カレーです。
最近、文字を打つ瞬発力がめっきり衰えました。
考えていたはずの言葉が文章にしたときに
なんとなく言葉足らずになったり、
それの補足に随分と遠回しな言葉を使った挙句、
着地点がうやむやになったり。
つらい。
“ゴールデンウイークの作文”と銘打ち、
色々書こうと思っていましたが、
気付いたらあっという間にゴールデンウイーク前半終わってしまった。
つらい。
今年のゴールデンウイーク、
“行きたいな”と思わせる興行がホントにたくさんあるんですよ。
カードを見ても色々言葉にしたくて、
たとえば、HEAT-UPのメインに出てくる長井(満也)さんの凄さについて、
リングス時代の背景知識とか全然ないけど書きたかったですし、
この5月〜の流れの中で女子プロレス界のシングル三冠の可能性があった
優宇選手の進撃っぷりとかもアレしたかったし。
あとは私絶妙にタイミング合わなくて、
春輝つくし選手の引退と藤本つかさ選手の休業前についぞ観る機会なく。
九州プロレスにも行きたかったし、
大阪プロレスにも行きたかったし、
ゴールデンウイーク最終日のBURSTも行きたい。
しかし、残念ながら。
人間の能力には限りがあり、その上限は知らんうちに
年々狭まっていることを実感しました。
でも、何とかして、
少しだけでもいいので、
作文しておきたい試合があります。
最近涙腺のゆるゆるな私が、また泣いてしまうんではないか、
と思っている試合。
大家健vsマッスル坂井について。
プロレスに限らず趣味の世界、もっといえば“好き”の世界は、
様々なきっかけに次ぐきっかけの連続で、
気づいたらその世界からドップリ抜け出せなくなっている、
なんてことが往々にしてありますことと存じます。
私にとってそれはミツボシカレーであり、
カレー食ってたケニー&中澤さんであり、
初めて観に行った興行のユニオンvsベルトHUNTER×HUNTERであり、
KO-D挑戦者決定ランブルを制したマサ高梨であり、
そこでいつでもどこでも挑戦権を手にした大家健であり…
という、目の当たりにした出来事の連なり。
見ている中で受け取った様々な出来事が物語を生み出し…
気づけば、その世界に埋没している。
“沼”という形容がありますが、
個人的にはもっと滑らかで、スポンッと深く深く包み込まれるイメージ。
そのきっかけの連なりの中に…
マッスル坂井選手がいます。
“マッスル坂井”というプロレスラーを説明するには、
もはやこのブログに書くような文字数では足りそうもない。
元々DDTに映像班として働きながら、
“プロレスラーはプロレスラーの言うことしか聞かない”ことを背景にしてか、
前後関係はどちらがどうだったか曖昧ですが、
名門アニマル浜口道場に通い、そしてそれが大社長・高木三四郎選手にバレ、
「体格がいい」ことを理由に練習生扱いのままリングに上げられたり。
当時世間に話題を振りまいていた“ハッスル”に影響を受け、
ファイティングオーディション“マッスル”を大社長命で主宰。
すると…“いこうよ、プロレスの向こう側”を標榜するこの催しが、
プロレスファン層のみならないところに届く形で、話題を振りまくようになります。
一応人材発掘を謳っていたマッスルですが、
趙雲子龍とアントーニオ本多の“発掘”は、
間違いなく現代まで届いている成果。
開催するたび後楽園ホールを満員にし、
単独武道館進出を標榜するなど、
大きなうねりを作り上げましたが…
一方で、坂井選手自身も様々な悩みを抱えながらの
大会開催であったことが、今に残る映像からも少しだけ伺いしれます。
2010年、マッスル坂井選手は実家の金型工場を継ぐため、引退を発表。
私にとってマッスル坂井というプロレスラーをちゃんと知るのは、
この引退が契機でした。
私が初めて観に行った引退試合、
私が初めてプロレス興行の“感想文”を書いたのが、
マッスルハウス10。
マッスル坂井、引退興行です。
そしてプロレスを観てこうまでグスグズに泣くのも、
この興行が初めてでした。
その後なんやかんやあったりなかったりしながら、
ある日、新潟のご当地プロレス団体・新潟プロレスでの、
緑色のマスクを被った大柄なマスクマンの映像を目にしました。
そのプロレス初心者である地元の方々を前にしてのあまりに奇妙な前説に、
興行を共催していたセンダイガールズの里村明衣子選手が
動画を撮りながら笑い転げる様子が、おそらく私が最初にそのマスクマンを知った契機。
そして、その緑色のマスクマン…
スーパー・ササダンゴ・マシンは、
マサ高梨(当時)に発見されることになりました。
以降、マッスル坂井という存在はファンタジーとマスクの中にウヤムヤにやりつつ、
たまに顔をのぞかせたり、
興行(#大家帝国興行、マッスルマニア、まっする)を主宰したりするようになる…
という今に続いてます。
そのマッスル坂井選手と、大家健選手との関係については、
その一端を公式がすこし示していました。
大家健選手にとってマッスル坂井選手は同期であり、恩人であり。
…でもたぶん、一番念頭にあるのは、“ともだち”なんじゃないかと思ってます。
マッスルハウス…7かな?8かな?
後楽園ホールで行われたこの大会で、
マッスル坂井とマッスルメイツたちは、
その培った文化と技術を総動員し…
マッスル坂井は、大仁田厚から3カウントを奪うという快挙を成し遂げます。
そして始まった“大仁田劇場”。
マッスルを、そしてマッスル坂井を鼓舞するように劇場を展開する
大仁田厚を前にして。
大家健は、マッスル坂井が何者かを、必死に大仁田厚に伝えました。
“友達なんです!!”
“助けてもらったんです!!”
少し大仁田さんが苦笑いを浮かべる中での、
必死の言葉は。
もしかしたら、少し嘲りもまじった視線もあったかもしれません。
それでも、大家健が発したその空気は…
“劇場”の空気を、一瞬、凌駕するようでもありました。
4.9新木場大会で大家健の前に現れたスーパー・ササダンゴ・マシン。
大家健は眼前に立つマスクマンに、
「なんでお前なんだよ」
スーパー・ササダンゴ・マシンは、
「CyberFightの人に言われてきた」ことに少し不満げにしながら。
それでも、大家健と対峙する覚悟は、
誰よりも先に固めていました。
「大家さんはこんなもんじゃない。
今日の大家さんは?
まぁまぁよかった。
#大家帝国のころは?KO-D.無差別とったときは?
よかったかもしれない。
…でも、こんなもんじゃない。」
大家健にも。
そして、自身にも。
まだまだ伸び代が、プロレスラーとしての伸び代あることを
誰よりも信じているようで。
この試合が後楽園で行われることを、
個人的には少し、“もったいない”と感じていました。
でも、週刊プロレス奈良記者を通じてのマッスル坂井インタビューを見て、
納得が行った部分があります。
ガンバレ☆プロレスはもうすでに、
大家健だけの団体ではない。
誰でも主役になることができる。
でも。
「だからこそ」
他に主役がいることは、
自分が、主役を退いていい理由には、ならない。
自身が生きてる世界の中では、自身が主役にならなきゃいけない。
それは、ガンバレ☆プロレスがずっとずっと紡いできたテーマでもあります。
そして主役になるために。
今、“友達”とプロレスラーとして向き合うとき。
“やるかやらないかの人生なら、やるを選ぶ”二人のプロレスラーの物語を、
聖地で。
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