泡姫の本音。 ~イイ男になる為の講座~

【イイ男】になりたい、そこの男性諸君っ!!
ここにある女の本音を、はいっ熟読熟読!!!

泡姫の本音 ~その53~

2006年04月19日 23時55分20秒 | 独り言。




『別に東京まで連れ出してくれ、って頼んだ訳じゃないんですけどぉ。
 何か、シュンくんのお姉さん?が、東京にいるって言うから、付いて来ただけでぇ…』




"シュン"とは、先週明けから行方不明になっていた、我が愚弟の名である。
その弟を"シュンくん"と称し、彼氏とするこの娘は、"リカ"ちゃんと言う、らしい。

そして何の因果か、彼らは今、
私の狭いワンルームに鎮座している。

心無しか、リカちゃんの口調が阿呆にしか聞こえないのは、私の偏見か否か。



『姉ちゃん、悪かったなぁ。今回は連絡も無しに、押し掛けてもて』

『あぁ、全く』



昨日、と言うか、今日。
警察と名乗る男性から、
"貴方の弟を預かっています。確認の為、いらして下さい"、との通達があり、
11㎞程、眠い目を擦りながら駆け付けたのが、AM2:30前後。

小さな署のドア越しには、あら不思議!
『声優に、俺はなる!』と母宛に書置きして消えた弟が、
女連れで、佇んでいるではありませんか!



訊けば、彼女であるリカちゃんが、
『どうしても家が嫌なの!私を連れ出して!』と、
我が愚弟に懇願したのが、事の始まり。

18歳。たった今高校を卒業したような小娘に、逃避行への資金は無く、
恋人であるシュンを頼ったのだが、当然ニートの経済力など当てにならず、
結局真夜中、宿無しで途方に暮れていた所を、
巡回中の警官に補導されてしまった、との事。



そんな馬鹿者どもを、お仕事返上で引き取り、風呂に入れ、食事を与え、寝かせ、
起きたらまた食事を与え、挙句、洗濯までやってあげた次第である。



『兎に角、お姉さん、本当に助かりましたぁ!
 でも、東京に住んでるなんて、カッコいいなぁ。リカも住んでみたい~♪』


まるで、観光気分である。

『まぁ、此処は都心の端だから、丁度良いかもね』

『としん?としんって?』

"都心"も知らんのか。
口調だけで無く、やっぱり根本から阿呆だったか。

『街の中心部っていう意味よ』

『へぇ~。じゃあ、家賃とか大変なんじゃないんですか?』

『そうね。でも働いているから、何とかね』

『どこでバイトしてるんですかぁ?』

『ソープランドよ』

『…え?ソープランドですか?風俗ですか?!
 風俗なんて、汚い女が行くところなのよ!不潔だわ!!インモラルだわ!!
 いやぁっ…、さっきこの人の作ったチキンライス、食べちゃった…!
 性病になっちゃう!!慰謝料払ってよっ!!誰か…誰か、助けて!!』


…と、返答されると女の勘が告げるので、いつも通り偽る事に。

『家庭教師よ。掛け持ちで3人』






* * * * * * * * * * * * * * *







『ごめん。もうちゃんと帰るから…』

『そうして。
 どうせお前ら二人とも、ハナっから何も考えてねぇんだろうし。
 ところで、リカちゃんの実家に侘びはちゃんと入れたんやろうね?電話ででも、何でも』


シュンの隣で、安心しきった顔で眠るリカちゃんを見て、
徐々に例え様の無い苛々が湧いてくる。

元来、私は年下の女の子には特に優しいのだ。
鍛え上げたハスキー声の所為で、凡その人間は一歩引いてしまうからだ。
自分で言うのも何だが、そんな私を、よくもここまで呆れさせてくれたわね。

時刻はとうに、PM4:00を過ぎている。

お前たち二人に問いたいわ。
"このコのどこに惚れたの?"

『…いや、まだ』

『死ね』

『………。』

財布を取り出し、諭吉を数人取り出す。
これ以上、馬鹿者どもと同じ空気を吸うと、馬鹿が伝染るわ。

『今すぐ帰って、リカちゃんのご両親に土下座してこいや』

『あ、でも、家出はリカが言い出した事だし…』

『ボケが。立派な誘拐犯やろが。
 けど、お前が未成年だった事と、捜索願が出されてなかった事が幸いだったな。
 今なら、まだ許して下さるかもね』


『え、何で、捜索願が出てないって分かったん?』

いよいよ、立腹が最頂に達する。

『そんなん出てたら、私が警察署からお前らを引き取れた訳無いやろ!』

怒鳴った拍子に、リカちゃんがハッと目を開ける。

『リカ、そろそろ帰ろ?帰って、俺、謝らないと』

『…え?誰に?誰に謝るの?』

『リカの、親父さんとお袋さんに。
 "家出の手伝いをしてしまって、ごめんなさい"、って』


『それは…、嫌!帰りたくない!
 お姉さんお願い!お願いだから、もう1日だけ、泊めて下さい!!』


『いいえ。私まで、君の内情に巻き込まないで頂戴』

『じゃあせめて、お金下さい!10万でいいです!!

………。

理性、理性。自制心、自制心。
女の子だもん。殴っちゃ、駄目。

『ねぇ。そんなに、お父さんとお母さん、嫌い?』

『大っ嫌いですよ!あんな奴ら!!』

『どうして?それは、家を出た理由とイコールなの?』

『…私、フリーターになりたいんです。
 何か進学して、また勉強するのも嫌だし、だからって就職だって、今、無理なんでしょ?
 フリーターだって、頑張れば稼げない訳じゃないって、みんな言うし。
 それをね、親が毎日叱るんですよ。就職しろって。
 それがもう、ウザくてウザくて。だから、鬱病になる前に、家を出ようと思って…』


まぁまぁまぁ、幸せな鬱病ですこと。

ソクラテスの云う【無知の知】のある人間なら、暖かく手を差し伸べてやるものの、
なかなか、面倒臭そうだ。この、自分大好きリカちゃんは。

最終的にそう判断した私は、
ご丁寧にも最寄駅まで搬送して、決別。

彼女とは、二度と遭遇する事も有るまい。



…それとも、今時の感覚って、こういうもの?

初対面、それも目上に人間の目前で、寝れる?洗濯を頼める?金をせびれる?












ジェネレーション・ギャップを痛感した、貴重な1日でしたとも。






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