親 (72) は、動揺を隠せない様子で語った。「たとえどんな事態になっても、安否が分かればすぐに現地に行けるよう準備している。息子は旅慣れているので、どこかに避難していると信じたい」と祈るように話した。

藤本さんは勤めている出版社の同僚、西川浩子さん (38) (同豊島区) とともに行方不明になっている。休暇返上で出版社で2人の帰りを待つ男性社員 (39) は「犠牲者が相当数に上るという事情からだろうが、心情的には納得できない」と話した。

「遺体をだびに付すのは、腐敗が激しいからでしょう。この国のルールなのだから……」

オーストラリア人の夫と旅行中に消息を絶った田中由美さん (32) を捜すため、プーケット空港に到着した父の章さん (62) (東京都北区) は苦渋の表情を浮かべた。「由美はどこかの病院に収容されている。そう信じるしかありません」と自分を励ますように語り、空港を後にした。

ピピ島で連絡が途絶えた中部電力社員 (34) を捜すため、現地に派遣された社員の1人は、「遺体の髪の毛やつめなどを残して焼却するらしいという話は耳にした。しかし日本大使館と連絡が取れず、正確なことはわからない」と、沈痛な面もちだった。

現地は熱帯モンスーン気候で、今は乾期だが、最高気温は33度前後、最低気温は25度以下には下がらず、湿気の多いじめじめとした天気が続いている。

プーケットにいる在バンコク日本大使館職員の1人は「強い火力で焼くので、遺骨があまり残らない可能性もあると聞いている。行方不明者の家族の心情を察するとつらい」としながらも、「このまま遺体が放置されれば、感染症がまん延することは明らかで、やむを得ない面もある」と語った。

(2004/12/30/00:09 読売新聞 無断転載禁止)

nikkansports.comより
カオラックは泥に覆われた死の海岸に

屋根が押しつぶされたバンガローの脇には、泥に埋まった遺体が放置されていた。根元から折れた木々、大破した車、吐き気を催すほどの死臭-。津波で壊滅的被害を受けたタイ南部パンガー県カオラック。海辺のリゾートは突然の大波で、泥と残骸 (ざんがい) に覆われた“死の海岸”に変わっていた。

スマトラ沖地震発生から4日目の29日。カオラックの海岸にあるホテル「ラグナ・ビーチ・リゾート」敷地内では、軒並み大破したバンガロー群の周りに、流木や建物の残骸が散乱していた。旅行客のものと思われるかばんや靴も散らばる。

カオラックはプーケットの北郊にある新興リゾート。近年は欧米人や日本人も多く訪れる。「ホテルに泊まっていた外国人ら数百人はほとんど死んだ。生き残ったのは数人だけ」とホテル従業員の男性、サイアン・ナムシリさん (34) 。「波が退いた後には100体ぐらいの遺体が散乱していた」「友達も、仕事もみな失った。この気持ちは言葉で表せない」。話しながらサイアンさんの目はみるみる赤く染まった。

海岸では、津波で行方不明となったホテル従業員の夫 (29) を捜しに訪れたロチャナー・ソンタクシーさん (28) が、海面をじっと見詰めていた。津波の翌日から毎日通っているという。「身分証明書や財布は見つかったが、夫の安否はまったく分からない。見つかるまでは毎日ここに捜しに来るつもり」。

近くにいた親類が「おい、また遺体だ」と声を掛けた。駆け寄ると建物の残骸の陰で、人間の足が泥の間から姿を見せていた。

海岸から3キロほどの道路脇の広場には、ビニールシートとひもでくるまれた約50人の遺体が野ざらしで並べられていた。強い死臭が漂い、多くの人はマスクや手で鼻を覆っている。

近隣のタクアパ病院にはこれまで、津波に巻き込まれた1000人近くが骨折などで運び込まれ、日本人数十人も治療を受けた。副院長のソンブーン・スクンタンピー医師 (48) は「近くの寺院には1000人近くの遺体が安置されており、行方不明者も1000人以上いる。津波の被害は、この周辺がタイで最悪だろう」と話した。 (共同)

[2004/12/29/19:44]

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2004-12-29 19:43:18 | 記事スクラップ
asahi.comより (画像あり)
海自艦がプーケット島沖に到着、被災者の捜索・救助開始

スマトラ島沖地震で、国際緊急援助隊派遣法に基づき、タイ・プーケット島に派遣された海上自衛隊の護衛艦「きりしま」「たかなみ」と補給艦「はまな」が29日、同島沖に到着し、被災者の捜索・救助活動を始めた。たかなみは近くの洋上で男性の遺体1体を収容した。派遣部隊は30日以降も洋上での捜索活動などをする予定。

防衛庁に入った連絡によると、たかなみは29日正午ごろ、プーケット島西方約13キロの海域で男性の遺体を発見して収容。艦載の哨戒ヘリコプターでプーケット国際空港に運んだ。タイ人とみられるという。

周辺海域では、土砂の流出による海水の色の変化などはないが、ところどころに津波で流されたとみられる浮遊物が浮かんでいるという。

タイ政府側は、同島西方海域での捜索・救助を求めており、海自は艦船とヘリで捜索にあたる方針だ。

(12/29 19:34)

CNN.co.jpより
増加一途の犠牲者数、緊急支援が本格活動、スマトラ沖地震

2004.12.29
Web posted at: 19:30 JST

- CNN/REUTERS/AP

インドネシア西部スマトラ島バンダアチェ――スマトラ島沖の地震・津波被害で、インドネシア保健省は29日、同国内の犠牲者は3万2000人を超えた、と発表した。道路崩壊などでこれまで立ち入ることが出来なかった地域での調査が進み、予想以上の甚大 (じんだい) な被害が判明したとしている。

被害状況の把握がさらに進めば、死傷者数がさらに増えるのは確実な情勢。ナングロアチェ州に入ったCNN記者は、州都バンダアチェの状況について、「中心部がほぼ、完全に破壊されている」と惨状を報告している。

地震・津波被害はこれまで、少なくとも12カ国で確認されているが、ロイター通信は、各国政府に問い合わせた集計をまとめ、犠牲者は29日までに6万8000人以上に達した、と伝えた。

インドネシア政府はこれまで、確認された死者は2万7174人としていた。他国では、スリランカで2万2000人、インドで1万2500人、タイで1538人などとなっている。スリランカでは、コロンボ発ゴール行きの列車が津波に襲われて脱線し、約1000人が死亡した。

被災地を視察したインドネシアのカラ副大統領は29日、同国の犠牲者数は最大で4万人に達する可能性があるとの見方を示した。被害が甚大なスマトラ島北端、ナングロアチェ州の総人口は約450万人。

副大統領はまた、食糧、衣類、医薬品や避難施設の整備で約1億5000万ドルの緊急財源が必要と指摘、国際社会に協力を呼び掛けた。

一方、タイ・プーケット島をはじめとするリゾート観光地では、クリスマス休暇を過ごす外国人が多く滞在しており、約2700人の外国人が依然、行方不明になっている。

スリランカでは、世界食糧計画 (WFP) の貯蔵庫にあった米、砂糖など食糧を積んだトラックが被害の大きい同国南部、東部海岸地域の被災地へ出発。日本、インド、ロシア、フランスなど各国の緊急医療援助隊も被災各地に入り、支援活動を本格開始した。

毎日新聞より (画像あり)
インド洋津波:
観光産業に大打撃 タイ・プーケット島

【プーケット (タイ南部) 藤田悟】観光産業に依存するプーケット島では、津波で海岸沿いが大きな被害を受け、大打撃を受けている。ホテルやレストランなど観光関連施設はビーチ周辺に集中しているため、影響は深刻だ。

西岸の南寄りに位置するパトンビーチは南北約2キロにわたって砂浜が広がる代表的なビーチ。しかし、湾が入り江状であるため、津波の被害が特に大きかった。津波から3日を経た29日も、根元から折れたヤシの木が無残な姿をさらし、波に流された車が建物に突っ込んだままだ。

ショッピングセンターの地下で食堂を営むブンチュット・サーイヨさん (40) は、仕事の準備中に被害に遭った。「大波が来るぞ」という誰かの叫び声を聞いた直後、水が押し寄せ何も見えなくなった。体が浮き上がり、夢中で泳ぎ着いた先は近くのホテルの2階。しかし、手伝いに来ていた長女チュララックさん (14) は行方不明だ。

ショッピングセンターは1階と地下が破壊され、食堂も流された。「娘も仕事も消えてしまった」とブンチュットさん。

ビーチ近くのプーケット・グレースランドは、部屋数460の大型ホテルとして1月オープン予定だった。ところが、津波で1階が完全に水につかり、電気製品や家具類などが使い物にならなくなった。「予約でいっぱいだったのに、すべてキャンセルです」とマネジャーのスチャート・ヒランカノクルさん (59) はため息をつく。

2月開業を目指し、懸命の修復作業に取り掛かっている。「ただ、開業してもどれだけお客さんが来てくれるか……」

タイ政府は、被害施設の件数や損害はまだ把握できていない。島の復興の見通しもまったく立たない状況だ。

タイの旅行業協会は05年の観光収入を3000億バーツ (約7900億円) と見込んでいたが、ドル箱のプーケットなどの被災により10%程度落ち込むと見込んでいる。

毎日新聞 2004年12月29日 19時28分

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2004-12-29 12:06:04 | 記事スクラップ
東京新聞より
海辺の楽園津波対策なし

インドネシア・スマトラ島沖で起きた巨大地震と津波になぎ倒されたタイ南部の人気リゾート・プーケット島。世界各地から観光客が訪れ、電話やテレビ、インターネットなど情報を得る手段は豊富に整備されているプーケット島で、なぜ、これほどの大きな被害が出たのか。背景を被災現場で検証した。  (プーケット・平田浩二)

◆情報提供

「ホテルから注意を呼び掛けるアナウンスなどは全くなかった」。被害に遭った観光客は口をそろえた。インドネシアの地震の発生はタイの現地時間で午前八時ごろ。それから約二時間後の午前十時に第一波、そして約三十分後に第二波がタイ南部を襲った。

「津波と入れ違いで沖に出たようなもの。一時間遅かったら確実に巻き込まれていた」。茨城県取手市の主婦山田智恵子さん (37) は、地震発生を知らずにカオラックの港からダイビングのため大型船で午前九時に出航。一時間後は外洋に出ていて「うねりも全く感じなかった」。船上で一泊して港に戻ると、ホテルは跡形もなかった。

パトンビーチにいた千葉県横芝町の公務員鈴木善之さん (45) は「子どもたちがピチャピチャはねる魚を手づかみできるぐらいに水が引いたので不思議だと感じたが、誰も慌てないのでまさか地震が発生していたとは思いもよらなかった」と話す。

◆無防備

今回、プーケット島や東側に浮かぶピピ島でも湾内での被害が激しく、近くの家屋などは壊滅状態となった。

「急に水が引くのは津波の前兆。湾内は波が集中し特に威力が増す」と強調するのは、プーケット県鉱物資源センターで海洋地質や潮流などを調査しているタウィ・トンタン研究員。

さらに湾内に島がある海岸では津波の第一波が引いた際に島にぶつかり、威力を増して第二波となって海岸に押し寄せるため被害が大きくなるといい、無人のプー島を抱えるカタビーチの被害が大きかった原因を分析する。

そのうえで「ただ、タイではそうした知識を持っている人はわずか。もちろん大きな地震を経験した人はだれもいない。これまでせいぜいマグニチュード7程度が最大だった。地震・津波対策という意識は行政や観光関係者には全くなかった」と話す。

自然災害に知識のあるトンタン氏でさえ、大きな揺れを感知した当日、災害担当部署に状況を問い合わせただけ。「分からない」と答えられ、それ以上の詳報な情報収集の必要性を感じなかった。

プーケット県の気象担当者も本紙の取材に対し「地震の発生に伴う津波警戒を住民に呼び掛けるような義務はないし、そもそも想定していない」と答えた。

パトンビーチのホテル従業員は「火事の避難訓練はしているが、地震や津波時の訓練はしたことがない。スマトラ沖で発生した地震をテレビで知ったが、気にならなかった」という。

◆対策

各観光ビーチにはライトアップのための電灯は設置してあるものの、日本ではどこでも見かける見張り台やスピーカーは見あたらない。今回の惨事を機に海岸沿いにサイレン設置などの対策を講じる方向で検討が進められている。

トンタン氏は「プーケットのような観光地では旅行者の神経は散漫になりがち。今回、だれもが海が怖いことを身に染みた。旅行者の命を守るには、わたしの専門の地質学や気象、広報など各行政部署が情報を共有し、民間に提供するシステムづくりが早急に求められるだろう」と指摘した。

中日新聞より
なぜ津波警報できず
タイ政府が調査へ

【バンコク=山田伝夫】スマトラ沖地震津波で、国際観光地プーケットなどで約千五百人にのぼる死者を出したタイ政府は、「なぜ、津波警報が出せなかったか」について、タイ気象庁を徹底調査することを決めた。今回、犠牲が目立つタイ、スリランカ、インド、インドネシアなどでは、事前に危険が知らされないまま大惨劇につながり、各国では政府への批判が強まっている。

二十八日付のタイ英字紙「ネーション」が、「警告はあまりに小さく、あまりに遅かった」との見出しとともに伝えた。

気象庁を所管するスラボン情報技術通信相によると、気象庁の技術的、構造的問題を調査するチームを速やかに設置。気象庁がいつ地震を把握し、どのように対応したのか、津波の危険は察知できなかったか、などを調べる。

地震を観測した二十六日、気象庁長官がその直後、会議を招集したことは分かっている。スラボン情報技術通信相は「タイでは津波はこの三百年間経験がなかったため、彼らは思いもよらなかったのだろう」と話した。

しかし、一部で流れている「観光客が多い時期だったため、警報を出さなかった」とのうわさは否定。気象庁長官の責任は「今後の調査結果を待って決める」などと話した。

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2004-12-29 12:05:05 | 記事スクラップ
ロイターより
タイ政府、津波被害額を5億1000万ドルと想定
2004年 12月 28日 火曜日 21:08 JST

[バンコク 28日 ロイター] タイのタクシン首相は、インド洋全域を襲った津波によるタイ観光産業への被害額が200億バーツ (約5億1000万ドル) に上るという見通しを示した。
首相は今回の災害について、議会に追加的な予算を提案することになるとしている。

タイ観光局のチュタマス・シリワン総裁は、被害が最も大きかったプーケット、バンガ、クラビの3県の状況について記者団に対し、「3カ月以内に最も打撃を受けたこれら3県の被害の7割方を再建することになるだろう」と言明。「ただ、これは仮定に過ぎず、実現するかどうかは確かでない」と述べた。  アナリストの間では、津波に襲われたタイ国内の6県の修復に、少なくとも半年から1年はかかるという見方が多い。

NIKKEI NETより
タイ首相、プーケット入り・被災地支援本格化

【バンコク=長尾久嗣、シンガポール=宮内禎一】インドネシア・スマトラ島沖地震から2日が経過した28日、インド洋沿岸諸国の被災地では救援活動が本格化してきた。水や食料を搬送するとともに、医師や看護師を派遣。復旧をにらみ緊急の免税や融資といった財政措置も相次いでいる。ただ、各国の取り組みにはばらつきがあり、救援・復旧プロセスに差がつきそうだ。

タクシン首相と主要閣僚は津波襲来当日にプーケット島入りし、水や食料のヘリコプター搬送など救援活動を指揮している。200人を超える医療関係者も続々と現地に入り、海軍は艦艇13隻で行方不明者を捜索中。政府は警察、国軍兵士など1000人を追加投入し救援や治安維持を強化している。同島では略奪容疑で7人を逮捕した。台湾の緊急救援隊も28日、同島に到着した。 (07:01)

津波被災体験談 (12/29 12:00収集分)

2004-12-29 12:03:48 | 記事スクラップ
静岡新聞より
無事帰国した島田の永江さん 「海が盛り上がり 泥水のような波」

「沖合五百メートルほどの海面が盛り上がり、海岸に近づいてきた。周りは紺碧なのに、津波だけが茶色に濁っていた」―。インドネシア・スマトラ沖地震で二十六日にスリランカが津波被害に遭った際、首都コロンボに滞在していた元榛原高校長で国際協力機構 (JICA) のシニア海外ボランティア永江史朗さん (69) =島田市河原二丁目=が二十八日、島田市の自宅に戻り、目撃した津波について語った。
永江さんはコロンボの海岸線にある大型ホテルの九階の部屋で、押し寄せる津波を目撃した。「三―四メートル水が引いたと思ったら、次の瞬間に泥水のような大きな波が押し寄せてきた。今まで見たことがない光景だった」。このホテルは海岸から十五メートルほどしか離れていなかったが、周囲で大きな被害は確認できなかったという。
恐怖を感じたのは空港に向かう途中で立ち寄った、コロンボから三十七キロ離れたリゾート地のニゴンボ。「町に入った途端、不穏な空気を感じた。道路に漁網やごみが散乱し、血相を変えた現地人の群衆が向かってきた。ただごとではないと実感した」。血を流したまま恐怖におびえる人もいて、欧米人男性は「高さ一・二メートルほどの速い波が来た」と答えた。
さらに、近くのホテルを見て驚いた。「ロビーにあるはずの調度品や備品が全て津波で流されていた。現地人の運転手が『怖い。戻りたい』と震えた。第一波の到来から三時間ほど経過していたが、次の津波が来たら、と私も恐ろしくなった」
永江さんが地震と津波の概要を知ったのはコロンボの空港で飛行機を待っている時。前日の二十五日には海岸線を列車で移動していて「一日違ったら、命を落としていたかもしれない」と声を震わせた。

各記事の整理&保存 (12/29 02:20収集分)

2004-12-29 02:22:24 | 記事スクラップ
毎日新聞より
スマトラ地震:
被害の実態把握難航 通信手段途絶で

スマトラ沖大地震は26日の発生から連日、1万人単位で犠牲者数が増える未曽有の事態に発展している。それでも、被災国では通信事情、複雑な政治情勢などが原因で情報収集がはかどらず、被害の全体像はいまだに見えてこない。我が家を失うなどして路頭に迷う熱帯地域での避難民は数百万人。国際社会は、被害実態の把握も進まない中、伝染病のまん延など津波の「二次被害」拡大を食い止めるという試練に直面している。【コロンボ西尾英之、バンダアチェ (インドネシア・アチェ州) 岩崎日出雄、江口一】

インド本土から東に約1200キロのアンダマン・ニコバル諸島。死者3000人、3万人が不明との情報があるが、確認作業は困難を極めている。

同諸島は572の島々で構成され、01年の国勢調査では人口は36万6000人。住民がいるのは40島程度とされるが、通信施設も大きな被害を受けており、情報収集も思うように進んでいない。

27日に現地を視察した与党国民会議派のガンジー総裁は、同諸島の死者数を「500人」と記者団に語った。だが、最も大きな被害を受けたとされるカールニコバル島では、地元警察が「海岸沿いのすべての村が流されてしまった」とニューデリーのテレビ局の取材に語った。ロイター通信によると、地元当局者は28日、同島の住民約3万人のうち2割が死亡したとの見方を示した。またインド政府当局者は、諸島全体では少なくとも7000人が死亡した恐れがあると語った。

一方で別の地元当局者はメディアに「行方不明者は約3万人。内陸の森の中に逃げているのか、津波に流されたのか、実態は不明だ」と語り、被害が想像以上に広がっている可能性を指摘する。

同諸島は、今回の地震の震源域の中にある。震源域の中では、地震の直後に津波が来る。東京大地震研究所の都司嘉宣助教授は「地震から数分以内に高さ15~20メートルの津波が諸島を次々に襲ったのではないか」と推測する。実際に、カールニコバル島を「ビルよりはるかに高い波」が襲い、建物の8割が流されたとの報道がある。

同島にはインド空軍基地がある。本来、諸島での被害実態の調査、救援活動の拠点となるはずだったが、基地全体が津波にのまれ、兵士を含む基地の要員、家族ら約200人が行方不明となった。このためインド政府は、本土から海軍や空軍を諸島近辺に出動させ捜索活動を行っているが、被害全容はまだ把握しきれていない。

◇「武装勢力」が救援複雑化

スリランカでは、政府と対立する武装勢力の存在が被害の実態把握、救援活動をさらに複雑にしている。政府が発表する死者数は国軍は国軍が展開する政府支配地域だけの被害と見られる。

島の東北部は、少数派タミル人の武装組織「タミル・イーラム解放のトラ」 (LTTE) が実行支配している。LTTEの政治部門が運営するウェブサイトでは、「東北部で6000人以上が死亡」と伝え、独自に国際社会に緊急援助を要請した。

同国で時間とともに死者数が猛烈な勢いで増えていくのは、こうした政治問題に加え、外部から近づけなかった同国東海岸から南部にかけての地域にようやく救助や捜索の手が届き、壊れたり押し流されたりした家屋などの下敷きになった死者が多数発見され始めたためだ。

同日にはコロンボ南方の海岸線を走る列車が津波により転覆した現場で、初めて捜索隊が列車の内部の一部を捜索し約100体の遺体を発見。当局はこの転覆事故だけで乗っていた約1500人が死亡したとみている。

一方、ロイター通信によると、震源地に最も近いインドネシア・スマトラ島では、アチェ州だけで、2万5000人が死亡したとの見方も強まっている。州都バンダアチェは建物が崩壊し遺体が放置されるなど壊滅的な状況が次第に明らかになりつつあるが、全面停電による交通網と通信の寸断で、なお確実な被害状況が把握できていない。

アチェ州では、インドネシア政府が昨年5月、独立派武装組織「自由アチェ運動」 (GAM) 鎮圧のため軍事作戦を展開している。ロイター通信によると、28日現在、海外の緊急救助隊はアチェに入る正式な許可証を得ていない。

◇日本人被害者 個人旅行、対応苦慮…外務省

日本人の安否の確認もはかどっていない。被災地に何人の日本人がいたか正確に把握できないためだ。

外務省が公表している行方不明者の数字は、不明者と一緒にいた家族らの「確度の高い目撃情報」を基にしており、今後増える可能性もある。同省が頭を抱えているのは、個人旅行者の所在の確認だ。津波発生から3日間で外務省には2600件以上の問い合わせが殺到した。多くは個人旅行者の親族らからの電話。パックツアーだと訪問先は分かるが、個人旅行者は飛行機のチケットだけを購入するため、目的地の国内のどこを移動するかわからない。外務省幹部は「出国記録だけでは推計もできない。現場で足を使って情報収集するしかない」という。

プーケットで情報収集に当たる在タイ日本大使館職員によると、日本人の安否に関する最大の懸念材料はプーケット北隣パンガ県の被害が予想より深刻と見られることだ。有名リゾート「カオラック・ビーチ」の数キロにわたる砂浜が売り物。同大使館員によると、パンガ県は通信事情も悪く情報収集も難航しているが、「日本人が巻き込まれたのではないか」との未確認の目撃情報が10件近くあるという。

同ビーチには宿泊用のバンガローが並んでおり、客の多くが被害にあったと見られる。「パンガ県の情報が集まりだしたら邦人の被災者数も急増する可能性がある」と同大使館員は指摘する。【矢野純一、プーケット竹之内満】

■ことば (アンダマン・ニコバル諸島)  北のアンダマン諸島と南のニコバル諸島からなるインド洋の群島。古くからインドとミャンマーの交易ルート上にあり、18世紀ごろから英国の流刑地として本格的な植民が始まった。第二次大戦では日本の占領地だったが、現在はインド政府の直轄地。インド独立後、バングラデシュから多数の難民が流入し、さらに人口が増えた。行政庁舎の置かれた南アンダマン島のポートブレアは人口約10万人。群島の大部分は熱帯性の密林に覆われている。

毎日新聞 2004年12月29日 2時03分

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2004-12-29 02:20:29 | 記事スクラップ
毎日新聞より
スマトラ地震:
救急・衛生、空前の危機

◇日本、3000万ドル緊急支援

日本政府は28日、インドネシア、スリランカ、モルディブの3カ国を中心に計3000万ドル (約31億円) の緊急無償資金協力を表明した。今後、短期的には国際機関の要請に応じ食料、水などの緊急物資を支援し、中長期的には2国間支援として地震や津波で破壊された社会資本整備にあたる方針だ。

小泉純一郎首相は同日、記者団に「できるだけの支援をするよう準備している。必要な支援をしなければならない」と強調した。

3000万ドルの資金援助は、米国の1500万ドルや欧州連合 (EU) の410万ドルなどを上回り、当面の支援額としては最高規模。日本の支援は従来、被災国の要請で動き出す「要請主義」で、後手に回りがちとの指摘があった。特に緊急無償資金の場合、具体的な使途の調整が必要で即断が難しい事情があるが、「アジアで起きた大災害であり、要請を待たず積極対応したい」 (町村信孝外相) と即断した。「各国が続々と資金援助を表明する中、乗り遅れてはいけない焦り」 (外務省幹部) もあった。

一方、海上自衛隊の護衛艦2隻と補給艦1隻の派遣も決めた。これは国際緊急援助隊法に基づくもの。救難救助を目的とする自衛隊の海外派遣は初めて。3隻はテロ対策特措法によるインド洋での活動を終えて帰国途中だったが、急きょ派遣が決まり、29日にタイ・プーケット島近海に到着する。搭載したヘリコプターで海上での捜索活動などを行う。

このほか、政府は29日、タイに国際緊急援助隊の捜索救助チーム約50人を派遣する。医療チームはすでにスリランカに派遣しており、モルディブ、タイ、インドネシアにも派遣する。支援ニーズの把握が課題だけに、インドネシアには調査チームを派遣、支援要請のないインドなどでは大使館員が状況把握に乗り出した。【前田英司】

◇日本NGOも救援開始

被災地の救援活動も始まった。国際医療援助団体「AMDA」 (本部・岡山市) は被災国や周辺に置く支部・事務所と連携し救援活動を進めている。このうち、調整員の諏原日出夫さん (58) は28日午前、インドネシア支部の医師6人とともにスマトラ島北部のアチェ州に到着、医療活動や被害情報の収集を始めた。このほか、スリランカ、インドなどでも、NGOなどと合流し、医療活動を実施する。

菅波茂AMDA代表 (58) は「被害の大きさも活動の範囲も、ともに経験したことがない規模。復興支援まで視野に入れ、全世界のネットワークを活用して救援活動に当たりたい」と話した。

京都市のNGO「日本国際民間協力会 (NICCO) 」は、スリランカに先遣した男性スタッフ1人が28日中にコロンボに到着する予定。29日には事務局長の折居徳正さん (36) が現地に向かい合流。30日からまず必要な支援品の現地調査を行ったうえで調達活動に入る。

コロンボと被災地が離れており、交通や通信が遮断されて詳細な状況はつかめていない。折居さんは「心配されるのは衛生環境。清浄な飲料水、トイレやシャワーなどの設備、下痢対策の医薬品といった物品が必要だと想定している。日本の小さな団体だが、現地のニーズに即した支援を行い、少しでも人々の役に立ちたい」と語った。【四谷寛、野上哲】

◇被害”第2の波”恐れ

犠牲者・行方不明者の収容、捜索に加え、国際社会にとって大きな挑戦となるのが、津波で家をなくした避難民やインフラが壊滅した被災地への復旧支援だ。避難民は被災国全体で数百万人に上ると推定され、アクセスが困難な遠隔地も多い。事態は、「先例のない多角的努力」 (国連のエグランド人道問題調整官) を迫っている。

すでに1万2000人を超える死者が確認された最大の被災国スリランカだけでも、避難民は100万人以上に及ぶ。急がれるのは救急医療、食料、安全な飲み水の確保など。特に、同国では飲料水を井戸水に頼っている地域が多く、冠水による被害は深刻だ。スリランカ政府は「浄水剤や井戸の洗浄装置が必要だ」と強く訴えている。

津波被害では、汚れた飲料水を媒介とするさまざまな伝染病で、犠牲者がさらに増える恐れが強い。放置遺体の腐敗は最大の感染源になりかねない。このため、スリランカ政府は手続きを省略して多数の遺体の埋葬を急ぐ構えだが、同国では12月でも最高気温が30度に達し、遺体の腐敗はすでに始まっている。

遺体処理問題では、各国から悲痛な声が届く。震源に近いインドネシア・スマトラ島のバンダアチェ郊外には1000体以上が放置されたままで、軍関係者が十分な収納袋がないと支援を要請。3600人以上が犠牲になったとされるインド南部タミルナド州でも、野ざらしにされた遺体の腐敗が始まっているという。

国際赤十字社・赤新月社連盟 (本部・ジュネーブ) は26日、伝染病予防対策で今後6カ月に50万人を支援するため、666万ドルが必要になると見積もり、各国に拠出を求めた。事務局幹部は「我々が直面する最も大きな健康への危機は、飲料水を媒介としたマラリア、下痢、そして呼吸器系伝染病だ」と語った。被災地の病院が倒壊したケースも多いという。

エグランド人道問題調整官は27日の記者会見で、津波による死傷者被害を「第1の波」とし、数百万人の飲み水が汚れたことから予想される伝染病まん延を「第2の波」と呼んだ。同調整官は、今回の地震・津波被害への対策に必要な支援額は史上最高の数十億ドルに上ると表明。被災地が広域に及ぶこともあり、今後数日以内に、数百の航空機が緊急援助物資の輸送に当たるだろう、との見通しを示した。

世界食糧計画 (WFP) はすでに、スリランカで50万人に2週間分の食料を供給するための活動を始めている。

毎日新聞 2004年12月29日 2時11分

旅行会社の対応・中国地方

2004-12-29 01:56:58 | 記事スクラップ
中国新聞地域ニュースより
無料でキャンセル スマトラ沖地震で旅行各社 '04/12/29

■窓口対応に追われる

二十六日に発生したスマトラ沖地震による津波被害を受けて、中国地方の旅行会社の窓口では二十八日、年末年始にアジア方面に向かう旅行客からの問い合わせやキャンセルなどの対応に追われた。

JTB広島支店 (広島市中区) は、被害の大きかったモルディブ、タイのプーケット島、マレーシアのランカウイ島、ペナン島の四地域について、二〇〇五年一月十一日までに出発するツアーや手配旅行のキャンセルに無料で応じている。

夕方までにキャンセルは二件。希望者にはハワイなど他地域のツアーを薦めている。被害はなかったインドネシアのバリ島やシンガポールについても「大丈夫だろうか」とツアーの予約客から電話が数件あった。

地場大手のひろでん中国新聞旅行 (同) も、モルディブ、プーケットなどの自社企画ツアーは年内出発分について無料でキャンセルに応じている。夕方までにキャンセルはなく、「被害地向けの広島発着便がなかったので助かっている」。

日本旅行福山支店 (福山市) も一月十一日出発までのプーケット、ペナンなどの主催旅行はキャンセル料を無料にした。モルディブ、スリランカ方面の旅行は同十一日まで中止した。

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2004-12-29 00:57:46 | 記事スクラップ
読売オンラインより
タイ津波警報出さず、観光業への影響懸念…地元紙

【バンコク=平本秀樹】タイの英字紙「ネーション」は28日、タイ当局が、観光業への影響を懸念してインドネシア・スマトラ島沖の地震による津波警報を発令しなかったと報じた。

同紙によると、地震発生を受け、スパラーク気象庁長官を議長とする緊急会議が開かれたが、観光シーズンでホテルがほぼ満室であることが重視され、警報を出して客を避難させて何も起こらなければビジネスに影響が出るとして、警報発令を見送ったという。

また、気象庁関係者は同紙に対し、「2002年11月のスマトラ島沖地震の際にタイには影響がなかったから、今回も津波は起きないと考えた」と語っている。

こうした報道に対し、スパラーク長官は、観光業への影響を議題としたのは、「津波被害が出た後のことだ」と反論。また、タイでは300年以上も津波がなく、約900人の気象庁職員のうち、地震専門家は4人しかいないとして、「我々は最善を尽くした」と主張している。

(2004/12/28/23:39 読売新聞 無断転載禁止)

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2004-12-28 22:48:12 | 記事スクラップ
毎日新聞より (画像あり)
インド洋津波:
小さなリゾートアイランド「ピピ島」をルポ

セ氏35度を超す猛暑の中、懸命に続く捜索。「全部の遺体を見つけ出すのに一体どのぐらいかかるか……」。地元の警察官は汗みどろになって作業を続けた--。プーケット島の南東約45キロにあるサンゴ礁に囲まれた「ピピ島」。28日、地元警察などの救助隊に同行した。小さなリゾートアイランドは主立った繁華街が津波にのまれ、バンガローなどが無残な姿をさらしていた。【宍戸護】

ピピ島は、二つの島からなり、人が多く住むドン島は南北約8キロ、東西約2.5キロ。救助隊は約10人で、プーケット島から船で約1時間半かけて到着した。

「免許証かパスポートを探せ」。午後1時ごろ、ドン島の繁華街にあるタイポムゲストハウス。おので木製ドアを破りながら、警官のトゥ・プラ・モーさん (44) は叫んだ。天井が落ちた1階部分から20代のタイ人女性の遺体が見つかった。激しい腐敗臭が鼻を突く。3人がかりで遺体を白い布に包み、外に運び出した。モーさんは、27日から生存者の確認と遺体捜索にあたっている。

ドン島の繁華街は、歩いて5分で横断できるほどの細長い土地にあり、約200メートルにわたって、数百の土産物店やバンガローが軒を連ねる。

木造のバンガローはめちゃめちゃに壊れ、がれきの山と化していた。平屋建ての土産物店の並びの白壁には、約1.5メートルの高さまで、泥流の跡が黒々と残っている。津波が街全体を覆いつくした様子がよく分かる。

モーさんを含め、救助隊員のオレンジ色のTシャツは汗でぐっしょり。がれきの間や海中から次々に遺体が見つかった。ヤシの木がなぎ倒された浜辺の近くには、白い布にくるまれた約50の遺体が並べられている。港に停泊中のタイ海軍の船には、既に30体ほどが運び込まれたという。

かばん店を経営するブンマ・サリムさん (45) は「低い津波が来た後、高さ十数メートルの波に襲われた」と話す。近くのホテルに逃げて無事だったが、店内は泥だらけで再開のめどは立たない。散らばった商品を手に、サリムさんは「これからどうしたらいいのか……」と表情をゆがめた。

毎日新聞 2004年12月28日 20時47分

NEWS EVEより (動画あり)
プーケット島、復旧作業はかどらず

プーケットやその周辺では、これまでに日本人2人の死亡が確認されていて、日本大使館では、そのほかの行方不明の日本人について、安否の確認に全力を挙げています。
日本大使館では、プーケット市内に日本人で被災した人たちのための支援の窓口を設置していて、知人が行方不明になった、パスポートや荷物を流された、などといった人たちの相談にあたっています。

一方、死亡したと見られる福岡市の会社員、柿木奈緒子さんの家族が、間もなくプーケットに到着し、身元の確認などを行う予定です。

ところで、プーケットでは本格的な復旧作業が始まっていますが、街のあちこちに津波で打ち上げられたり横倒しになった車が放置されたままになるなど、依然、作業は思うようにはかどっていません。

波打ち際から、およそ30メートルほど離れていますが、ホテルの中は、完全に池のようになっており、こんなところにあるはずのない車が水没しているのが見えます。

プーケットでも観光客が多いことで有名なパトンビーチからおよそ50メートルほど陸に上がったところでは、ビーチに駐車されていた車なのか、4台積み重なっているのがわかります。車が完全にひっくり返っています。また、近くのホテルには、車が中に押し寄せられていて、3台ほどホテルの中にあるのが見えます。

タイ政府のまとめによりますと、今回の津波によるタイでの死者は、これまでに1000人を超え、ケガ人は7500人以上に上っています。

行方不明者については現段階では、どれだけいるのかハッキリしたことはわからないとも言っていまして、今後さらに被害が増える可能性があると見ています。(28日18:38)

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2004-12-28 22:47:12 | 記事スクラップ
asahi.comより
死者約3万7千人、史上最悪規模 スマトラ沖地震・津波

スマトラ沖大地震とインド洋津波の死者は発生から3日目の28日、約3万7000人に達した。ロイター通信などの集計で、前日と比べて1.7倍も増えた。津波による災害では観測史上、最悪の規模となった。被災地では、水や食料の不足、伝染病などへの懸念が深刻化。国際機関や主要国などが支援物資の緊急輸送を始めたが、通信や交通網が寸断されたままで、救援は遅れている。

捜索が本格化して発見遺体が急増しており、新たにスリランカで7000人、インド3000人、インドネシア2000人などの報告があった。スリランカでは、商都コロンボから南部のガールに向かっていた列車が津波に流されて転覆し、乗客1500人が死んだことが明らかになった。タイではプーケット島周辺の観光地を中心に犠牲者数が2倍近く増えた。

死者総数は1883年、インドネシアのクラカトア火山噴火による津波で3万6000人が死亡した災害を上回り、最悪の事態となった。各国政府は今後も増えるとの見通しだ。

インドの主な被災地では、がれきの中から遺体を運び出す作業が28日も続いた。屋外に仮設した安置所に遺体が運ばれ、集団埋葬用の穴に埋めているという。遺体は暑さで腐敗が進みやすく、衛生環境は悪化するばかりだ。マラリア、腸チフス、下痢症など感染症の発生が懸念されている。

震源に近いインドネシア・スマトラ島のバンダアチェでは、水道や電気、電話が全面的にストップ。食料不足も深刻だ。住民は余震や津波の再発を恐れて避難する人も多く、疲労ぶりが目立つ。地元自治体などは数百人規模で散乱する遺体を埋葬しようとしているが、作業ははかどらない。腐敗が進み、伝染病の懸念が強まっている。現地を視察した同国のユドヨノ大統領は28日、「島の西部で道路が寸断し、住民が孤立状態に置かれている。正確な被害状況も分からない」と述べた。

国連によると、世界の20カ国以上が輸送機数百機を被災国に急派し、衛生分野などを中心にした緊急支援物資を供給する計画という。

(12/28 22:25)